55.《ネタバレ》 カラーになってから急に芸術志向になりましたよね、他の方からの評価は芳しくないようですが、僕はカラーの黒沢映画も好きです。特に色使いが素晴らしくて、何気ないワンカットの美しさにハッとさせられます。1つ1つの映像が、1枚の絵画のような美しさを有していて、そこらへんはさすが、画家を目指していただけあるなと思いました。全8話あるオムニバスの中で、特に良かったのが赤富士と最後の話です。赤富士は未来を予知していたとしか思えず、黒澤監督の先見性に脱帽でした。原発の安全性を訴え危険性をひた隠しにする構図は、まんま福島の事故を見ているようで身震いしますね。映像面でも赤く燃える富士山のインパクトは強烈で、ビジュアル面のセンスも冴えに冴えていました。最後の話は自然を破壊する人間への批判と、黒澤監督の死生観が込められています。パレードのような葬式も、本来葬式というのは祝うものであって嘆くものではない、天寿を全うして死ねる事ほど嬉しいものはないと語っています。この作品を作った当時、80歳とかなり高齢であったため、迫りくる死を感じていたのでしょう。死の意味を問いかけるとともに、生への喜びに満ち満ちている事に感動しました。 【キリン】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-02-11 00:08:02) |
54.劇場で観た時から違和感があったんだけど、再見してなんとなくその正体が見えた気がした。それは、どうしてこんな企画が成立したのかということ。周囲と監督自身が、そのキャリアを骨董品のように扱っている気がして仕方がない。映像には力があるが、メッセージを台詞でダラダラと喋るあたりはダイレクト過ぎて陳腐に思える。カットを積み重ねてストーリーを表現することを諦めてしまったかのような姿勢を感じる。もう映画作家というより、映像作家という感じ。個人的には、周囲、特にマスコミが黒澤氏を巨匠扱いし過ぎたんじゃないかと思っている。60年代までの作品には、その評価に見合う傑作も何作かあるが、それらは基本的にストーリーが面白く、それに見合う映像の迫力があって得られた評価だと思っている。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 4点(2013-01-27 01:01:24) |
53.《ネタバレ》 今この様な時代だからこそ、特に政治家と某電力会社の皆さんに観て欲しい作品である。 【たくわん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-05 13:23:25) |
52.冗長だが、それだけでは切り捨てられないテーマを扱っており、時期が時期だけにとても怖くなった。さらに芸術性の高さは相変わらずどころか、むしろ際立っており、画家志望だった黒澤監督がストーリーに縛られず、自由に作り上げたという印象である。まあ、面白いとは思わなかったけど…。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-03-20 00:02:17) |
51.「麒麟も老いては駑馬に劣る」を地で行くような作品。もともと黒澤映画は好きではないが、この作品は特に酷い、ストーリーや設定も稚拙以外の言葉が出てこない。ただ大王わさび農場のシーンは綺麗だし、個人的に好きな所なので3点献上。 【わたた】さん [地上波(邦画)] 3点(2010-09-05 00:01:22) |
50.退屈だと感じる人にはとことん退屈な映画でしょうね。 でも、ツボにはまる人(タルコフスキーとかが好きな人)にはとことんツボでしょう。 画家黒澤明が作る最高の美術映画だと思いました。 ただ映像だけで充分「生」や「死」などへの感情を表現できているのに、少し語らせ過ぎな気がしてならない。黒澤映画では「水爆」「戦争」や「近代化」などの話になるとどうしても説教臭くなっちゃいますね。 タルコフスキーの映像美がとことん静かであるのに比べて、黒澤の映像美はもっとギラついているというか、力強い命のエネルギーを感じます。 ツボでした。 【おーる】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-02-28 22:16:23) |
49.《ネタバレ》 テレビでやっていて、何となく観ていてとっても印象に残る映画でした。 ゴッホが出てくる短編。ゴッホが得意とした黄色がなんと綺麗に映像にできたことがびっくりでした。そして鬼が出てくる短編の何と恐ろしい映像。陸軍の亡霊が出てくる短編も上官の使命を描いていて、こういう映画は黒澤しか撮れないじゃないかと思いました。 最後に笠智衆の短編。旅をしている人簡素な田舎で老人に色んなことを聞くが「そんなものはいらない」の答え。文明は不要なものにあふれていて、本来の人の姿が見えなくなってきているのかなと考えさせられました。いろんな意味で何度も観たい映画だなと思います。 【ダイバー】さん [地上波(邦画)] 7点(2009-09-29 21:39:57) |
48.難解ではあるが、非常に綺麗な作品でした。最後のお話が特に好きです。原子力の話は小学生の時に観て凄く怖かったけど、今観たら・・・。「夢」といってしまえばどんな無茶な設定でもOKなんじゃねえかと思いました。 【Fukky】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2007-11-09 15:48:03) |
47.あのスコセッシ御大がゴッホ役(しかも英語)! このミスキャストぶりがあまりに衝撃的過ぎて、あとの話はどうでもいい感じ。各話の尺は短いけど、短いなら短いなりに物語に起伏が欲しかったです。 【とかげ12号】さん [DVD(邦画)] 5点(2007-10-07 15:12:41) |
46.《ネタバレ》 1話目と2話目が特に印象的。暗い森の中に入っていくシーンはなぜだかものすごく怖かった。夢だからということもあり唐突に始まり唐突に終わるのでもう少し突っ込んでほしいエピソードはいくつかあり。各エピソードを平均すると6点くらいだと思うけど…でも8点 【HAM】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-11 16:38:40) |
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45.《ネタバレ》 最初、夢十夜を思い出しました。途中から漂流教室の文明批判が浮かびました。最初の2本が大好きです。百鬼夜行抄の世界です。ゴッホの話も好きです。個人的には残りがいまひとつでした。 【omut】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-08 03:47:10) |
44.もし自分の今まで見た夢を豪華キャストで映画化されたら、恥ずかしくて発狂するか、大脚本家だと自称するかのどっちかだと思う。 (見たのは確か黒澤監督が死去されたときにテレビで放映した時だったが、なぜにこれだったのだろうか。) 【寺 梅斗】さん [地上波(吹替)] 5点(2007-01-14 12:40:06) |
43.「 拘りの 映像確かに 優美だが 脚本悪けりゃ つまりは凡作 」 詠み人 素来夢無人・朝 |
42.《ネタバレ》 求道者黒澤の夢が夢に。水が絶望を洗い流してくれる。観終わった後、Mr.Childrenの「Everything is made from a dream」が聴きたくなった。「やっかいだーな夢は、よーくもあーり、悪くもなーる、ってなわっけで♪」 【ようすけ】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-03-19 04:54:47) |
41.アンドレイ・タルコフスキーから直接教えてもらったという「水」の描写(水車のある村)がとりわけ美しい。他にも(桃畑)のまさに桃の花が満開となる画や(鴉)のゴッホの絵画の中なんかは失われた世界としての幻想的な美が強調されていて素晴らしい。黒澤明の全ての作品に言えるのは、その世界をスクリーンに再現するための様々な天才的な工夫と、忍耐を惜しまないその姿勢が群を抜いているということ。(そのぶん思いもよらない奇跡的な画が撮れるということも無いだろうと思われるのだが。)しかし「映像で語る」ことに関しては並み以上の才能はあっても天才と崇められるほどの資質は持っていないのではと思ってしまう。もちろん私が気づかないだけかもしれないが、この作品の登場人物の輝きの無さや、説明過多な部分を見る限りそう思わずにはいられない。結局黒澤作品の面白さって脚本の面白さと画作りの妥協の無さにつきると思うのです。この作品はその「画」だけが美しい作品でしかないように思う。とは言うものの、映画への情熱が無ければこんな美しい画は撮れないとも思います。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-02-02 15:09:23) |
40.《ネタバレ》 うん、きれいだった。こんな夢を見たって、なんか、「夏目漱石?」と思った。個人的な見解ですが、最初のお母さんといる場所って、生まれる前?そんで、お母さんが急にきびしくなって、謝って来いって追い出されるの、あれ「誕生」?するとだな、人間の一生を描いていることになるが、(人間の、というよりクロサワの)それって、「最初っから、謝りに行く」なのかなあ。それだと生きるのつらいんだけど。私の推理がもしも当たっているならば、クロサワってのは相当のMに間違いない。 晩年これを残したのは良かったと思う。私のようなアホにも少しは何か伝わるので。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-25 22:29:22) |
39.《ネタバレ》 いろいろなテーマが盛り込まれていて楽しかった。 作中で、富士山が赤く焼けるエピソードがある。あれは原子力への不安が色濃く描かれている。また、死んだ戦友の霊に会うエピソードがある、戦争を批判しているね。 最後の華やかな葬式のエピソードはとても良かった。 【哀しみの王】さん [ビデオ(吹替)] 10点(2005-04-01 21:45:05) |
38.最後のエピソードの笠智衆とか、最初の方の狐の嫁入りや雛人形の話などはとても印象に残っているが、何しろ見たのが「用心棒」や「椿三十郎」で黒澤映画に興味を持ち始めた頃だったので決して出来の悪い映画だとは思わないもののとても退屈に感じられた。見る順番を間違えたと素直に思ってしまった。ドリフでコントをやっているイメージしかなかったいかりや長介を俳優として初めて見たのがこれだったんだけど、鬼という役柄から雷様を連想してしまい、出演シーンがコントのようにしか見えない。その後、「踊る大捜査線」を再放送で見て、味のあるいい俳優だと思ったんだが。 【イニシャルK】さん [地上波(邦画)] 5点(2005-03-10 01:42:29) 《更新》 |
37.これ、劇場で観てしまったのです。 今思うとこのての作品は評価はどうあれ劇場です。 黒澤監督の夢をオムニパスで描いているのですが、 印象に残っているのは、狐の嫁入りと寺尾明。 寺尾明が今こんな演技派になるなんて思わなかった。 この映画は実はスピルバーグが黒澤監督と組んだ映画なので、 二度とないだろうと見に行ったわけです。 【アルメイダ】さん 2点(2005-02-25 07:10:05) |
36.俺的に、いい暫く「ダメ映画」の代名詞だった(「ロッキー5」と並んで)。つまらない上に、ダラダラと長く、説教臭い。やっぱダメだ。キツネの話におまけ。 【マックロウ】さん 3点(2004-06-30 20:50:29) |