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12.《ネタバレ》 なんともかわいらしい。お針子も、おじいちゃんも、村長さんも、メガネも。もちろん、下放政策って現実にはもっと厳しい側面もあったんでしょう。でも、十九二十歳の生意気で血気盛んで変に知恵と知識がついて芸術と西洋文化に理想と憧れを持った、都会の若者ふたりが、車も通れないような山村でしなやかにたくましく笑って生きている美しい少女に出会ってしまったら。もちろん一生忘れられない恋に落ちてしまうでしょう、二人とも。エピソード一つ一つがすごく可愛らしくて微笑ましくて、いかにもフランス映画的ですが、風景や小道具の仕掛けは濃厚に文革当時や今現在の中国を映し出してて、その微妙なずれ、みたいなものがファンタジックだったり、ノスタルジーを醸し出したりして、いい感じでした。一度でも友達の彼女に惚れてしまったことのある男の子は身につまされるかも。女の子って時に残酷。でもだから好きになるんだよね。たくましいのはいつも旅立っていく女の子で、僕らは呆然とそれを見送ってなんとか想い出を美しくするのに必死になるのが関の山なんです。何も知らないのは結局頭の中を本の知識でいっぱいにした僕らの方なんです。でも、読んだことないバルザックを読んでみたくなったかな、少しだけ。ホント言うと、お針子が、10年前好きだった娘にすごく似てて、なんだかざわざわしっぱなしでした。いやはや。 【am】さん 7点(2004-04-04 23:39:58) |
11.《ネタバレ》 完成度の高い映画だなと感じました。ただの都会の青年と田舎の少女の恋物語と思った方の中には、少女が突然村を出て行く所など、唐突で違和感があるかもしれません。しかし、今も大きな傷跡を残す下放政策の悲劇をユーモアを交えて描く視点と合わせて考えると、様々な矛盾を内包しつつも世界の大国へ発展しつつある中国の現状をよく捉えていると思えました。少女の消息は不明ですが、中国の経済発展の先進地、深せんから香港へ、という足取りは近代化の波の中でたくましく生きる彼女を示しているようです。 【ゴリゴリ】さん 9点(2004-03-29 00:59:03) |
10.《ネタバレ》 少年二人は村に留まった後、下放政策から解放され、現在はともにそれぞれの分野で成功者として名を成している。彼らが与えた「自由」の魅力に取り憑かれたか、それとももう村にはいられないと感じたか、村を飛び出したお針子の行方はわからないまま。彼女が村を出た覚悟がどの程度のものだったのか、その後、どんな苦難が彼女を襲ったのかは一切描かれていない。却って村を出たことで不幸になっているような気がして、そこがとても皮肉のようにも思える。 【マイケル】さん 8点(2004-03-15 17:17:08) |
9.《ネタバレ》 ちょっと期待はずれでした。お針子が街へ出て行くのが唐突すぎるというか、妊娠するに至るまでの相手になんの一言も残さずに行こうとするのがちょっと理解できない。確かに本を朗読してもらったり、文字を覚えたことでお針子の未来は開けたんだけど、もともと彼女の中には上昇志向があったのだと思う。それを目覚めさせたのがあの二人。お針子を変えたいと思ってしたことなのに、最後にはお針子を失うなんてなんだか皮肉ですね。 【きょうか】さん 6点(2004-03-05 18:04:07) |
8.ダム反対っていうメッセージを感じました。あれだけ美しい自然がダムに沈むのは、やっぱり嫌ですね。私も「じっと見守る」彼の気持ちがよく分かります・・。 【neozeon】さん 6点(2004-02-26 22:04:53) |
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7.《ネタバレ》 お針子ちゃんがほんとにとっても可愛くて可愛くてそれだけでも大満足でしたー♪少し安達祐実似ですね。文化大革命下の生活の悲惨さには深入りせず(農民の知識人に対する嫉妬、暴力による知識の抑圧等の構図はよくわかりましたが)、貧しく無知でも幸せに生きる農民といった描き方をしており、現実味は薄いものの、美しい自然と青春を織り交ぜた素敵なお話でした。お針子は旅立った後どうなったのか、終わり方が不完全すぎです。あと、2人の青年の区別が全くつかない…。あと思うことは、日本は江戸時代から寺子屋などで教育が全国に普及していてよかったということ。教育は全てのインフラだと思いました。 【凛々】さん 9点(2004-02-22 21:43:54) |
6.この映画はフランス映画の姿を借りた厳然とした中国映画です。なぜなら、下放政策を経験した中国人がその時代を描いているからです。フランス人が撮ったらこうは撮れない。全体的にロマンチックな雰囲気が漂い、下放の厳しい現実が描かれていないという点ではリアル感はないのかもしれませんが、青年二人の知識に対する渇望感や田舎者に対するある種の蔑視は、リアルなこの当時の下放青年たちの心理を描いていると思います。同じように下放政策を題材にした「シュウシュウの季節」の少女も田舎や田舎者に対する蔑視が見られます。現に中国人の地方出身者に対する差別感は現在でもあるし、地方出身者の都会人に対する卑屈な嫉妬心は日本人のそれとは想像もつかないほど強いものです。その意味で、この映画は文革という時代を生きた中国人に限らず、中国人全般の考え方をはっきりと表しているのではないでしょうか。 この映画の見所は、なんと言っても中国では作ることがいまだ出来ない「下放政策の時代」を舞台とした映画であること。多少綺麗すぎるきらいはあるが、能天気な恋愛映画が多い中で、このあまりにも特殊な中国の現代史を伝えるラブストーリーは必見です。 【如月CUBE】さん 9点(2004-01-08 12:59:50) |
5.《ネタバレ》 中国の大自然の瑞々しさや、若い男女の瑞々しさが強く印象に残る映画でした。でもお針子が妊娠しちゃうところあたりから、いまいち感情移入できなかったんですよね。「ちょっと無責任すぎないか?」って感じで。それと、こゆきさん、交野の少将さんの指摘したような西洋(≠フランス)礼讃、中国蔑視のような雰囲気は僕も少し感じました。やはり監督がフランス在住の中国人だからでしょうかねえ。でも文革を経験した人だから、祖国への気持ちは複雑なものがあるのかも・・・。 【ぐるぐる】さん 6点(2003-07-02 21:48:39) |
4.雰囲気があってイイのですが、なんというか、西洋文明をたたえ、中国の奥地をバカにしているような感じがする。 【こゆき】さん 4点(2003-06-15 11:53:19) |
3.「自由」はある意味ぜいたく品だなあ、と思った。自由の素晴らしさを説くフランス文学の一節を聞いて、文革で都会から追放されてきた青年が泣き出してしまう。日本人として、この作品の西洋礼賛ぶりには違和感も。 【交野の少将】さん 6点(2003-06-15 04:17:34) |
2.旧弊は悪であり、文明こそが善である。とは言い切れない。青年二人はお針子を失い、村は思い出とダムに沈む。お針子に道を開き、山村に衛星放送をもたらす。紙の船に灯は燃え、水中でヴァイオリンが響く。 【山岳蘭人】さん 7点(2003-06-06 21:04:38) |
1.見終わった後、なんかすっきりした。歌にしても景色にしても、中国のきれいなところを集めて映画にしたという感じ。見てよかったと思う。 【りな】さん 9点(2003-06-06 19:56:10) |