162.《ネタバレ》 撃てないかと思わせて、相手を挑発して撃ち殺したハリー刑事。撃つかもしれないと思わせて、相手を挑発して撃ち殺されたウォルトさん(グラン・トリノ)。クリント・イーストウッドは出世作と逆のラストにして、自らが出演する引退作にしたのか、と思いました。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-20 21:24:20) (良:1票) |
161.《ネタバレ》 ハリー・キャラハンの職業意識の根底にあるものは「正義」というより「怒り」である。この怒りが犯罪者だけではなく、犯罪を生む社会全体に均等に向けられているように感じられる。劇中でダーティハリーの由来を同僚に尋ねられて「汚れ仕事が多いからさ」と答えていたが、違うと思う。彼がその怒りを捜査に持ち込むと、自然とダーティな領域に踏み込んでしまうからだ。それは矛盾した制度や世の中に対する強烈な皮肉である。派手な刑事ドラマが多い中で錯覚している方もいると思うが、警察が行うことは検挙までであって刑の執行ではない。その意味で怒りに任せてスコルピオを撃ち殺したことは明らかに行き過ぎ。あれこそがダーティであるが、鑑賞者の目には正当に映る。ある意味、危険な映画とも言える。ラストで警察バッジを投げ捨たことは、制度に対する怒りなのか、その制度に収まりきらない怒りへの自己嫌悪なのか…。いずれにせよ正義とは言い難い決着の付け方は、世間の鬱憤を肩代わりして晴らしているようで、ネガティブな感情を昇華させてくれる。アンチヒーローのひとつのお手本。 【アンドレ・タカシ】さん [地上波(吹替)] 6点(2010-02-20 16:39:38) (良:1票) |
160.《ネタバレ》 犯人の男が能力が頭抜けて優れていたりするような男ではなく、少しばかり悪知恵の利くだけの弱弱しいサイコ野郎というところが現実的でかえって恐ろしい。自分が狙った獲物が物陰で見えなくなった時に酷くイライラしたりするなど、リアリティを感じさせる描写に優れているため現実味の比重が高く、時折見せる娯楽性故の強引さもしらけることなく受け入れられます。 【MARK25】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-02-21 18:23:18) (良:1票) |
159.同年の傑作「フレンチ・コネクション」とよく比較されますが、構造的にはまるで別物なんですよね。捜査が極めて丹念に描かれ、意外にも暴力描写の少ない「フレンチ~」に対し、こちらは暴力の嵐。犯人を捕まえるというよりも、法に代わって罰するというのがテーマでしたから。「フレンチ~」はオスカーを受賞するという快挙を成し遂げましたが(今後、このジャンルからオスカー作品は現れないでしょう)、一方後のジャンルへの影響力はこちらが上だと思います。「フレンチ・コネクション2」ですら、結果的には正編よりも「ダーティハリー」に近いものになってました。「ブラック・レイン」しかり「リーサル・ウェポン」しかり、犯人を逮捕することよりも、必要とあらば規則を踏み越えてでも罰することが刑事もの基本となっています。さらにサソリという敵キャラの存在も非常に大きいですね。ここまでのキ○チガイが登場する映画ってのはかつてなかったはずです。同年の「時計じかけのオレンジ」のアレックスと比較しても、単体での狂いっぷりは完全にサソリが上。このサソリが映画史上最狂のキチGUY、トラヴィスにつながったのかもしれません。さらに細かい部分を眺めても、自殺者の説得は「リーサル・ウェポン」や「タイタニック」に、公衆電話ラリーは「ダイ・ハード3」でパクられてました。 「フレンチ・コネクション」を「羊たちの沈黙」とすると、「ダーティハリー」は「セブン」って感じですね。 【ザ・チャンバラ】さん 8点(2004-09-29 01:25:03) (良:1票) |
158.やっぱりイーストウッドは格好イイです。この頃が一番脂が乗ってる。もちろん映画も面白い。正か悪か分からないギリギリゾーンのハリーにシビれ、猟奇殺人犯サソリの怖さに昔は親父にすがりついて見たものだ。アクション、キャラクタ、カタルシス、全ての面で完璧かつ衝撃的。ラロ・シフリンの曲も「暴力脱獄」以来の個人的ヒット。コレを超える刑事モノは未だ現れない気がします。 【マムゲン】さん 10点(2004-01-26 18:57:16) (良:1票) |
157.《ネタバレ》 アメリカの映画です。面白いよ。それとセリフがいい。"...this is a Magnum-44, the most powerful gun in the world and will blow your head clean off, you've got to ask yourself a question: 'DO I FEEL LUCKY? WELL, DO YOU, P-U-N-K ?'" <Click> |
156.誰もがほしかったM29 多聞にもれず購入したのでした! 【だだくま】さん 8点(2003-10-22 13:30:13) (良:1票) |
155.イーストウッドを最初に見た映画ではないでしょうか。おもしろかったです。しかしあの犯人、ほんまにわるいやっちゃーと家族みんなで怒っていたのを覚えています。単なるケイジもの、とおもいきや、よく描かれたいい映画だと思います。 【みんみん】さん 8点(2003-04-08 14:40:56) (良:1票) |
154.サソリがケツにナイフを刺されて、口を丸めて「ホーウ」と叫ぶところが猛烈に面白くて、一時内輪で異様にまねが流行ったっけ。懐かしいねー!! 【さそり男】さん 8点(2003-03-21 21:59:29) (良:1票) |
153.作品全体が暗いですよねえ。とてもみていて、スカッとしないです。たしかに、伝説の映画なんでしょうが、90年代からのクリント様のファンとしては、カレを抜擢した(偶然が重なっていたようですが。)ことに敬意を表します。このあと、すごいヒーローになると、誰が予測しましたか?ただ、5作を通じて、やはり原点ここにあり、という寡黙なストイックなアンチ?ヒーロー像は不滅でしょう。 【レモン】さん 7点(2003-02-18 13:14:14) (良:1票) |
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152.話はいいんだけど、ところどころ暗くてよくわかんなかった。 |
151.おそらく低予算なのだろうが、例えば巨大な十字架、競技場、スクールバス、採掘場など、舞台を印象的なものにしてシーンをつくっているところがうまい。「ダーティハリー」という名前の通り、新しいヒーロー像を作り上げた映画として名作だろう。最後の音楽は物悲しくて切ない。 【あろえりーな】さん 7点(2001-12-12 13:07:02) (良:1票) |
150.言わずと知れたイーストウッドの代表作ですが、私はこの映画でのイーストウッドはイマイチと感じました。でもそれに代わって犯人の“サソリ座の男”の熱演が光ります。 【チャーリー】さん 7点(2001-02-27 20:37:01) (良:1票) |
149.刑事としての能力に優れていて腕も立つが、警察という枠に収まりきれず一匹狼で、ときには暴走してしまうという今日のはみだし刑事モノの“ハシリ”となった記念すべき第一作。暴力には結局、暴力でしか解決できないという、一人の刑事の無力観を漂わせたラストが心に染みる。 【ドラえもん】さん 8点(2001-02-23 15:33:29) (良:1票) |
【TERU】さん [地上波(吹替)] 5点(2023-09-09 22:22:00) |
147.《ネタバレ》 最初のほうこそ面白かったのですが、終盤になるにつれ、だんだんつまらなく・・・。 理由は2つ。まず、夜のシーンが多くなり、画面が真っ暗で何やってるか全然見えない。 理由のふたつめは、あれだけ武装して、警官に発砲して暴行までして、少女の遺体まで出てきて不起訴なのは無理がありすぎるってとこ。こんな出鱈目がまかりとおるのであれば、完全犯罪やり放題である。 これは凶悪犯を再度野放しにして、主人公と対決させたいってだけじゃん、っていう安直なプロットに醒めます。 更にはキャラハンをストーリー上孤立させたいってのはわかるんですが、上司も検事も市長もキャラハンを責めまくるのでイライラします。 今作初鑑賞なんですが、勝手にアウトローなヒーローが型破りに暴れまくる、そんな爽快なアクションをイメージしちゃってたんです。そりゃ勝手にイメージした自分が悪いんですが、このタイトルにクリント・イーストウッドだったら期待しちゃうじゃないですか。良そうに反して優等生なキャラハンに物足りなさを感じてしまった次第です。 ただ、若き日のクリント・イーストウッドを見られて、そこだけは大いに満足です。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2023-08-23 02:28:19) |
146.《ネタバレ》 子どもの頃はテレビで何度も流れていたんだけど、今はいろんな規制があってなかなか放映できないのかもしれないが、ハリー・キャラハンって名前はやっぱりかっこいいぜ。 正義漢なんだけど、無骨。 こういう役やらせたら天下無双のイーストウッド。 ラストは伏線もきっちり回収して、悪党を撃ち抜く。 バッジなんていらねえぜ。 当然字幕で観たんだけど、子どものころの記憶としては、山田康雄さんの吹替えが本当にはまっていてかっこよかった。 ジャッキー・チェンの石丸博也さんと並んで、できれば吹替えで観たいシリーズ。 いや、いい映画。 |
145.《ネタバレ》 西部劇では無敵なイーストウッドが、本作では結構なやられ役。 そこが新鮮で楽しめた。 ラスト、警察官の立場を投げ打ってでも、悪を成敗する。 とてもスカッとした! 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2022-06-29 07:34:21) |
144.《ネタバレ》 どろんこハリー(Harry the Dirty Dog:1956年)って絵本があったけど、なんかそんな感じなタイトル。 アクション映画の中心が、西部劇から刑事ドラマに移る過渡期の、フラッグシップ的作品じゃないだろうか? ビルの屋上からの狙撃、ヘリを使った捜査と、空撮を多用したカメラワークが見せる3次元の空間は、平べったい町や荒野で戦う西部劇と、見た目にも大きな変化を持たせている。 悪党に立ち向かうヒーローの図は西部劇と一緒だが、犯行の異常性、残忍さから同情の余地がない“サソリ”。 カラッとした西部劇には出てこないタイプ。ジットリした陰湿さを見せる犯人像。 市民を守るための法律は、令状の無い捜査から犯人を守り、真実を伝える筈の報道は、自演の暴行被害を伝え捜査の手を止める。 過剰な犯行を止める一番の手段は、犯人を確実に殺すこと。 キャラハンが殺傷能力の高い44マグナムを持つのは、悪に対し改心や自首など求めない、徹底した姿勢の表れだろう。 サソリの最後は、キャラハンの挑発によるもの。正義のため法を逸脱した“私刑”と言える。バッジを投げ捨てるハリーから続編は考えていない単発作品だったんだと思うが。 【K&K】さん [地上波(吹替)] 9点(2021-03-22 21:29:08) |
143.刑事モノと言えばダーティハリー、イーストウッドと言えばダーティハリー。子供の頃TVで何度も見ていて、それが当たり前という感覚で育ってきた。それから数十年が経った今見ても、主人公のキャラクターと存在感、程よく継続する緊迫感、サンフランシスコの街並み、シーンにマッチしたBGM等々全体のバランスというか調和が素晴らしくて、これらのトータルな世界観を楽しむ作品なのだと再認識。逆に言えば、派手なアクションとか謎解きサスペンスとか昨今の刺激の強い作品に慣れてしまうと、こういう作品は退屈に感じて楽しめないのかもしれない。これも時代の変化なのだろうか。 |