21.大変に質のよいリメイク映画を見せていただきました。子ども、兄弟、嫁、フィアンセ、親の視点から見事に捕らえてあることにびっくりしました。役者さんたちもばっちりですし、脱帽ものです。夏川女史出演の「歩いても歩いても」と少々かぶりますのもみていてうれしくなりました。彼女は子持ちのちょっと窮屈な嫁役にぴったりですね。それにしてもあのユキちゃんの存在、かわいいねえ!! 【HRM36】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2014-01-31 11:54:33) |
20.幸い東京物語は観たことが無かったので、比較することもなく純粋に楽しんで観れました。ただ、全体的な特徴として非常にゆったりと物語が進むので、最近目まぐるしく展開されるムービーに毒され気味だった私には少々退屈だった。というよりテレビ欄を良く観ていなかったので11時で終わると思っていた私は、まだ終わらない!長い!と文句を言いつつなんとか最後まで鑑賞(結局12時近くまであるとは)。物語自体は日本の古き良き家族像が丁寧に描かれていて、ちょっと古くさく説教くさくもあったが、家族っていいなぁと思わされる物語であった。俳優陣の演技も大変素晴らしいものでした。 【ヴレア】さん [地上波(邦画)] 6点(2014-01-27 13:32:19) |
19.東京物語へのオマージュだろうが現代にも通じてよいものはよい。泣きました。 【すたーちゃいるど】さん [地上波(邦画)] 8点(2014-01-27 11:01:22) |
18.《ネタバレ》 山田洋次監督が前作「おとうと」に続いて往年の名作をモチーフにして作った映画で、本作のベースは小津安二郎監督の「東京物語」。「おとうと」ではあくまで市川崑監督の「おとうと」を元にしたオリジナル脚本であり、見た時はそれほど市川監督の「おとうと」を意識せずに見れたのだが、本作は「東京物語」をほとんどそのままリメイクしたような映画になっている。もちろん山田監督らしさは健在で丁寧な演出できっちり描くところや、優しさを感じさせる部分など見ていて温かい気持ちにさせられる映画ではあるし、なによりも山田監督の小津作品への思い入れの深さも伝わってきて決して出来の悪い映画ではないのだが、やはり個人的には山田監督にはほかの監督の作品のリメイクなどしてもらいたくなかったというのが本音で、そういう意味ではぼくが思う山田監督の映画とは違うし、山田監督らしいユーモアも少なく泣かせのシーンもストレートすぎる印象がある。東日本大震災の影響で延期になった映画でもあるが、その震災のエピソードの盛り込み方も無理やりねじ込んだような感じがしてあまり良いとは思えないし、少しあざとさを感じて好きになれない。山田監督のほかの映画としては「男はつらいよ 寅次郎紅の花」の中で阪神大震災が登場するが、その時のほうがもっと自然にうまく現実にあった災害を映画の中に取り込めていた気がする。ほかの本作オリジナル要素としては「東京物語」では戦死していて登場しない次男が生きているという設定になっていて、物語の中心人物として描かれている。これによって山田監督は本作で自らの過去の作品で作風に「東京物語」の影響が見られる「息子」も意識していることが分かる。中でも次男が恋人を母親に紹介するシーンは「息子」で永瀬正敏演じる息子が恋人を父親に紹介するシーンと重なって見えるのはそういう山田監督の意図が感じられる。俳優陣については山田監督の指示か小津作品に登場する俳優たちのような演技をしている出演者が多いが、特に文句はない。主人公である老夫婦役は延期になる前は菅原文太と市原悦子の予定だったものが橋爪功と吉行和子に変わっているが、むしろこの二人で正解だっただろう。長女を演じている中嶋朋子が杉村春子を意識しまくったメイクで演じているのがなんともおかしい。しかし、過去の山田監督の映画には「北の国から」の出演者も多く出演しているのに今まで彼女は一度も出演していなかっただけに何かこの出演には感慨深いものを感じる。それにしても本作に続く山田監督の新作はラブストーリーとのことだが、「男はつらいよ」シリーズも「釣りバカ日誌」シリーズも終わってしまった今、山田監督にはもう一度、純粋な喜劇映画を一本作ってもらいたい気持ちはある。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-01-04 00:36:34) (良:1票) |
17.《ネタバレ》 リメイクした理由がわからない。これだったら小津映画観ればいいじゃん。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-09-20 23:30:05) |
【ケンジ】さん [ブルーレイ(邦画)] 6点(2013-09-14 14:38:31) |
【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-08-10 11:24:35) |
14.《ネタバレ》 オリジナルの東京物語は好きで、何度も観ましたし、小津監督の下でも映画の下積みをなされていた、山田監督のリメイクですから期待していたのですが、わからない。何故、この映画をつくろうと?この映画を観ていて、実はこの映画が観らないことに困りました。橋爪功が笠智衆にオーバーラップにして再生されたり、どうも、山田監督は、まだ、東京物語の呪縛に縛られているのではないか。 【min】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-07-16 21:15:00) |
13.《ネタバレ》 オリジナルの「東京物語」好きで何度もみています。この映画は東京物語を模倣した所(セリフまで同じ)は全然良くないです。なんでこんなものを作ったのか意図がわかりません。アマチュアバンドがプロの曲の完コピをやっているようです。 オリジナルの場面はまあ良いと思いましが、同監督の「息子」のほうが好みです。東北地震の話もこのような形でちょこんと入れるのもあざとくて嫌いです。 【紫電】さん [ブルーレイ(吹替)] 2点(2013-07-11 21:36:39) |
12.家族愛っていいなぁと感じさせる、若干泣ける映画。 【ぺん】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2013-05-01 12:11:15) |
|
11.「東京物語」は大好きなのですが、これはあまり好きにはなれませんでした。 最大の理由が、山田洋次監督の思い入れのためか、「主観」が入っている気がすることです。 本作は東北大震災を受けて脚本に変更を加えており「今の時代の厳しさ」について少しだけ言及するシーンがあります。 それはとても尊いことですが、本作品には「最近の若いモンは・・・」という内容の台詞もいくつか登場するのです。 「東京物語」は説教くささとは無縁で、人の悲しさ、喜び、エゴを客観的な立場から描き、それでいて「自分も家族のためを思って何かをしてあげたい」と思える作品でした。 しかし「東京家族」には少々押しつけがましさと、説教くささを感じてしまうのです。 本作品に感じたのは「このような若者(家族)がいなくなって久しい」という監督の郷愁にも思える願望でした。 若者や今の時代に対しての「嘆き」が描かれていることに、自分は居心地の悪さを覚えたのです。 また全編に「小津調」が用いられているためか、テンポも非常に悪く感じます。 上映時間が「東京物語」よりも長い2時間24分で、決してこの長さが必要だとも思えませんでした。 本作ならではの良さもあります。 そのひとつが最大の変更点でもある、「東京物語」で故人であった次男の「昌次」が本作品ではほぼ主役といってよいほどの役柄だったことです。 昌次は父とあまり仲が良くなく、そのことが新たなドラマを生んでいます。 「東京物語」では昌次が亡くなったのは戦争のためでした。 「東京家族」で昌次を物語の中心人物とすることで、昌次が戦争のなくなった現代に生まれていたらどんな人物であっただろう・・・というIFを実現したものに思えるのです。 このことには、監督ならではの優しさを感じます。 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 5点(2013-02-17 16:10:13) |
10.『息子』(1991)において、聾唖である和久井映見と永瀬正敏の間で交わされた FAXのやりとり。 そのやり取りには説話的な納得性と同時に、その手書き文字を秀逸な人物描写と する細やかな演出が施されていた。 対して、本作で蒼井優と妻夫木聡の間に交わされるメール文字の何と味気なく、 無意味な事か。観客は事態の推移を既に知っているのだから、 蒼井の表情変化なりを見せるだけで事は足りるわけで、 メール画面の文字は説話的にも無駄な二重説明でしかない。 一方では、妻夫木らの馴れ初めを写真一枚で物語らせるスマートさを持ちながら、 一方では上のような蛇足・無駄もあちらこちらに見受けられる。 または、『息子』でのコンロにかかったおでんの鍋のような、 簡素にして情緒豊かな小道具の類に欠けるのも寂しい。 作為性も露わに画面を賑わすエキストラ達は、 おそらくは山田流のリアリズムなのだろうが、蒼井と吉行和子が対話している奥で、 向かいの窓に姿を見せるアパート住人などはどうなのかと思う。 末っ子の部屋の開放性を以て彼の性格を演出したものとは思うが、 シーンの阻害要因となってはいないか。 貶しどころも多々あるのだが、俳優陣は文句無し。 高級ホテルの窓から見る観覧車の夜景シーンは本作オリジナルのイメージとして 印象深い。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-02-12 00:09:53) |
9.あまりよく知らずに見に行って、数分して、あ、これ「東京物語」なんだ、と思う形で入りました。長女の演技が杉村春子風だなぁとか思っていたら、父も母も長男も、オリジナルと同じ演技になるように演出されて分かりました。だから、私が日本映画史上ナンバーワンと思っている映画とつい比較して見てしまう。真似をしている段階でオリジナルに及ぶはずがないのですが、まっ、それを見ていない人にはいい感じだったのでは?で、少し見ていて、原節子の枠がないなぁ、とか思っていたら、フラガールのお嬢さんがその役になってでてきて、よくこんな凄い役(純真な心の娘さん史上ナンバー1かもしれないというオリジナルと比較されるからです)したなと感心。ひょっとして、フラガールのお嬢さんが一番近いのかもしれない。本作は母の死を悲しむ、というのがピークにもってきてあって、それはそれで感動的なんですが、オリジナルの「現代の、子供は独立して自分の世界を生きることへの、父母の覚悟と悲しさ」でないなぁとか、やっぱり比較してしまう。ワザとそうしなかったのかもしれません。それができるなら、古今の世界中の監督がやったでしょうから。それで、確信犯的にクライマックを、いかにも山田洋二風に、家族愛風に、変えたんでしょうね。小津安二郎の縦線を意識する画像も、あの柱とか戸の縦の縁とかを画面に入れるの、これも意識してましたね。 【K-Young】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-02-11 17:08:45) |
8.《ネタバレ》 最近この手の家族愛ものに弱い事に気づいた上に、赴任先で一人ぼっちで寂しい僕には効果倍増です。誰しもが経験するであろう内容ですので、作品のお母さんとリアルオカンがダブって見えてそうれはもう盛大に泣けました、反則なのでもう二度と観ない!多分観ていない「東京物語」にも興味を持ちましたが、ヤバそうな作品ですので偶然録画されるまでしばらくは温存しときます。 【ないとれいん】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-02-10 18:36:05) |
7.《ネタバレ》 東京物語は未鑑賞で鑑賞。最初は俳優のぎこちなさも感じましたが、老夫婦が出てきてからは各俳優の演技が光りました。内容も家族の在り方を説いているのでわかりやすかったです。ただ、2時間強の割にはカットが目に付く場面もあり、ダイジェスト感が残りました。また見終わってみると家族像が少し古く感じました。震災の出会いも少し強引かな。 【Banjojo】さん [試写会(邦画)] 7点(2013-02-09 23:39:28) |
6.《ネタバレ》 事前に「東京物語へのオマージュ」という趣旨の触れ込みを聞いていたので、どういう作品なんだろうと思って観たのですが、セリフ等も含めて、かなり忠実なリメイクでした。ただ、家族構成は忠実ではなく、『東京物語』に、山田の監督作『息子』の永瀬正敏を妻夫木に置き換えて組み込んだ感じになっています。作品全体としても、『東京物語』に『息子』を折衷した印象が強いです。その分、オリジナル版で、実の子供たち役との対比で極めて重要な役柄だった原節子の役(本作では蒼井)の持っていたへヴィさが無くなり、作品としては少しポップになった気がします。 作品は、『東京物語』を見たことがある人・ない人では印象が分かれそうな気がします。『東京物語』のコアなテーマは、そのまま受け継いでいると思いますし、『東京物語』の持つ美しさ、そして残酷さを現代に蘇らせていると思います。本作では、小津のカメラワーク等の“形式美”は御挨拶程度になぞっているだけで、山田の作品へと消化していると思います。ただ出演者の方では、無茶苦茶オリジナル作品の影響を受けている演技のように思いました(むしろ意図的にそうしているんでしょうが)。この点は『東京物語』を未見の方が本作を見たら、少し異様に感じるかもしれません。 リメイク作品ですし、円熟の山田作品だけに、過去の作品と比べると目新しさはありません。中途半端に感じる部分もあります。どうせリメイクするなら思い切った冒険があっても面白かったのかもしれません。が、小津へのオマージュ作品としてはある程度成功していると思います。このタイミングでリメイクした意味は大いにあったように思います。 |
5.《ネタバレ》 東京物語のような評価の高い映画をモチーフにしたと言えば、観る側の評価は厳しくなりがちですね。しかし、さすが山田監督です。映画として心温まる良い映画に仕上がっていました。長男の家も「あれ?いつの時代?」と思いましたし、正面から撮る絵も「小津?」と思うようにあちこちにオマージュが感じられます。 最後のズルさの説明はいらないな。と唯一思ったくらいですね。観終わった後、また東京物語を観たくなりました。 【東京ロッキー】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-01-29 15:02:28) |
4.《ネタバレ》 俳優の演技は非常に良かったが、しかし、1953年に小津が「家族の崩壊を描きたかった」と言って撮られたこの映画を、その60年後にほとんど同じ形で再び撮る意図は何だろうか? それは結局山田洋次が、昭和の、いやそれどころかそれ以前の旧体質な家族像への郷愁を見出しているからに他ならない。山田のほかの作品を観ても歴然としているが、彼は現代においても(ほぼ無自覚であろうが)家父長制的、前近代的家族に郷愁を覚え、最早崩壊しかけているその形を復活させようとしている。しかし、そのような家族像は小津が「東京物語」で描こうとしたものとは真逆のものだろう。小津は決して家族を無理に復活させるような、そんなあざとく分かりやすい映画は撮らなかった。紀子の役柄を比較すれば一目瞭然だろう。また、構図なども小津の技法を取り入れているが、それも中途半端すぎて安定感を失っているように思う。「東京物語」と同じ構図は安心して観ていられたが、それ以外はどうもまずい。小津と比較して(小津の方がゆっくりなのにも関わらず)テンポもよくない。結果として小津の偉大さを思い知らされる映画であった。 【Balrog】さん [映画館(邦画)] 5点(2013-01-29 09:40:22) (良:1票) |
3.東京物語のストーリーを追いながらも、2012年の現代にうまくマッチさせ、しかも老夫婦、長男長女のそれぞれの夫婦、そして次男とその恋人の4組のカップルを丁寧に描いている。さすがは山田監督、寅さんを初めとする様々の日本の家族を映画にしただけにまず文句のつけ所がない。家族への想いや絆は時代を経ても永遠なのか、静かに切々と情感に訴える映画である。それと同時に改めて小津安二郎監督「東京物語」の偉大さも感じた。 【ESPERANZA】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-01-22 19:15:21) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 ほとんど予備知識無しで観たので、ここまで「東京物語」を下敷きにしているとは思わずちょっと驚きました。「宿題しなくていいんだね!?」あたりでオヤッとなるわけです。しかし、このセリフが「名セリフ」として自分の記憶に染み付いているのが不思議だなあ。こうなってくると、「どこを変えているのか」を楽しもうと鑑賞しました。 「東京物語」と大きく違う要素の一つは妻夫木聡 演じる末っ子の存在。元の映画での彼は戦争で死んでしまっていて、映画には直接登場しません。なので、彼はきっと素晴らしい人物、いい息子だったのではないか、と勝手に想像していたわけです。ところがどっこい。今回の「東京家族」では、どうしょうもない放蕩息子として「扱われて」います。死んだ人には勝てないと言いますが、生きてたら生きてたでこうなっちまうのか!と、良い意味でワナワナしました(笑)。しかし、父親と関わることを極端に避けている彼が、実は一番家族と向き合っていたんじゃないか、と思って彼が好きになりました。現代において彼のような生き方は決していい加減な生き方ではないし、子どもと無邪気に遊んで相手するのも彼だけですしね。自分自身が年が近いってのもありますが。 逆に、「東京物語」と違う点であまり好きで無かったシーンは、祖母と孫が散歩する場面の説教臭さ(オリジナルでは涙無しには観られない場面でしたが)。そして蒼井優演じる嫁の「ずるさ」を直接的に描いている点。オリジナルにあった本音と建前の葛藤みたいなものがこのシーンにはなくて少々残念でした。 とまあ、不満点もある映画ではありますが、過去の作品とは言え、現代でも十分通用するテーマであると描ききった良い映画だなあと思います。 【ゆうろう】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-01-22 18:25:19) (良:1票) |