186.《ネタバレ》 腐った警察の隠蔽体質の恐ろしさ。 その警察とグルになった精神病院での追い込み方が、恐ろしさに輪をかける。 有能な弁護士に、責任逃れしようと嘘の証言をする警部がやりこめられる様は溜飲が下がる。 アンジェリーナ・ジョリーもいいし、犯人役も演技がうまい。 偽のウォルターが現われた部分に関してはフィクションだと思っていた。 よくこんなご都合主義のありえないストーリーをと呆れたが、これも実話だったことに驚き。 事実は小説よりも奇なりとはよく言ったものだ。 実話だという裏づけがなければ、観客を舐めてるのかと酷評が巻き起こっても不思議じゃないくらい。 ラストの逃げ出した子どもが見つかったのはフィクションだが、そこに救いを作ったことはお見事。 どうしようもない事件の陰鬱な印象を打ち消し、作品として完成度が上がった。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-02-07 21:05:38) (良:1票) |
185.《ネタバレ》 まず一言、面白い! でも、いくら「事実に基づいた…」と前置きしたからといって、どんなストーリーにしてもいいのか? ホントに本当なの?! 日本で作ったら誰も相手にしないよ。こんな設定!。 いなくなった息子が全く違っていて、そのまま話が進むものかと疑わずにいられない。 他人の子と対面して、母親が「もしかしたら私が混乱しているのかも…」って言うか?! でも、まぁいいか…。 まず、息子だと名乗り出た子供が、まるでオーメンのダミアンのようで怖かった。 それから警察を敵に回すというのは「セルピコ」を観た時のようで、これもまた恐ろしい。 あ、それから、この映画、吹き替えがミスマッチです。 普段吹き替えで観ている私ですが、本作は字幕スーパーで観た方がいいです。 吹き替えだとジョン・マルコビッチが全く生きてないのです。マルコビッチ演じる牧師と警察と、どっちが正義なのかわからないくらい声優の声が怖い。 アンジェリーナ・ジョリーの見方になる者が警察に対抗できるかどうか、そこんとこの力関係が微妙でスリルがあり、さらに感情移入できる。 どっちのほうへ進んでいくのか全くわからないまま、あっという間の2時間20分、最後は、いかにもイーストウッドらしい、観客には、スプーン一杯の幸せを味あわせてエンディングロール、いい映画でした。もう一度字幕で観賞しました。 【クロエ】さん [DVD(吹替)] 8点(2012-08-27 04:19:23) (良:1票) |
184.実話である事を疑いたくなるほど非常に酷く、重く辛い話。しかも淡々と抑揚の少ない演出ながら軽く2時間を越える上演時間をしっかり見る者を惹きつける。監督イーストウッドの凄さを改めて実感しました。 決して楽しい映画ではないし、2度と見ることは出来ないかもしれません。しかし、1度見て暫くたてば中身を忘れてしまう映画もあれば、1度の鑑賞でも忘れられず心に残っていく映画もある。本作もそんな素晴らしい映画でした。 ラストにささやかな希望を見せてくれたことも嬉しかった。このラストの「希望」が有るか無いかで鑑賞後の感想が大きく変わっていたかもしれません。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-04-29 17:17:06) (良:1票) |
183.イーストウッドの作る作品はあらすじだけ読むと、一見敷居が高そうだけど、 実際に鑑賞すると取っつき易いものが多い。本作も開始早々、すぐに感情移入ができます。 それにしても、これが実話ベースのお話とは驚き。びっくりしつつ、ハラハラしつつ、 憤怒の情を覚えながら、たっぷりとストーリーに浸らせていただきました。 イーストウッドの監督としての手腕を堪能できる作品。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-10-09 16:54:49) (良:1票) |
182.《ネタバレ》 これはヘタなホラーよりも余程恐ろしい。権力が腐った人間に牛耳られるとどんな事が起きるかということがよくわかる。 昨今の冤罪事件などを見れば、事件から1世紀ちかく経った今日でも、これはタイムリーなテーマであると思う。 こんな恐ろしい物語をイーストウッドは奇をてらうことなく、淡々と、いつもの彼らしい視線で物語を紡いでいく。 不正義に対する熱い怒りは伝わってくるのだが、それを過剰に騒ぎ立て演出したりはしない。あくまでも淡々と、人間そのものに対する暖かい視線を忘れない。 主演のアンジェリーナ・ジョリーは、女優業以外での話題ばかりが先行しているが、彼女の出演作を観るのはこれがはじめてとなった。 いや、本当に魅力的な女優だ。彼女はもう俳優業への興味を失ってしまったらしいと報道されているが、きっとそれだけの枠に収まらない人物なのだろう。 【ロイ・ニアリー】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-12-09 13:44:07) (良:1票) |
181.《ネタバレ》 自分が思っているのと正反対に物事が進んでいってしまう理不尽さに、もしかして自分のほうが間違っているのかもと錯覚してしまいそうになる。一生懸命前に進もうとしているのに、その倍の力で引き戻されてるような感覚に襲われた。周囲の人達に、「この子は違う」と分かってもらい、支援者を得たときの安堵感。わが子が恐ろしい犯罪に巻き込まれていたという絶望感。もしかして、どこかで生きているのでは・・のかすかな希望。主人公の感情の起伏をそのまま体験してしまうような時間だったので、終わった後、しばらく立ち直れませんでした。 【おおるいこるい】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-22 21:41:31) (良:1票) |
180.長い映画だけど、飽きずに最後まで見られる。 でも、あまり好きになれない。 なんでかっていうと、エピソードが「そりゃありえないだろ」っていうことの連続で、ちょっとついていけないから。 「だって実話ですから」って返されたら困るけど、とにかくやりすぎ。 それと、ラスト。 やはりというか、満足感のある終わり方じゃなかった。 やはり、やりきれなさが残った。 途中があまりに凄惨な話なので、最後くらい爽やかに物語を終わらせてほしかった。 【まかだ】さん [DVD(吹替)] 6点(2010-08-08 17:07:43) (良:1票) |
179.《ネタバレ》 クリント・イーストウッドの映画を今まで一度もいいと思ったことがなかったが、これは違う。イーストウッドの他の映画と同じように地味で、静かな映像でありながら、観客をひきつけて離さないストーリーを持っている。 警察という権力機構が腐敗した体質を持っている場合、人間をここまで不幸に陥らせることができるということに戦慄を覚える。 警察署長と極悪警部は更迭され、「復讐」には成功する。この映画の唯一の、痛快な部分である。結局ウォーリーは見つからないのだから、悲劇であることに変わりはない。だが、映画は陰鬱ではない。アンジュリーナ・ジョリーの力強い瞳が意志の強さと息子への愛を表現し、爽快でさえある。 傑作だと思う。 【佐吉】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-07-14 18:04:03) (良:1票) |
178.なぜ「実話」って、わざわざ最初に明示するのか?ドキュメンタリーじゃないのだから脚色がされいるはずだし、全くの事実という訳ではないであろう。「実話」と明示しないと、突っ込みどころ満載の脚本だからでしょう。実話でないと思って観ても、皆高得点がつけられるのだろうか?それにしても、いつもクリントイーストウッドは長いし、起伏も乏しい。それがクリントイーストウッドといわれればそれまでですが。 【ダルコダヒルコ】さん [DVD(字幕)] 3点(2010-05-08 22:50:29) (良:1票) |
177.《ネタバレ》 「ミスティックリバー」以降、イーストウッド作品の「生命」に対する尊厳のメッセージはものすごいです。↓に書いている方もいらっしゃるが、この作品もその集大成になっていると思います。 また冒頭に実話とは表示されるものの、実際はどのくらい脚色されているのかと思ったら、本筋の事件はほぼそのままという事で余計に切なくなりました。今であればもっとマスコミ、市民や女性の立場が向上し、またインターネットなどもあるのでひょっとしたら救えた事件かもしれないですが、誘拐より何よりも腐敗しきった国家権力そのものに腹立った方も多いと思います。心のどこかで最後に希望を見出したかったのですが、コリンズ氏はきっと行方不明になったあの日の事を一生悔いて生き続けたのでしょうね。 アンジェリーナ・ジョリーの演技力は言うまでもないですが、コリンズの後の人生を心配し、前向きな声をかけ続けた牧師役のジョン・マルコビッチの確かな存在感にも拍手を送りたいです。 ただ敢えて書くとすれば、途中から警察との対決や裁判等に時間が割かれてしまい、若干親子愛や絆という部分のメッセージ性が弱くなった気がしました。国家権力と闘っている中でも、冒頭から描かれていた息子への愛がもう少し前に出てきてくれても個人的には良かったかなと思いました。でも140分以上の長尺を中だるみせずに演出したイーストウッドの手腕はいつもながら見事ですね。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-04-29 23:49:03) (良:1票) |
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176.《ネタバレ》 2009年度の映画で高評価を得た映画。ストーリー的にも無駄は一切なく演者も素晴らしいと思いましたが、自分的にはこの映画ちょっと怖かったです。ロス市警のあまりに腐った体質、精神病院の実態、そしてなにより20人の子供を拉致して全員殺したという犯人。犯人が斧を振り回し、また子供を誘拐する。この場面が怖すぎます。(殺戮場面は子供が出来てから見る事ができなくなった、と水道橋博士が言ってた)惹きつけられる映画ですが、ブルーになる場面が多すぎなのでー3点。 【カップリ】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-01-17 05:46:55) (良:1票) |
175.《ネタバレ》 久しぶりにいい映画を見た。目を話す余裕のない2時間半、完全に吸い込まれた。母親には共感し、警察や精神病院の人にはものすごい理不尽さを感じさせられる。 ■さて、牧師とコリンズ夫人は実は結構見ている世界がずれているような気がした。夫人はただひたすら息子の帰りを信じ、警察にも「謝罪とかは何も要らない、ただ息子を返して」と訴える。他方、牧師は警察の腐敗を告発することが一番であり、きつく言えば夫人は警察被害者のワンケースにすぎない。それが象徴的に表れるのは病院釈放後、ウォルター死亡かのニュースで倒れた夫人が意識を戻した後、牧師に「今は君に注目が集まっている」と夫人に表に出ることを勧めるのに対し、夫人は家に帰ってしまうシーンだろう。 ■そう、夫人の行動を「愛」と書いている人が多いが、確かに愛と言えば愛なのだが、個人的には冒頭の息子とのやり取りで夫が逃げたことに触れて「責任」を持ちだしていたが、その「息子への責任=義務」こそがあるのではなかろうか。 ■なお、別人の息子について。あの「ハリウッドスターに会いたい」のくだりは本心じゃなくて警察に作らされた(言わされた)のだろう(もともとこの子は浮浪者に捨てられて保護されたことを思い出そう)。だからあんな鉄面皮にウォルターだと言い張り続けるのは、警察にそう言えと言われたのはそうだが、端的に「コリンズ夫人のところしか居場所がない」からではなかろうか。 【θ】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-12-30 00:42:31) (良:1票) |
174.《ネタバレ》 おびえる子どもたちが、おびえながらも何らかの勇気ある行動を取るところがいい。たとえば犯人の側の少年が、荒れ果てた牧場で遺体を埋めた場所を掘るところ。刑事がもういいと言っても掘り続け、泣き崩れる。あるいは被害者のほうの少年が、黙っていたことに自責を感じ、名乗り出る不安におびえて何年も耐えてたと分かるところ。(ふてくされていた犯人も、絞首台の上でおびえ、子どものように「きよしこの夜」をふるえ声で歌い出す。)子どもたちは恐怖と自責に取り巻かれ、しかしそれを何とか乗り越えていく。彼らの世代はやがて『父親たちの星条旗』や『硫黄島からの手紙』の兵士になって、さらなるおびえと戦わなければならなくなる訳だ。この陰惨な世界の中で、どこかでおびえ続けている子どもを探し通す母が映画の芯になる。バスから最後に息子を見送った窓辺の位置が何度も反復され、刑務所の犯人と対決するのも窓辺、ラストの取調室を覗くシーンでは、子どもではなく反射する自分の顔と向かい合っているのが痛ましい。ただ映画としては、サスペンス・社会派・法廷もの・犯罪者の心理ものと間口を広げすぎて焦点が拡散してしまった。精神病院のエピソードなんか、もっとあっさりしてても良かったんじゃないか。マルコヴィッチが意外と面白くない。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-10-30 12:00:08) (良:1票) |
173.《ネタバレ》 女性の社会的地位や権力乱用など戦前のアメリカ格差社会の中で真実と正義を貫こうとする姿に共感です。 手助けする牧師さんや弁護士、そして学校の先生や歯医者などなど終盤にむけて段々と気持ちがこみ上げてある。今までされてきた仕打ちに対する一言であげるなら逆襲とでもいうかなぁ、その辺りの描き方が実に気持ちいい。心の中で応援しちゃいました。 結局、息子のウォルター少年は見つからずじまいだったんですが、物語の最後、刑事にむかっていう一言。今後の人生とそして我が子を想う母親の気持ちがひしひしと伝わってきて「たしかなものをみつけたの」とこの直後に続くセリフよりも先に“希望”と口づさんだ自分がいましたよ。人間によって生きる希望ってのは大事なんだと改めて感じさせてくれた作品でした。 【シネマブルク】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-10-23 13:16:44) (良:1票) |
172.《ネタバレ》 これが実話なんて凄すぎますね…。 たった5ヶ月位で実の子を分からなくなる親なんていないですよ。 それを全く認めない警察。そんなアホな!! 正直、観ていて辛くなってきて観るのを止めようかと思いました。 しかし、正義感あふれる牧師さん達の助けで風向きが変わってきたので、なんとか鑑賞続行しました。 これで一気に片付くかと思ったら、精神病棟へ強制連行だって!もう無茶苦茶ですよね。 その後は、殺人事件が発覚し、優秀弁護士の登場などで、一気に進んでいくのですが、こんな時代が実際にあったことが、私にとって一番の恐怖でした。 アンジーの演技も良かったし、2時間以上の尺なんてあっという間なくらい引き込まれました。 子供がいる身としては、重く辛い内容でしたが、映画としては良かったと思います。 【かずまる】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2009-09-29 15:16:24) (良:1票) |
171.《ネタバレ》 こんな不条理な事件が実話とは。警部、精神病院の医師、ニセ子供に対して・・・活字に出来ない憤りでワナワナ。「もう、観てられない」とそれが頂点に達した時に、希望の光となる事実が発覚。母が良心ある人々の助けを受けてゲス共との喧嘩に最後に勝利。やり切れない結末。展開に私の血圧は乱高下を繰り返しました。どの作品でも抜群の存在感を示すマルコヴィッチに感心し、「母親の唇、何処かで見たことあるけど・・・?」本サイトで、昔サメをも殴りつけていたアンジーと知り好演に仰天です。実に見応えのある作品でした。 |
170.《ネタバレ》 犯人が死刑執行されるシーン、あの犯人役の人の演技が凄かったです。偽者の坊やは、実の家族と離れていても何ともないのかなぁと思ったりしました。何であんな嘘つくの?? 【サバミソマン】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-07-24 23:58:57) (良:1票) |
169.監督イーストウッドにしては極めて正攻法な作品なのではないでしょうか。実話ベースとはいえ、どうやら映画用にデフォルメorメイキングしているところも多々あるようですが・・・。とにかく、不条理モノを見ていると、私はいつも心臓がドキドキします。「どうして? どうして?」の連続と、絶望感で。最初、アンジーの真っ赤な唇メイクにメチャクチャ違和感を覚えていたのもいつの間にか吹っ飛び、前半はまさにドキドキしっぱなしでした。あの牧師(マルコヴィッチだと最後まで分からなかった!)の強制介入のおかげで少しドキドキは落ち着くものの、凄惨な事件が暴露され、今度は暗澹たる気持ちに。ラストで少し希望を持てる展開にしてくれたところが、イーストウッドらしからぬ、という印象です。彼自らが手がけた音楽も素晴らしく、2時間半はアッと言う間でした。奇をてらわずとも、人の心を動かす作品はできる、と証明してくれる映画の一つ。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-21 14:30:36) (良:1票) |
168.《ネタバレ》 久々に映画に感情移入できました。一緒になって悔しい思いをしたり、泣いたり、絶対に戦ってやる!という気持ちにさせられました。アンジーの熱演が冴え渡ってました。誰しも自分が可愛いし地位も名誉もつい欲しくなる。でも、そのために罪の無い誰かの声を無視して踏みにじることは許されません。殊に警察は事件に巻き込まれたとき頼れる唯一の存在なのですから。そういう意味でも、実話を基にしているだけに恐ろしさを感じさせられましたね。もし裁判制度まで腐敗していたらと思うとぞっとしますが、そこは救いが有ったのでスカッとしましたし安心しました。とは言え、この作品では道徳や正義を押し付けてくるわけでは無く、どう見るかは個々人に委ねられています。ただもう少し警察側の人々のバックグラウンドが観たかった気もします(2時間という枠ですから監督も大変だったと思いますが)。さて、ラストに息子と再会し抱き合うというようなお涙頂戴の筋書きに持って行かず、勇敢だったウォルター少年の逸話脚色を加えて「hope」で締めくくった監督のセンスは見事です。 【ClocheRose】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-04-15 20:02:00) (良:1票) |
167.いろいろ書こうと思ったけど、たぶん書ききれないのであきらめよう。 完璧といっていい映画を久しぶりに観た。 【とと】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-04-07 01:57:07) (良:1票) |