14.日本ではなかなか考えられないような、アメリカ社会独特の物語展開の連続に圧倒されました。。ほんの些細な歪みや、感情の行き違いで爆発してしまう人間の心情に、これまた複雑に「人種差別」や「社会差別」が絡んでいて本当に深く考えさせられます。これだけ複雑に物語が絡んでいると普通は混乱しやすいのだが、計算されつくした見事な構成で脚本が作られているせいか、途中で飽きる事無く最後までじっくり鑑賞できました。かなりお奨めな作品です。 【はむじん】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-08-27 00:51:26) |
13.人種差別のフルコース.日本人としての教訓:日本人以外には近づくな! 【マー君】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-08-20 15:24:17) |
12.《ネタバレ》 もしかすると自分は酷く心が冷たくて、ひねくれた考えの持ち主なのかもしれませんが、実はあの女の子が実際に撃たれて命を落としたほうがむしろ自然で良かったのではないかと思ったのです。なぜかというと自分にはこの作品は「アメリカ社会の実情」であると同時に、「世界情勢の縮図」にも映ったのですが、だからこそ本当に大切なものを理不尽に失う悲しみを(例え残酷であっても)まざまざと見せ付けられたほうが、現実に世界中に蔓延する全ての悲しみを(苦しみを、困難を、貧困を、差別を、)心の底から嘆き悲しみ、そしてまたその全てが消え去る事を心の底から願えるのではないかと思ったからなのです。実際にはあの女の子は命を落とす事はなかったわけですが、もし違う結末であったのならあの女の子はペルシャ人の商店主にとってだけでなく、自分にとっての天使にもなりえたのかも知れません。 【ぶらき】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-08-16 00:26:23) |
11.人種差別がテーマでしたが、やはり日本人には本質的にわからないところがありますね。映画や小説でわかった気になってるところはありますが。 様々な登場人物が交錯し、またところどころに複線が張り巡らされていて、集中してみないとだめな映画ですね。工夫の凝らされた感心する脚本でしたが、今時のよくある問題作でもあり、それほど印象に残る映画ではありませんでした。 アカデミー賞はやはりスパイダーマンとかああいったアクション映画もちゃんと評価して、ノミネートすべきかもと思いました。 【りょう】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-30 23:29:10) |
10.まぁまぁの出来かな。登場人物の設定が実に奥深いし、それぞれの人物が絡み合っていく様子もそこそこの出来。しかし何か物足りない。8点出すには何かもの足りない。微妙に消化不良なのかな?山場がどこなのかはっきりしなかったからなのかな?こういった群像劇で必要とされるのは全ての登場人物の心情が同時にピークに達する独特の高揚感だと考える僕にはその辺が少し巧くいってなかったような気がします。とはいうものの、いつまでも続き、終わりの見えない人種問題という社会的な問題を色濃く切り取り、そして個人のレベルにまで引き寄せた脚本は、ポールハギス自身の等身大の目線のような気がして好感が持てた。さらに、最後に降る雪は、すべての人種の人々を優しく包み込み、やがてそこに存在する様々な問題を溶解して欲しいと言うハギスの祈りを感じた。そして涙を流してしまった。 【ジャザガダ~ン】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-18 03:27:50) |
9.肌の色や生まれた環境によって大方の人生が決まってしまう。誰が正義の味方でもなく、誰が悪いのでもない。ただ混沌とした社会で揉まれ、ぶつかり、苦悩しながらも生きる人々。緻密な脚本と演出でそれぞれの登場人物が見事にスクリーンの向こうに生きていたと思います。ただ、群像劇とはいえ、人間関係のつながりや構成に作為を感じてしまったのと、視点があまりに俯瞰していて、映画全体を貫く背骨というか、パワーがちょっと弱かったように感じました。 【ロイ・ニアリー】さん [DVD(吹替)] 7点(2006-07-15 17:35:57) |
8.これは差別をテーマにしたエンターテイメントだ。 映像や音楽は洗練されていて、緊迫したシーンも多く 楽しめる。それに、登場人物の複雑な心情も見事に描いている。 だが、面白さを優先したためにメッセージが薄れてしまったような部分 がこの映画には多い。 確かに、バラバラだった人物関係が後半からまとまって いくのだが、表面的なイベントで繋がっていくだけであって テーマとしては繋がっていない部分が多かったような気がする。 個人的には、ハッピーなシーンでイージーにまとめるのではなく、 もっときっちりとまとめて欲しかったかな。 【Ruby】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-05-14 03:46:22) |
|
7.《ネタバレ》 映画のテーマそのものは真新しい物ではなかったけど、それぞれのエピソードが織り成す 精巧なストーリーは私好み。ああいう収束の仕方も新手ではないけど、たまらないって感じかな。この映画に関しては、時間を遡ると言っても一日前。登場人物が多くても、時間軸を変にいじっていないから、目の前にある問題にストレートにこちら側も向き合える感じがしましたし、その上、映画全体に蔓延する閉塞感は、日頃私が抱えてるものと似ていて、ぐいぐい引き込まれて行きました。 マット・ディロンが、若い相棒に向かって、「お前もあと2、3年すれば、分かる。」 と言った場面や、サンドラ・ブロックが、「どうしてだか分からないけど、腹立だしくて イライラするの。」と、電話で叫ぶ場面。この2つが私の印象深いシーンです。 どちらも、複雑なキャラを理解するに足る場面だと思うし、大部分の人が抱えているであろう苦悩やもどかしさも表現しているなぁと。人種問題やドラッグ、介護問題と色々提示されてはいるのだけど、私にとっては、沢山の人間が連鎖したり呼応したりする事に今1度振り返れと言われたような、そんな作品でした。 最後、病気の為になかなかおしっこが出ない父親と一緒に泣くマット・ディロンが、短かったけれども、良いシーンだと思いました。個人的には「マント」のくだりより泣けました・・・ 【プリシラ3103号】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-05-09 00:06:15) |
6.いいねー、登場人物全員が不機嫌そうで。これがアメリカの本性だ。 【mimi】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-04-26 22:59:40) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 登場人物を見事にあやつる脚本。人間の頭の中で泥沼化した差別という怒り。応酬に染まり、なかなか抜け出せない。本当に宇宙人でも攻めてこなければ薄まりませんね。地味な演出で、袋小路に入った怒りの模様や、優しさを感じ始めるカタルシスを上手く描いております。妖精のマントのような感動的な演出を、もう一つ二つ欲しかった感じもあります。人を愛したいのにそこに差別が立ちはだかる。「アメリカンヒストリーX」の中の「問題はイデオロギーではない怒りだ」を思い出した。 【チューン】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-04-17 21:06:07) |
4.《ネタバレ》 これって問題設定が『ER』で、登場人物の絡み合いの複雑さは『踊る大走査線』という感じで、スゲぇー面白いテレビドラマの劇場版という感じがした。ただ、10年後20年後まで、アカデミー賞作品として語り継がれるのかなぁ~~??って、チト疑問。とぉ~っても、面白いんだけど、心に響かなかった。。。そういった意味じゃ、『砂と霧の家』の方が衝撃的だったなぁ~~オレ的には、ペルシャの娘と、プロデューサーのクレバーに、少しブルッと来た。『だてにマイノリティーの中で、一人立ちしていないよなぁ~~』と。。。やっぱり、物事の事象は、常に表と裏を理解できなければ、本当の真実は掴めないんだなぁ~~ 【Pizz】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-03-29 03:01:18) |
3.非常に良く出来たこの映画の画像と脚本はとても暖かく、やわらかくアメリカを描く。でも、この映画に登場する人物たちは、いろいろ問題を含んだ行動や考え方を持っているのではないだろうか。人種への偏見や、ヒステリーとか、虚栄心とか。けっしてそのまま見過ごしてはいけないことのような気がする。結論としては一つ。この映画は群像劇、それもとてもよく出来た群像劇として完成度が高い。その完成度の高さのおかげで、様々な人間の織り成す世界が美しく見えてくる。でも、それはある意味で神の視点から見たときに初めて生じる美しさだ。それにごまかされてはいけない。確かに人間はたまに愚かで、たまにいとおしい。でもできるだけ愚かさを減らしていくべきだろう。確かに人間が弱い生き物だっつうのは分かる。でもゆずっちゃいかんこともあると思うのだ。この映画が評価されるなら、ただ映画としてのみ評価されてほしい。決して描かれている内実までも肯定してしまわないように。 |
2.私はこの映画を見ながらムーアの「ボウリング・フォー・コロンバイン」を連想してしまいました。人種間の不信感からくる不安、身の危険を守るためにガンを所持する、しかしガンをお互い持つことにより更に不安が増すという負のスパイラル状態、結局、思いやりも優しさも銃声一発で全てがすっ飛んでしまう・・・。銃社会というのは本当に嫌だなぁというのが一番の感想でした。ただ、一緒に観た妻は、「銃の話はメインじゃない、もっとヒューマンな部分、例えばお母さんに食料を運んだのは弟ではないのにお母さんは弟をかわいがり兄にあたる、兄さんの悲しさとか、しっかりそういうところを観なアカン」とのことでした。 【ぴよっち】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-02-26 10:10:25) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 登場人物が多すぎて一度で理解するのはなかなか難しい映画でした。 けれども見る度に新しい発見があって味わい深い映画です。 誰もが少しずつ持っている他人種、他民族への偏見、差別。けれども誰もがそれを少しづつ乗り越えようと努力している。そして理解しあおうとするのだけど、やっぱり最後まで乗り越えられない壁がある。そんなことを切々と訴えながらも、あまりくどくならずテンポがよくて爽やかな味わいが残る映画だと思います。 100%満足ではなくても皆がそれなりにハッピーエンドという結末なのだけど、唯一 ドン・チードルが演じる刑事さんだけは最後まで徹底的にかわいそうだったなあ。 【JUNK】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-11-01 13:10:55) |