125.雲、自然光、羊。ああこれは映画の風景だと思う。聖地であり避難所である。この山に追い詰められる物語なんだから、ここの自然描写がカナメ。知ってしまうイニスの妻アルマ(ミシェル・ウィリアムズ)がいい。平凡な妻に訪れる惑乱。「釣り道具忘れてるわよ」。あそこらへん、強ばった笑顔にしてもいいのだが。ひっそりと隠さねばならぬ恋の味わいは、今こういう変化球でなければ出来ないらしい。マイノリティの生きる辛さのほうに焦点が当てられてはいた。余談になるが、現在ほとんどの異常性欲(同性愛からSMまで)は市民権を獲得したようだが、ロリコンだけは許されていない。少女に主体的な性的決定能力はないという判断だろうが、そりゃ相手が6歳だったら「合意の上での性交」じゃないだろうと思うけど、16歳なら人によって成長もそれぞれ、OKのケースもあるんじゃないか。…なんか異様に力がこもってしまった。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-11-02 09:26:36) |
124.《ネタバレ》 この映画って大変に革新的なのでは。かつて一世風靡した“ボーイズ・ラブ”モノはヨーロッパ系の美形男子が担うものと相場が決まっていたように思う。それが今作はカウボーイ二人、身体はがっしり、山の自然は雄大だけれど耽美性は無し、そのうえ両者の行為もそこそこはっきり映すんだ。実際抵抗のある人もたくさんいるようで。けどワタシは泣けてしまった。なんといっても、ヒースとジェイクの力演、これにつきる。ヒースの苦渋の表情と、ジェイクのすがるような瞳の演技。真に心を通わせる者を求める、心の渇き。男が男に魅かれてしまったら、もしも私がヒースの妻であったなら心の奥底でかなわない、と瞬時に悟るような気がする。最後になってしまった湖畔での逢瀬の場面、やり切れなさを吐露するジェイクと、苦しさに崩れ落ちるヒース。あまりにつらくて切なくて、この場面で“ブロークバック・マウンテン”は私にとって“ひまわり”と並ぶ悲恋物語となったのでした。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 10点(2013-07-20 00:56:03) |
123.《ネタバレ》 うーん。ふたりに感情移入ができずにラストを迎えたのであんまりでした。一番かわいそうなのは奥さんじゃないかなあ?二人がいちゃつく姿なんてみたくないよ。 【とま】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-04-29 19:16:19) |
122.《ネタバレ》 「恋愛映画」みたいなカテゴリで紹介されていて「恋愛?そんな映画だっけ??」と、当時はゲイというイメージが強すぎてそれしか印象に残らなかったので再び鑑賞。そしてこの映画の評価がかなり変わりました。ゲイとかそんなの抜きに、イニスの気持ちの切なさややりきれなさ感に心打たれました。ヒースレジャーのすごさがあらためて分かりました。奥さんや雇い主にばれちゃうあたり、バレるの早すぎ!と思いましたが、時間の関係もあるしね・・・。ヒースレジャーの魅力は個人的にジョーかよりこちらで感じられました。 【はちまろ】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-03-30 07:40:54) |
121.本作は男同士の『ロミオとジュリエット』。悲恋ものとしてはかなり王道をいく内容なのですが、登場人物をゲイにするというコロンブスの卵的な発想によって陳腐化した物語を見事に蘇らせており、企画自体の目の付け所はかなり良かったと思います。何百年にも渡って全人類に愛されてきた物語を映画の骨子としているのですから、ある意味では負けるわけのない企画なのです。アン・リーもそのことをよく理解しているようで、奇をてらった演出は一切せず、素材の魅力だけで勝負しています。演出しすぎてバッシングを受けた『ハルク』の経験からきた判断なのでしょうが、この方向性は正しかったと思います。。。 ただし問題は、ゲイの性をどう描くのかという点にありました。男同士が抱き合ったりキスをしたりする場面なんて、実写でやると笑っちゃうしかないわけですから。かのイーストウッド御大ですら、『J・エドガー』では直接的な性描写を避けています。そこにきてアン・リーはこれを正々堂々と描いてみせるというチャレンジを行い、かつ、それに成功しました。裸の男が抱き合って会話する場面なんて見れたもんじゃないのに、この映画ではきちんとしたドラマのパーツとして生きているのです。これには驚きました。性描写に説得力があったのでドラマにも深みが増し、最後の密会で喧嘩別れする場面なんて、悲しくて涙が出そうになったほどです。。。 主演4人の演技もすべて最高です。本作の後、この4人は全員売れっ子となったのですから、後付けではありますが非常に的確なキャスティングだったと言えます。ゲイの末路を知っているために感情を押し殺そうとするヒース・レジャーと、気持ちを隠しきれないジェイク・ギレンホールの対比は面白かったし、20年という時間経過を伝える演技が出来ている点でも感心しました。ロマコメのイメージが強くて女優として伸び悩んでいたアン・ハサウェイは本作で思い切った役柄を演じ、見事イメージチェンジに成功しました。女優さんがキャリアに弾みを付けるためにヌードとなることは日本でもよくありますが、ここまで成功した例はかつてないのではないでしょうか。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 8点(2013-01-26 22:06:07) |
120.《ネタバレ》 同性愛に免疫のない筆者にはどう咀嚼しどう理解すればいいのか戸惑うところが大きかった。ただの男同士の恋愛と捉えるのではなく、世間からは理解されない境遇のカップルの純愛ものとしてみることが出来ればなんとなく腑に落ちる気がした。美しい自然の中で逢瀬を重ねる二人だが、周りの人たちがかわいそうで仕方なかった。アルマもとうぜんだが、ラリーンもおそらくは二人の関係に気づいていて心を痛めていたのだろう。(←明確には描かれなかったが) 保守的な地域では男二人で暮らすことなど不可能であったのだろうが、ジャックが死んで初めて20年越しで一緒になれたときの心情を思うと、本当の愛情を抱いていたのだなあと痛感する。好み25/50、演出12/15、脚本9/15、演技8/10、技術9/10、合計63/100→6/10点 |
119.《ネタバレ》 保守的なアメリカの田舎町で、ゲイであることをひた隠しにして生きる二人の男の深い愛情を切なく描いた作品。特に、ゲイ特有の心理(女性とセックスするのはまったく何とも思わないのに、男とのそれには激しくジェラシーを抱くだとか)はとても興味深く観れました。確かに、家族もいる家で我慢できずに思わず抱擁し男とキスをしてしまう夫だとか、妻視点で見れば遣り切れないだろうとは思うけれど、そんな全てのタブーや社会性から自由になれたのが、あの山での月日だったというのが、やっぱり切ない。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-04-25 23:28:18) |
118.見始めた時は淡々とした進行にそれほどのめり込めなかったのですが、ストーリーが進む程に、二人の感情を追うのに一生懸命になっている自分が居ました。 なんというか……切ない映画。 オープンに出来ない互いの感情が、唯一何ものにも縛られずに解放できる場所があの山。 山の風景も素晴らしいし、主役二人の演技も素晴らしい。 微かな表情の変化に、はっきり表に出さない(出せない)感情が、ひしひしと伝わって来る。 確かに好き嫌いは分かれると思う。 というか、こういう繋がり方が理解できない人は全く面白くないと思う。 ラストに胸が痛くなった。 【ももりん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-13 22:21:00) |
117.何度も見ました。キャスティングいいと思う。ゲイの生きづらさもふつう以上によく描けているし、通俗的表現、情緒におぼれない描き方も秀逸だと思う。だけど何かが物足りない。「愛」のやりきれなさを描いているし、そこが評価されている本作に対して「そここそが物足りない」と言ったら不遜かと思うけど、実感はそこ。いい表情、ショットはたくさんあるけどリー監督が初期に作った「ウェディング・バンケット」などほかの作品のような切実さが私には迫ってこない。なぜなんだろう。これまでの作品から彼はてっきり真性のゲイなんだと思っていたらお子さん2人いるんですってね。私はヘテロセクシャルだからそこを批判するのはフェアじゃない気もしちゃうんだけど、彼に子どもがいると知ったら、本作はバイセクシャルの言い訳のような気がしてならないんですよね。改めて、私って純愛至上主義なのかもなあ、と思い知った次第。 【おばちゃん】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-01-14 22:33:44) |
116.《ネタバレ》 ○男同士だが、何とも切ないラブストーリー。主演の二人も見事で、大自然にぽつんと二人。世間的に何もできない二人を見事に映す撮影も素晴らしかった。○脇ではアン・ハサウェイが魅力的でもう少し出番を期待した。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-01-07 22:53:21) |
|
115.《ネタバレ》 全くの情報なしに鑑賞。キャンプシーンがいいなぁ。と思って観たら、ゲイ映画・・・。かなり精神的に参りました。びっくりしました。ショックを受けました。最後まで観るのが辛かった。幸い、ラブシーンが無かったので良かったですが・・・。受け付けれられませんね。。。私自身、キャンパーなんですが、長野県小淵沢に友人とキャンプした時に、『最近この映画をみて、今、ドキドキしているんだよねー。』とシリアスな口調で告げたら、友人は、この映画を既に観ており、思いっきりケツを蹴られました。『フザケンナ!』と・・・・ 。 【トメ吉】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-12-27 15:00:36) (笑:1票) |
114.これはすごい。こんなに見た後 色々考えさせられる映画は久しぶり。 イニスの口に出さない感情表現がリアルで、胸を締め付けられる。 「あの時こうしていれば、ああしていれば」と、思うことはあっても、 きっと同じ道しか選べないであろうイニスが切ない。 人間の弱さ・小ささに対比されるように、自然は美しく・雄大だ。 【ここなっつ】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-03-07 09:21:59) (良:2票) |
113.心が痛いほど切ない映画。公開当時はなぜあまり意識しなかったのだろうかと、本来は劇場に足を運びたかった。 【HRM36】さん [DVD(字幕)] 10点(2010-07-07 11:54:44) |
112.アン・リーを観た後は、タランティーノが観たくなる。 |
111.これだけ深く愛しあっている二人が結ばれないだなんて、当時の同性愛者にとっては生きる事自体が辛い時代なんですね。私にとってはとても考えさせられる映画でした。それを言葉で言い表そうとしても、うまくまとめられません… 【ライトニングボルト】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-29 09:13:59) |
110.《ネタバレ》 私は同性愛について否定的な考えは持っていないつもりであります。 しかし、この映画の場合、羊飼いという極寒な状況の中で人肌恋しく肉体関係を持ったというだけのはなし、その後、主人公二人は各々結婚して子供まで作っているのです。これじゃ、性欲を求めただけのバイセクシャルじゃないですか? 時代背景を考慮しても、物心ついた頃から同性愛に目覚めた訳でもなく、二人とも責任感がないまま本能の赴くままに行動しているのが、私には納得いかないのです。 宣伝では「感動」という言葉まで使われていましたが、私には好奇心意外に、この映画を最後まで観賞しようと思った理由はないのです。 「恋におちて」と違って、肉体的欲望を追及しているのみ、「愛」が感じられません。 私的な意見ですが、1シーズン(季節)くらいで、同性が二人きり一緒に暮らしたとしても人肌が恋しくて肉体関係になることはないと思います。 正直お互いにズボン下ろしたときは「なんなんだ?コイツら!」と目を疑ってしまいました。 刑務所に入ると必す、お尻の穴を提供するオカマ野郎がいると聞きますが、セックスに淡白な私には全く理解できません。 残された奥さんが可哀相です。しかし、批判的な考えを覚えるためにも、一見の価値はあるかもしれません。 【クロエ】さん [DVD(吹替)] 5点(2009-08-26 07:16:52) |
109.主演二人の感情の微妙な動きが繊細に演出されています。マイノリティーが抱える悲哀が時代背景と共に、宿命的に描かれています。良い映画なのでしょう。でも、偏見は持っていないつもりだけど、最後まで観るのがかなりしんどかった。進んで見たいものでもない。みなさん、けっこう平気なようで、それが驚き。やっぱり自分は偏見を持ってるってことなのか。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-08-11 01:16:59) |
108.《ネタバレ》 すいません、わたしいちおゲイなんですけど、正直あんまり面白くなかったです。これって普通の男女の恋愛ストーリーだったらアカデミーとれないどころか制作もされない訳ですよね。 ゲイっていうマイノリティーを取りあげたことが評価されたってだけにしか見えなかったな~。抑圧された時代(や環境)を生きてきたゲイや、むしろ(ゲイに嫌悪感をさほど感じないような)ストレートのみなさんとかこそ色々思うことがあるんだろうな。せっかく泣こうと意気込んでたのに、自分にとっては感情移入不可能映画でした。 【HAMEO】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-07-13 20:49:46) |
107.《ネタバレ》 全文訂正。すみません。正直に書きます。私は下世話な人間です。かなり下世話です。なんで一番に、え、このタイトルいやん、と思ってしまいました。 だって、ブロークバックですよ、ブロークバック。それってイニスとジャックの初夜そのものじゃん~って…ごめんなさい、だから発想が下世話なんです。君が、あの冬、僕をブロークバックした山。(地名なのはわかってます。くどいけど、発想が下世話なんです) あ、映画は凄くよかったです。うるっときました(主役の片方死なすのは反則と思うんだけどね)。 【あっかっか】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2009-06-13 16:38:44) |
106.映画祭を総ナメした映画ですが、かなりつまらなかったです。 |