11.イワンの幸福だった過去の表情と現在の復讐に燃える表情との対比が全てを物語っている。また、水の使い分けがすばらしい。幸せを祝福する意味で水を使う一方、ドイツとロシアを隔てる川は緊張感を持っていて、その後の不幸を予感させている。この映画を観て、戦争の残虐さを感じることはもちろん、さらに本質的な時間の厳しさというものがヒシヒシと伝わっってくる秀作である。 【たましろ】さん 9点(2003-11-21 22:39:47) (良:1票) |
10.深夜のテレビ映画番組のノーカット、字幕版を見た。タルコフスキーは、これのみ。まるで詩のような映画。美しすぎる黒白の映像。復讐への執念に歪む少年の表情すら美しい。そして、あまりに悲しく、怖く、美しいラスト。ジワジワと迫ってくる戦争への怒り。怖いほどの静けさ。思わず襟を正したくなる映画。 【ひろみつ】さん 10点(2003-10-29 20:52:03) |
9.水、火、風、土(草木)という、いかにもタルコフスキーらしいい「物質的想像力」が、この長篇処女作ではやくも全開。物語はいかにも当時のソ連風教条主義的プロパガンダなんだけど(ナチスに母を殺された少年と、赤軍兵士の友情。ああ、ナチス憎し、ソビエト赤軍万歳!…)、そういうストーリーとは裏腹に、タルコフスキーが本当に撮りたいものをしか撮らないという決意が画面から伝わってくる。よくぞやったと思うと同時に、これじゃ当局からにらまれるのも無理はないよなあ…と。とにかく、まだ随分とナイーヴでみずみずしいこの天才の、愛すべき1本。 【やましんの巻】さん 9点(2003-09-25 13:45:01) |
8.《ネタバレ》 最後の方に出てくる写真は、痛ましすぎて正視できません。他の場面は(白黒なのに)色がついているような感覚で観てましたが、あの写真はくっきりと白黒で、一瞬映画であることを忘れてしまうようなインパクトがありました。 【そうしょくみ】さん 9点(2003-08-28 01:12:13) |
【えたひにん】さん 8点(2003-03-20 18:41:41) |
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6.タルコフスキーの長編第一作。彼の作品にしては珍しく、子供を通じて戦争の悲惨さをストレートに訴えている。後の傑作に見られる映像美はすでに確立されている。タルコフスキー作品中、一番取っつきやすいかもしれない。 【ゆたKING】さん 9点(2003-02-09 10:18:40) |
5.復讐のためにしか生きる価値を見出せなくなった少年の暗い瞳が、胸に突き刺さる。 【mic550】さん 8点(2002-10-20 21:38:31) |
4.<ネタバレアリ>母親と妹と生き別れ、戦場しか自分の生きる場所が無いく大人顔負けに戦う少年。無邪気に遊びたい、大好きだった母親に甘えたい。それが夢となって彼の心を蝕んでいく様が悲しく、痛いです。夢の世界がきらびやかであるのがかえって痛々しい。この作品でも「水」が色んなシーンで登場します。浜辺で妹と走りゆくラストシーンは彼が最後に見た夢であることを願いますね。 【さかQ】さん 8点(2002-10-15 01:25:52) |
3.痛ましい。すごくかわいそう。モノクロだが情景描写が美しい。夢想シーンと戦場の現実のコントラストがたまらないというかグサッと胸に突き刺さる。 【Haley】さん 9点(2002-03-17 10:53:47) |
2.この頃のタルコフスキーはまだ分かりやすかった。でも画面の端々にきらめく光の映像は、後年の難解な作品群へと通じていくものがある。初めて観たタルコフスキー映画。あまりに痛ましい傑作。 【モーリス】さん 10点(2001-07-10 07:09:13) |
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