654.《ネタバレ》 俺は時代劇が好きじゃない。家族は時代劇が好きみたいで(特に祖父母)NHKの大河ドラマをほぼ毎年見ているのだが、側で見ていても死ぬほど退屈だし、話をまともに知ろうという気にもなれない。そんないわゆる”アンチ時代劇”な俺が、トム・クルーズの主演作だから、そしてハリウッド映画初出演にしていきなりアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ話題となった渡辺謙の演技を見てみたかったから、さらに評判も良かったから見た。すると見た後、時代劇は合わないという固定観念は嘘だったかのように心底感動、その完成度の高さにひたすら圧倒された。ストーリー、序盤の壮絶な戦闘シーン、オールグレン(トム)と勝元(渡辺)の絆、忍者侵入のシーンから始まるチャンバラ、サムライ・スピリット、渡辺謙の演技とその存在感、エドワード・ズウィック監督の巧みな演出、興奮や感動をさらに引き立ててくれる音楽。全てが美しすぎる。チャンバラはしょせん日本の時代劇と感じさせる所が若干あったものの、斬る!斬る!斬る!の連続ばっかりで刀と刀のぶつかり合いに飢えていた俺をたっぷりと満足させてくれた。しかし・・・。それ以上に俺を感動させてくれたのは、映画全体からにじみ出る男たちのパワーだ。クライマックス、軍隊との戦争で、オールグレンや勝元を始めとする男たちは死ぬとわかっていても、自ら足を踏み出し、決して死を恐れる事を無く闘った。こんなにも儚く美しいヒーローたちがかつていただろうか?国に全てを捧げ、自分たちの運命を受け入れ、自ら”死”に突き進んでいった彼らを俺は深く深く尊敬したい。俺はこれから、いろいろな事に悩み、苦しみ、悲しむ事だろう。時には挫折しそうになったり、自暴自棄になったりする事もあるかもしれない。しかしそんな時には、この映画で描かれた男たちの力強いパワーが、俺を悲しみから救ってくれる事だろう。うぬぼれでは無く、俺はこの映画さえあれば何でも出来る!!この映画を”好きだ”と言える自分である事を、俺は心から誇りに思う。 |
653.《ネタバレ》 好きな映画だが、残念な点をひとつ。それは、渡辺謙の死に際の台詞である「Perfect」。やはりこれは、「完璧だ」と日本語で言わなければ不自然だろう。「アメリカ映画だから」というのは、作品中で日本語を多用しているので理由にならないだろう。また、いくら、傍らにトム・クルーズが居たとはいえ、彼に向けた言葉ではない。人間の死に際に、朦朧とした意識の中でで搾り出すように発した最後の言葉、しかも、散りゆく桜を見ながら自分の率直な心情を表した言葉が、「母国語」ではなく、片言にすぎない「外国語」というのは、まず有り得ないはず。日本人の「心」を表現する最大の見せ場で「Perfect」と口走ってしまったがために、皮肉にも「Perfect」ではなくなってしまった映画。残念ながら、日本人の心や侍の魂を「完璧」に表現できているとは言えない。つまりは、この映画のタイトルが示すように、あくまで「Last Samurai」であって、「最後の侍」ではない、ということなのだろう。 ちなみに、トム・クルーズが死にそうな顔で朦朧とした意識の中、口走ってしまった「サ~~ケ~~!!」。これは彼にとって「外国語」ではあるが、余りにも酒が欲しかったがために日本人に媚びた台詞なので、極めて自然であり、トム・クルーズの最大の見せ場の演技として、「Perfect」と言えるでしょう(笑)。 【STYX21】さん 8点(2004-05-25 00:36:31) (良:1票)(笑:2票) |
652.良く出来た映画でした。が。この映画を、私のナショナル・アイデンティティーと結び付けたがる周囲にちょっと辟易。私が「日本人であること」は、一本のハリウッド映画によって高揚させられたり、打ちのめされたり、自信を持たされたり、影響を受けたりするものではない、と思うので……これを見た人々に「日本人でよかった、と思った?」と聞かれるたび、答えています。「たった一本の映画から、そんな大切な問いに対する答えは出てこない」。多くの人々から「日本人でいて幸せ」とか「サムライ魂を自分のものとして感じた」という感想が出てくるのは好ましいことなのでしょう。でも私の中では、(サムライの血をひく)「日本人である」というアイデンティティーは、「クルーズ版・武士道へのオマージュ」によって持ち上げられて浮かれちゃうほど軽いものじゃない、という気持が強く有ります。点数は娯楽大作としての評価として。 【中山家】さん 6点(2004-03-29 10:18:05) (良:3票) |
651.《ネタバレ》 アクションは迫力があって、エンターテインメントとして楽しめました。ただ、「大村」が(特に後半)ただの薄っぺらい「悪役」になっちゃったのは減点。あの時代に「近代化」という夢にとりつかれた日本人としてちゃんと描ければ、「サムライ」との対比も単なる「善玉・悪玉」じゃなくて、一つの時代の価値観の対立として、もっと深みがでてきたと思うのですが・・・。「大村」をちゃんと描けない点に(彼には、アメリカ人はエキゾチックな魅力を感じないんでしょう)、ハリウッド映画の限界が見えちゃった気がしました。 【ころりさん】さん 5点(2004-03-04 10:58:39) (良:2票)(笑:1票) |
650.渡辺謙が助演男優賞を取れなかった理由がわかった!目立ちすぎ!主役を食っちゃだめでしょう・・・カッコよすぎ。中でも光っていたのはやっぱり「ボブ」でしょう。世界一の切られ役の唯一言葉が最後の「あるぐれんさん」(オールグレンでないところがいい)っていうのも良いし!それに答えた「ボォ~~ブ!!」(ってやっぱボブのままなのねぇ)もまたよかった!素直に面白かったです。 【だだくま】さん 9点(2004-03-02 08:58:16) (良:2票)(笑:1票) |
649.風俗考証がなってないとか、史実と違うとか、細かいところは「これは日本で製作された映画ではない。ハリウッド映画だ」ということで潔く諦める。が、それにしてもこの映画はちょっと…。片一方がサムライで、片一方が官賊というのはストーリー製作上のご都合主義でしかないし、そんな勧善懲悪でサムライを語られても説得力がない。サムライとサムライのぶつかり合い、これならば映画化する価値があったと思う。明治政府の中心人物にもスポットを当て、そのサムライ魂を描いていたら、もう少し点数高くできたのだが…。もちろん、政府高官になるにしたがって卑属に落ち、自分の権力を守ることに汲々とした人物はいた。だが、新国家建設に燃えていた明治初期、官側にもサムライ魂を持った人々がいた事実を忘れてはならない。また、当時の歴史背景に目を向ければ、日本政府は列強の食い物にされぬよう、富国強兵策に必死だった。もし内戦続きだったら、日本はそれこそアメリカあたりの植民地になっていたかもしれず、それを無視した勝元は狂信的な国粋主義者にしか見えない。民間人による近代的な軍隊の創設を目指した日本政府が、武士階級にのみ与えられる特権(武器を持たせる)を認められなかったのもムリはなかったのでは?勝元は、武士の力だけで列強諸国から日本を守りとおせると思ったのだろうか?更に、官軍側悪役の名前が「大村」という名前だった。大村といえば私は素直に大村益次郎を連想するし、映画の大村の人物設定は明らかに大村益次郎を意識している。大村益次郎は、日本の軍隊に近代化に貢献し、狂信的な国粋主義者達に暗殺されてしまう人物であるが、戊辰戦争のとき、江戸の町が戦禍に巻き込まれないように充分に気を遣って作戦を練ったというほどの知略の人。映画の大村とは似ても似つかない。架空の物語だと言うのであれば、特定の人物を連想させる名前は使わないで欲しかった。ストーリーは悪かったが、渡辺謙の演技はホントに良かった。セリフは少ないけど存在感たっぷりの真田広之も良かった。小雪も(役の設定に問題はあったが)良かった。トム・クルーズも頑張っていた。というわけで、役者さん達の熱演にこの点数。 【ノコギリソウ】さん 5点(2004-02-24 00:30:56) (良:3票) |
648.ラストサムライ2を作るなら、寡黙な侍ボブが実は生き残っていたという設定を。勝元の仇をとるためにひとり明治政府に立ち向かう。コピー「本当のラストサムライはボブだった」。んー、ボブの存在感はいいぞ。 【彦馬】さん 8点(2004-02-18 19:36:01) (良:2票)(笑:1票) |
647.《ネタバレ》 トム・クルーズ、相変わらずセレブなオーラ出まくりなのだが、日本語を口にした途端に、単なる東洋かぶれのガイジンに成り下がる。こうなるともはや立て直しがきかず、しかも武士道精神をリスペクトしつつも小雪には熱い視線を送り続けるなど、都合がいいとこアメリカ人のままなのはどうなのだろう。まるでホームステイに来たエロ留学生のようだ。なによりそれをやってるのがあのトム・クルーズだというのが笑える。このようにトムが単なる道化にしかみえなかったのが多少は功を奏しているのかどうかは分からないが、渡辺謙がいい、よすぎる。もうたくさん出てくる、たくさん喋る。それだけでも同じ日本人として喜ばしい。普段はおくびにも出さない己のナショナリズムが満たされる瞬間である。ファーストカットも彼からだし、死に際の一言は、この映画の中で真面目に鳥肌が立った数少ない場面だった。私は日本人なので、渡辺謙らの英語を聞いてネイティブな人がどういう感情になるのかは、例えこの先自分がベラベラになっても一生分からないのだろうが、とりあえず日本人役者の英語に違和感を感じることはなかった。しかしトムの「さけー!」には一気に冷めた。私としては、話にムリが生じようともトムが終始英語で演じてくれた方が、少なくともより物語に入り込めたように思う。まあそんなのありえないんだろうけど、逆にそのあたりに、この手の映画をつくる上での限界を感じてしまう。 【ドレミダーン】さん 4点(2004-01-22 18:17:02) (笑:3票) |
646.内容的には、可もなく不可もなく。ただ、道端に仏像があったり、冬の間抜け出せない豪雪の偏狭の村に、雪が降っている場面がない点や、天皇謁見の間で天皇までの距離が短すぎるなど納得いかない場面が多々ある。 【孤島の鬼】さん 5点(2004-01-05 18:42:57) (良:2票)(笑:1票) |
645.物語としての出来は本国での比較的芳しく無い評価に現れていると思います。私も「ラストサムライ」はトム・クルーズの事を指しているのだとばかり思ってたので、彼が単なる狂言回しで終わってしまった事には、私以上にアメリカの方々は拍子抜けされた事でしょう。では、何故日本でここまで評判が良いのかと言うと、テーマが日本人の超大好きな「忠臣蔵」と同じだからです。ここまでまざまざと(日本の)観客自身を日本人と意識させる映画がハリウッドからやって来たというのにも驚きましたが、当時の日本の孤立主義・軍国主義へと繋がっていく「武士道」なる物を、アメリカ人の視点から「肯定的」に描いたという事にも大変驚きました。と同時に、アメリカ製の戦争映画というだけで拒否反応を示し、ほんの少し散りの美学を描いたというだけで本作を礼賛してしまう様な、思考停止状態の論調の台頭には少し危険も感じます。ま、なんだかんだ言っても、一日本人の私にとっても今迄の所、本作が2003年度No.1映画であることには違いありませんけどネ、8点献上。 【sayzin】さん 8点(2003-12-29 22:03:20) (良:3票) |
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644.アメリカが本気で日本映画を作ったんだと、間違いなく胸を張って言えるおそらく初めての映画ではないだろうか。それは単に日本を舞台にしているというだけではなく、E・ズウィックが“滅びゆく者の美学”をテーマとして永年培ってきた精神と、日本映画に深く心酔し探究を重ねてきた成果とが見事に融合・結実したものであり、決して付け焼刃などではない、どっしりとしたものを感じさせる。そしてそれは、途中から日本人の監督とメガホンを交代したのではないかとさえ思われる程、日本映画たり得ている。ここで描かれる“侍”たちは、アメリカで言えばいわゆる“西部の男”たちでもあり、“時代に翻弄されていく者”という共通項を通して、紛れもなく彼らへの崇高なる鎮魂歌として成立している。そして、如何に死んでいったかなどではなく、武士として男としてそして人間として如何に生きてきたかという、彼等の生きざまをこそが本作のテーマなのであり、だからこそ、男が男に惚れまたその友として、オールグレン大尉が天皇に沈痛な思いで言うセリフが泣かせるのである。ただ、ラストはいかにもスター、T・クルーズ作品らしい締めくくり方が少々残念で、欲を言えば、馬を走らせている彼の姿で終わらせて欲しかった。しかしそれでも、世評に違わぬ、いやそれ以上に確かな手応えを感じさせてくれるこの素晴らしい作品と出逢えた事に、幸福感を味わうとともに、本作に携わった方々に深く感謝を申し上げたい。 【ドラえもん】さん 10点(2003-12-18 15:23:39) (良:3票) |
643.この映画を見て「侍」、「武士道」これを理解共感出来る人がどれぐらいいるのでしょうか?この国(日本)に生まれ育ってある程度そういった文化に(昔ほど濃くはないけど)触れているから理解しやすいかもしれませんが、海外の人が見たらどうなのかなというのが正直なところ。まあ日本人が撮った訳ではないので分かりにくくはなっていないし、日本人特有の奥ゆかしさや(侍という観点からする)力強さが出ていて米制作にしては新鮮さがありましたけど。この映画で一番凄いと感じたのが、渡辺謙さん!あの威圧感、この映画の中で誰よりも存在感がありました。侍ということでたまたまかもしれませんが、アメリカ映画であんなに輝ける日本人俳優は初めてです。感服いたしました 【にゃん♪】さん 8点(2003-11-21 01:01:57) (良:3票) |
642.《ネタバレ》 かなり突っ込まれてる方が多いようなんですが、そもそもこの映画を日本を描いたものとして見るから引っかかったり、不快になったりするんですよ。 この映画は日本を描いたものではありません。ハリウッド映画によく登場する「ジャパン国」という国を描いたものです。以前から位置がよくわからないという疑問がありましたが、この映画を見てどうもオーストラリアの東方に位置するらしいということがわかったのは収穫でした。(ちなみに芸者がアクロバットをしたり、原っぱで作戦を練ってパールハーバーを攻撃したのも当然この国ですし、ロサンゼルスで「二つで充分ですよ」といってるのもこの国からの移民です。) ただ、反乱軍の首領が首都に屋敷を構え、堂々と会議に出席したりとか、この国の過去の有様に関してはまだまだ疑問も残るので、今後もハリウッドの映画を通じて学んでいきたいと思います。 【rhforever】さん [地上波(吹替)] 3点(2009-12-27 12:10:08) (良:1票)(笑:1票) |
641.《ネタバレ》 何より腹立たしく痛恨なのは「未亡人たかが亭主の仇オールグレンに接吻なんてフツーありえなくね?」とか「ヲイヲイ明治時代にニンジャ?」とか「村の入り口に鳥居?」とか「なぜオールグレンにはガトリング銃が当らないのか?」とか「官軍兵士一同なぜラストで土下座?」とか(皆さんの今までのレビューで散々ガイシュツだしキリがないので割愛!)そういう些細なツッコミ処では断じてなく、こんな陳腐かつ薄っぺらい「日本&武士道」勘違い映画をお耽美に撮るしか能がないエドワード・ズウィック如きに渡辺謙をオスカー(助演男優賞)へノミネートせしむるだけの力量を見せつけられたコトだ!珍妙な日本の風俗描写に辟易かつ失笑したヒトらも、勝元の画面における存在感には目を見張り、合戦場面のスペクタクルには思わず息を呑んだハズ。つまりそういうコトだ。要するに我が邦画界は”役者のポテンシャルを十全に引き出し増幅させる”という点に絞っても「ブラックレイン」のリドリー・スコットや本作のエドワード・ズウィックといったハリウッド二流作品及び監督にさえ完敗を喫している、という屈辱的な苦い”事実”を認めざるをえないのが現状なのである。取り敢えず日本人監督による(ジブリアニメ以外の)映画で逆にハリウッドをぎゃふん(死語?)と言わしたるくらいに奮起していただきたい!! 【へちょちょ】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-02-14 02:59:44) (良:2票) |
640.日本マニアの外人がサムライを書いたらこんな感じになるんでしょうなあ。他の「日本風」映画よりはよっぽどマシだが、日本人から見たらまだ違和感があるね。時代考証もそうだけど、そんなのはたいした問題じゃなく、「精神」の点でまだ勘違いはあるでしょう。日本ロケを行わず、日本にはありえない広大な山間の村を舞台にしてしまったりね。監督にとって次の課題は「狭さ」にも魅力を感じる心じゃないかな。とりあえず茶道からでも始めてみては。 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-08-31 17:13:25) (良:1票)(笑:1票) |
639.《ネタバレ》 緑鮮やかな芝生の上を、昼間 桜をバックにして、ヨロイ姿で刀を 振り回す騎馬サムライ達と、西洋かぶれ風の衣装に身を包んで銃・ 機関銃を連射する日本兵達が闘う・・・・ もうねアホかとバカかと・・・www 挙句の果ては、タコ坊主頭の渡辺兼と、ロンゲ長髪のトムクルーズが 抱き合いながらの自害シーン。 さらにさらに、最後の最後は、日本軍全員土下座で闘いに敬意を払う・・・ もうね監督さん、武士の闘いもう一度勉強し直して鯉www そりゃさ、『武士道』ってのを主題にかかげておけば、 アメリカ人は なんかよう分からず、うおおおおおとか言いながら 喜んでくれるのかもしれないけれど、 日本人にしてみれば、寒すぎ る感があるんじゃないですか? もうね( ´,_ゝ`) プッって感じw 千葉真一がジャパニーズ忍者って言ってるノリと変わらないですよwww 久しぶりにツッコミ入りまくりの映画ですよwwww 【アキト】さん 5点(2004-07-15 23:37:06) (良:1票) |
638.そもそも侍魂とはつまり愛国心である。 そんなもの現代日本人の中にどれくらい残っているのか? 観客も、制作者たちも、侍魂を「命を懸けて自分の意志を貫く」くらいのシンプルな構造で 捉えているのだろう。だから勝元たちの戦う理由がわからない、という根本の空洞が生まれる。 「国の行く末を案じて命を懸ける」という感覚は、完全な個人主義に染まってしまった 今の日本では理解できないものだろうし、理解しろというのが無理な話である。 敗戦国の日本は戦勝国の米英によって、愛国心を抜き取られる教育を受けてきたのだから。 では日本の観客が「侍魂に共感した」と勘違いしたものの正体はなにか? それは渡辺謙や真田広之の魂ではないか。彼らの奮闘に感動し、彼らの死そのものを悲しんだのではないか。 散っていく男の美学。日本人をカッコよく描いてくれてありがとう、という感謝の涙。 私はこの映画をその視点で観たし、その意味ではよい映画だったと思う。 しかし米国人に侍魂を教わるほど腐ってはいない、と胸を張って言える日本人で私はありたい。 日本人のアイデンティティーを口にするだけで煙たがられる現代日本において、 こんなレビューを書いている私は、ただの異端なんだろうな。 【337】さん 6点(2004-06-04 22:16:33) (良:2票) |
637.このレビューでの「パール・ハーバー」に対する日本人観客の反応を見たハリウッドがあわてて総力を挙げ制作した起死回生の大作! 【シン】さん 7点(2004-05-31 02:24:24) (笑:2票) |
636.武士道嫌いです。別に誇りなんていりません!!私が子供だったらお父さんを止めます!!負けると分かる戦いは、させないと思います。どうしてこうゆうシーンがないんですか?トムとケンさんの映画だからですか?こんな映画で私は感動しません!!残された者がかわいそうで仕方がありません。 【はりマン】さん 3点(2004-05-19 00:47:49) (良:1票)(笑:1票) |
635.映画館で見ながらボロボロ泣いた。初めての体験でした。私の涙をメランコリーの一言で片付けることはたやすいでしょう。しかしそれで片付けてしまって良いものでしょうか。明治維新は必ずしも「悪」ではなかった。かつてのインドや中国のように帝国主義の被害をこうむり、自国経済をズタズタにされた国もある。日本がそうならないためには、西欧列強に準ずる必要があった。近代のシステムと科学技術を導入することは急務であった。しかし漱石も指摘したようにそれは皮相のものでしかなかった。ラストサムライは、西欧近代と日本の中世封建的社会との世界観・価値観の対立を、西欧の側から同調的に見た作品でありましょう。言わずもがなでありますが、われわれ今日の日本人の視点は西欧人のものに近い。それでもなお、日本人は桜を愛す。だからこそ、わずか100年ほど前には存在し、今もその残光と余韻が輝く、かつて日本人が抱いていた「侍」という理想は心地よく、胸を打ちます。世界に誇るべき、そして本来は我々日本人こそが見直していかねばならない『菊と刀』の世界です。失われた心性は戻ってはこないかもしれない。が、志すことによって再び宿るかもしれない。光栄が昔日のものとなるか、今後未来に継がれるものとなるか。メランコリーに終わるか否かは、我々の一挙手一投足にこそかかっているのでしょう。文句なしです。素晴らしかった! 【虚学図書之介】さん 10点(2004-03-15 01:41:51) (良:2票) |