21.《ネタバレ》 上手い具合に現代風リメイクしているとは思うが、気になる点もいくつか。 まず、橋爪の演技だが、元教師の頑固さやふがいない息子への怒りの演技と笠智衆を意識した鷹揚とした演技にギャップがあり、人物像に統一感が感じられない。また、居酒屋のシーンでの説教臭さは山田洋次の怒りなのだろうが、これは余計。製作当時の感覚では311は無視できない要素ではあったのだろうが、3年経つと無理に入れなくてもという気もした(この辺の感覚がある種の風化なのかもしれないが、50年後の人が見たら別の感想を持つのかも)。蒼井優の人物像もイマイチよくわからない。接客中にケータイイジルとか、年配者にタメ口きくとかちょっとダメ系女に描きつつ、最後にオイオイ泣いちゃうってのはどうなのかと。そもそも形見の時計を渡されちゃうってちょっと重いんじゃ。そういうのがわからない田舎の老人とのギャップも感じられなかったし。 母親の死以降は、父息子の確執がどう和解していくのか?という点に注目していたが、「婚約者を通じて」というのはどうなのだろう?「あの、親父がねえ」という台詞・演技では息子の気持ちの表現として不十分というかちょっと消化不良。まあ、男同士の照れと言ってしまえばそれまでなんだが、もっとストレートにやってもよかったような。 |
20.シンプルなストーリーだけれどもほっこりしました。東京物語にない展開もあって楽しめた。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-02-02 07:00:52) |
19.大変に質のよいリメイク映画を見せていただきました。子ども、兄弟、嫁、フィアンセ、親の視点から見事に捕らえてあることにびっくりしました。役者さんたちもばっちりですし、脱帽ものです。夏川女史出演の「歩いても歩いても」と少々かぶりますのもみていてうれしくなりました。彼女は子持ちのちょっと窮屈な嫁役にぴったりですね。それにしてもあのユキちゃんの存在、かわいいねえ!! 【HRM36】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2014-01-31 11:54:33) |
18.東京物語へのオマージュだろうが現代にも通じてよいものはよい。泣きました。 【すたーちゃいるど】さん [地上波(邦画)] 8点(2014-01-27 11:01:22) |
17.《ネタバレ》 僕は山田洋次監督の最高傑作は息子だと思っているのだけど、この作品は息子のリメイクかと思えるくらい設定が酷似しているという印象です。 年老いた父親と東京に出た息子とそのお嫁さんになる女性の物語というのが息子の設定で、東京家族の場合は息子+その他大勢の家族という感じでしょうか。 でも、最終的には父と息子とその嫁になる女性という息子設定が物語の着地点になるわけで、その他大勢の家族の話はそこまで必要だったのかどうか疑わしくなる。 個人的な感動度で言うと、息子は涙の止め方がわからなくなるくらい号泣したけど、この作品では涙は零れませんでした。 こういった悪人の登場しない人情話は大好きなので高く評価したいんですけど、ちょっと残念な気分です。 まともな職に就かずふらふらしてる息子を好ましく思わない父親ではあるけど、実は息子はきちんとした好青年で、お嫁さんに素晴らしい女性を選んでいたというのが感動ポイントで、父と息子のギクシャクした関係をそのお嫁さんになる女性が修復してくれる。 もう東京家族のレビューなのか、息子のレビューなのかわからなくなるくらい設定が同じなんだけど、何故かこの作品では息子ほどの感動を得られなかった。 やっぱり敗因は、父・息子・嫁候補以外の登場人物の話が多過ぎて、冗長になってしまったということなんでしょうかね。 やっぱりシンプルに3人の関係性を描くことに重点を置いた方が良かったと思うんだけど、それじゃ丸っきり息子になってしまうし、生前の母親や長女夫婦も描いてみようという試みも仕方ないことなのかな。 【もとや】さん [地上波(邦画)] 6点(2014-01-27 01:42:35) |
16.幸い東京物語は観たことが無かったので、比較することもなく純粋に楽しんで観れました。ただ、全体的な特徴として非常にゆったりと物語が進むので、最近目まぐるしく展開されるムービーに毒され気味だった私には少々退屈だった。というよりテレビ欄を良く観ていなかったので11時で終わると思っていた私は、まだ終わらない!長い!と文句を言いつつなんとか最後まで鑑賞(結局12時近くまであるとは)。物語自体は日本の古き良き家族像が丁寧に描かれていて、ちょっと古くさく説教くさくもあったが、家族っていいなぁと思わされる物語であった。俳優陣の演技も大変素晴らしいものでした。 【ヴレア】さん [地上波(邦画)] 6点(2014-01-27 00:23:35) |
15.《ネタバレ》 先ごろ山田太一作品のTVドラマ「時は立ち止まらない」を観て役者を生かすも殺すも監督次第、とつくづく思いました。橋爪さんは本作品では終始「平山周吉」ではなく「笠智衆」を演じていました。本作品のダメさはそこに尽きます。蛇足ですが冒頭シーンの「東京駅と品川駅を間違える」設定も非現実的です。私は通勤で品川駅を利用していますがここはほとんどビジネスターミナル駅です。「東京駅と上野駅」ならあり得ます。かつて東北方面からの終着駅だった上野駅で老夫婦が降りてしまう、ならありです。「坊主憎けりゃ・・・」になってしまいますが一事が万事リアリテイもなく残念でした。 【yoroshiku】さん [地上波(邦画)] 3点(2013-12-27 12:14:08) |
14.《ネタバレ》 リメイクした理由がわからない。これだったら小津映画観ればいいじゃん。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-09-20 23:30:05) |
【ケンジ】さん [ブルーレイ(邦画)] 6点(2013-09-14 14:38:31) |
【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-08-10 11:24:35) |
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11.《ネタバレ》 オリジナルの東京物語は好きで、何度も観ましたし、小津監督の下でも映画の下積みをなされていた、山田監督のリメイクですから期待していたのですが、わからない。何故、この映画をつくろうと?この映画を観ていて、実はこの映画が観らないことに困りました。橋爪功が笠智衆にオーバーラップにして再生されたり、どうも、山田監督は、まだ、東京物語の呪縛に縛られているのではないか。 【min】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-07-16 21:15:00) |
10.《ネタバレ》 オリジナルの「東京物語」好きで何度もみています。この映画は東京物語を模倣した所(セリフまで同じ)は全然良くないです。なんでこんなものを作ったのか意図がわかりません。アマチュアバンドがプロの曲の完コピをやっているようです。 オリジナルの場面はまあ良いと思いましが、同監督の「息子」のほうが好みです。東北地震の話もこのような形でちょこんと入れるのもあざとくて嫌いです。 【紫電】さん [ブルーレイ(吹替)] 2点(2013-07-11 21:33:28) |
9.家族愛っていいなぁと感じさせる、若干泣ける映画。 【ぺん】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2013-05-01 12:11:15) |
8.「東京物語」は大好きなのですが、これはあまり好きにはなれませんでした。 最大の理由が、山田洋次監督の思い入れのためか、「主観」が入っている気がすることです。 本作は東北大震災を受けて脚本に変更を加えており「今の時代の厳しさ」について少しだけ言及するシーンがあります。 それはとても尊いことですが、本作品には「最近の若いモンは・・・」という内容の台詞もいくつか登場するのです。 「東京物語」は説教くささとは無縁で、人の悲しさ、喜び、エゴを客観的な立場から描き、それでいて「自分も家族のためを思って何かをしてあげたい」と思える作品でした。 しかし「東京家族」には少々押しつけがましさと、説教くささを感じてしまうのです。 本作品に感じたのは「このような若者(家族)がいなくなって久しい」という監督の郷愁にも思える願望でした。 若者や今の時代に対しての「嘆き」が描かれていることに、自分は居心地の悪さを覚えたのです。 また全編に「小津調」が用いられているためか、テンポも非常に悪く感じます。 上映時間が「東京物語」よりも長い2時間24分で、決してこの長さが必要だとも思えませんでした。 本作ならではの良さもあります。 そのひとつが最大の変更点でもある、「東京物語」で故人であった次男の「昌次」が本作品ではほぼ主役といってよいほどの役柄だったことです。 昌次は父とあまり仲が良くなく、そのことが新たなドラマを生んでいます。 「東京物語」では昌次が亡くなったのは戦争のためでした。 「東京家族」で昌次を物語の中心人物とすることで、昌次が戦争のなくなった現代に生まれていたらどんな人物であっただろう・・・というIFを実現したものに思えるのです。 このことには、監督ならではの優しさを感じます。 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 5点(2013-02-17 15:22:09) |
7.『息子』(1991)において、聾唖である和久井映見と永瀬正敏の間で交わされた FAXのやりとり。 そのやり取りには説話的な納得性と同時に、その手書き文字を秀逸な人物描写と する細やかな演出が施されていた。 対して、本作で蒼井優と妻夫木聡の間に交わされるメール文字の何と味気なく、 無意味な事か。観客は事態の推移を既に知っているのだから、 蒼井の表情変化なりを見せるだけで事は足りるわけで、 メール画面の文字は説話的にも無駄な二重説明でしかない。 一方では、妻夫木らの馴れ初めを写真一枚で物語らせるスマートさを持ちながら、 一方では上のような蛇足・無駄もあちらこちらに見受けられる。 または、『息子』でのコンロにかかったおでんの鍋のような、 簡素にして情緒豊かな小道具の類に欠けるのも寂しい。 作為性も露わに画面を賑わすエキストラ達は、 おそらくは山田流のリアリズムなのだろうが、蒼井と吉行和子が対話している奥で、 向かいの窓に姿を見せるアパート住人などはどうなのかと思う。 末っ子の部屋の開放性を以て彼の性格を演出したものとは思うが、 シーンの阻害要因となってはいないか。 貶しどころも多々あるのだが、俳優陣は文句無し。 高級ホテルの窓から見る観覧車の夜景シーンは本作オリジナルのイメージとして 印象深い。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-02-11 23:55:20) |
6.あまりよく知らずに見に行って、数分して、あ、これ「東京物語」なんだ、と思う形で入りました。長女の演技が杉村春子風だなぁとか思っていたら、父も母も長男も、オリジナルと同じ演技になるように演出されて分かりました。だから、私が日本映画史上ナンバーワンと思っている映画とつい比較して見てしまう。真似をしている段階でオリジナルに及ぶはずがないのですが、まっ、それを見ていない人にはいい感じだったのでは?で、少し見ていて、原節子の枠がないなぁ、とか思っていたら、フラガールのお嬢さんがその役になってでてきて、よくこんな凄い役(純真な心の娘さん史上ナンバー1かもしれないというオリジナルと比較されるからです)したなと感心。ひょっとして、フラガールのお嬢さんが一番近いのかもしれない。本作は母の死を悲しむ、というのがピークにもってきてあって、それはそれで感動的なんですが、オリジナルの「現代の、子供は独立して自分の世界を生きることへの、父母の覚悟と悲しさ」でないなぁとか、やっぱり比較してしまう。ワザとそうしなかったのかもしれません。それができるなら、古今の世界中の監督がやったでしょうから。それで、確信犯的にクライマックを、いかにも山田洋二風に、家族愛風に、変えたんでしょうね。小津安二郎の縦線を意識する画像も、あの柱とか戸の縦の縁とかを画面に入れるの、これも意識してましたね。 【K-Young】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-02-11 17:08:45) |
5.《ネタバレ》 最近この手の家族愛ものに弱い事に気づいた上に、赴任先で一人ぼっちで寂しい僕には効果倍増です。誰しもが経験するであろう内容ですので、作品のお母さんとリアルオカンがダブって見えてそうれはもう盛大に泣けました、反則なのでもう二度と観ない!多分観ていない「東京物語」にも興味を持ちましたが、ヤバそうな作品ですので偶然録画されるまでしばらくは温存しときます。 【ないとれいん】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-02-10 18:32:45) |
4.《ネタバレ》 東京物語は未鑑賞で鑑賞。最初は俳優のぎこちなさも感じましたが、老夫婦が出てきてからは各俳優の演技が光りました。内容も家族の在り方を説いているのでわかりやすかったです。ただ、2時間強の割にはカットが目に付く場面もあり、ダイジェスト感が残りました。また見終わってみると家族像が少し古く感じました。震災の出会いも少し強引かな。 【Banjojo】さん [試写会(邦画)] 7点(2013-02-09 23:39:28) |
3.《ネタバレ》 事前に「東京物語へのオマージュ」という趣旨の触れ込みを聞いていたので、どういう作品なんだろうと思って観たのですが、セリフ等も含めて、かなり忠実なリメイクでした。ただ、家族構成は忠実ではなく、『東京物語』に、山田の監督作『息子』の永瀬正敏を妻夫木に置き換えて組み込んだ感じになっています。作品全体としても、『東京物語』に『息子』を折衷した印象が強いです。その分、オリジナル版で、実の子供たち役との対比で極めて重要な役柄だった原節子の役(本作では蒼井)の持っていたへヴィさが無くなり、作品としては少しポップになった気がします。 作品は、『東京物語』を見たことがある人・ない人では印象が分かれそうな気がします。『東京物語』のコアなテーマは、そのまま受け継いでいると思いますし、『東京物語』の持つ美しさ、そして残酷さを現代に蘇らせていると思います。本作では、小津のカメラワーク等の“形式美”は御挨拶程度になぞっているだけで、山田の作品へと消化していると思います。ただ出演者の方では、無茶苦茶オリジナル作品の影響を受けている演技のように思いました(むしろ意図的にそうしているんでしょうが)。この点は『東京物語』を未見の方が本作を見たら、少し異様に感じるかもしれません。 リメイク作品ですし、円熟の山田作品だけに、過去の作品と比べると目新しさはありません。中途半端に感じる部分もあります。どうせリメイクするなら思い切った冒険があっても面白かったのかもしれません。が、小津へのオマージュ作品としてはある程度成功していると思います。このタイミングでリメイクした意味は大いにあったように思います。 |
2.《ネタバレ》 約3年ぶり2度目観賞。関連作品公開に備えて復習。名作「東京物語」を現代風にリメイク。今の家族のカタチをありのままに描いた人情物語。オリジナルではカツ丼だったが鰻重に格上げ。主軸は堅物オヤジとやや頼りないムスコのやり取り。お母ちゃんが亡くなってから、ムスコの婚約者に本音を語るオヤジ。評価は前回観賞時と変わらず、傑作に相違なし。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-01-30 01:05:11) |