6.リドリー・スコットはある意味俳優泣かせの監督である。彼の撮る映像は極めて個性的であり、アーティスティックだからだ。映像派監督と言われ続けていることは彼にとって一つの褒め言葉であろう。しかし俳優がどう頑張ろうと彼が撮る映像の前では、大きなキャンバスの中の一部分の絵に過ぎないからである。だがこの映画はどうだろう。彼の個性が殆ど出ていない。確かに所々いかにもリドリーらしい映像はあるが、映画を見ていて彼がこの映画を撮ったことをいつの間にか忘れるという体験は今回が初めてである。内容については可も無く不可も無くといったところか。私は彼がこの種の映画を撮ったことは少々驚きだったが、彼が言うには一つのジャンルばかりを撮るのは退屈だということらしい。いい脚本があればどんなジャンルの映画でも撮るということが言いたかったのだろうが、私はどう考えても次回作までの息抜きに撮った映画としか思えてならない。 |
5.《ネタバレ》 途中まで単なる親子ものだと思ってみてたのに。今時の14歳にしては、子供らしくていい娘だなーとのんきに思ってた私は見事にだまされました。最後の方のカーペット屋での再会シーンは何かちょっと中途半端。あってもなくても良かったような...。 【羊飼い】さん 6点(2003-11-07 22:54:32) |
4.映画の後半に、ロイが常備薬として使用していた精神安定剤が、実はビタミン剤だったと分かるシーンがある。彼の思い込みは即、常々或る先入観を持って映画に接する我々観客にダブってくる。そしてその事によって我々は見事に騙されてしまう。まさに映画そのものが“詐欺師”なのである。で、あとは気持ちよく映画館を後にできるか否か、が問題となってくる訳だが・・・。結論から言うと、最近のこのテの作品に共通している事だが、伏線の張り方が下手もしくは舌足らずなので、驚きの壮快さよりもルール違反の不快さが残ってしまう。これは個人の見解の相違というもので一概には言えないが、だいたいN・ケイジが極悪非道で騙されて当然な人物なら納得もいくが、詐欺師でありながらどこまでも人のいい人物であるところに、私などはどうしても引っ掛かってしまう。さらに終盤に至って、一敗地にまみれたロイが巻き返しを計るのかと思いきや・・・。こんな終わり方、皆さん納得いきます?まったくフラストレーションの溜まる一篇でした。 【ドラえもん】さん 6点(2003-10-28 23:50:06) |
3.《ネタバレ》 ラストが最初のころにわかってしまったので・・・なんか全編あやしかった。思ったより楽しめなかった。でも彼のあらたなる生活を見てこれでよかったんだとラストで思いました。 【rika】さん 6点(2003-10-22 03:07:07) |
2.そこそこ面白かったです。重い映画でもなかったので、仕事帰りに観るにはよかったかな。「一緒に騙されて下さい」というような宣伝文句ですが、ラストは、まあ騙されたっちゃあ騙された。 【カルーア】さん 6点(2003-10-17 22:36:27) |
1.《ネタバレ》 確かにネタバレせずに書くのは難しい・・・。しかしあえて言わせていただければ(以下を未見の人が見れば映画の魅力は激減します。)アガサ・クリスティだったか、ミステリーの不文律として「捜査(味方)側に犯人がいないこと」という条件があったように思う。本作品はミステリーではないが、その法則を破っている。ゆえに予備知識のない観客がだまされるのは当たり前の話である。見終わった後、なんともいえない後味の悪さ、まるで自分が詐欺にあったような後味の悪さを感じる。最後の取って付けたようなハッピーエンドも、後味の悪さを少し改善しただけのように思う。 【クルイベル】さん 6点(2003-10-09 10:31:55) |