28.《ネタバレ》 ロシア映画ってズルいよね。あの大平原があれば開放的で心地良い感じに撮る事も出来るし、無常感が出て悲しく表現する事だって出来るわけだから。 ストーリーは、手柄を立てて特別休暇をもらった若い兵士が母の待つ故郷に帰る途中で色々な人と出会い交流するお話。 主人公は戦地に赴任している兵士たちの家族や恋人に会うわけですが、体が不自由な父親や、他の男を部屋に入れたりする女もいれば、すぐに動かなくなってしまう車で生活している人もいる。 貨物車の中で出会った女と恋仲になるものの、結局住所も分からないまま別れてしまったりして、親切心を出し過ぎる余りどんどん帰還までの時間が迫ってきてしまう。 まぁ、自分で言うのもなんですが、困っている人を見ると放っておけないタイプなので、何となく主人公の行動には共感できてしまうところもあり、主人公同様にさほど時間的な切迫感も感じられないまま観ていました。 気になったシーンをいくつか挙げるとすると、他人を部屋に入れていた女に石鹸を渡した後で階段を駆け上がってそれを取り返しに戻ったシーンがありましたが、主人公はまだ19歳と若くやはりどうしても兵隊側の気持ちのみで行動していましたが、残された家族や恋人にとっても同様に淋しくて堪らなかったのかもしれないとまでは考えが及ばなかったのでしょう。 あと、貨物車の番人をしていた男がなかなか良いキャラを出していたのと、怖いとされていた中尉が意外にも優しかったのが、この映画の中で一種のスパイス的な役割が出ていたと思いました。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-11-01 13:34:06) |
27.《ネタバレ》 愛おしい…。観客は主人公が死ぬことをあらかじめ知らされているということが大きな作用をもたらしているのではないかと思います。そうでなければ、貨物車内から始まる小さな恋や浮気妻への葛藤と機転の効いた判断、そして疾走する母の姿にここまで感動したかどうか? アリョーシャが帰路で出会う人達は基本的に対立構造になっていて、観客は潜在的にこの事を意識します。すると、2人の兵士の親たちを意識せずにはいられなくなる。一人は怪我で動けず、もう一人はおんぼろの車を運転していて、思うように動けない。さてアリョーシャの母親はというと、息子に会うために全力疾走するわけです。これは…号泣じゃないですか。石鹸を受け取った父は今すぐにでも息子を抱きしめたかっただろうし、アリョーシャを駅まで運んだ母はおんぼろの車を飛ばして息子に会いに行きたかったはずです。それが叶ったのに、たったの2,3分でまた別れなければいけない。これほど惨い感動があるかね…。究極の反戦描写ですが、戦争がなければ体験することがなかったエモーションです。映画は戦争がなければ既に衰退していたかもしれないわけですし、映画ファンは戦争に感謝しなければいけない面も、実はあるんです。その辺りを痛感させられて、さらに泣けました。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-05-22 21:07:34) |
26.《ネタバレ》 よかったですよ。宮崎駿監督お気に入り、とのこと。合点がいきます。いろんなところで、「天空の城ラピュタ」、「母をたずねて三千里」を彷彿させるシーンがあります。音楽も、かわいらしいのやら、壮大な感じのものやら、久石譲氏によるものに近いような感じがします(それは、気のせい?)。もしかしたら、宮崎アニメの原点なのではないでしょうか。「こういうのを、作りたい」っていうような。なお、ワタシはどうしてもレンタル店で探せない本作を、自宅のパソコンから閲覧できる公立図書館のデータベースで発見しました。そして、合併以前は他市町であった図書館から取り寄せていただき、見ることができました。ワタシの住んでいる街の図書館のみなさん、ありがとうございました。本作を、このような形で手にすることができ、うれしかったです。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-10-22 22:27:58) |
25.《ネタバレ》 ストーリーそのものよりも、このストーリーを作り出してしまった「戦争」というものの恐ろしさ、虚しさについて考えさせられましたね。 【TM】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-05-12 23:55:41) |
24.美しいカットは魅せられる部分があるが、戦争のリアリティに乏しすぎる気がしてならない。単なる恋愛映画として観るならば、まだ良いのかもしれない。仮に違う国、違う時代に作られたものならば違った評価になっているだろう。製作国、年代(時代背景)と映画の関連の重要性をを考えさせられた。 【円軌道の幅】さん [ビデオ(字幕)] 3点(2009-12-31 00:40:34) |
23.《ネタバレ》 出てくる人が皆優しくて、軍人もみんな優しいのが若干胡散臭いけど、心温まるからまぁいいか。ソ連、ロシア映画って殺伐としてるか、キンザザみたいなヘンチクリンなのか、アニメくらいしかないと思っててごめんなさい。 ソ連女性は美しくて可愛い。そりゃ惚れるわ。やっぱり男女間の友情なんてないんじゃないか。出会った二人は友情か片思いにしといて欲しかったなー。 カラーの方が映えそうな映画だと思いました。 【すべから】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-08 13:14:11) |
22.《ネタバレ》 このサイトで、ちょっと期待しすぎたせいか、いいのか悪いのか判断に苦しむ作品でした。 主人公にイラっときてしまいました。でも純粋で不器用な男なんです。母親と暮らせる二日間を、パンを千切る様に他の人たちに分け与えているのですから。幸せは、こういう人に訪れてもらいたいものです。 「反戦」のメッセージは私には伝わってきませんでした。残虐シーンがないまま、主人公を「英雄」と呼んでしまうと、「西部戦線異状なし」のような意図は伝わらないと思います。 【クロエ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2009-10-07 20:09:29) |
21.《ネタバレ》 『もうどこにも行かせない』 母親が子を思う気持ちは万国共通なのでしょうね。 アリョーシャの後姿を母親が見送っているシーンはホントに切ない! 戦争さえなければ・・・と心底思える映画でした。 【とことこ】さん [DVD(字幕)] 10点(2009-03-25 01:23:05) |
20.「戦争は何でダメなの?」と聞かれたとき、答えはすべてこの中にあると思う。 【はち-ご=】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2009-03-03 21:42:04) |
19.反戦映画として、是非一度は見ていただきたい作品。グググッときます。いやホント。 【Fukky】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2008-12-23 07:40:39) |
|
18.フルシチョフ政権下の民主化の動きの中ということもあろうが、これだけ愛情のこもった作品が発表されていたとは、この国の懐の深さに驚かされる。自分ならどうするか、正しいとわかっていても主人公のように振舞えたか。いつも、息が詰まりそうになりながらの鑑賞となる。人として忘れてはならないことを思い起こさせてくれる映画。 【たよし23】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-09-07 22:54:17) |
17.人間の持つ普遍的な優しい「愛」の素晴らしさ・そんな優しさを無にしてしまう戦争の無意味さを美しい映像で描いた監督チュフライの珠玉の一本。国家にとっての「解放の英雄」よりも「心の豊かな人間たれ」と唄い上げたこの映画の主旨、今も世界中のどこかで戦争やテロに明け暮れている人々の胸に届かないものか。「イデオロギー」や「国家」の前に人としての優しさなんだよ、相手を思いやる気持ちなんだよ。 【Nbu2】さん [地上波(字幕)] 10点(2008-05-28 20:40:39) |
16.《ネタバレ》 もうずいぶん昔にNHKで放映された時から心に残っており 思い出すだけで涙がこぼれてくる映画のひとつです。 アリョーシャの優しさゆえに、本来の目的だった母親との再会・実家の修理が できなくなってしまう。 最後のシーンで彼は母親の顔を見ることしか出来ずじまい。 こんなに悲しく美しい反戦映画はありません。 【バッハバッハバッハ】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2008-01-23 19:03:08) |
15.久しぶりに時間が経つのを忘れる程の凄い映画を観ました。 特に、主人公の青年と少女との恋を描いた部分が素晴らしいです。 旧ソ連の戦争モノには傑作が多いですね。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2008-01-13 00:51:17) |
14.《ネタバレ》 片足の悩める男を妻に引き合わせ、偶然頼まれただけの石鹸を律儀に届け、列車で居合わせた家族を救う。母に会い、屋根を修理するための折角の休暇を往路で出会った人々に振りまき、優しさを浪費するアリョーシャ。だが彼にとってそれらは浪費ではなく、後悔する対象でもないだろう。彼はそういう人間なのだ。善意を意識せずに果たしてしまう青年。戦車がすぐ傍に迫り、砲弾の雨にさらされていても、仲間に退却を告げてからしか逃げ出せない。挙句に戦車に追われ、時間に追われ、無自覚のまま英雄と呼ばれるに至る、そんな男の子なのだ。 彼はそれを語らない。黙って石鹸の宛名を書き換え、母親にも途中で寄っただけだから時間がないと話す。 だからこそ唯一実時間で彼と行動を共にし、アリョーシャという人生を間近で感じたシューラの存在は大きい。軍服を着せられ二人が乗り込んだ軍用列車の窓から見える青空の美しさ。頻繁に心情描写を託される空という風景であるが、これ程までの素晴らしさは唯一の経験である。 6日もの休暇を与える将軍も、密航を軽く見逃す鬼のような中尉も魅力的だが、何と言ってもこの作品はアリョーシャ。その人生なのだ。 【stroheim】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-09-24 12:31:27) |
13.慕情、友情、背信、挫折、復活、帰郷、別離、絶望、希望……。人間のありとあらゆる感情が詰め込まれた映画です。今の映画シーンからは廃れてなくなってしまった何かが、ここには確かにあります。 【K】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-04-06 23:05:08) |
12.優れた反戦映画であると同時に、とても爽やかな青春映画であると思います。帰郷する道すがら出会う人達に誠実に接した事で、主人公の少年は(ごくごくささやかではあるけれど)他人に幸せを与えた。その人たちはもしかすると彼が死んだ事を知らないかもしれないけれど、きっと後々まで彼の事を記憶しているだろう・・・と、そんな想像が広がります。 【ぐるぐる】さん 9点(2004-07-06 17:12:42) |
11.《ネタバレ》 ほのぼのしている。しかし強い反戦メッセージの映画です。いい作品だと思います。 【ぷー太。】さん 7点(2004-04-02 21:44:51) |
10.母親への愛情・戦友との約束・一時の恋愛、それぞれどのエピソードをとっても深い味わいが有り、戦争の非常さというものが心に残ります。例えば、貨物列車での物語をとってみても、これが本当の「恋愛物語」だと言えます。純粋で優しく誇り高い。昨今の陳腐な恋愛映画には無い素晴らしさが有ります。 |
9.大げさな特殊撮影も、有名なハリウッドスターも、リアルな戦闘シーンも、この映画の前ではみんな霞んでしまう。これ以上に清らかで悲しく切ない反戦映画はないです。 【mimi】さん 9点(2003-11-08 19:17:54) |