27.《ネタバレ》 ラースが意気揚々とビアンカを兄夫婦に紹介した時はこれはヤバい、とわたしも夫妻同様大いに焦ったのですが、ストーリーはほとんどファンタジーのような優しさと親切で展開しました。 街の人たちがほぼ皆ビアンカを「そういうこと」として受け入れ、助けてくれる。まあ、ラースが迫害される(こっちの方が現実的)のを見るよりはこちらも心が安らぐのでやや現実離れした話でもアリかな。 甘々な話ではあるけれど、兄夫婦のショックや戸惑いといった感情描写なんかはとてもリアル。特に優しい義姉が唯一爆発したシーンは心に残ります。「皆気を使っているのに。だってビアンカは大人なんだから」ここ、よく「人形」と言わずにこらえましたねえ。お義姉さん、エライ。 ちょっと注文をつけるとするなら、ラースが人々にこうも受け入れられるほどの‶善良なやつ”として好かれているという描写が前段のうちにもっと欲しかったです。ぱっと見陰気なコミュ障、で切り捨てられかねないキャラクターですから。あと、人形を搬送するのに難を示さない救急車てのもなんかびっくりするなあ。そこそこ大きめな街だったように思ったのですが。もっと小さい村単位の話なら、隅々までビアンカの話が行き渡っていても無理はないかなと思いますけども。いや、些末なコトですね・・。 ライアン・ゴズリングには驚きました。これまで彼の役は「イケてる自信家」的な仕事しか観ていなかったので。彼の器用なことには目からウロコです。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-10-12 22:56:03) |
26.《ネタバレ》 かなり深刻な題材を扱いながらも、たまに笑いを入れて重くなりすぎないよう微妙な温度感まで調節された脚本と演出が素晴らしく、高評価にも納得の作品となっています。 ただし、面白かったかと言われると微妙。ラースの抱える心の闇がほとんど描かれておらず、また、ラースの異常行動に対する住民たちのリアクションも行儀が良すぎて、もうひと山を作れていないような印象を受けるのです。ドロドロの葛藤を描くべきとは言いませんが、たまにラースを傷つける人が現れて、順調に進んでいた治療が逆戻りするかもしれないというハラハラ感を出してもよかったのではないかと思います。 また、ラースの心境にフォーカスしても、マーゴとの距離が近づいた途端にビアンカを葬るという解決方法には違和感を覚えました。彼にとってラブドールのビアンカは現実の女性と同等の存在。都合が変わったからと言って、ビアンカを殺してしまうという選択肢はモラルに反しているように思いました。ビアンカはラブドールであることをラースに認識させた上で、次のステップに進ませるという解決にした方が、個人的にはスッキリしたと思います。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 6点(2016-01-26 16:20:03) |
25.コメディーだと思ったら、ほぼ完全なストーリー映画でした。 ほのぼのとしたハートフルな雰囲気に、一風変わった設定、面白い切り口で主人公の心情とテーマを表現しており、丁寧に作られた作品だなという印象。 ただあまりにも真面目に作られすぎていて、後半は息苦しさを感じてしまいました。 そもそも主人公の抱える問題が重いので、仕方のない展開ではあるんだけど……。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 5点(2014-09-15 01:07:37) |
24.《ネタバレ》 人と上手く関わることが出来ない内向的な青年ラースが、兄夫婦の家に彼女として連れてきたのはリアルなセックスドールだった。当然のように動揺する兄夫婦。そして小さな町に彼の噂は瞬く間に拡がってしまう。周りの同僚、友人たちの当然の心配や嘲笑をよそにラースとその彼女はどんどんと愛を深めていくのだが、やがてそれは小さな奇跡へと繋がってゆくのだった。うーん、設定自体は秀逸だと思うのですが、それを巧く活かしきれていないという印象を持ってしまいました。こんなに奇抜な設定なのに、肝心のストーリーのほうはあまりにも淡々と進むため、少々退屈。もっと笑いの部分があっても良かったと思うんだけどなー。それに、ラースが心を病んでしまった原因は自分の出産のせいで母親が死んだという罪悪感と、妊娠している義理の姉もそうなってしまうのではないかというストレスのせいなのだから、当然最後は彼女の出産が絡んでくると思ったらそこにまで至りませんでした。やっぱり、最後は義理の姉が無事に出産してくれなきゃすっきりしないですって。それに、ラースの周りの人々がそろいもそろって皆良い人ばかりなのも僕には合わなかったです。うん、4点!ごめんなさーい。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 4点(2013-12-23 11:49:59) |
23.周りの人々が温かい。これも彼の人徳なのでしょうな。ビアンカの存在を受け入れられたら素晴らしい映画になりますよ♪ 【movie海馬】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-26 16:46:48) |
22.突拍子もない展開を、素晴らしい演技と演出によってリアリティを感じさせている。徐々に魂が吹き込まれていくようなビアンカとともに、マーゴの存在が効いている。 【noji】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2013-08-31 11:35:30) |
21.《ネタバレ》 これはなにやら、かなり秀逸な映画であるように思う。ラースの心情の変化が、本当に微妙な変化が表現されている。温かい。教会で小さな人形に触れるラース。カリンに抱きしめられ、逃げて転ぶラース。医者に少し触れられただけで痛がっていたのに、いつしかエリックに言われる「力強い握手だ」という言葉。色々なサインが映画の中で登場していて、感心してしまう。ビアンカの表情も場面によって違って見えるから不思議だ。そして何より、ビアンカを紹介されたときの兄夫婦の表情は傑作だった。 【lalala】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-07-30 00:24:05) |
20.《ネタバレ》 「他に好きな人ができたけどビアンカとは別れられない‥→死んじゃった設定にしよう!」というのがなんともおもしろい。 【akila】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-02-03 22:51:09) |
19.《ネタバレ》 リアルドールを生身の人間と勘違いするちょっと頭のおかしい男の話で、それを題材に、社会におけるミスコミュニケーションの問題に切り込んだりするのかなと思って鑑賞したのだが、全く逆の意味で素晴らしい映画であることに驚愕した。この映画はラースとビアンカの関係性を元に社会問題を風刺するような、そんな浅はかな社会派映画ではない。人間愛というものについて、深く考えさせられる映画だった。 確かに、リアルドールを自分の彼女と考え、それを他人に紹介するラースの思い込みは異常である。しかし、多くの人は何かモノに執着して生きている。マーゴのテディベア然り、男性同僚のフィギュア然り。ラースの住む小さな町の人々は、人ではなくモノを愛してしまったラースをとても優しく受け止める。この「優しさ」(人間愛とも言う)が一貫してこの作品の底流となっており、それが観ていて心地よかった。観客も町の住人と一緒にラースとその彼女を見守ることになる。 ラースがビアンカを愛してしまった背景も考えてみれば興味深い。自らのお産では母を亡くしたラースにとっては、兄嫁の妊娠はおめでたいことであると同時に、恐ろしいことでもあったのだ。兄嫁の様子がおかしいと先生に訴えるシーンからも、それは見て取れる。そのストレスと人に触れられることを病的に恐れる性質から、彼はリアルドールにその行き場のない愛をぶつけることになった。このあたりは、もっとラースを屈折した気持ちの悪いキャラクターに描くことも可能であったはずなのだが、あえて監督はそれを避け、この映画のメルヘン性を維持している。 とにかく、観てみなければ分からない独創的な映画であるし、非常に優れた映画でもある。これを観た後は、観る前よりも少し人に優しく接することができそうな気持ちになるのだ。しかもその押し付けがましさを一切感じさせないところが何とも心憎い。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-12-17 20:26:27) |
18.《ネタバレ》 主演のライアン・ゴズリング演じるラースと、それをサポートする人々の優しさに引き込まれる映画。これは真剣に見ればコメディ色がなく、完全なヒューマンドラマだと思う。 途中、自分にアプローチをしてきたマーゴに恋人が出来たときは、ラースがあからさまに苛立ったする様子を見せたし、医師がラースは精神疾患ではないという判断も下した。ではラースの恋人になった人形のビアンカは結局なんだったのか?人嫌いになった父親に背負わされた闇からの逃避だったのか、母親の死に対する罪悪感からの救済だったのか結局のところ最後まで明確に語られることはなく、その判断は観ている側に委ねられる。 最後にビアンカが死に向かっているとラースが感じたのは、図らずもラースが今までの自分から前進したからに違いない。そしてラースが流した涙は寂しさや悲しみから来るものではなく、苦手だった女性との関わり方をビアンカを通じて取り戻せたことに気付いた感謝の気持ちから来たものだったのかもしれない。 【シバラク・オバマ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-05-11 00:08:23) |
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【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-02-16 00:46:22) |
16.テーマは隣人愛なのかな。ボーリングのありえない投球と「救急車?」のとこは笑った。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-08-21 18:40:28) |
15.《ネタバレ》 主人公がお兄さん夫婦にビアンカを紹介するまでは笑えましたし、この後どうなるんだろうという期待が持てました。しかし内容は面白いものではありませんでしたし、心温まるものでもありませんでした。何とも言えない映画でした。お兄さんと大人になることの自覚について話す場面は良かったと思います。マーゴ役の女性は自然な演技でチャーミングで良かったです。途中で観るのをやめようと思いましたが、マーゴは最後どうなるのか気になって観終えることができました。実際にはかなりヘヴィーな内容の映画です。コメディーやハートフルを期待せずに観ることをおすすめします。 【大谷イレブン】さん [DVD(吹替)] 4点(2010-08-15 20:03:41) |
14.《ネタバレ》 ビアンカはラースのイマジナリーフレンドだったのだと思います。ビアンカとの決別は彼のこころの成長を。リアリティのために下世話な描写も若干ありますが必要最低限におさえているので子どもと鑑賞しても大丈夫かな? 【かれく】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-04-03 11:59:35) |
13.《ネタバレ》 何だか暖かい気持ちになれる良作。 敢えてそうしているのだろうけれど、実在の人間であるマーゴさんの描写が生き生きとしていて良かった。 テディベアに人口呼吸と心臓マッサージをしてあげるシーンは素晴らしい。愛すべきワンシーン。 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-03-13 21:39:53) |
12.要するにダッチワイフの話という点で本作は「空気人形」と似ている。しかし、心を持った空気人形が、「心なんか持ったら面倒だ」と言われるのに対し、本作は心がないはずのビアンカが、さも心を持っているかのように周囲から生かされているという話で、全く正反対である。不思議なことに、人形が動き出すという設定上、ファンタジー要素は前者のほうが強いはずなのに、本作のほうがよりファンタジックである。多分、現実ならば、この映画の登場人物たちのようにラースを温かく見守る人は皆無で、どちらかといえば、大多数の人間がラースを気味悪がるはずだと思うから。そういう意味では、「空気人形」の登場人物たちのドライさが私にとっては現実的で、ラースの周囲の温かい人たちは何だか出来すぎた感じがした。だが、虚構ゆえに、と切り捨てたくない気持ちがあるのも確かだ。「ビアンカの存在は我々の勇気を試した」という神父の台詞があったが、そのまま私自身にも投げかけられたような気がしている。 【よーちー】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-08 20:19:05) |
11.《ネタバレ》 人形のことを知ってから注文し届くまでの間にどのようにして本人が話を作り上げて受け入れていったのかということから既に理解しにくいところがあるし、病気になってなくなってしまうことにしたことのは人間は無意識にも自分勝手なところがあるんだなと感じてしまう。一見するとかかわってはいけないと思ってしまうようなラースの行動を暖かく見守っている周りの人々(もちろん葛藤があることも描かれてはいたが)に感銘を受けた。自分ももう少し人に優しくなりたいなと思うときにまた見たいと思う。 【HK】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-12-18 17:55:29) |
10.《ネタバレ》 ◇先日「空気人形」を見た読後感(鑑賞後感?)から、ちょっと気分を変えたくて、似たテーマの本作を鑑賞。◇特に印象に残ったのは、「イエス様ならどうされたか」というセリフ。悪人が一人も出てこなくて、暖かく受け入れようとする街の人たちの姿勢に癒されました。◇だんだん「ビアンカ」に表情がでてくる気がするのは、撮り方が上手いからなのでしょう。◇ラースとマーゴが今後、上手くいきますように。 【ハクリキコ】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-11-26 01:00:22) |
9.《ネタバレ》 コメディーかと思って観たら全然違った。本気で病んじゃってるんだよね~。街のひとが嘘っぽいんだけど、「みんなラースが好きだからビアンカを歓迎してるんだよ!」てのが泣けた。 【kaneko】さん [映画館(字幕)] 5点(2009-11-18 22:36:18) |
8.隅から隅まで優しさであふれている映画でした。ラースの成長を街ぐるみで見守り後押しする。ホントにいい人だらけで心が洗われました。 彼にとってビアンカは母親の投影であり、彼女であり、友達であり、先生であったのではないかと思いました。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-11-14 00:45:27) |