30.《ネタバレ》 波打つ黄金色の麦畑、顔を這う蟻、窓辺に迷いこむ鳥、ミミズ、蜘蛛、針ネズミ、蜂、いなご、フクロウ、蛇、カエル、そして人間の大人たちと、その子どもたち。田舎町の美しい風景の中で自由に輝くそうした様々な生命と、廃屋の穴に隠され大人たちに脅かされるフィリッポの囚われた生命、その対比がなんともやりきれない。秘密の穴でフィリッポと出会う主人公ミケーレは非力な子どもだ。だが、彼はいくら大人たちにねじ伏せられようとも、フィリッポを救うべくひたむきに突き進むことをやめない。守護天使たるそんな彼の手引きで穴を抜け出し、麦畑で笑い転げ、ようやくつかの間その生命を謳歌するフィリッポ。英雄ではなく同じ非力な生命として、そんな当たり前を当たり前に彼に与えるミケーレは、まるで罪深い人間の胸にそれでも宿る最後の光のようだ。同様に、ラスト、逃げきる道を選ばず危険を承知で当たり前に瀕死のミケーレのもとへと舞い戻るフィリッポは、一転、今度は彼こそがミケーレの 守護天使となる。満身創痍となりながら、まっすぐに手をさしのべあう二つの良心。この映画が描くのは勇敢な少年の正義やヒロイズムなどではない。ここにあるのはただ、非力な人間がそれでも人間として根底に持ちうる良心の、ささやかでいて途轍もなく力強い、慈しむべきその姿だ。 【BOWWOW】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-11-26 00:34:16) |
29.《ネタバレ》 黄金に煌めく麦畑の風景は本当に綺麗で癒されました。「ぼくは怖くない」と言う題から想像して見てましたが、お化け?ゾンビ?誘拐と子供目線で展開することもあり、好奇心が掻き立てられる描き方が凄く良いし、どんどん話に引き込まれた。ミステリーと言うジャンルは少し違う気もするが、ミケーレとフィリッポの友情物語で締めくくるラストもなかなかジーンとさせてくれる。でも、最大の見せ場は、悪いことに目をつぶる世の中で正義を貫いたミケーレの勇気。大人になったら得るものもあれば失うものもある、それは純粋な子供のような心なのかもしれない。いろいろと考えさせられた作品で、隠れた秀作だと思いました。 【taka-104】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-24 03:45:57) |
28.もっとミステリアスな理由があって閉じ込められているのかと思っていたので、途中で理由がわかった時に一気に冷めてしまいました。 【色鉛筆】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-01-08 07:44:00) |
27.《ネタバレ》 ある少年が大人達に穴に閉じ込められた少年を発見してしまうという話。どんな謎や展開が あるかと思ったら最後までほとんど淡々としてました。前半の方はこれからどうなるんだろうという期待感があったものの、中盤はなかだるみし、後半は別に特別なことは起こりません。なんかジメジメした映画です。背景は半端なくキレイです。嫌いではないです。 【すべから】さん [映画館(字幕)] 5点(2008-09-10 17:19:22) |
26.自分の意思で道を作る「ぼくは怖くない」そしてトトロを見ることはもうない。 【突っ込み】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-06-03 10:42:21) |
25.《ネタバレ》 普通、オヤジが誘拐犯だったら相当ヘコムというか、気が狂いそうになると思うんだけど、この少年はちょっと平然としてたな。ラストもオヤジがやってきて、安心して?駆け出しだらズドンとやられて、この期に及んでオヤジの人間性を信用していたんだろうか?少年ってそういうもんなのかな?少年の親に対する心情が理解できず、俺も少年ではないなと。自分の親を普通の人間・大人として客観的に見られるようになった時が「親離れ」なんだと思うけど(それができない大人になった子供も結構多いが)、小学校低学年ぐらいだと、親がどんなに悪人でも嫌いになれずにどうにか信用しようとするもんなんだろうか?「鬼畜」では妹を捨てて、自分を殺そうとしたオヤジをかばう少年が出てくるけど、そういうもんなのかなあ。 「鬼畜」の方は親を盲信と言うよりは親に対する哀れみ・優しさって感じで泣けたけどさ。 |
24.あのクリームケーキが食べたくなった。ジュゼッペクリスティアーノが少年らしくてかっこいい。 【Vanilla】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-11-25 00:10:54) |
23.みなさんと同じような感想です。こんな話だとは全く想像もせずに、冒頭から判断して妻を誘って一緒に見たらちょっとすごいことになりました。予備知識なしに見た方が絶対楽しめます。レビューを読むのをやめてとにかく見てみてください。「スタンド・バイ・ミー」的なこどもの間の友情のストーリーを期待してみると裏切られますが、そのぶん別の発見があります。 【小原一馬】さん [地上波(字幕)] 8点(2006-11-21 23:26:39) |
22.子供の視点のみで描かれていた作品だったので大人の汚さがよく伝わってきました。大人って本当に身勝手ですよね、子供の純粋な想いや行動が胸に突き刺さる良い作品でした。 【MINI1000】さん [地上波(字幕)] 7点(2006-07-09 00:26:20) |
21.それほど有名な作品じゃないし、派手さも無く地味だけど・・・なのに物凄く深い余韻が残る映画でした。原作がベストセラー小説なだけあって物凄く完成度が高く、全編に渡って緊迫感が続くのは凄すぎる。ハリウッドとかの下手クソなサスペンスやホラーよりもよっぽどドキドキすること間違いナシですね。それと主人公の少年の汚れなき清純さにヤラれましたし(昔は俺もいい子だったなあ)、誘拐された子のひたむきな姿に涙が出ちゃいましたよ。子供とはいえ演技力はズバぬけてる2人でした。それに比べ大人は汚すぎーーーーー!ありゃマズイ。あんだけいるのにマトモな親、なんで1人もいないの?むろん自分に子供が要るのによく誘拐をするよなあという気持ちにもなった。事情とはいえ絶対にしてはならないね。自分の子があんな真っ暗な穴に閉じ込められたら嫌でしょ?俺なら想像しただけで身震いする・・・撃たれて泣き崩れた主人公の親父ならなおさらでしょ。他人を思いやる心、これに関しては大人は子供を見習うべきである。『ぼくは怖くない』、躊躇無く名作に認定。いやはや素晴らしかったなぁ! 【ピルグリム】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-12-17 18:54:57) |
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20.《ネタバレ》 親達の秘密を知ってしまった少年の、友情と勇気の物語(このタイトルは主人公だけでなく、ラストのフィリッポのことも指している)。話自体は比較的オーソドックスながら、映像の力は圧倒的。どこまでも続く黄金色の大地と紺碧の大空。埋もれてしまうほどに実った広大な麦畑の中を、少年達の目線で、彼らが駆け回るのと同じスピードで追い続けるカメラ。これが本作の魅力の80%は占めてると思う。私的には大人の消えた村でのガキ大将の一言、「これを待ってたんだ」に一番共感しました。人の子供は誘拐しても、自分の息子が殴られたと知れば半狂乱になる母。自分の息子を傷つけてしまうと、おたおたと泣きわめく父。主犯格の男の最大の失敗は、子を持つ親を仲間にしてしまったことですね、6点献上。 【sayzin】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-12-17 00:04:50) |
19.いい映画でした。ここにある皆さんの長文コメントが、この映画がいろいろなことを考えさせらる深い映画であることを物語っていますね。 【カルーア】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-08-22 21:36:29) |
18.《ネタバレ》 フィリッポの登場シーン怖すぎ。その辺のホラーよりよっぽど怖かった(涙)おかげで完全にミケーレの目線のまま映画に引き込まれ、そのままラストまで引っ張られてしまった。。フィリッポの正体はありきたりなものだったけど、ミケーレの目線にさせられているため感動は深いものになりました。。 【junneisan】さん [DVD(吹替)] 8点(2005-05-26 21:28:30) |
17.目を疑うような黄金色の麦畑にまずやられた。まるでナウシカ。こんなところに住みたい、こういうところで子供を育てたい、そんなことを言う人がたくさんいそうだ。だけどこんな素晴らしい景色とうまそうな空気の場所でも社会の歪みは容赦なく子供に押し寄せるらしい。大人になっても、その歪みに対して僕は怖くないと言っていて欲しい。 【らいぜん】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-05-01 02:06:50) |
16.《ネタバレ》 始まって数分で思った、これはとっても好きな映画。私をぎゅーっと、幼い時代まで引き戻してくれる。自転車さえあれば、いくつものスリリングな冒険の舞台まで行くことができた。立ち入り禁止の場所にはすすんで入った。何かが起こるかもしれない、そんなドキドキがたまらなくて毎日、日が暮れるまで遊んだ。大人たちの秘密も、女の子の体も、青いミニカーも、僕をドキドキさせてくれるモノたち。同じ天秤の上に乗せられる、ただの無邪気な好奇心。恐いけど大好きな母さん、腕相撲を手加減してくれる優しい父さん、何があっても絶対に安全な場所だと思っていた、疑うことなんて知らなかった。美しくて無垢な子供の世界と、醜く現実的な大人の世界を対比させた、ピリリと辛い素敵な映画です。 【337】さん 10点(2005-02-09 14:42:45) |
15.《ネタバレ》 「スタンドバイミー」とは似て非なる作品。今作の方が深刻度は高いものの、その分、起こる事件が少し突飛で、「誰でも感情移入できる」という訳にはいかないが、少年の成長の物語としては相通ずるものがある。 子供たちを取り巻く広大な麦畑とよそよそしいまでの青空は、その広がりの中で自由に走り回る事を許容しながら、広漠とした世界の中で彼らを拘束もしている。そしてそのコントラストは、小さな片田舎の村と家庭に縛りつけられている子供たちの立場と心象をも象徴している。 自分たちの信じていた大人の世界の裏側を垣間見ることの恐怖は、子供が精神的に成長するためには避けては通れない儀式でもあるだろう。 ただ残念なのは、事件を通して活躍するのも、悩むのも、成長するのも、すべて主人公の少年だけで、せっかく他に友人たちがいるのに、まったく彼らに「出番」が無いという点。いいキャラが揃っていただけに、非常にもったいなく感じた。主人公と共に彼らの友情と成長を描くべき。 【FSS】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-01-17 20:42:43) |
14.《ネタバレ》 どこまでも続く青空。広大な麦畑。廃屋。子供達の秘密基地。こういうのはかなり好きです。あれだけ家族を愛する事を知る親父が誘拐犯…というのは何だか違和感ありましたが、ミラノの(つまり都会の)ゴロツキに純朴な村人がたぶらかされていた…という図式なんでしょう。最後に親父も以前の心を取り戻せて良かったという感じ。少年のピュアな勇気にも感動しましたが、ちょっと違う視点で、警察(公安?)はやはり頼りになるなぁというのも実感できます。特にこういう子供にとって警察はヒーローのようなものなんでしょうね。 音楽も「叙情的なスティーブライヒ」といった感のシンプルな音楽が、美しい情景にぴったりマッチしていてイイ。イタリアンニューウェーブとして注目されてるそうですね。 【番茶】さん 8点(2005-01-10 13:37:46) |
13.よいですね!「この映画は、誘拐事件の話です。」 と一言で言うことはできないような作品でした。どちらかというと、誘拐事件は複線で、本当のメッセージはやはり、少年の仲間意識だろうと思う。 いい作りでよかったです! 【Takuchi】さん 7点(2005-01-04 22:28:00) |
12.《ネタバレ》 物語の始まりは牧歌的な風景、楽しそうに遊ぶ子供たち、暖かい共同体としての小さな村。主人公のマケーレが穴をのぞいてしまってから舞台は大きくその様相を変える。その変化の表現が見事である。それまで安心できる広大な草原や村、家という存在が急に不安の象徴となる。それまでボーっと眺めていた観る側がハラハラ感、不安感を常に持ってのめりこむようになる、という仕組みである。もちろん飽きさせない装置(少年たちの交流、友人の裏切りなど)も満載である。本作は、誘拐事件を常とは異なる視点から切り込み、その中で少年の勇気、成長を描ききった快作といえる。 【コーヒー】さん 9点(2004-12-23 14:35:54) |
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