30.《ネタバレ》 ほのぼのとしたこころあたたまる作品でした。今はあまりない一昔前のご近所付き合いという生活が理解できた。最後の駅のホームで雲の話のシーンはよかった。なかなか自分の気持ちがいえなくて時間がゆっくりとすすんでいる様子は和まされた。 【ホットチョコレート】さん [地上波(邦画)] 7点(2012-05-18 06:46:49) |
29.《ネタバレ》 喜劇としては、まあ普通。「アイラブユー」というのがませていて面白いですが、テレビを買ってもらうためにだんまりを続けるなど、かなり子供っぽいところもあって(実際子供ですが)、ちょっとぎくしゃくしています。結局は、「大人から見た子供」ということでしょうか。一番よかったのは、押し売りを撃退する三好栄子ばあちゃん。今のお年寄りは振り込め詐欺にあっさりだまされたりしてしまいますが、こういう人ならそう簡単には引っかからないでしょう。お金も持ってなさそうだし。 映画の結論としては、「一見余計に見えることも、実は大事だったりする」ということですね。例えば挨拶とか。これは、小津安二郎監督作品だからこそ重要でしょう。小津作品にはしょっちゅう「そうかね」「そうですよ」「なるほど、そうなのか」なんていう会話が出てきます。本作は、こうしたどうでもいいような会話も実は大切であるという、監督からのメッセージでしょう。おそらく当時から「あんな会話はつまらん」という意見もあったと思いますが、それに対して必要性を説いたのです。そうなのか。そうなんですよ。なるほど、そうだったのか。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-05-09 21:14:19) |
28.《ネタバレ》 家計の状況も知らずに高価な家具が欲しいなどとねだり、親から注意されたら口答えし、しかも意地でもテレビに執着して口をきかない。そのくせ、親から提供された食事だけは、何の恥じらいもなくちゃっかり、というか堂々と食べている。こんな子供、うちの両親だったらフクロですよ、とまでは言わないけど、二度と同じことを考えなくなるくらい厳重に叱責されることは間違いありません。我儘を通す子供とそれを叱れない大人、両方とも見ていて不愉快です。しかも最後は何の努力も試練も覚醒もないまま買ってもらってめでたしめでたしって、ドラマもなければメッセージもありません。久我美子に1点。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 1点(2012-05-08 22:28:54) |
27.面白いな~。「大人だって余計なこと言ってるじゃないか」のくだりが特に笑えた。描かれる笑いは一般的な家庭の日常にあるもの。なんだか子供時代を思い出して懐かしくなる。部分的な笑いだけではなく、会費の件、子供たちの抵抗、宮沢さん(東野英治郎)の件が繋がっていくストーリーもしっかりしたもので、全く飽きさせない。杉村春子、高橋とよは中学生の母親にしてはちょっと年を取りすぎかなと思わなくもないが、この人たちだからこそ、ご近所同士のちょっとした会話も面白い。これが役者の上手さなんだろう。そんなベテランに負けず劣らず子役二人も見事。特に勇役・島津雅彦はこの時期の小津映画にちょくちょく出てくる子役で、黒澤監督の「天国と地獄」にも出演しているけど、それだけ人気がある子役だったのも納得だ。笠智衆はまったりしてて温厚なイメージがあるから、怖い顔して子供を叱ってるだけで面白い。何かを蹴飛ばす勇にお父さんが「こら!」、これだけで笑えるって凄いこと。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-05-03 20:11:46) (良:1票) |
26.核となるストーリーはなく、主人公一家の向こう三軒両隣を中心に、 昭和30年代の家族の暮らしと生活風景をコミカルタッチで表現している作品。 わかりやすく例えれば、アニメのサザエさんのような構成。 細かいエピソードを散りばめており、結構笑える。 ただロケーションが、彼らの住む川沿いの建て売り住宅のような場所ばかりで、 当時の風景描写があまり見られないのが残念だった。 キャスティングは安定感があり、杉村春子が相変わらずいい味出している。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-08-01 06:37:12) |
【Balrog】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-03-27 18:57:35) |
24.《ネタバレ》 この映画から醸し出される雰囲気がとてもよかった。「一触即発のご近所付き合い」「子どもたちの反抗・家出」「威圧的な押し売りや笑顔で押し売りする隣人」ややもするとストレス満載で爆発しかねないような時でも、みんなどことなく飄々としていてそれほど悩むふうでもなく、淡々と日々を積み重ねているような空気感に憧れた。 無言ストをしている子どもたちが親に給食費を頼むシーンで、散々ジェスチャーで伝えようとしたにも関わらず失敗。地団駄踏んで部屋に戻っていった子どもたちの後を追うでもなく 3人で「今のわかった?」「なにかなぁ?」「なんだろうねぇ?」と言い合って、再び無言でそれぞれの本や新聞に目線を落としていくシーンが何気に一番印象に残った。 今の親なら、慌てて子どものところへ走っていってドアを叩いて「なんなの?」「なにを伝えたいの?」と総出で心配してやるんだろうなぁと。 駅のホームでの若い二人のはにかんだ無駄な会話をもっともっと聞いていたかった。 【りんす】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-01-18 15:45:27) |
23.《ネタバレ》 小津作品の中でもコメディー色の強い作品。何となくジャック・タチの映画を思い出した。どうでもいいおしゃべりこそが大切なのだと言う説教臭いテーマを見事に軽妙なコメディに昇華した傑作だ。 同じシーンの繰り返しのような展開が笑いを誘う。近所づきあいというものの難しさを軽妙に描く実力は流石だ。ただの口さがない女たちのおしゃべりを芸術作品にしてしまうのだから凄い。ここでは、杉村春子の圧倒的な演技力が光る。 また、本作の主役は子供たちなのだが、彼らの使い方もうまい。いつも親が子供たちに甘いのは小津作品に共通なのだが、この子供たちもやりたい放題で観ていて微笑ましい。くだらないことに一生懸命になっていたあの頃を思い出した。 最後に、ラストのオチが素晴らしい。明日から知らない人にも挨拶したくなる。そんな映画。 【枕流】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-11-03 17:31:21) |
【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-08-11 20:07:04) |
21.《ネタバレ》 住宅地の一画の何でもない日常生活風景なのですが奇妙な魅力を秘めており、それぞれの人物の登場させ方も絶妙で押し売りコンビまでもが完璧に出入りしています(押し売りを撃退するおばあちゃんが一番凄い!)。またオナラという下品なギャグも、返事と違えて奥さんが「何だい?」とやって来たり、干したパンツを旗のようにさわやかに見せたりと、品を損なわずにカマしてみせるところなども流石です。 それから「アイラブユー」と軽く言ってのける弟の存在がとっても効いており、本来ならもっと陰惨になる親子喧嘩などのシーンも弟の存在が柔らかい印象を与えてくれて、河原におひつを持って行ってご飯を食べるシーンなど、何とも気分が良いものです。ラストの駅で「良いお天気ですね」などと無意味な会話から恋愛が発展しそうなオチ?もくすりとしてしまいます。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2009-06-02 18:33:02) |
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20.やっぱり小津はすごい!!コメディタッチでありながら、淡々としていて、でも、切ない。相反するような要素をすっきりとひとつの映画にまとめている。子どもたちの間で流行っているおならをしあうことが、なんとも微笑ましかった。 【kaneko】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-07-22 18:28:59) |
19.すごく笑えました。子供はいつの時代もおんなじだな~。 【norainu】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-03-28 19:20:58) |
18.《ネタバレ》 ご近所付き合いの煩わしさを描く、軽快で楽しい作品でした。土手っぺり、高圧線鉄塔の下、同じデザインの平屋が並んだ空間(この時点でここに住む人々の生活水準が決して高くはないのが判ります)で繰り広げられるご近所バトルは、個性的な面々のやりとりによって大いに笑いを誘います。挨拶、無駄話が円滑に人間関係を保つためのコミュニケーションの手段、っていう映画なのですが、おならすらもそのひとつとして扱われているのが可笑しくて仕方ありません。杉村春子のハイパー毒舌に負けてないどころか一枚上手なおばあちゃんの超サイヤ毒舌最高。ピッと高音のおならをする「アイラブユー!」の弟最高。お腹の中じゃお互い何考えてるか判らないけれど、とりあえず挨拶ちゃんとしてれば世の中生きやすいのよ、という小津監督のシニカルな正論がカラリ清々しい映画にしています。さんざん意味のない会話の意味を描いておいて、最後に佐田啓二が久我美子にお天気の話題を始めるものだから大笑い。これまで見た小津作品の中では、これがいちばん好きかも。馬鹿馬鹿しい部分が多くて。 【あにやん🌈】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-07-09 00:22:49) (良:2票) |
17.小津監督のコミュニケーションに対する考えがよく分かって面白い。挨拶や天気の話は大事な情報をやり取りしていないという点では無駄といえるけど、コミュニケーションの潤滑油としてとても有効なのは誰もが経験的に知っているところ。外交の場面でも天気の話してるのかななどと、ふと思った。アメリカとイスラムもやってみればいいのに。 映画自体は小津映画の中でも特に笑える一本。特に、「兄貴といさむちゃん」は最高である。この兄弟は少し大きくなって『秋日和』に再登場する。「のりこさん」も、小津映画では常連のお名前。ご近所のおばちゃん同士のやり取りも、ドロドロにならず、上品にまとまっていて観やすい。 |
16.小津監督による何とも微笑ましい喜劇の秀作です。この映画を観て思った。やっぱり小津監督の作る世界、描く世界は日本人ならではの面白さが画面いっぱいに伝わる。小津ファミリーとでも言うべき俳優陣、特に杉村春子の相変わらずの上手さ、頭が下がります。東京物語や晩春などといった傑作には叶わないと思うものの、これはこれでまたとても観ていて微笑ましい気持ちにしてくれる何とも味わいのある映画だ! 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-11 22:11:11) |
15.《ネタバレ》 最近テレビでやっている騒音女のことじゃないですけど、やっぱり挨拶って必要ですね。ちょっとした誤解が騒動の発展にも成りかねない。テレビや洗濯機、インターネットとあらゆる物が当たり前のように備わっている現代の我々の生活を、果たして幸福と取るか恵まれすぎていると取るかは難しいところです。 【かんたーた】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-06-29 17:48:08) |
14.そういえば、建て替え前のウチの家にも勝手口ってあったなぁ。ほんとに勝手に近所のおばちゃんが入ってきてたなぁ。こういう、その当時は当たり前だった光景をまったく知らない若い人たちが見たら、家の間口が余計にこんがらがっちゃうんじゃないだろうか。わかっててもこんがらがっちゃうんだから。 会話における大人と子供の対比がおもしろいです。好きなのに「いい天気ですね」に対して、弟ちゃんの「アイラブユー」は極端すぎて笑える。笑えるといえば、やはり「おなら」。「プー」「呼んだ?」「いいや」「そう」..「プー」「何、呼んだ?」..笑った。それにしても、小津のカラー作品って、日本のどこにでもある日常の風景なのに、独特の虚構性を持ってますね。この雰囲気はアキ・カウリスマキに継承されてるなと感じました。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-06-24 13:15:26) (良:1票) |
13.「おはよう」の挨拶一つで人はいとも簡単に繋がりあう事が出来る。“挨拶”という当り前で有り触れた物がいかに大切で必要不可欠か改めて教えてくれた。そしてその教え方も決して説教臭くなく、どこか遊び心によって観せてくれたので、終始笑いながら楽しく観る事が出来ました。 【ボビー】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-06-14 17:57:19) |
【マイアミバイス】さん [地上波(字幕)] 7点(2005-04-30 00:26:26) |
11.小津映画の四番バッター杉村春子が、出番は少ないながらここでも大活躍。「もうやンなっちゃうよ本当に、ばあちゃん、あんた本当に楢山行きだよ!」って台詞自体もすごいけど、滑舌のいい彼女の口から発せられると小気味良く聞えるから面白い。久我美子や佐田啓二あたり、この映画じゃ子役に食われて印象が薄い。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-04-02 14:06:46) |