32.《ネタバレ》 一番印象的なシーンは、宮沢りえが駅の反対側ホームから消えたと思いきや、階段をゆっくりと降りてくるシーン。 このシーンは、ハッと息を呑む印象的なシーンだった。 横領したお金で楽しんだところで、その楽しいひとときは偽物にすぎない。 偽物だから、いつ終わっても当たり前だ。 いつ終わっても当たり前の楽しさだからこそ、心底楽しめる。 この理屈、筋は通ってるけど、刹那的で物悲しい。 破滅的な話なのに、どこか美しい、そんな作品だった。 儚いからこそ、美しいのかな。 【にじばぶ】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-07-13 23:08:58) |
31.《ネタバレ》 アタシの美しい転落人生。巨額横領に不倫、捏造…やりたい放題なアタシ。数千万パクりがバレちゃったよ。会社の窓ガラスをバチコンして、逃げろぃ。それでもアタシは自由と居直る、何て悪いオンナだね。そのまま地獄へ真っ逆さま。少女たちの合唱曲が皮肉に聞こえちゃう。いいお話じゃないんだけど、何だか痛快なので良作。 【獅子-平常心】さん [DVD(邦画)] 7点(2019-04-29 02:29:11) |
30.《ネタバレ》 正直なところ、あんなに美人なアラサーの彼女が、あんな頭悪そうな大学生に溺れていくのがちょっと理解に苦しむ。冷静な判断ができないときってどんな人にもあるだろうけど、映画の発端としてはちょっと必然性に欠けるきがする。映画が終わる最後の最後でいいから「ああそうか、だからあの女はあの日大学生についてったのか。そりゃそうだよな、わかるよその気持ち。嗚呼」となれればよかったんだけども。 もちろん映画ではいちおうこれに対する必然性を与えようとして、カトリック系中学校での出来事を織り交ぜている。この出来事があれば確かに大学生への耽溺は説明になるが、必然性とまではいかない。 べつに横領しなくても、あの様子ならば貯蓄とかから渡せただろう。そもそも銀行員なんだから学資ローンとか詳しいんだろうからそういうアドバイスをしてあげればよかっただけではないか。 それともあのエロ高齢者への仕返し?または単純にエロ大学生と不倫したかっただけ? 気になるのは、彼女は不妊だった点。不妊の原因が夫なのか彼女なのかはちょっと聞き逃したけど。 これら数々の心的な歪みの歯車が、持ち前の美人なエロさが導くままに、不幸にもカチッとかみ合って、回りだした不幸な歯車はもう止めることは出来ず。 映画の中で印象的に何度も登場するアイテムとして、腕時計がある。僕は腕時計をしない人間なので、腕時計に自らのステイタスを求める考えが全くない。だけど多くの社会人は、腕時計に自らのステイタスを投影したがっている。横領の歯止めが利かなくなっていけばいくほど、高価でキラキラした腕時計が登場する。まあ映画としては分かりやすい表現だ。 横領によりお金が無尽蔵に手に入るようになって、物質的な自由を手に入れた彼女ではあるが、その腕にはキラキラした腕時計。僕はこの腕時計が、”手枷”(てかせ)にしか見えなかった。すなわち、自由を奪う拘束具。 小林聡美演じる先輩銀行員おばさんは、クライマックスこんな名言を叩きつける。「お金で自由にはなれない。」これはすなわち、腕時計の手錠性ではないか。 我ながら鋭い指摘だ。 |
29.《ネタバレ》 梨花が転落していく過程が安直過ぎてイラつきました。 夫はそれほど悪い人じゃないのに、若い男へ貢ぐ為に横領に手を染め、贅沢を覚えて歯止めが利かなくなる。 こんな風に真面目だったあの人が、と事件になるんだろうなと思いましたが、過程を見てると愚かで痛々しいものですね。 少女時代の募金の話は、梨花の人とずれてる生真面目さが現れてました。 結局自己中ですよね、自己満足です。 相手のためにすることなら自分のお金ですればいいのに。 それが無理なら、無理の無い範囲で出来ることをすべきでしょう。 大人になっても変わらず、結局犯罪者になるわけです。 お局隅さんも真面目一徹ですが、ずれてはいない。 でも、正しすぎる人は息苦しい。 どちらもお友達にはなりたくないタイプです。 隅さんにも共感できないので、梨花が逃げたときはちょっとスッキリしたけど、空港で捕まった方が良かったと思います。 たがが外れた後、どんどん綺麗になっていく宮沢りえさんのメイクとファッションは見てて楽しかったです。 【nanapino】さん [インターネット(邦画)] 5点(2018-06-10 13:25:24) |
28.タイトルは「Paper Moon」からパクったのかもしれませんが、中身は「Braking Bad」な感じ(ただし品質は両作品のほうが数段上)。ごく平凡な「幸せ」を手に入れた女性がそれに飽き足らず、つい出来心で若い男を作り、つい出来心で銀行のカネに手を出し、どんどん深みにハマっていくわけですが、その過程の心境がまったく伝わってきません。先々に逃げ道がありそうでもないし、横領額が膨らんで焦っている風でもないし、悪事も情事も終盤の尋問にも終始淡々。ヒロインは真正バカという解釈でよろしいのでしょうか。ダンナはもっと真正バカとして描かれていましたが。 途中、小林聡美が出てくるシーンだけ空気がピリッとしましたが、ラストは妙に「文学」に走ってしまいました。三日月を指で消す意味がわからない。これも残念。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2018-06-09 16:14:44) |
27.作者の言いたいことはわかる、言いたいことはわかるが..主人公の行動が、安直すぎてリアリティがない..稚拙で唐突で説得力がない..あんなことがきっかけで、数千万 横領してしまうか? ってことだ..相手の男(容姿)はパッとしないし(母性本能をくすぐるって感じでもない)..旦那はのんきで..同僚(大島優子)は何でもしゃべる(説明する)..観ていて なぜ? どうして? しか頭に浮かばない..ところどころ、ハッとする台詞やシーンもあるけど..映画として、観るに堪えない とても残念な出来.. 最後に、タイトルの「紙の月」は あかんやろ~ あの名作 「ペーパームーン」のパクリやん... 【コナンが一番】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2018-05-19 10:01:44) |
26. 気持ちもストーリーもよく分からない。共感できない。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2018-02-17 21:56:30) |
25.不倫ネタって受けるんだろうな。 快楽に溺れてく人間の不徳は描き方が多様。 演技力抜群の宮沢りえでした。 |
24.《ネタバレ》 宮沢りえは美人ではないし、貧相なので主役としてどうなんだろう?と序盤は疑問を感じていたのだが、逆に後半それが活きたような気はする。あんまり美人で幸福顔じゃストーリー的にアレだし。ただし、感情表現や演技力には少々不満かな。全体的に淡白で開放されつつも追い詰められていく二面性が感じられなかった。人形みたいで人間味やエロさに欠けるというか。脇役陣に助けられた印象。 カネと自由と倫理のバランス。人それぞれの価値観で各々に重み付けして生きている。他人を気にしながら。自分は正しい、お前は間違ってると。で、「あんたは幸せなの?」と双方で見下したり、羨んだり・・・。出演者達がやってる事は普段から我々がやってる事です。 ラストは走ってるシーンで終わりかと思いましたが、それじゃああまりにも爽快感ありすぎなので、善行の救いと追われ続ける不安で生き続けなければならない主人公の苦悩は消えないという意味でこれはこれでよかったと思います。 |
23.顧客の孫とラブホに行く流れが唐突で物語りにすんなり入り込めない。世間が忘れたころに繰り返される銀行員の横領事件を、少女時代の善意の施しに絡めるのにも違和感あり。「八日目の蝉」のように自己中犯罪者に心を動かされることもあるけど、このヒロインは動機が不純でイマイチ響かない。宮沢りえの演技はナイスでした。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-12-24 00:14:19) |
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22.大島優子や小林聡美が演じる同僚の言動が、いいアクセントになっている。生い立ちや夫婦間をもう少し描いてもらえれば、ラストの爽快感も共感が得られるのかな。 【noji】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-12-20 00:05:21) |
21.ドラマでもこの作品観たな、とか思いながら観賞。 確かに宮沢りえの演技は素晴らしいし、妙な緊張感というか空気感があってそれなりには最後まで辿り着ける。感動することも驚くようなこともあるわけではない。 でも、最後のシーンの意味が分かった時にはちょっと考えさせられる。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-12-17 13:43:34) |
20.《ネタバレ》 不倫している女性が不倫相手と贅沢するために職場である銀行で横領を繰り返すお話。 最終的には、歯止めがきかなくなり、億単位での横領になってしまう。 そんな横領に手を染める不倫女性を演じた宮沢りえの鬼気迫る快演に圧倒された。 残念なのはラスト。もう少し何とかなったのではないかと思う。 【あずれも】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-12-13 09:37:05) |
19.うーむ。これが実話だったらまだ脳内補完できるのかもしれませんが これをフィクションでやる意味って。 不倫相手の少年に引かれあうシーンがバッサリはしょってるので いまいち入り込めなかったね。 【デミトリ】さん [DVD(邦画)] 4点(2016-11-07 00:18:04) |
18.《ネタバレ》 まず最初に、主人公で横領犯の梨花には共感も何も微塵も感じません 銀行に勤めながら客のお金を盗む、そして贅沢をする そういう人間に対してなんか感傷的になったり観念的なことを語ったり感じたりすることってありますかね。 中学生の頃の出来事もそうだし、最初は光太の借金返済のため 問題はどっちもお金の出処ですよね、そして表向きは人を助けるためみたいな感じだけど 結局自分の思いを満たすためだけなんですよ。誰のためにもなってないわけで そういうことに考えがいかない、自己中で無責任な人間のはなしです それなのに、あのやけに爽やかに美しく描くラストってなに??あのラストに納得できる それまでの内容じゃないんです、2時間ドラマのレベルじゃないですか?コレ 宮沢りえはやはり観る者を圧倒するような汚れ役は無理なんだと思う 小林聡美を筆頭に脇役が優れていることでなんとかなったような気がする 「八日目の蝉」も同じ原作者なんですね。 この方、実際にあった事件を題材にした女の最もいやらしい部分に共感を求めるような作品が多いんですかね? 現実こういうタイプの女が身近にいたらめんどくさくてしょうがないと思いますが。 私は嫌いです。 女として、こういう犯罪者を美化するような演出はいただけません。 【envy】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2016-07-23 23:38:58) |
17.《ネタバレ》 きちんと映画を撮っており、好感を持って観られた。宮沢の表情も良いと思う。 ただ、邦画ではここまでなのか。 なぜ、旦那との関係(あえてSEXとは書かないが)に大きな不満を持ち、 若い男に身を捧げたか。もっと旦那との関係と、それを不満と感じる宮沢を 演出/表現して欲しかった。 女の欲において、なにがトリガーとなったかがミソなのだが。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-05-06 19:45:19) |
16.《ネタバレ》 旦那にも相手にされなくなって、淋しいのは解るが、宮沢りえ級の美人が、何故あんなのに恋してしまうのかが理解できない。また、悪に手を染めて、お金を作ってこの坊やに貢いじゃうのも、途中から度が過ぎていると感じた。最後に銀行から窓ガラスを割って、制服のまま逃げて行きましたが、どういう顛末なんでしょうか? 宮沢りえさん、好きなんで5点差し上げます(^_^;) 【SUPISUTA】さん [映画館(邦画)] 5点(2016-04-24 11:31:14) |
15.原作は未読だが、原田知世主演のドラマは見ており、ストーリー展開は知っているのであとはどういった描き方をするのかだけが気になったが、堕ちてゆく過程はダメダメだね。 先輩行員の小林聡美は良いアクセントになっていたと思う。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 5点(2015-11-03 21:11:58) |
14.《ネタバレ》 宮沢りえは微妙な年齢の女性をうまく演じていると思う。堕ちていく経緯は弱いように感じるが、それが幼少期の描写を際立たせている。平凡な主婦というよりは、思い込みが強いタイプか。そんな想像を膨らませられる宮沢りえはさすがですが、単純にこの映画おもしろいかと言われるとそこまでは。しかし、行くべきところとはそっちですか・・・ 【ラグ】さん [ブルーレイ(邦画)] 5点(2015-10-13 01:52:00) |
13.《ネタバレ》 原作小説は読んでおらず、原田知世主演のテレビドラマ版は観てました。映画版は予告編を観た時から大島優子の演技にタダならぬ期待を感じて楽しみにしてました。やっぱり大島優子の演技イイです。そして作品の出来は十分な時間をとっているテレビドラマより数倍面白く出来上がっていて、その出来の違いは脚本について学んでみたくなる気分でした。主人公があの学生と付き合うに至る流れは不自然で、しかもテレビドラマ版に比べて学生の外見が見劣りするうえに子供っぽいので、そこはちょっと不満でしたが、映画を作ると言っていたテレビ版青年より浮ついた感じのない地味に真面目な青年になっていたのは好感持てました。三谷幸喜の嫁さんだった小林聡美は、役どころが好感持てない感じで正しいことをしてるけどキツイという雰囲気。とくに主人公と食事した時に「怒ればいいのに」と言われて返した反応に「ホントくそまじめでつまらない女」と思っちゃうんですが、その後、主人公がにっちもさっちも行かなくなったクライマックスの社内の部屋での宮沢りえとの対話にはグッと引き込まれました。これは小林さんをキャスティングしたのって凄くいい雰囲気出せたんじゃないかって思いました。こんなシーン、テレビドラマ版にはなかった。スゴくいいシーンです。小林に「あなたが行けるのはここまで」と言われた後の宮沢りえの行動は解放感に満ちてました。原作はどういう感じなのか分かりませんが、主人公は単なる犯罪者ではなく、バブル崩壊以前にリタイアした世代の中でもヤーな感じのオヤジが元で一線越えてしまった「善」の部分がある女性です。何もかも救いのないテレビ版より、この映画の締め方は非常に好きになれました。金を与えても、学生は学校を辞め年相応の女の子と付き合うようになり、国外で苦しむ貧しい子供も天災で多分死んでしまった…「結局他人に与えたところで無駄じゃん」みたいな虚しさに飲み込まれそうなところに、生き伸びて大人になり娘を持っている国外少年の姿を見つけて、自分が与えたことが決して無駄ではなかったと救われるあのシーンは清々しいです。ただ「盗み」って言えば明らかに悪ですけど「誰のどんな質の時間のための金を、どこのどんな人のために移動させたのか?」という見方をすれば主人公は女鼠小僧みたいなイイ奴とも言えますから。「横領とか悪いことすると必ず捕まるんだからね」みたいなテレビ版オチより、世の理不尽や不条理に反旗を揚げるようなこの映画の後味の方が好きです。 【だみお】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-10-10 01:39:45) |