441.《ネタバレ》 キャメロンのB級魂が炸裂した“魂”の結晶。
「2」も最高だが、初代もやっぱ素晴らしい。
フィルム・ノワール、B級映画、アクション、SF、それにタイムトラベルの要素・・・突然現れる謎の殺し屋、それを阻む謎の男。
ヒロインのサラは「未来」を賭けた戦いに巻き込まれてしまう。それはけして逃れられない運命を変えるために。
女は未来のため、カイルと名乗る男は「過去」を守るため命を賭して。
カイルの説明を受けても、サラはいきなりそんな事を言われてすんなり納得できるワケがない。それに、カイルの説明を受け入れる余裕も無く「ターミネーター」という恐怖は絶えずやって来る。
かつてスティーヴン・スピルバーグが描いた「激突!」や「ジョーズ」に通じる恐怖との戦いがこの作品にはある。
もうね、アレですよ。
殺し屋が標的に引き金を引こうとする瞬間、謎の男がいきなりジャケットからショットガンを抜き放ちブッ放す!
右腕の風穴から聞こえる何かが軋む音・・・それだけで超ワクワクするじゃないか?
CG未発達の時代に「え?コレ本物?造り物に見えねえ」と今でも凄いと真っ先に思う男がキャメロンだ。
子供の頃はひたすら怖かった殺戮兵器、今見るとキャメロンの血と汗の結晶。
そもそも「追い詰められた人類」って設定がキャメロン自身の境遇だぜ。
懇親の作品「殺人魚フライングキラー」の興行が振るわず絶体絶命(俺は色んな意味でキャメロンの最高傑作だと信じて疑わないが)、そんな中で製作が始まる「ターミネーター」。
「金も無い、時間も無い、どうしようどうすんだよ」ってキャメロンの追い詰められた鬼気迫る感情、
「もう後に引けねえ、どうせダメでもやるだけやってやらあ」というキャメロンの職人魂を激しく感じた。
サラとカイルの絡みは「タイタニック」何かよりもずっとずっと胸に迫る。
「絶対命を繋がなきゃならない、 死んでも私が(俺が)守ってみせる」・・・・そんな魂にガンガン響くものがあるんだよなあ、この映画には。