4.《ネタバレ》 ありそうな家族修復の映画と思いきやこれは裏切られました。両親の離婚に対して意識し抵抗し、そして受け入れるというストーリーは全く見事で、少女の成長をひしひしと感じられるものでした。また演出も多様で、子役の個性も相まって非常に魅せられました。
終盤の彼女の成長を具現したようなシーンはとにかく見入ってしまったし、何より「おめでとうございます」のインパクトは凄かった。独りになり山を越えた彼女が両親と離れた自分に対し言ったその言葉は励ましか祝福か。その時流れている悲しげな音楽に子供時代との決別を感じさせるとともに彼女がひとつ大人になったことを確かめさせ、また彼女はそれを自覚しているように見え逞しく感じました。そしてその後の離婚届を渡す、作文発表、エンドロールの流れが良く、前向きな思いが強く残る作品で素晴らしいです。
最後に両親役の二人の関西弁は完璧ではないが上手だったなあと思った関西人の私の印象を付記させてもらいます。