93.《ネタバレ》 本作品は、1972年制作「惑星ソラリス」のリメイクである。旧作ではラストにどんでん返しがあるが、ソダーバーグ版では、旧作がネタばらしになっていることからこれを採用せず、旧作にはなかった、クリスが地球への帰還を断念するシーンを挿入した。私はこれを評価したい。 精神を病んだレイアは、夫に愛されていないのではないかと疑い、堕胎した。クリスはこれに憤り家を出るが、レイアは自殺してしまった。レイアには堕胎した罪の意識があり、クリスには妻を自殺させた罪の意識がある。 あの日に戻りたい、もう一度やり直したいという思いは、誰にでもあるのだろう。だがソラリスは、そんな悲痛な願いをかなえてくれた。死んだレイアを再び登場させてくれたのである。 しかしそれは、クリスの過去の記憶をソラリスが物質化したレプリカである。彼女が反応するのは、クリスの予想を反映しているに過ぎない。二人にとって未来はない。それは永遠に続く過去でしかない。レイアは自分の存在に疑問を抱き、二度目の自殺を遂げる。 地球への帰還船が離脱すると、宇宙ステーションはソラリスの大気圏へと落ちて行く。ここで宇宙ステーションが燃焼するシーンがなかったのは、残念である。クリスが叫ぶ。 「レイア! レイア!」 サミュエル・スマイルズは、「一個の人間は地球より重い」と言った。壊れてしまった愛を取り戻すためなら、生まれた星を棄て、未来を棄て、肉体さえも棄てられるのか。 ここでソラリスによって作られた少年が、クリスに手を差し伸べる。それはミケランジェロの絵画「アダムの創造」で、神がアダムに命を注ごうとするシーンに酷似している。 クリスは、ソラリスの意志により新しい命を注がれたのか。新しい世界では、指を切ってもすぐに傷が癒えてしまう。もはや以前の肉体ではない。 レイアの再生を待つクリスの前に、再びレイアが現れる。彼女はどれだけ本物のレイアなのか。クリスは生きているのか、死んでいるのか。だがもう、そんなことはどうだっていい。生まれた星を棄て、未来を棄て、肉体さえも棄てて、ただ執念だけの存在となって、それでもお互いを求めずにはいられない。壊れてしまった愛の日々をやり直すために。 たとえ狂おうとも正気になり たとえ海に沈みゆこうとまた浮上し たとえ愛する人亡くとも愛は死なず かくて死はその支配をやめる (ディラン・トーマス) 【高橋幸二】さん [地上波(字幕)] 10点(2009-05-26 22:36:15) (良:1票) |
92.その昔に見た「惑星ソラリス」よりは分かり易かったです。制作側の真意は不明ですが、難解な映画に対するアンチテーゼのようなものも感じました。 【アンドレ・タカシ】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-03-01 03:07:18) |
91.すっごい酷評されてますね。。。笑 でも自分は結構好きです。ゆっくりとしたピント送りの映像がまたいい。もっともっとSF・娯楽要素をなくした方が潔くていい作品になったと思いますけどね。 【HAMEO】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-02-09 15:03:36) |
90.《ネタバレ》 ジョージクルーニーは普段メディアに出る顔から、妻が自殺して苦しんでいる男には やっぱりマッチしなさすぎです。映画に入ろうにも、そこからまず難しかった。 最愛の人を失った事がある人なら、色々考える所のあるストーリーでしたが 最後はただのお安いハッピーエンドで、がっくりしました。 オリジナルは未見なので、ぜひみたいと思います。多分もっともっと良い出来なのだろうと 想像できます。 【梅干御飯】さん [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 4点(2007-12-18 18:31:54) |
89.音信不通になった仲間の救出劇を鑑賞したかったのに、途中で宇宙の恋愛映画になっているのは納得できませんでした。映像だけ良くても内容が追いつかないと。 【SAT】さん [DVD(字幕)] 3点(2007-07-30 23:04:26) |
88.《ネタバレ》 オリジナル版は未見なので比較は出来ないが、これだけで言えば映像は美しく、物悲しい雰囲気、悔恨の情が全面的に映画を包み込んでいる感じは嫌いではない。街のデザインなどを無駄にSF的にしていないところも好み。最初に妻の幻影が現れたときに動揺しポッドで宇宙に放出してしまう感覚も、意外に抵抗無く理解できた。とはいえ内容については難解でほとんど謎は謎のまま残される。明かされる謎についてもはっきりと明示するには至らない感じ。でもまったく訳が判らないというほど判らなくもないし、特に何かが足りないという感じもしないんですなぁ。面白くは無いがつまらんと吐き捨てるほどつまらなくもなかった。うーん、結局のところ「嫌いじゃない」という感想が感想としては的確のようだ。 【MARK25】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-07-07 22:43:10) |
87. 見る人が見れば感動したり面白いと思ったりするのでしょうか。少なくとも私はそういう人ではなかったようです。映像はきれいでしたけど。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2007-03-21 21:06:51) |
86.まったく、終始ジョージクルーニーのケツ映画だな。 【たいがー】さん [映画館(字幕)] 1点(2007-03-20 13:48:24) |
85.《ネタバレ》 やってはならないミスキャスト! 元がソ連の映画だから北欧系を使えとは言いませんが、 ジョージ・クルーニーはちょっと・・娯楽的で濃すぎませんか(苦笑) そして相手役の女優さんも違うんじゃないかな。 ハリウッドがリメイクすれば濃くなるのは仕方ないか・・ それにしてもなんでこうリメイクものって、 特にSFはメロドラマになっちゃうんでしょうか。 家族愛人類愛まで手を広げていなくてわかりよいことは評価できるけど、 安っぽくなってしまったなぁ・・ そしてオリジナルでは地球のコピーのような水のある惑星ソラリスが、 これでは眼球か脳のようです。 あの細い川のようなものは脳の血管か? とまで思ったくらいセンスがありません。 異空間にただよう不可思議な幻想はどこに? 哲学SFとして「2001年宇宙の旅」と並ぶ「惑星ソラリス」が・・ 救いは私がこのふたつの作品をあまり好きではないことくらい。 宗教や哲学がかったSF作品としては、 共感ができるのは「未知との遭遇」までですね。 あまりに禅問答なる異空間SFは変な気分になるから。 そういえばこのリメイク版はそのスペース・オペラSFの持ち味でもある、 気持ちの悪さや哀しさが感じられなかった。 個人の恋愛のみのトラウマかとひいてしまいました。 主役をもっとこう薄いだるそうな演技のできる、 エドワード・ノートンでもよかったかと(笑) 【アルメイダ】さん [DVD(字幕)] 3点(2006-09-21 07:18:46) |
84.ジェームズ・キャメロンが「これは“惑星ソラリス”のリメイクではなく、“ソラリスの陽のもとに”の新たなる映画化だ」と盛んに強調してましたが、とてもタルコフスキーの呪縛から逃れられたとは思えない。ストーリー上は多少の変更箇所があるものの、ソダーバーグ演出の基本はどう考えてもタルコフスキー版にある。多分「惑星ソラリス」から無駄なカット(文字通り無駄な部分と、「芸術」的に有用でも「物語」的に全く不必要な部分)を削って、「SF」的に重要なシーンを加えれば、ちょうど本作位のサイズになるでしょう。そういう意味で、中々巧くまとめたリメイクだと思います。特にタルコフスキー信者でない私は、これはこれで興味深く鑑賞できました(「退屈・眠い」という意見が多いですけど、これで眠ってたら、本家「惑星ソラリス」なんかとても完走できませんよ)。唯、芸術性云々は良く解りませんが、ラストの衝撃度はタルコフスキー版の方が上でしたね。という訳で、6点献上。 【sayzin】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-09-14 00:00:45) |
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83.金を結構かけてる感じなのにセット丸出しっていうSFがあまり好きではないのですが、それに輪をかけて展開が平坦で盛り上がりも無いし正直苦痛でした。100分も無いのに「まだ終わらないのかよ」って感じで。友達でもあるソダーバーグ監督とジョージ・クルーニーが酒の席で「あの惑星ソラリスって映画は良かったよなあ、うちらなりに作り直してみる?」とかで始まった企画なんでしょうか・・・。原作やオリジナルがどうとかではなく、SFというと観客はどうしてもスケールの大きなものを期待してしまうので、狭い規模で内面的な葛藤に悩むって作品は大衆受けしないと思います。 |
82.。。。眠い。。。(>_<) いやいや。。。んとね、テーマを理解してから咀嚼すると、伝わってくるものはたくさんあるんですけどね。 ヒロインがダメだ。。。 ああいうタイプの奥さんじゃ主人公に感情移入できない(^^; これじゃ、単に肉欲にかられて悶々としてるだけの男じゃん。 精神的な絆とかそういう大事なもんが全然描けてないんだもん。。。 もっと清らかで柔らかい感じの奥さんなら、泣けそうなんだけどなぁ。。。 【とっすぃ】さん [DVD(字幕)] 4点(2006-06-03 12:03:42) |
81.これほどつまらない映画も珍しい。わけも分からず時間が過ぎていきます。 【doncdonk】さん [DVD(字幕)] 1点(2006-04-17 19:00:15) |
80.《ネタバレ》 「イギリスからきた男」で期待していたソダーバーグ。いったいどうしたのか。あの女優さん、趣味悪すぎます。魔女の役しかできないと思うけど。見ているだけで、気分が暗くなる女優さんだ。「とにかく暗いやつをつくろう」だったのかなあ。映画は料理でも、素材があそこまで悪いとどうにもならん。特に、日本人には全く受けないであろう。どっちかといえばはっきり「ブス」といいたい。ああ言ってしまった。二度と見る気がしない。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 3点(2005-11-08 23:19:51) |
79.そんなに悪くはないと思います..ただ、ちょっとマニアックでしたね~ 結末も、よ~く観ないと分かりにくいし... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-09-12 16:53:19) |
【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 1点(2005-08-31 02:31:59) |
77.渋谷ど真ん中の劇場に数人とは…確かに最終の時間ではあったが。だが、おかげで逆に世界に浸れた。映像と音楽が美しい。特に音楽は久々にヒットした。素晴らしい。ソラリスの映像とこの音楽だけずっと楽しみながら眠ってしまいたいと思った。あとは何かもうどうでもいい。タルコフスキー版より取っつきやすい作りになっているはずなのに、タルコフスキー版より何が言いたいのか分からない。ジョージ・クルーニーは女のケツばっか追いかけてるなーと私に印象づけた作品のうちの1つでもある。 【えいざっく】さん [映画館(字幕)] 3点(2005-08-01 18:46:28) |
76.ロシア(ソ連)がソラリスを撮るとやや哲学的でしたが、アメリカが撮ると若干そういった要素は後退しているようです。時代とお国柄の違いですから、その点は仕方ないと思います。もっとも、映像はソ連版よりも圧倒的にこちらが勝ると思いました。 【malvinas】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-06-12 04:25:14) |
75.《ネタバレ》 自殺したはずの妻が現れた1回目、あまりに淡白に殺しすぎだろ! 【カタログ】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2005-05-13 23:10:14) |
74.レムの原作やタル版を知っている人から見れば、見れなくもない映画では?ただ、基の深遠なストーリーを「一般的なアメリカ人に理解できる夫婦愛モノ」に仕立て、基の哲学的な空気感を「メリハリのないテンポとぶつ切りなカット割り」で再現しようとするやり方は「頭悪そう」という印象だけを残してしまった感もありますね。「2010年」を見る前の期待と不安、見た後の「最悪ではないけど・・・」という溜息感覚を思い出しました。どうせなら、クルーニーをもっと無名な俳優にして、完全なカルト映画にした方がよかったかも。(でもそうしたら、日本で公開はしてないだろうけど・・・) 【GAGA】さん 4点(2005-03-22 19:06:00) |