1.《ネタバレ》 原作ゲームは4から最新作の7まで万年素人プレイヤーながらある程度やり込みプレイしている。
事実、プレイしているからこそ分かるツボを押さえた演出がいくつか見られる。
既にプレイしている人なら分かるが原作ゲームにはストーリーが無く、
新車購入→チューニング&セッティング→レースで勝利→賞金で新車購入→…
という流れなので、トッププレイヤーが本物のレーサーを目指す実話の映画化にした方が最適解だろう。
そのため、原作をプレイしなくても万人受けしやすい作りになっていて、
モータースポーツ版『トップガン マーヴェリック』と称した方が分かりやすい。
本物志向のアクションに、結末も分かり切った超王道で熱すぎる師弟関係も共通する部分がある。
ソニーが製作に関わっているため、ウォークマンのステマに笑ってしまったが。
実話と言ってもヤンがGTアカデミーを卒業したのが2011年なので(PS3の時代)、
劇中で既にPS5やスマホが存在している地点で、独立したフィクションとして見た方が良さそう。
とは言え、モデルになった人物や実際にあったエピソードが多数含まれていて捻った展開を作り辛いこともあり、
ニール・ブロムカンプ監督作としては肩透かしを食らうのは確か。
アウトサイダーの逆襲と辛気臭い展開をすぐ飛ばすテンポ良い編集に監督のテイストを感じる。
面白い映画ではあるが、秀作以上かというと少し厳しい。
あまりに行儀が良い作りで物足りないくらいだ。
思考停止で楽しむのであればこのくらいが丁度良いかもしれない。