99.犯罪ものでありながら、この品の良さ。マイルス・デイヴィスの音楽が味わい深い。映画史に残る傑作だとか、そこまではよく分からないんだけど、変にハードル上げなければ、普通に楽しめる内容だと思う。ジャンヌ・モロー綺麗だな~。まだご存命なのか。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-10-13 00:02:21) |
98.《ネタバレ》 サスペンス映画の傑作。2つのサスペンスが同時に進行し、意表外なことから思わぬ展開となり、複数の犯罪が一気に白日の下にさらされるラストは見事である。中年の愛と若者の愛も描けている。硬質なモノクロ映像、心理描写に卓越したカメラワーク、主演女優の艶麗な美しさ、クールで洗練された音楽、頗るゴージャスだ。完全犯罪を目論んだが僅かの偶然から破綻していく過程を見せる映画のように見えるが、そうではないだろう。主題は「倦怠(アンニュイ)からの開放」。登場人物のほぼ全員が倦怠を感じている。倦怠とは、退屈な生活、本来の自分でない自分に対する嫌悪感といったところ。社長夫人は、夫との愛のない生活に疲れ果てている。ジュリアン(大尉)は戦争で死線をさまよったが、戦争で儲けている男の下で働いている。花屋の娘は、退屈な仕事と貧しさに甘んじながら一人暮らし。青年はやりたいことが見つからず、仕事もせず、バイク窃盗で指名手配され自暴自棄になっている。その他、秘書、警備員、各飲食店の従業員、酔っ払いの大尉の友人、警察の受付まで、誰一人明るい顔をしていない。人生に倦む現代人の無表情がそこにある。倦怠を暗喩するのが雨模様の夜の都会であり、その中を夜を徹して恋人を探して徘徊する社長夫人の姿は、自由を渇望してもがく現代人の姿そのものだ。恋人通しがお互いに惹かれ合うのは、倦怠から脱出したいという共通の素懐があったからだろう。彼らは犯罪を起こす前から 倦怠という名のエレベーターの狭い空間に、息も絶え絶えに閉じ込められていた。だからこそ中年の恋人達は自分たちの邪魔になる男の殺害するという決死の決断をし、若い恋人達は自分たちの犯罪が明るみになりかけたとき、躊躇なく自殺を決行したのだ。殺人を犯したことでエレベーターは死刑台へとつながる。展開上、若者の恋人達は、中年の恋人達をかき乱しているだけの存在にみえるが、実は両者は対等だ。アンニュイを感じている人ほど、この作品に惹かれるのではないか。残念な点もある。鉤爪付きロープが地上に落下しているが、もし雨などのせいで勝手に滑り落ちたとしても、ベランダに落ちるはず。ロープは回収するつもりだったが、警備員が部屋に入ってきて、あとで回収するしかなかったという筋にすべき。殺される観光客はおちゃらけすぎ。最後の抱擁写真だが、あれは一枚で良い。風景写真の中にたった一枚あった方が印象が強い。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-10-06 04:20:24) (良:1票) |
97.《ネタバレ》 面白かったわ。 でも…どう考えても二人の幸せそうな写真は不倫の証拠にはなってもダンナ殺害の証拠にはならないわよね。 もうすでにジュリアンが全部自供しちゃってたんでしょうけど…。 「忘れ物して会社に慌てて戻ったらエレベーターに閉じ込められちゃったんです!」って言い張ればよかったのにねえ。 それにしてもあのバカップル! ヤツらさえいなければ今頃二人は幸せに…って違うか。 悪いことしたら必ずバレるってこと? うーん…イソップ物語じゃあるまいしフランス人がそんな教訓めいたことをわざわざ映画にするはずないわよね。 …服役後の自分の美貌の衰えを憂いながら「でも写真の二人はいつまでも一緒…」って虚ろな瞳で呟くジャンヌ・モローの強烈な存在感! 完全に狂っちゃってるわ。 …ってことでこの映画のテーマも結局はフランス人お得意の「愛の狂気」なんでしょうね、きっと。 【梅桃】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-18 13:58:32) |
96.《ネタバレ》 うーーーん。。。 フランス人ってなんなんでしょう? 昔のモノクロ映画でいい雰囲気なので期待したんですが、登場人物の突拍子もない行動の数々に閉口しましたねぇ。 浮気相手である恋人に亭主の殺害を依頼する→まぁわかる、ってか動機ぐらいはしっかりしてないと。 白昼堂々ベランダをよじ登って亭主を殺しに→おいおい目撃者だらけじゃないの? 殺し終わって帰ろうとしたところロープを仕舞い忘れたことに気がつく→それ忘れるかね?ってかそのロープに気づくってことは登ってるとき見られるって思わんかね? ロープを片付けに行くのに気が気じゃなくってクルマをかっさらわれる→まー状況が状況だからありえる?ってかバカップル、フツー乗ってっちゃいます??? 乗り逃げしたバカップル、ドイツ人観光客夫婦にカマを掘る→盗んだクルマで故意に事故を起こしたのに、掘られたおっさん、何故か『一緒に飲もうぜ!!』??? バカップル、今度はドイツ人夫婦のクルマをパクろうとするも、うっかり人殺し→『いやーそんなこともあろうかとローギヤを隠しといたのさ』って信用してないじゃん、おっさん。 バカップル、もう逃げられない、心中しましょう!→全然死んでない。 夫人を追い詰めた切り札としてのカメラの写真→それ…誰が撮ったの???てかその写真が語るように不倫関係は成立しても殺人とはならないんじゃ?不倫関係を知った亭主が悲観して自殺のほうが自然なんじゃないの? と、まぁ気になるところがありすぎでした。 死刑台のエレベーターってゆーわりには誰が死刑台なんだかよくわかりませんし、そもそもエレベーターに閉じ込められたのは『自分のうかがい知らないところで殺人者になっちゃった』ってことが言いたいだけなのか。。。 55年も前の作品にいろいろケチつけましたが、それも時代背景なのか国民性なのかなどなど考えると、それはそれで映画って楽しいなぁなんて思ったりしちゃうのでした。 少なくともモノクロだからって現代のヤリスギ映像に劣るところなんて一切ないことだけは確信できました。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-06-08 23:59:41) |
95.評価が高かったので期待したのがよくなかったのか、もひとつの映画でした。 マイルスの音楽はカッコイイけど、それ以外が全て中途半端。 2時間ドラマ的な展開で途中から退屈でしょうがなかった。 フランス人ってみんなあれぐらいバカなの? そもそもあの幸せそうな写真は誰が撮ったの? |
94.《ネタバレ》 あの場所であの時間にロープで上がるのは無謀だよな。本当はもっと暗くなっているのを映画の約束事として明るく見せた、っていうんじゃなくて、だって後でもっと黄昏てからロープをしまい残しているのを外から発見するんだもん。そんなものを見ても通報しないだろう都会の無関心を考慮に入れてた、ってほどキモが太い男じゃなく、電話が鳴ってりゃ慌ててロープしまい忘れて部屋に戻るし、それを発見すりゃ車置きっ放しで駆けつけ盗まれてしまう。ここはどうしたって引っかかる。さらに言えばそのロープは、後で女の子が路上で拾うだけでおしまいってのも説明不足。あの金属性の爪の重みで自然落下してたのです、とこっちのほうで脚注をつけておきました。というわけでスリラーとしてはかなり文句がつくが、フランス人は心理ドラマのほうに重点を置いているのだろう。密閉された男と、夜の街をさすらう女の対比がたぶん監督が一番描きたかったところと見た。M・デイヴィスのジャズの効果も大きいが、この夜の描写の質感が素晴らしい。J・モローの心中の動揺を想像させつつ、冷えた夜が無表情の彼女を包み込んでいく。まるでエレベーター坑の空洞を静かに落下していく火のついた紙のよう。そしてラストのモロー。出獄時の自分の年を計算していくその愛の妄執の凄味、こういうとこになるとフランス映画の独壇場だ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-13 09:35:48) (良:3票) |
93.《ネタバレ》 完全犯罪を目論むにしちゃ、お粗末で予期せぬアクシデントに見舞われるとはいえ、ツッコミどころ満載ではあるが、サスペンス映画としても普通に観れるとは思う・・・ しかし、これはサスペンスではなく愛の物語でしょう。 それならば冒頭の愛の言葉に始まり、マイルス・デイヴィスの音楽をバックに夜の街を彷徨うジャンヌ・モローも納得。 そして終始、笑顔を見せないジャンヌ・モローが、ラストの証拠品である写真の中で、これ以上ない幸せそうな満面の笑顔で浮かび上がってくるシーンが切なくて美しい。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-11-12 18:07:04) |
92.普通のサスペンスと違い、完全犯罪を狙う男を襲った思わぬアクシデントという、 序盤の設定が妙味。焦燥に駆られる主人公、彼の帰りを不安げに待ち続ける共犯のヒロインと、 二人の心理描写を観ているだけでも見入ってしまうのだが、この作品の面白いのはここから。 これまた意外なアクシデントから、事態がとんでもない方向へと進む展開が絶妙だった。 ヒネリやオチもいい。まあ完全犯罪を狙ったにしちゃ、ちょっとおマヌケという場面もあるが、 シナリオはよく練られていて、十分楽しめる娯楽作品ではないかと思う。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-10-01 21:13:49) |
91.脚本はよく練られていると思う。 ただ、音楽が少々あざとい。 それ以外はとかく言う必要も無い。 【ナラタージュ】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-04-18 11:13:08) |
90.なつかしき映画、日本で最近リメイクされたと聞き、DVDで改めて鑑賞。エレベーターで閉じこめられたモーリス・ロネがどうやって出てきたのかさえも忘れていた。 映画の中の悲しげなトランペットが、即興演奏だったとは・・・。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-03-17 11:04:56) |
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89.《ネタバレ》 まずこの映画の秀逸な点として、サスペンスとミステリとしての完成度の高さを挙げたいと思います。「エレベーターからの脱出」「夜を彷徨う夫人」「明日を顧みないカップル」の三場面がバラバラに進行しているのですが、お互いの動きが実は綿密に絡み合いラストの破滅に向かうに従って、収束していく様は非常にスリリングです。最後のどんでん返しもやや意表を突いてくる感じで面白いです。ジュリアンの指紋とモーテルの現場に残された指紋を照合すれば万事解決してしまうという脚本の穴に文句を付けたくはなりますが。 マイルス・デイヴィスの音楽もリリカルな場面ではひたすらにリリカルな演奏、スリリングな場面では焦燥感を煽るようなアップテンポな演奏が画面と合っていました。50年代後半というと、マイルスはプレスティッジと契約していた頃ですので、中期の黄金時代と呼べるくらい脂の乗った時期。モードジャズをやや無意識に取り入れている様な素晴らしいアドリブも納得です。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-02-15 00:28:37) |
88.《ネタバレ》 サスペンスとは何かと問われれば、かなり私見で広義ですが、“劇中の人物が知らない真相を、観る側の人間がそれを把握している場合に起きている出来事”のことだと勝手に思っているのですが、この映画の凄いところはそのサスペンスの斬新さにあります。 ストーリー上では3つの場面がクロスカッティングによって同時進行し、更にこの3つの場面全てにサスペンスが成立してしまっているというとんでもない展開。 まず、ジュリアンは車が盗まれてしまいその先々で起こる事件によりドイツ人夫妻の殺害犯に知らぬ間に仕立て上げられてしまい、またカララ夫人はジュリアンがエレベーターに閉じ込められているという真相を知らず、そして若者たちは社長殺害犯の車に乗っているという事実を知らないまま車を走らせるという、まさかのトリプルサスペンス! ただ、この斬新なシナリオは評価できますが、細かな部分に粗が多すぎるのが玉にキズ。 冒頭の社長殺害のシーンは直接的な描写でなくて好きなのですが、鉛筆削りの音で銃声をかき消すように撮りたいのか、はたまた鉛筆を削り終わった後の数秒の間で銃声が響いてしまい失敗に終わるのかが一瞬わからず、映像が社長室に移行する時に初めて殺害が成功したのだとわかるのがちょっと完璧ではないし、また、エレベーターに閉じ込められていた時に鉤付きのロープの映像が一度も出てこなかったのも演出力のなさを感じます。ここはジュリアンがロープを取るためにに戻ったのだから、ジュリアンがエレベーターの中でもがいているシーンの途中でベランダに残ったままのロープのカットを最低1回は挟むのが常識でしょう。 それと決定的にダメなのが、カメラをストーリーの中に出してしまうところ。 犯罪映画において、カメラが証拠品になることなんか誰にとっても当たり前過ぎる事であって、しかも「3枚残ってる」とわざわざ不倫現場が写っている事を暗に教えてくれてしまっているのは、ここで伏線張りましたと言ってしまっているようで、何だか悲しくなってしまいました。 最初に述べたトリプルサスペンスのアイディアは見事でしたが、この映画を撮った頃のルイ・マルは演出においての力量にやや欠けていた感があったような気がします。 ところで、若き頃のブリアリがチェスをやってたりおかしな証言をしてたりして、妙に存在感出てましたね。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-01-31 01:10:49) (良:2票) |
87.気だるい雰囲気に覆われているものの話の中身自体は取るに足りないものでした。ただ、ラストで二人の悪事がそれと共に浮かび上がってくるシーンに、空気を切り裂くような出来事をも淡々と見せるルイ・マル監督テイストを味わえました。 |
86.マイルスデイビスが、ジャンヌ・モローを食ってしまったところがある。■ところで、 ここの「あらすじ」、ルイが青年医師ってなってるけれd、なんかの間違いでは 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-12-14 19:52:02) |
85.《ネタバレ》 3年半ぶりの観賞。2つの殺人事件が絡み合う、思わぬ偶然が重なったミステリアスな一夜。わずか上映時間90分の中に収められたストーリー設定が異色で面白いです。 【獅子-平常心】さん [地上波(字幕)] 6点(2010-11-20 00:12:16) |
84.《ネタバレ》 格調高き、元祖・オバカ映画。恥ずかしながら、つい最近初めて見ました。昔ほんのチラッとTVで見かけたときの印象と、あまりに有名なマイルスのテーマ音楽から、こむずかしい話だと思い込んでたので。BSで放送されることを知り、なぜかふと「食わず嫌いはよくないよね~」と見始めたら、「あはははは、おかしい、この映画」とびっくり。ストーリーの発端からしてアホだし(ふつうロープ忘れる?あのシチュエーションで。ありえないことを描くのが映画でしょ、と思ってる私でさえ、口あんぐり。)、全編、アホのオンパレード。やっぱりこんな昔にこんなヘンテコリン(ほめコトバです)な映画を作って喝采を送ってたフランス人て、私たちとはエライ違いだわ。スティール写真やタイトルからは想像できない映画、という点が惜しいですね。こういうの大好きな人が、確実に見落とし(いい例が私)、文芸ものなんかが好きな人が見て、腹立ててる可能性が高いと思うなぁ。とにかく私のようなオバカ映画好きには、出てくる人たちがみんなオバカで(いや刑事は違ったけど。あーそういや、高校の頃、某俳優と名前を間違えて、「リノ・バンチュラ、好き」と言って友だちにびっくりされたっけ。すぐに自分のミスに気づいたけど、当の俳優の名が思い出せず、笑ってごまかしちゃった・・)うれしいし、それと、冷たい雰囲気の美男子、モーリス・ロネがいいわー。今見るとジュード・ロウはロネに似てますね。だから「リプリー」にキャスティングされたのかな(これってもしかしたら有名な話?)。 【おばちゃん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-10-29 19:06:48) (良:2票) |
83.《ネタバレ》 完全犯罪をもくろんだ犯人が別の殺人事件の容疑をかけられるって、フランスって意外と物騒な国なの?まあ、設定にちょっと無理を感じるもののサスペンスとしては楽しめる独特の雰囲気をもつ作品。難解な作品が多いヌーベルバーグの代表的作品の中では最も見やすい作品ではと思う。 【きーとん】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2010-09-15 23:17:16) |
82.初めて観たときは良く出来たサスペンスだと思った。その後JAZZを聴き込んだ時期があって、今回はマイルスの演奏への興味で観たんだけど、前回の観賞で抱いていたサスペンスとしての秀作ぶりはなりを潜めてしまったことにびっくり。この25年間にサスペンスのレベルが上がったのか、複雑などんでん返しを当たり前のように観すぎたのか、とても粗が目立ちましたね。でも、当初の目的だったマイルスのトランペットには聞き入ってしまった。か細いけど説得力のある音色がモノクロ画面の中の薄幸そうなジャンヌ・モローに絶妙にシンクロする。ラッシュを観ながらの即興演奏らしい。さすが帝王と呼ばれた人だと思います。 【アンドレ・タカシ】さん [試写会(字幕)] 5点(2010-05-29 09:50:48) |
81.ストーリーをただなぞるのではなく、おしゃれなショットの連続で魅せてくれます。特に最初のシーンと最後のシーンがすごく好きです。ヒッチコックをある程度観た後なので、少し物足りなさも感じますが。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 6点(2009-12-02 21:02:11) |
80.この映画が今も残っているのは、ひとえにタイトルがかっこいいから、だと思う。 【なたね】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2009-11-08 11:11:53) |