55.《ネタバレ》 ○毎度西川監督映画に描かれる何かしらのエッセンス。○嘘がもたらす展開を刑事が監督の代弁者として描かれる。○主人公の心理描写がもう少しほしかった。○にしても井川遥きれいやなぁ。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-08 18:40:27) |
54.《ネタバレ》 鶴瓶のあのいかにも善人そうな顔の奥に見え隠れする得体のしれなさ。それが何なのか完全に明かされないまま物語は終わるので、妙な居心地の悪さを抱えたままモヤモヤ感が残る。あの医者の目的は何なんだろう。村人達はきっと知っていたんだろうか。等々、色々想像力を掻き立ててくれるので、観た後もしばらくこの映画を引きずってしまう。この感じ、西川監督の前作「ゆれる」を見終わった時に似ている。 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-11-05 15:29:44) |
53.《ネタバレ》 失踪した 医者・鶴瓶を巡って、 【 現在という時制 】 においては、第3者による評価を元にして 【 間接的人物像 】 を。 【 少し前の時制 】 では、医療に従事する姿を直接目撃することで 【 主観的人物像 】 を。 それぞれ、2つの時制 によって提示される、この 2つの人物像 を 足掛かりにして、今作に発生していく 【 失踪の謎 】 と 【 診断の謎 】 。 この 2つの 「謎」 を 推理する楽しさに満ちた鑑賞となりました。 また、 「問題提起」 は、する。 ↓ でも、「暗い」 まま終わらせない。 ↓ しかし、「問題解決」 は、しない。 というユルイ立ち居地が、何故かしら心地良く感じた。 そんな不思議な映画でした。 制限文字数では語り切れず、完成版はこちら ↓ http://ouiaojg8.blog56.fc2.com/blog-entry-96.html 【マーク・レスター】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-07-27 07:58:39) |
52.《ネタバレ》 僻地医療の現実と、ニセ医者であったとしても医者という存在の必要性を感じさせられた。 【山椒の実】さん [地上波(邦画)] 5点(2013-06-16 20:45:06) |
51.《ネタバレ》 「夢売るふたり」が面白かったので、同監督のこの作品を鑑賞してみました。所々に入ってくるインサート画がとても印象的で、含まれた意味を紐解くのも、この監督ならではの演出で好きです。特に、神様仏様よりもお医者様、の後のぼんやりとした月のシーンが秀逸すぎます。もう一つ好きなシーンがあります。イスから倒れそうになった薬売りの男を刑事が支えて助けた後に、これって愛ですか?違いますよね?と、さも当然のように言い放つ薬売りの男。このシーンにはほんと、共感が持てました。で総評ですが、思っていた以上のものでもなく以下でもなく、割と淡白な仕上がりでした。ある程度の予備知識があったせいかもしれませんが、題材的に致し方ないかもです。はい。ただ先も述べたように、さりげなく心憎い演出が散りばめられているので、その点では大いに評価に値しますね。ただ残念なのは、「夢売るふたり」でもそうでしたが、事件に対する見解が甘いなと。駅のホームで偽医者と刑事が目と鼻の先で接近遭遇しているにも関わらず、刑事が見過ごす。有り得ないな~って。だっていくらなんでも顔写真くらい見て・・・って履歴書見てたじゃん!あとね、捜査で単純に電話かけてお終いって!そりゃあないでしょって!そういった点がどうしてもスッキリしないので、マイナス要素とさせていただきました。 |
50.よかったです! 西川監督の映画は「蛇イチゴ」「ゆれる」と見てきましたが、本作が一番好きです。なんといっても鶴瓶が演じた伊野治のキャラクターに、心を奪われます。そしてこの映画は「人が生きる」「人が働く」ということの意味を、的確に、それでいて暖かい目線で表現しています。たまたま医者の話だけど、別に医療ドラマではありません。どんな人の、どんな生き方にも照らし合わせて見ることができるでしょう。くどくないラストシーンにもとっても好感が持てます。 【コウモリ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-03-14 00:19:14) |
49.《ネタバレ》 特報等で、ストーリーはなんとなく察することが出来ました。最近の無医村、高齢化、医者と住民の軋轢の話を聞くに、もっと思い社会派におちるかと思っていましたが、バランス良くまとめられていて、これはこれでいいのではと思いました。どこかで読んだようなストーリーですし、あまり似合わないかと思った俳優もいましたが、全体的には秀作ではと観た後思えました。 【min】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-03-06 21:50:59) |
48.《ネタバレ》 これと同じネタは某有名漫画でもありましたね。田舎の無医村で信望を集める無免許医……。本作では、ほとんどそれが隠されていませんし、知らなくても何となく察しがつくような進め方なので、バレバレでしょう。その後の展開もいかにもそれらしく予想通りで、そういう意味では安心してみていられる反面、意外性がなくて不満を感じます。 それにしても、伊野というのは人がいいんだなぁ。いやむしろ、人がよすぎたのか。この世知辛い世の中、あの人のよさは貴重だし大切だと感じられました。ラストはあれでいいのかなぁとも思いますが、その「人のよさ」を象徴させるという点では、秀逸でしょう。 それにしても、八千草薫さんはここでもアイドルであり、マドンナであるのだなあ。脱帽。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-02-17 16:13:12) |
47.《ネタバレ》 何で平坦で面白みがないんだろうと思いながら見ていたのですが、一番の問題は、視点がぶれまくっていることではないか。若手医師や刑事という狂言回しの役を準備していながら、場面によって都合の良いように軸足が鶴瓶本人に飛んだり、患者に飛んだり、村人に飛んだりする。結果、ドラマ性やスリリングさを欠くことにもなれば、人物の背景が浅くなることにもなってしまっている。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-01-12 00:48:39) |
46.けっこう堪能できました。この監督さんには今後も期待したいところ。しかし、展開はややダラダラで、心象表現もやや曖昧。主要な登場人物たちが黙ったまま大写しになるシーンが何回かありましたが、何を言わんとしているのか、いま一つ掴めないことも多々。それから冒頭と最後にあった、瑛太が田んぼの中で一心不乱に何かを探すシーンですが、あれって何してたんですかね。 それはともかく、他の方も指摘されていますが、私も「ブラックジャック」の「古和医院」を思い出しました。遠い昔に読んだのに、しかもけっして派手な作品ではないのに、ブラックジャックの意地悪で温かいセリフまで鮮明に蘇ってついウルウル。鶴瓶のしょーもない逃走劇を眺めながら、やっぱり手塚治虫ってすごいなぁと、あらためて感じた次第です。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-10 23:26:38) |
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45.2012.09/07 鑑賞。このような話に近い話題が新聞にあったような気がする。でも全てが思いの逆になってゆく様が秀逸。神様以上の医者が役たたずの偽医者、命をかけて村民を守り助ける医者が一番村を逃げ出したい人間。よく練れた脚本、人間の機微が面白い。ラストは私好みではない。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-08 13:01:09) |
44.《ネタバレ》 鶴瓶演じる伊野がニセ医者だったことは、あれだけ露出があると知ってて見ました。どこでニセ医者であるかが周囲にバレ、破綻するかが見モノでしたが時間軸のズラシがストーリーの当初混乱をもたらし、それに意図があったにしても腑に落ちなかった。いまいちだった。鶴瓶の演技はこの手のキャラにハマるのか(山田洋次の『おとうと』然り)重厚で楽しい。八千草薫のかわいらしさと相性よかった。(この辺も『おとうと』の吉永小百合と被る)瑛太も小生意気さと、若さ故の軽さと冷たさが心地よい。井川遥はよくわからなかった。もうすこし西川マジックが見たかった。美しさも中途半端で田舎モノと都会モノの違いをもっと描いて欲しかったような....。そこを強く出さないのも意図なのか?でもなー他の要素では演出で目立たせるーみたいな構成もあったしなぁ。わからん。最後のオチはなんか救われた。日本で着々と進む『貧困』を浮かばせた良作です。 【reitengo】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-07-14 23:29:43) |
43.《ネタバレ》 「その嘘は、罪ですか。」が内容を言い表している。過疎地の無医村における偽医者、その嘘を皆で真実にしつつ、土壇場になったら手のひらを返す村人たち。偽物であり、自分とは関わりのないことだと言い張りつつも、全否定はせずにどこかでその意義を皆が認めている。そうしたギリギリの難しい問題をこの映画ではまさに投げかける。 ■なぜ釣瓶が偽医者になろうと思ったか。当人は「撃たれたから返し、を繰り返していただけ」と瑛太に語り、香川照之はわざと倒れそうになって警官が手を差し伸べたところに「なぜあなたは手を差し伸べたのか。自分を愛しているからではないですよね。それと同じだ」という。最初の動機は楽な金もうけも多少はあったのかもしれないが、来てみると全く違ったのであろう。そこは最終的には観る者に投げられたままだ。 ■八千代薫、井川遥母子の関係は非常にうまい。全体として皆素晴らしい中でこの二人の演技は際立っている。井川が泣くのをこらえるシーンは名演。 【θ】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-05-05 00:49:14) |
42.《ネタバレ》 公開時にレビューやあらすじをザックリ読んでた頃に思い描いた想像が、冒頭から裏切られて、ちょっとビックリ。何か変だけどニセ医者なの? どうなの?というハラハラを、あの若い医者と一緒に味わえるのだろうとばかり思っていたのです。あっら~。私はそのほうが面白いと思うけどなあ。そういう当たり前すぎる展開を嫌う監督さんなんでしょうかね。だけど、そういう作り方のほうが、観客はのめりこんで観ることができる気がするんだけど。ハナっからニセ医者と決まってるんじゃ、あとはバレてるの? いつバレるの?というハラハラしかない。私は、自分が想像したような、ねえどっちなの?どっち?というハラハラを時系列通りに味わいたかったなあ。前半、観客をそういうふうに翻弄したあげくに、気胸の施術シーンがあったり(そうなると、余貴美子の演技も逆にもっと抑え気味になってさらに生かされたのでは?・・てか、余さんほどの演技力の人の、そういうシーンこそ、見てみたかった!)、八千草の家での大葉を刻むシーンにつながったほうが、映画的スリリングは増したのでは、と思います。とはいえ、この作品は「ゆれる」よりは好みだったし、洗練されてきている感じがしました。CSでこの監督のインタビューが放送されたときの人柄が好印象だったし、邦画では貴重な実力派女性監督だから、これからもパワフルに活躍してほしいです。 【おばちゃん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-05-03 14:05:27) |
41.《ネタバレ》 人間ドラマの最高傑作です。半分は高齢者という過疎化が進んだ地に住む伊野という医者の優しさや苦悩を描いています。笑福亭鶴瓶はだだのエロおじさん(なんと失礼な…)とばかり思っていた私ですが、まさかこんな素晴らしい役者だとは思いませんでした。それを引き出した西川美和監督の手腕恐るべしです。ただ個人的には井川遥さんの涙をこらえる演技が一番素晴らしかったです。 【nyaramero】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-01 12:06:14) |
40.《ネタバレ》 伊野は間違いなく悪徳なニセ医師であり、やったことは許される事ではない。 しかし、自分の足で診療所にこれない人達のもとに自ら出向き診療を行っていたことも、彼に影響されて再び村に戻ると相馬が決意したことも、伊野のことを神の様に村人たちが崇めることでその地域の医療が成り立っていたのも事実である。そして、ニセ医者だと分かった途端、「そういえば…」と言い、手のひらを返したように彼を貶める村人がいたことも事実である。 綺麗事だけでは語ることの出来ない僻地医療の現状や村社会の暗部、善悪が曖昧で不確定な存在である人間を絶妙な距離感を保ちながら表現出来ていたような気がします。 【ちゃじじ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-10-22 00:11:09) |
39.主役がタレントさんでも、演技がうまくて役柄に合ってれば別に構わないのだが、 彼はバラエティ・タレントとしてのイメージが強すぎて、やっぱり微妙といえば微妙。 お話は、ブラック・ジャックの「古和医院」というエピソードに似ているね。 あちらは前向きなラストも含め、うまくまとまっていて、とても好きなお話なんだけど、 ストーリー全般において、2時間越えの映画が20頁余りの読切漫画より劣っていたのでは、 さすがに物足りなさを感じてしまう。主役の描写はあくまでぼんやりと、 周りの視点から徐々に彼のキャラを浮き彫りにさせていく手法は、 途中で飽きさせない工夫がされていて面白いんだけど、鶴瓶側の心情描写がほとんどないので、 ドラマとしての内容が薄く、ラストも鶴瓶のキャラに頼りすぎという印象を持ってしまった。 彼を知らない外国の人が鑑賞した場合、果たしてこの映画を理解できるのかな? ベタベタな人情劇を見せられるよりは、全然良かったけどね。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 4点(2011-08-24 14:09:41) |
38.《ネタバレ》 邦画につきもののテンポの鈍さには少し辟易したが、登場人物の心の内を推し量る面白さが味わえる良質な映画だった。きれいごとになるのを避けながら、観客に過疎地の医療について思いを致させる力量には唸らされた。俳優陣もそれぞれの役割をきちんと把握して演技しており、丁寧な演出をうかがわせる。意味の無い風景等のシーンが挟み込まれている(小津安二郎の影響?)が、「ゆれる」の時よりもそれが自然な感じがした。 伊野はおそらく金と情に流されてふらふらと診療所に入ってしまっただけの偽医者であり、はっきりとしたポリシーを持って医療に携わるような人間ではなかった。つまらない人間であるはずの伊野に不思議な魅力を与えた鶴瓶の演技は見事だ。落語家出身だけに、ともすれば演技のアクが強くなりがちだと思うが、適度に抑制された演技で複雑な内面を持つ伊野を好く演じていた。脇を固めるその他の俳優の演技もよかった。 印象に残ったシーンは伊野と相馬(瑛太)の終盤のやり取り、斎門(香川照之)や大竹(余貴美子)の刑事による取調べのシーンなど。登場人物それぞれに見せ場が用意されていて構成の妙が光る。 伊野失踪後の登場人物それぞれの反応を映すシーンも自然かつ皮肉が利いていて面白い。伊野を信用したことを認めまいと躍起になったり、責任転嫁したりで、その見苦しさが人間らしく味わい深いと感じた。ただし、伊野が失踪後に再登場する一連のシーンは不要だ。行方は杳として知れず。それだけのほうが余韻が楽しめたと思う。 【枕流】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-06-22 23:35:30) |
37.《ネタバレ》 本当に良いお医者さんだったんだろうか。私にはすごい無責任な人に見えてしまった。彼がいなくなって、よかった。 【paraben】さん [DVD(邦画)] 4点(2011-06-15 08:50:56) |
36.少子高齢化、過疎、僻地医療などの日本が抱える社会問題を凝縮した内容になっており、社会派ドラマとして見応え十分だ。ただし、エンディングだけは納得いかないが・・・ 鶴瓶さんって、意外に良い役者なんだね。(キャスティングの勝利かな?) 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-06-10 01:08:14) |