8.《ネタバレ》 見ていて思わず手に汗を握ってしまう、そして見ているだけで凍えてしまう、そんなリアルな山岳描写。前半の冗長さ(しかも後半にあまり生きていない。ロマンスにするならきっちり描かないと)はよくないが、後半は一転して一秒たりとも見逃せない展開。 ■しかし命がけで登っているのを悠々ホテルから見る人々ってのは、ホントにショー感覚なんだろうな。(「カイジ」もだが)「ひとりぼっちの青春」の生き残りゲームを彷彿させられた。見ている人々の残酷さは相当である。しかも彼らはそれに気づいていないのだから尚更。救命隊もまともに救いに行く気もなく「遺体が回収できればよい」のだろう。 ■腕が凍るシーンやラストの宙釣りなどは見ていられない。痛さが伝わってくる。背筋が凍るというか、一瞬で不意打ちではなく、じわじわくる感じの恐怖。夏場に見るべき。このシーズン(10月下旬)に見たのは若干失敗。 ■ともかく撮影は相当大変だっただろうなぁ。お疲れさまでした 【θ】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-10-27 18:33:09) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 山にはあまり興味ないですけど、大変に心に残る作品になりました。山にはまったくの素人なので詳しいことは分からないけど、体感的にすごく「寒い」。本当に寒い。ブランケットにくるまっても寒い。あまりにリアルで自分の身体もおかしくなってしまうほどです。さらに今後、高所恐怖症になりそうです。この映画を思い出して・・震えるかもしれない。ドラマとしても見ごたえがあったし、ドイツ映画の凄さを感じました。寒い・・本当に、鳥肌が治まらない・・。 「運命を分けたザイル・2」も観ようかな・・・。 【グレース】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-09-26 00:59:33) |
6.《ネタバレ》 まず山岳シーンは言うまでもなく素晴らしく、大スクリーンで観るとさらに栄えてそれだけで満足を得られます。過酷な登山と下山シーンは容赦なく描かれて見てる方も息が詰まるくらいに鬼気迫るものでした。特に屈強の登山男の主人公のトニーがあまりにも悲惨な状況に陥り『助けてくれ~!ボクは死にたくない!』と泣き叫ぶ所は下でどうにも出来ずにトニーを見てるしかない人間達と同じような気分に近付いたような・・世の中の声に煽られ、次々と命知らずが北壁に挑み地獄にいる最中、マスコミや富裕層は温かいホテルでのうのうと見物で好き勝手に物言う・・そのシーンの繰り返しはさらに残酷性が際立ちました。が・・不満もあります。トニーが思いを寄せている相手となるルイーゼとの描写が希薄に感じました。後半での彼女が必死に『恋人』として助けに行く所は確かにグッときますけど、それまでの彼との関係性があまり描かれていないので、もう一つ迫るものがなかったです(前半から中盤のルイーゼの感情表現が乏しく見えたのでそこも要因かとも思います。元々、二人に登頂を勧めたのはルイーゼなんだから、後半は自責の念にかられたり、諸々の葛藤表現だって出来たろうに・・仮に描いてあるとしても、あのキャラの見せた表情で伝わるのは難しい・・)。後に続いて登山するライバルのオーストリアのコンビも後半で重要な立ち位置になるなら、前半でしっかりと描写しないと『誰、お前ら?』感が強くて感情移入も難しいと思いました。後は個人的好みですけど、事故の数年後に登頂を成功したので、そこの場面とか見たかったような・・(トニー達含めた犠牲の上に成り立った厳粛で感動の登頂か、ナチの政治利用ための登頂で何とも複雑な余韻を残すかを確かめたかった・・)言いたい所はありましたが、観てる間は手に汗握り見入ってしまいました、やっぱり男達が必死で生き延びようとする姿には心が揺さぶられます。とても見応え十分の力作だと思いました! 【まりん】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-06-26 01:08:52) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 【以下全部バレ】 娘さんよく聞けよ、山男にゃ惚れるなよ~を地でいく話。とても懐かしくてかえって新鮮。つーか、怪我させたとはいえ愚か者のライバルを救うという善意の遂行にもかかわらず、残酷な宙ぶらりんの姿を観客の目に焼き付けたラストは衝撃かつ秀逸。たまにはこういう外国の良作を観ないと、たやすく正義の大安売りとなるハリウッド映画ばかりじゃ食傷するってもんだ。 いやそんなことより、雪山登山に関する映像的迫力というのか臨場感というのかがとにかくいい。登山家のリアリズムをとにかく真正面から撮ってやろうという気迫を感じる。遠目に見る背景の山々の美しさと、人が貼り付いた断崖絶壁の恐怖との対比。信じがたい体勢の衝撃。そして雪崩による、あっという間の死の連鎖。吹雪も本当に寒そうで、私はもしかして一緒に凍え死ぬかもしれないと思ったほどだった。 ただし人物描写は浅い。こんなに類型的な人たちいないよというぐらい浅い。昔の人たちだからっつーわけでもないだろう。それに最後に主人公の恋人が上司に向かい「あなたみたいな人はたくさんよ」みたいなことを言い放つのだが、そういうことじゃないだろうという気がちょっとする。苛烈な運命は俗物を非難することで救われるわけじゃない。「もうこんな仕事はたくさんです」と言ってやめたというのならなんとなくわかるが(ちと細かいか)。 おかげで余韻がイマイチだが、ただまあこの監督が描きたかったのはあきらかに人物ではないと思うので、んなこたどうでもいいよとか言われてしまうかもしれんけど。 【アンギラス】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-04-17 22:09:06) |
4.《ネタバレ》 ドイツ人がドイツ語をしゃべっているのが良い。時代背景とか、ちょっといろいろ詰め込みすぎた感じはあります。緊迫した登攀シーンのみ延々と映してくれたら、恐ろしく重い、印象に残る映画になったのに残念。フィクションとして付け足したロマンス部分は不要でした。でも、そんな映画誰も観に行かないか。とにかく、ちょっと前に話題になった日本の山岳映画とは雲泥の差です。山に興味のない人には退屈かも。 【ピチクン】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-04-16 16:55:42) |
3.45を過ぎたオヤジにっとって、いまさら、登山映画など何の感動もないのだが、しかるに、ここでは”人間の登山”そのものについて書き記す。ひとが紙とペンを発明して数千年。使い込まれた手帳に、登山の”記録”を書き記す。自らを前人未到の地上最高地点へ導いた、その無骨な手で。両切りのタバコを持ち、それを吸いながら、、、、、、、ペンで手帳に記録をとる。できれば安全な場所で。できれば、平地に降り立って、暖かい暖炉の前で記録をとる。その手帳には地図や写真も貼られている。自分が生きた証として。後世に残すために。ひとが発明した紙とペンは、もはやエベレストを軽々と超え、もう数十年も前にヒト自身をみずから、地球さえもはるか離れ、”月”へえも到達させている。同時にそして、いまもなお、限りなく多くのひとたちが、”比較的大きい死の確率”を背負って、山に登ってゆく。それはなぜか!!!!!?????? 答えは”楽しいからだよーーーーーーーん!!!”結局、登山はたのしいのでした。 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-04-08 23:55:16) |
2.すごい、すごすぎる。数多くの実話映画がありますがこれほどリアルで過酷すぎる話を見事に映像化できた映画はほとんど知らない。普通に生活してたら耳にすることなんてない「アイガー」ですがとにかくあり得ないその姿(笑)実際にアイガー北壁で撮影された「アイガー・サンクション」よりも強烈だし岩と氷だけでできた断崖絶壁の岩山で万年雪が残り夏・冬関係なしに猛吹雪が吹く山を見るだけで怖さを感じます。山岳初心者には山岳道具等の名前がイマイチよくわかんないのはちと残念ですがどうやって撮影したんだろう?と俳優たちの拍手を送りたくなる名演技に涙が止まらんかったです。山ってやつは残酷すぎだ・・・。 |
1.《ネタバレ》 時代は1930年代。ナチスの国民の煽動に利用されたアイガー北壁への挑戦。戦争に突き進むナチスは死への恐怖に打ち勝ち果敢に困難に立ち向かう勇敢な若者の姿を利用しようとしたのでしょうか。本作で描かれる実話の数年後にナチスによって利用されたアイガー北壁への挑戦は成功するが、そのドラマを描かず成功の数年前の今回の事実を映画化した所と、挑戦者の恋人がラストで上司に放つ痛烈な一言にこの作品に込められた監督の思いが感じられます。 北壁の麓の豪華なホテルで優雅にこの挑戦を見つめる人々も本作の重要な要素ではありますが、ロマンスの要素と終盤の挑戦者の恋人の行動を追いかける部分がちょっと詰め込みすぎに感じられました。しかしそれでも見応えのある映画でした。困難を極めたであろう撮影が推測できる映像の圧倒的迫力とそのカメラワーク。やはり壮大な山と人間のドラマを描いた映画は映画館で味わいたいジャンルの一つです。 【とらや】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-04-01 19:00:11) (良:1票) |