89.《ネタバレ》 非常にまじめな映画。開戦直前の日米両国の様子を客観的に、塚、どちらかというとアメリカ側の油断、手落ちを批判する形で描いているのは好感がもてる。また、日本側の描写も、若干直訳調のセリフが気にならないといえば、嘘になるが、パールハーバーにあったような、意図的な歪曲、中傷がなかったのはやはり日米合作のかいはある。 しかし、残念だなあ、ちょっと肝心の戦闘シーンが迫力不足。あきらかにスタジオ撮影とわかるシーンも目立ったし。 この映画のストーリーとパールハーバーの撮影技術があれば、完璧な真珠湾映画になったと思う。 ところで、絶対、時間に間に合わせなければならない外交文書のタイプ打ちを指二本で打ってる姿は違和感バリバリだが、実際はもっとひどかった。同僚の送別会の宴会をやってて遅れたというのが事実。 ところがその時の担当だった外交官二人は、責任をとるどころか戦後事務次官まで出世してる。嗚呼、今も昔も、国家にどれだけ損害をもたらそうが、キャリア官僚は絶対個人的な責任を取らされないのがこの国の仕組み。 これは、永遠に変わらないんだろうか? 【rhforever】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-02-15 17:29:30) |
88.中学生の頃初めて観て以来、大好きな映画です。プラモデルで作った空母や戦闘機がたくさん登場し、本で読んだ有名な軍人が大勢登場。それだけで大興奮しました。この映画をきっかけにしばらく太平洋戦争の本ばかり読んでたのを思い出します。 【ぽじっこ】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-02-05 18:29:06) |
87.正直言って、けして面白いというような感想は書けない。ではつまらなかったのかと言うとそれもまた違う。作品全体のスケール感、CGなんかじゃない本物の映像による迫力と戦闘シーンの凄さ、力強さ、上空から見えるハワイの海、景色の美しさとそして、何と言っても日本人の出演者の豪華な顔ぶれ、昔の日本映画が大好きな私には懐かしい名前、黒澤組、川島作品、その他色々な俳優陣、タイトルがトラ・トラ・トラと来て少ししか出番のない渥美清、我らが寅さんの登場にもっと見せてくれ!あれだけじゃ全く物足りない。と言うようにとにかく出演者の顔ぶれを楽しむという意味での別の楽しみ方をこの映画では見出すことが出来る。アクションもの撮らせて上手い二人の日本人監督、舛田利雄に深作欣二という監督による演出により、生み出された迫力、しかしながらやはり当初の予定通り、黒澤明監督で観たかった気がするし、それ以上に私としてはこのような感じの作品は岡本喜八監督が最も適しているようにも思える。黒澤明監督が撮っていたら、岡本喜八監督が撮っていたら、いや、トラ・トラ・トラなんだから山田洋次監督だろう!なんて考えてもみたりと、色々考えてしまったりもする。山田洋次監督は喜劇だけの監督ではない。それにしてもこの出演者の顔ぶれを見てしまうと今の日本の俳優のレベルは?と思えてしまう。それだけかつての日本には良い俳優、演技力のある本物の映画スターが沢山、いたんだなあ!と思います。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-09-26 21:42:59) (良:1票) |
86.まったくつまらんかった。 暁の発進は大画面でみればなるほどカッコイイかも知れんが、 あとはのっぺりとして退屈。 |
85.日米合作というところが どうしても気持ち悪くて好きになれん。 一応、順を追ってパールハーバーのほうを目にしてみたい気持ちだってなきにしもあらずなんですが、やっぱりやめておこう それは一応、こちらトラトラトラ のほうに敬意を表してということで。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-08-18 20:40:50) |
84.真珠湾攻撃のその時を、日本側とアメリカ側の視点から交互に描いた、 ドキュメントタッチの作品。 戦争映画でありながら、中盤までは両国の立場の心理的な描写を中心に描いているので、 緊張感はたっぷりだけど、あまり重苦しいという印象は受けない。 そのせいか、終盤の迫力ある戦闘シーンは際立った。 あくまで史実の再現ということで、ストーリー性はやや薄く、 登場人物が多い故に、役者の演技を存分に楽しむという要素はあまりなし。 もちろん見応えはあったけど、黒沢が日本側の監督を降板しなかったら、 どんな映画に仕上がっていたのか? そちらも観てみたかった。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-07-29 09:10:04) |
83.《ネタバレ》 真珠湾攻撃の実態を追った日米合作の戦争ドラマ。真珠湾攻撃指令「トラ・トラ・トラ」敢行までの105分間は日米双方の視点から描かれる情報戦ドキュメント。そして攻撃開始、当時としては臨場感あふれる戦闘シーン。日本軍は悪者扱い、日本語が早口で聞きづらかったです。これが後に核の悲劇を生む大戦の幕開けなんですね。 【獅子-平常心】さん [地上波(字幕)] 6点(2010-11-25 00:05:40) |
82.《ネタバレ》 物語性を極力排除し、淡々と日米両軍が真珠湾の決戦に向かっていく様を描き出した力作。前半の相互の交渉や準備を描き出した「静」の部分と、後半の奇襲攻撃の「動」の部分とがきれいに分けて描かれている。 ■本作はかなり平等に日米両国を描いているなぁという印象を受けた。南雲や山本五十六のような、ただただ攻撃して浮かれているのではない名将的な人物を日本側にも配置されている。日の出をバックにした出撃シーンは映画史に残る美しいシーン。奇襲についても「だまし討ち」的にではなく、本来はきちんと攻撃前に宣戦布告が届くはずだったのが、ミスで遅れたと描いているのも、これがアメリカ資本で作られていることを考えるとよく入れたと思う。 最後の「本来は戦意をそぐはずだったが、これでは敵を憤慨させただけ」という山本五十六の発言が象徴的。 ■「統制のとれた日本軍」と「各自がバラバラと動いて混乱していたアメリカ軍」という構図により、圧倒的優位にありながら奇襲を許してしまった。急を要する場で「確認を」と引き延ばしたり、曖昧な命令をしていたりした。その積み重ねがあの帰結を生んだのだろう。まさに「事実は小説よりも奇なり」 ■淡々としており、反戦メッセージをどこかに込めているわけでもない。最近の戦争映画のように随所に戦闘シーンをはめ込んで面白がらせておこうという演出もない。しかし、開戦前の段階も含めて、これまで見た戦争映画の中で最も「リアル」であった。 【θ】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-10-24 22:57:45) |
81.《ネタバレ》 ブルーレイ版を購入して鑑賞。戦争映画ですがドラマ感、悲壮感等はあまり無く淡々と進んでいく感じです。当時、FOX社が倒産しかかる程?、莫大な制作費を使っただけあって映像に迫力があります、武器や兵器をカッコイイ!と言うのは自分の中では不謹慎なことと思っているのですが「朝焼けのゼロ戦」のシーンはキレイでした・・・。(あと特典映像の「ウラ話」が結構面白かったです)日本側のシーンになるとBGMに琴の音が入ってくるところに・・・「ザッツ、ハリウッド!」 【より】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-10-23 18:45:34) |
80.《ネタバレ》 真珠湾攻撃にいたるまでの日米の苦悩、混乱を描いたドキュメンタリー風戦争映画。序盤の淡々とした政治的駆け引きの云々が長くてしんどいけど、後半の爆撃シーンは圧巻。日米合作とはいえ、この題材をここまで中立的に描いた事が凄い。 ともかく、「パール・ハーバー」とか見るならトラ・トラ・トラ!(パール・ハーバー見たこと無いけど)最後の山本五十六の苦虫噛み潰した表情での一言がとても印象的。どちらにとっても苦々しい結果となってしまいましたね・・・。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-09-25 23:09:18) (良:1票) |
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79.どこまで史実に忠実かよく分かりませんが、「パールハーバー」と比較するとはるかによく出来ていると思います。「パールハーバー」はかなり無茶苦茶だから比較するのも失礼ですが。 【doctor T】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-09-23 21:17:01) |
78.終盤の戦闘シーンはかなりがんばっている。60年代に作られた作品なのでCGはなくミニチュアの撮影部分もあるものの、大半は実物大の生の迫力がある。事実に忠実に作られているようだが、米日合作の割には日本の抜け目ない奇襲攻撃に対してスキだらけだった米軍の状況がきわだって描かれている作品。戦闘に入るまでが長く登場人物も多いので、歴史的背景をある程度知っていないと混乱して状況がわかりづらい気がする。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-09-22 01:58:15) |
77.《ネタバレ》 製作当時では、これほど大日本帝国をリアルに描写したハリウッド映画は初めてだったでしょう(日本人が監督と脚本を担当しているので当然でしょうが)。ただあまりに史実に忠実なので、前半部分は日米とも高官ばかり登場するので退屈と感じる人も多いのでは。しかし真珠湾攻撃の映像は今観ても息をのまされます。機銃掃射を受けて爆発炎上した戦闘機のプロペラがくるくる回りながら吹っ飛ぶシーンは、偶然の産物なのでしょうがまさに映画の神様が降臨したとしか思えません。最も本作は、後年に『パール・ハーバー』というトンデモ作が製作されたおかげで評価が高まったという気もしますが。 【S&S】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-14 12:37:23) (良:1票) |
76.《ネタバレ》 監督はリチャード・フライシャー/舛田利夫/深作欣二となっていますが、実際は製作者のエルモ・ウィリアムスの作品です。作品全体を構成するのはE・ウィリアムスであり、黒澤は彼に雇われた脚本家兼演出家にすぎない、という意図で製作が開始されたことが『黒澤明vs.ハリウッド』を読むとわかります。一方、黒澤は最後までこの作品の作家は自分であると信じつづけます。しかし、ボタンの掛け違いは埋まることはなく、日本側スタッフの不協和音も起こり、黒澤明の降板という不幸な事態を招いてしまいます。 では黒澤明が最後まで撮り続けたらどういう作品になっていたのでしょうか。作品の構成自体は大きく変わらなかっただろうと類推します。E・ウィリアムスは黒澤の脚本力を最大に評価しており、黒澤の脚本をほぼそのまま採用したと思います。これは『黒澤明 天才の苦悩と創造』に収められている黒澤の最終稿と映画を見比べるとよくわかります。細部においてはどうでしょうか。例えば黒澤は連合艦隊を不気味な存在として演出しようとしていたのではと思います。黒澤最終稿にあって本編にはないエトロフからの出撃シーンは、艦隊の全体像を映さずに、画面を覆いつくす艦体の一部や音だけで描こうとした意図が感じられます。しかし、黒澤の細部のイメージがどれだけ作品の深みとなったかは、私のような凡才には想像することすらできません。 この映画を語るときは黒澤の存在を意識せざるをえないのですが、それを度外視しても、戦争映画の傑作であることは間違いありません。開戦までの日米の立場と動きを公平に描きながら、アメリカ側の危機管理の甘さ、日本側の戦争目的の履き違い(外交の延長上にあるとする山本五十六の構想と、敵空母部隊殲滅にこだわる攻撃部隊のギャップ)という歴史の悲劇を見事に描いています。特に、攻撃隊の払暁の出撃シーンは後世に語り継がれる名シーンです。 【爆裂ダンゴ虫】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-01-10 15:06:03) |
75.《ネタバレ》 真珠湾攻撃に至るまでの日米間の駆け引きやそれぞれの思惑や諸事情がしっかりと描かれていて見応えのある作品でした。日本が騙し討ちのように奇襲をかけた加害者で、アメリカが何も知らない加害者であるといったような単純化がされていないことも評価したいと思います。まあ、日本外交の詰めの甘さの酷さと第二次世界大戦に参戦するための大義名分が欲しいアメリカの思惑が重なってしまったということですね・・・・・・。 戦闘シーンもCGなど無くてもド迫力でしたね。また、真珠湾攻撃成功後の山本五十六の深刻な表情も非常に印象的でした。 しかし、この映画の後でなぜ「パール・ハーバー」のようなしょうもない作品が作られるのか、不思議でなりませんね。 【TM】さん [地上波(字幕)] 8点(2009-12-29 23:55:29) |
74.1970年の映画ですか。ゼロ戦による空中戦、真珠湾の空襲シーンなど、現在の戦争映画よりも見応えがありました。ちょっと文書のやり取りに関するシーンが多かった印象です。実際の開戦間際はあんな感じなんだろうけど。 【noji】さん [地上波(邦画)] 6点(2009-11-13 18:35:30) |
73.《ネタバレ》 夜中に目覚めてから眠れなくて、その時テレビ放送されていたものを観賞しました。 誰が主人公なんだ? っていうか、これは真珠湾攻撃を含む、そこまでの過程を描いた映画なんですね。 日本では高評価だったのに対して、アメリカでは不振だったのは、互いに、この映画の本質を理解していたのか疑問に感じます。 アメリカ人は本当に、敵を倒して「偉大なるアメリカ」を固辞するのが好きなんですね。肉ばかり食べてる野性的な表れでしょう。 どうしても私はアメリカ人とは友達になれません。 エンディングの山本五十六のセリフと燃え盛るパールハーバーの描写は、この時点で、どちらに未来と栄光を感じさせるのか理解すべきです。 教訓として「曖昧な返事をする奴、楽観的な奴は信用が出来ない」そんなことを学びました。 【クロエ】さん [地上波(字幕)] 6点(2009-09-12 23:39:25) |
72.劇映画なのにドキュメンタリーを見ているかのような錯覚を感じさせるほど、実に史実に忠実に描かれている。物語性は皆無であり、そういったものを期待する人には退屈かもしれないが……太平洋戦争を勉強するための良い教材にはなると思う。真珠湾攻撃後の凄まじいほどの破壊描写と爆発は大いにカタルシスを覚えたが、やはりこれがハリウッド資本によって製作されたという米国の心の広さに感嘆を覚える。「パール・ハーバー」なんか見てる暇があったらこっちを見るべきだ。 【ドラりん】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-06-24 22:07:34) (良:1票) |
71.日章旗を前にして整列する真っ白な夏服の日本海軍の兵士たちや山本五十六ら、日本人海軍将校たちのセクシーなこと(アブナイ!アブナイ!)・・・。勝利は究極的には自由と民主主義にもたらされると説いた山本五十六、そして(2.26事件、5.15事件などによって当時、日本の民主主義は実際には麻痺状態だったのですが)国民の信託を受けたはずの内閣に権威で対抗するのではなく明治天皇の御製歌を朗読することによって内閣の戦争突入の意向を暗に批判した昭和天皇など、戦争に反対するこれだけの優れた日本人がいながら、外交の敗北という過程を経て日本が戦争に突入していく様がリアルに描かれていたのが良かったです。日本軍による真珠湾攻撃は山本五十六がラスト・シーンで言ったように戦術(tactics)上の勝利であり、戦略(strategy)上での日本の敗北を意味していました。二十世紀前半、人類は一度で懲りずに二度までも愚かな戦争を経験してしまったわけですが、旧戦勝国と旧敗戦国の映画陣が協力し、お互いの情報収集力や俳優、映画技術を駆使してあの頃一体何が起きたのかを冷静に分析し、それぞれの立場で描いたなら、オスカーどころかノーベル平和賞を受賞してもいいような人類全体に資する至宝が次々と生み出されることでしょう。 本作品でのアメリカでの評価はIMBDによると10点満点で平均7.4点(4,665人)、米国Amazon.comでは5点満点で平均4.5点(174人)。因みに「戦場にかける橋(Bridge over River Kwai)」は米国Amazon.comで同点(132人)、IMBDはデータなしです。冷静な分析がなされている戦争映画はアメリカではメチャ受けます。ましてや、この映画は謎に包まれたかつての敵国についてです。 【かわまり】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-12-18 10:26:32) |
70.映画の大半は、真珠湾攻撃に到るまでの日米両国の動きが描かれますが、まあ、両方の国を顔を立てるような感じの内容に仕上がっておりまして、人によっちゃあ、気に食わないと感じる方もおられるでしょう(「日本側に偏りすぎ」と思う人もいれば、「アメリカに都合よく描きすぎ」と思う人も、いるでしょうねえ。いやはや難しい・・・・・・)。しかしこの映画のニュートラルな視点が、戦争映画としての本作の大きな成功要因になっていると思います。「善」「悪」をひとまず抜きに、徐々に迫る刻限、盛り上がる緊張感がトコトン描かれ、そしてついに戦火の火蓋が切られる。あとはもう、「そこまでやるか」という、怒涛の戦争スペクタクル。これが見事なんだ、凄絶で、美しくすらあります。日本側の攻撃に、離陸することなく破壊され尽くすアメリカ側の戦闘機。巻き込まれそうになる兵士の決死のスタントには、ヒヤヒヤさせられます。あと、“黄門様”のガンコな表情も、印象的でしたね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-05-01 22:26:41) (良:1票) |