117.《ネタバレ》 女手一つで育てあげた大切な一人息子を17歳の誕生日の日に事故で亡くしてしまった母マヌエラ。突然の悲劇に彼女はただ絶望のどん底へと沈み込んでゆくのだった。彼女は一人、住み慣れたマドリードを去り、若き日の思い出の地であるバルセロナへと辿り着く。そこで当時の親友だったオカマのアグラードと再会を果たしたマヌエラは、彼女とともに息子の父親を捜し始める。なぜなら過去、マヌエラは相手に内緒で息子を産んでしまったから――。ヘビースモーカーの舞台女優、彼女から同性愛的寵愛を受ける麻薬中毒の若手女優、エイズを患う男の子供を身篭ってしまうシスター…、これはそんな個性豊かな女たちが織り成す、母親やこれから母親になる予定の、そして誰しもが女優でもある全ての女性たちに捧げられたアルモドバル監督の賛美歌だ。のちに耽美的変態路線を突き進むことになる同監督の世界的な名声を得るきっかけとなった今作なのだが、これは女性たちのユートピアを描いたある種のファンタジーだろう。トランスジェンダーの登場人物が男に襲われているところを主人公が救ったところから、もうこの映画には男の性欲が一切出てこなくなる。ただ、男は精子を提供するだけの存在になってしまうのだ(その象徴がオカマなのに男性器だけはある、あのお父さんだろう)。女たちをねじ伏せ、ただ子供を産ませようとする男たちの醜い性欲が微塵もない世界。そんな世界で描かれる、実に活き活きと人生を謳歌する彼女たちの力強い友情物語に僕は静かな感動を覚えざるを得ない。まだシスターフッドと言う言葉が一般的でなかった時代に、ここまで女性たちの自立と連帯を真正面から描いたアルモドバルには素直に感嘆させられる。独自の映像美と豊かな物語性が混然一体となった、なかなかの佳品と言っていい。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-05-23 21:08:09) |
116.この作品が平均6点とは…衝撃。個人的には8~9点だが、補正のためこの点数。 男性レビュアーと女性レビュアーで大きく違うと思いますけどね。標準偏差が出ればいいのに(笑)あと、各作品ページで男性平均・女性平均点が出ればいいのに…と、サイトへの要望はおいといて。 この作品を十分に理解することができる、女性に生まれてよかった。 他の投稿型レビューサイトではもう少し評価が高いと思うが、男性の点数が強く反映されるのが、このサイトのマイナス…(男ウケする作品は、一般サイトより高く、逆に女性向けの作品は一般サイトより低くなりがち) ステマがない(はず)、男女で評価がわかれるような作品以外の点数は納得できる、シンプルなデザインが好き等の理由でこれからも使いますけどね!(笑) |
115.《ネタバレ》 女性の強さが丁寧に描かれていた。こういう派手さは無いが、しっとりしたヨーロッパ映画の佇まいは良い。 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-06-23 04:13:20) |
114.海を隔てたあちらの国ではたぶん評判の高い映画だろう。そういう気配はわかるような気がするのだが、果たして日本の文化で育った私たちにはどうだろうか。最愛の息子が死んだとはいえ、それを別れた夫(今でも軽蔑しているような男)にわざわざ伝えに行く感覚も到底理解できない。それにゲイとかエイズとか麻薬とかも嫌だし、品のない言葉はもっと嫌。この映画より舞台で演じられる「欲望という名の電車」の方がよほど好き。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-05-23 22:26:13) |
113.2012.08/26 鑑賞。私には考え及ばない内容、その意味では自身の体験、経験、人生にない別世界。いつも思うのだが映画は予想だにしない、奇想天外な、信じられない、驚愕な等で表される作品が多いが、この作品はこれに該当するのか、又はシリアスな、リアルな作品なのか判断に苦しむ。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-27 14:50:51) |
112.様々な事情を持ったキャラクターが登場してきて最初は映画に入り込みにくかったのですが、こういう作品もありかもと思いました。 【*まみこ*】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-18 03:35:27) |
111.《ネタバレ》 いろんな要素がぎゅぎゅっと詰め込まれているが、感ずることはあまりなかった。都合の良い悲劇が連続するも安っぽくならず、高尚な雰囲気であるのは、ペドロ監督の実力か、ヨーロッパ映画だからか。 しかし、ゲイなのに女性はらました上、病気まで移して失踪って・・・。死を持ってしても許されないレベルだろ。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-06-16 15:49:19) |
110.《ネタバレ》 なんだろう。凄く不快感がある。唐突にゲイっていうのが許容できなかったのだが、なんだこれ、この監督ゲイ芸の有名人とかなのか? ゲイである必然性を感じなかったけど、この監督的にはマストだったんだろうな。EU圏の映画では結構面白さを秘めているような気がするのだが、なんだろうこの許せなさは。やっぱこれを見て思ったのは、自分は許容できない側なのかなってことか。結構寛容じゃないのかオレはって思っていたが、その実映画を見ただけで不愉快だったのを考えると現実のゲイの人に拒否感を持っていたことに何となくそうかもな、って感じたりする。 色んな問題提起を含んでいるのに、結局これしか印象に残ってない。ものすごい飛び道具だよな。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-05-19 11:32:56) |
109.《ネタバレ》 そりゃあおすぎが絶賛するはずだわ。 |
108.マジックを失った、元天才アルモドバル、あわれなり。 【Snowbug】さん [DVD(字幕)] 0点(2012-01-14 19:30:10) |
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107.最初の目的を忘れたヒロインの不可思議行動に?と思っていたら、 この監督さんは同性愛者のようで、そちらをメインに描きたかったのねと妙に納得。 それならそれに見合ったストーリーを考えてくれないと。女性讃歌といいながら、 ヒロインは単なる狂言回しの役割しか果たしていない。タイトルも疑問符。 その他の登場人物たちも、その時の感情のみでしか行動できない未熟な人ばかりで、 まったく共感を覚えなかった。いい歳をした大人たちが何を甘えてんだろ。 今度はぜひ、迷惑を被った子供の立場から作品を作って頂きたいものである。 役者さんたちの演技に関しては何の問題もない。最後まで安心して観ていられた。 【MAHITO】さん [地上波(字幕)] 3点(2011-09-03 08:35:47) |
106.今まで見たアルモドバル作品の中でも好きな一本です。 独自の色彩美と、人間像、せわしなく進行するストーリー。 これらは他の作品にも共通する特徴ですが、中でもこの作品が一番うまく、マッチしていると感じます。 それにしても、ホントにアルモドバル監督は色々な「女」を描きますね。 シングルマザーからニューハーフまで。感服します。 【せかいのこども】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-12-11 21:19:33) |
105.息子を亡くし、母親としての自分を捨てることを決断した主人公。どんな逆境にも立ち向かってゆく女性の強さ、脆さが迫真に迫ってくるスペイン映画。赤を基調とした色づかいも凄い。 【j-hitch】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-21 21:12:02) |
104.《ネタバレ》 予備知識ナシで観たのですが、期待していたものとは全然違ってガックリでした。締めくくり方は「女性讃歌」を主張してそうですが、自分にはどうしても「オカマ讃歌」にしか感じられませんでしたし、そのオカマ讃歌に共感も感動も起きませんでした。絶対に映画のタイトルがいけないと思う。「これはゲイの話です」と分かるタイトルにしてくれればいいのに、「母親の全てについての物語です」みたいな面構えは、詐欺にしか思えない。男性と女性がいて、どちらもそれぞれの性差の中で良い所も悪い所もあって、そんななかで「女性はこういうものよね」「女に生まれて良かった!」などを主張していくなら分かるけど、男であることをやめて女で生きたい人間と、それに関わる女と・・・そういう世界観だけで「母親」なんて言葉を持ってこられても、自分としてはひたすら「???」でした。こういう世界観をルーツとする息子に、どういう男性観と女性観が培われるのか、それも気になりましたが、死んだのだから、ま、どうでもいいか・・・みたいな気持ちです。バカバカしい100分でした。 【だみお】さん [DVD(字幕)] 2点(2010-08-22 09:56:23) |
103.《ネタバレ》 長いよーーーー。 これってホントに傑作なんですか? 女性はマストなんですか? スペイン映画独特の雰囲気や色彩や、ロケーションがあるからなんとか観れましたが。 あまり、心に伝わるものはなかった。 【urara】さん [DVD(字幕)] 3点(2009-08-13 01:10:50) |
102.序盤、マヌエラが息子を失うマドリードのパートは非常に素晴らしかったです。この監督さんは人間の描き方が巧く、彼女の悲しみが痛いほどに伝わってきます。また、エステヴァンという本作においてキーとなる人物を、短時間の登場ながら印象に残るよう描いていることにも感心しました。しかし舞台がバルセロナに移ると、途端に感情移入しがたくなります。ゲイが女性と関係を持ったり、修道女が避妊もせず成り行きで男と寝たり、有名女優が昨日今日会ったばかりの他人を付き人として雇ったり、マヌエラが息子の死の原因となった女優と何事もなかったかのように親しくしたりと、目の前で起こっていることにいちいち疑問符が付いてしまうのです。重いドラマがどんどん軽くなっていき、最終的には母を失った子供を引き取ることで、かつて失ったエステヴァンの代わりができましたというハッピーエンドも、やっぱりよく理解できませんでした。また、出てくるのが女性かゲイばかりなので、男の私には彼女たちの会話や行動の面白さがイマイチ伝わらなかったのも問題でしょう。「たぶんこの演出は巧いんだろうな」と思いながらも、心には入ってこなかったという感じです。外国の人が「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」を見ると、たぶんこういう印象を持つのだろうという感じです。おすぎは絶賛しても、私には一生良さのわからない映画だと思います。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 5点(2009-08-07 21:43:36) |
101.スペイン(?)映画で雰囲気が独特でした。でも物語としてはあまり面白いと思いませんでした。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-08-02 23:07:42) |
100.おすぎ氏絶賛とのことで観たが、ぴんとこなかった。30年前のヨーロッパ映画といった感じ。個人的には苦手でした。 【kaaaz】さん [DVD(吹替)] 4点(2008-11-03 21:54:16) |
99.なんとも不思議な感じがしました。流れるようにストーリーが噛み合っていって、複雑ではあるもののあまり気にならなかったです。臓器移植、ドラッグ、エイズ、同性愛などのテーマがバランスよく絡んでいきます。女性の強さや大きさが描かれていますが、やっぱりよくわかりませんでした。重く、暗く、女性を描いているという点で、めぐりあう時間たちに似ている気がしました。 【色鉛筆】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-10-20 22:10:07) |
98.臓器移植、ドラック、エイズ、ゲイ等と考えさせられるテーマが多いが、結局何がいいたかったのかよくわからなかった。もうちょっと絞ってスッキリしてもらえるとよかった。 【茶畑】さん [DVD(字幕)] 2点(2008-10-07 21:01:46) |