61.かなり荒唐無稽なお話でありながら、主人公が常軌を逸していく過程の描写が極めて丁寧で説得力があるので、きちんと見られてしまうという点には感心しました。誰にでもあるちょっとした心の闇にスポットを当て、観客に「分かる分かる」と思わせながらダイナミックなドラマへと導いていく。この手のイタイ映画を作らせると、スコセッシは世界一だと思います。。。 妄想の世界での対話を繰り返すうちに、その対象と古くからの友人であるかのような錯覚に陥ってしまう。アイドルや歌手のファンには結構ありがちなことではないでしょうか。私の周りには、「俺はゆずの友達だ」と主張する知り合いがいます。また、自分自身の成功を妄想するということは誰でもやっていることであり、高校時代の恩師が現れて「君を見くびっていてすまなかった」と謝る場面などは、特にリアルだと感じました。恥ずかしながら、私自身も似たような妄想を繰り返していた時期がありましたから。自分は社会から正当な評価を受けていないという被害者意識と、自分を見下している人間達にいつか吠え面かかせてやるという復讐心、こうしたものの描写が実によくできているのです。主人公を『ミザリー』のような完全にイっちゃった人とするのではなく、ささやかな欲望や虚栄心、現実逃避癖を持つ小市民としたことで、非常に間口の広い映画になったと思います。。。 『ゴッドファーザーPARTⅡ』 や『レイジング・ブル』の重厚な演技から一転して、コメディの才能も見せつけたデ・ニーロの演技力の高さには心底驚かされました。キャリアで初とも言えるコメディ演技を完璧にやりきっていると同時に、カリスマ俳優が小市民になりきってしまうというカメレオンぶり。ヴィト・コルレオーネを演じた人ですよ。困った奴なんだけど、同時に哀れみも感じさせられる。この引き出しの多さには脱帽するしかありませんでした。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-02-15 15:54:43) |
60.《ネタバレ》 この主人公モロに『タクシードライバー』の子孫で(シナリオは違う人)、行動の過激さ・対人距離の不安定・憧れの女性の存在、など揃ってるが、あっちほど神経症的でなく、けっこう好き。ラストの裏返しが決まってるんだな。どうしようもない気違いだなあ、と思わせといて、今までのドラマだったら、あのトークショーは客に受けないはず。紙の観客相手に練習してたりするのなんかは、だいたい「受けない」のの伏線だと思うわけ。ところがこれが受けちゃうんだな(本当のこと言ってるのがジョークになっちゃうおかしさ)。男の狂気に集中していくようにドラマが展開していって、ラストでくるっと裏返って、世間・マスコミの狂気がサーッと広がっていく怖さがいい。逃げたJ・ルイスが街でそのテレビを見たときの表情もいいし。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-10-04 09:58:18) |
59.《ネタバレ》 現実と作り事が入り混じったショー・ビジネスの世界、そして波のように送られてくる情報に溺れ、現実と妄想の区別が付かなくなってしまっている現代人を皮肉な笑いで描いた作品です。 ロバート・デ・ニーロがニートのお笑いマニアを見事に演じています。「タクシードライバー」もそうですが、こういうかすかな狂気を帯びた孤独な人間像を演じきってしまう力量は見事ですね。 ストーリーも現実と妄想が入り混じりながら進行していくので、結末を見終わった後もこれは現実なのか妄想なのか考えさせられますね。 【TM】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2012-04-08 22:51:55) |
【akila】さん [DVD(字幕)] 10点(2011-08-27 19:16:57) |
【T橋.COM】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-07-30 20:45:16) |
56.コミカルタッチで描いているけど、純粋なコメディー映画ではなく、一応ストーリー映画。 デニーロ扮するコメディアンのキャラが、とにかく最高に面白くて、しかもキレている。 下手なコメディー映画よりも大笑いさせてもらった。ホントにこの役者さんはうまい。 雰囲気はテレビ映画のような感じだが、ラストは実際に起こりそうな顛末で、妙にスカッとした。 久しぶりに後味のいい映画を観たな、ということで、お薦め。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-07-24 17:51:21) |
55.人間の狂気と悲哀を鋭く描き出し、ロバート・デ・ニーロの演技の凄みを感じられる傑作。 【ashigara】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-07-10 01:53:38) |
54.《ネタバレ》 頭のおかしい男女が有名コメディアンを誘拐し、それぞれの自分勝手な目的を果たそうとする話だとは知らずに見てしまいました。サクセスストーリーは好きです。ですがこの映画はだめです。僕は映画に対して「終わり良ければ全て良し。」という考えがあったのですが、その常識をくつがえされてしまいました。最初の1時間20分くらいは、脳が沸騰するほどイライラさせられました。ってゆーか、もしかして最後のサクセスシーンも、実は妄想の続き?なんか画面の雰囲気が怪しいんですが・・・そこをはっきりさせないのは見る人が自由に解釈できるように?そんなサービスはいらんぞ。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 1点(2011-07-09 19:20:07) |
53.前半、パプキンの勘違い行動にかなりイラっとしました。その時点でデニーロさすがだなぁって感心してたのですが、私の中で、最後はこの勘違い男が憎めなくなってました。それもデニーロが演じているからなのでしょう。怖面白い映画でした。 【カルーア】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-02-20 17:11:59) |
52.《ネタバレ》 笑えない。現代日本にはこういう人を生み出す条件が揃ってる気がして。一歩間違えば無差別殺傷事件とか起こしそうだもん。 |
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51.《ネタバレ》 ラストが幻想か現実か定かでないのがよいかもしれないね、、、みなさんが仰るようにやはりデ・ニーロとサンドラ・バーンハードの怪演が光っていたのではないでしょうか。どうしてもツボにはまったのはテープぐるぐるのジェリーを誘惑するところですが、げらげら笑ってしまいました。。。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-10-20 00:05:25) |
50. 渋谷の有名なレンタルショップで、家族で楽しめる映画No1で20本近くがほとんどレンタルされていました。 小学生の頃に観賞したときは、なんてつまらない映画なんだろうと思いましたが、久々に観賞しても、何故この映画が1位なのか、未だに理解出来ません。 他のサイトでは「タクシードライバー」のブラックコメディ版と紹介していましたが、やはり笑わせようとはしているんですね。 英語が堪能でアメリカンジョークに爆笑できないと完全理解は無理なんでしょうか? 私は一度も笑えるシーンを見つけられませんでしたが、この主人公とグルーピーの二人の行動は大人しくバーテンダーに身を置いている黒人女性よりは、ずっと魅力的な人生を歩んでいるように思えます。 確かにやりすぎかもしれませんが、スターになるには、あれくらいの行動と勇気が必要なんじゃないでしょうか? 観賞した後に監督がスコセッシだと知りました。 「な~んか、アイツっぽいな…」とは思いました。 スコセッシ監督の作品はダラダラしていてドラマの振幅も狭いので私には相性が悪いのです。 そういう生理的に合わない監督って誰にでもいますよね? 【クロエ】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-10-12 18:42:28) |
49.この映画みたいにどこかのリミッターが外れてしまって、痛い行動に走ってしまっている人は正直見ていられません。もしかして自分も…と考えたときが一番怖いですね。 【色鉛筆】さん [DVD(字幕)] 4点(2010-07-10 15:28:06) |
48.《ネタバレ》 あまり好きな映画ではないですが、本作で見せてくれたデ・ニーロの素晴らしき怪演は数ある彼の名演技の中でもかなり強く印象に残っています。自室でジェリーと大声で妄想の真っ最中にお母さんに叱られているデ・ニーロがカワイイです。ジェリーの車から降りた次のシーンで本当にジェリーと一緒にランチしてる!とびっくりしたけど次の瞬間これが妄想だと分かる。何なんだこれは…?と、これでもうデ・ニーロとスコセッシ監督の作る独特の世界に一気に引き込まれます。妄想、薄ら笑いに高笑い、何度もオフィスに押しかけ、別荘で空気が読めず友達の如く振舞う様子や漫談に至るまでデ・ニーロの表情と演技を見ているとやっぱり彼は凄いなあと思わされます。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-03-15 03:44:41) |
47.前半はやや退屈気味だが、やっぱキれたデニーロにはみいってしまう。ストーカーの女も怖いし。芸能界ってのは恐ろしいところだと思いました。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-03-31 14:02:24) |
46.《ネタバレ》 この映画と「マルホランドドライブ」を比べると、有名になりたくて妄想する人たちの悲哀と狂気の2つのタイプの現れ方が見えて興味深かったです。わざとなのでしょうが、パプキンが何も考えずに行動しているように見えるところにはいりこめませんでした。ただ、こういう普通の人の狂気を演じたらデニーロの右に出る役者は少ないですね。 【omut】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-02-26 06:55:40) |
45.やっぱりデ・ニーロはこういう変人が一番合っている。タクシードライバーとは作風は少し違うが、違う意味で怖い。パプキンがラストのことまで読んでいたら凄い。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-10-27 00:02:24) |
44.デ・ニーロって奴は「ケープ・フィアー」といい「タクシー・ドライバー」といい後の「ザ・ファン」といい何かに取り付かれたような役を演じさせたら何でこんなに上手いんだろか。軽いストーカー行為なのに普通に怖く見える。常に落ち着いている所も怖いけど誘拐してからのサンドラ・バーンハードが一番怖かったけどね、あの顔つきが(笑)計算されたパプキンの魔術にしっかりとはまってもーたがな。。 |
43.これはタイトルにこそコメディとあるが、けして笑える映画ではないし、むしろ恐い映画である。何しろロバード・デニーロの演技が凄すぎる。どう考えてもパプキンという男は物凄く嫌な奴だし、普通ならこんな嫌な奴に感情移入など出来っこない。それなのにこの物凄く嫌な男に対して共感を覚えてしまうのは、ロバート・デニーロだからこそであって、ロバート・デニーロにしか出せない空気、この映画は自分が憧れを抱き過ぎた為についその憧れの人物になりすますという物語だが、この主人公の気持ちが私には解る。好きな人物に対しての憧れ、そうなってみたい。人間なら誰もが一度はそう思ったことがある筈です。そんな人間の本質というものを描いている所などいかにも人間社会の矛盾さ、やるせなさ、人間の心の中の闇を描かせたら現在のアメリカ映画界においてこの人の右に出る監督はいないのでは思えるマーティン・スコセッシ監督らしさを感じるし、作品自体は特別凄い作品だとは思わないものの夢と狂気の世界を両方描いているこのブラックな世界、マーティン・スコセッシ監督のセンスの良さが見て解る作品です。 【青観】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-01-04 11:45:54) |
42.《ネタバレ》 面白い。面白い。面白い。個性豊かな映画でした。観る側に、妄想なのか現実のシーンなのか解答を与えられずに進むシーンがちりばめられていて、これがラストシーンの解釈を迷わせます。うーん。あのラストはやっぱり・・・後から後から考えさせられます。出演者の熱演(怪演?)に圧倒。9点 ! 【RTNEE USA】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-04-08 14:53:55) |