35.いきなり若い女性の殺人事件から始まる。無表情で覗き見している中年男は何だか不気味で怪しい、、そんな男に自分から近づいていく若くて美しい女性、、、とミステリアスでサスペンスフルな展開に惹きつけられる。最初は変質者のように見えた仕立て屋が、実はひたすら恋した女性を守ろうとしたという最後には泣かされる。純粋な愛情をささげる仕立て屋に対して女は彼を利用することしか考えない冷酷さ。それでも「恨んではいない」と言う愛の深さ。ただただ切ない。静かな画面にたまに流れる音楽も哀愁を帯びている。彼の気を引くためにわざと転がした真っ赤なトマト、それを拾う女の姿など何だかエロチックで官能的。 【キリコ】さん 7点(2004-04-11 22:55:51) |
34.《ネタバレ》 もう、切ない(;;) 「笑うかもしれないけど僕は少しも君を恨んでない」みたいなことを言う所は涙が出ました。女優さんがいまいちだったかも。。。 【ぷー太。】さん 7点(2004-03-21 20:55:34) |
《改行表示》33.仕立て屋の男が夜中に部屋の電気を消して女の部屋を盗み見しているところにカミナリが落ちる、そのカミナリの光をスポットライトのように浴びた男の姿は まさに変態だ。 もし、女が近寄ってこなかったら、仕立て屋の恋は「片思い」で終っていたと思う。 仕立て屋は、喜びよりも傷つきたくないという気持ちの方が強い。 恋愛に限らず人間関係においても同じ。 しかし最後に仕立て屋が「私はあなたを恨んでいない、喜びを与えてくれたから」と言った背景には、傷つけられても喜びを貰って良かったという気持ちが感じられる。 人を好きになれば楽しむも苦しみも倍になる。 最後の最後に人間嫌いの仕立て屋は人間の本質を理解したのではないだろうか。 【花守湖】さん 10点(2004-01-07 13:55:01) |
32.《ネタバレ》 ホントはコメディ俳優さんだという仕立て屋さん役の人(の頭)と、たまごやボーリングの玉の画面構成が、おかしみを与えてくれました。『髪結いの亭主』と同時期に製作されたとのことで、相性がよい気がします。窓の内/外、という点で共通しているように思います。 【its】さん 8点(2004-01-05 00:26:27) |
31.この監督は何か…女に対して何か歪曲した妄執があるのか?と毎回思う。この監督にとってはいつも女性は聖女なのだ。偏執狂的で一途で純粋で不毛な、中年男の恋を描かせたらこの監督は一流。この人の右に出る者はいない。彼の作品は結構どれも尺が短いけれど、その短い時間でコレだけの情念を表現するというのは凄い。毎回思う。究極の恋って何?と聞かれたら、やっぱりこういうものを言うのだと思う。自意識だけで完結している、ある意味完成された恋。切ないです。 【ひのと】さん 8点(2003-12-30 17:09:02) (良:1票) |
30.暗~い映像,変態を極めた主人公,切ない展開,やるせないラスト。好きです,パトリス・ルコント。 【ロウル】さん 8点(2003-12-23 22:53:08) |
【あずき】さん 8点(2003-12-06 19:12:50) |
28.《ネタバレ》 とっても切なさともどかしさが残りました。80分という時間の短さがいい!ストーリーは静かで単調なのに、強烈に頭から離れない映画です。なぜかもう一度見たいなぁって思ってしまう。フランス映画独特の雰囲気ですね。あんにゅい。 【カルーア】さん 7点(2003-11-06 21:57:59) |
27.「髪結いの亭主」に並ぶ、ルコントの偏狂的恋愛映画。片思いは究極の恋だって言うけど、それはまったくその通りです。だって「恋」とは自己意識そのものなんだから。「彼は深くそして熱烈に恋している、これは明らかだ。それなのに、彼は最初の日からもう彼の恋愛を追憶する状態にある。つまり、彼の恋愛関係はすでにまったく終わっているのである。」これはキルケゴールの言葉だけど、まさに恋愛の本質をついているよね。 この映画もそういった恋愛の本質にかなり肉薄しているように思う。良い作品っていうのは、観終わった後に自分に対して問いかけができるもの。ある批評家が、作品とは社会構造の「結果」というよりも、何かを論じたいという気持ちの「原因」であることが重要だと言っているが、僕にとっても映画とは、技術論よりも方法論が優先するべきもののように感じる。この映画の狂おしさは、方法論的に僕の情念を切迫し、語りえない恋愛の本質について、僕に語らせようとするのだ。まぁそこまで強迫的になる必要はないけれど、僕らの情念に響いたことを如何に味わうことができるか、そしてそこからPersonal Issueを超えて、如何に想いを馳せることができるか、本来的な意味において、それこそが作品の価値というものだと思うのである。 |
26.オッサンと娘の関係が実にエロティックでいい、露骨なハダカなど無くともオッサンのピュアな愛と変態さが絶妙です。純愛とは過剰なエゴイズムと自己犠牲なのでしょうか。 【亜流派 十五郎】さん 10点(2003-08-28 18:29:17) |
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25.全体的にトーンの一定したよい映画だとは思うし、恋愛のせつなさは感じるのですが、好きにはなれませんでした。「初恋の来た道」ほどの気味悪さはないけど、やはり思い込み系の映画は苦手みたいです。 【omut】さん 5点(2003-08-19 10:35:05) |
24.よい映画です。勿論、大作と言える作品ではないのでしょうが、色々なシーンに魅せられてしまいました。一途に人を愛したことがある人ならば誰もが、仕立て屋の醸し出す情感に共鳴できるのではないでしょうか。一方通行の愛の形の中で、実際には見えない「心の腕」を用い、彼女を抱く姿がとても印象的でした。 【】さん 8点(2003-07-21 20:50:09) |
23.《ネタバレ》 うーん・・・やはり多くの方が言うようにこの映画は文句なしに切ないです。個人的に前半は退屈で、ただの覗き見の変態オヤジの話かと思っていましたが、話が進むにつれて次第に面白くなっていきました。【後半】好きな女に騙されてサツに捕まりそうになり、屋上に逃げるも転落死してしまうなんて・・・しつこいようですが『切ない』です。また、私が一番印象に残ったのは、捕まりそうになった時の仕立て屋の「笑うだろうが・・君を少しも恨んでいないよ。ただ切ないだけだけだ。でも構わない。君が喜びをくれた。」というセリフなんてジーンときました。仕立て屋は本当に女のことが好きだったんだなあと思いました。ラストの仕立て屋と女のシーンなんか本当に泣けるよ。しかし点数に関しては9点にしたいけど仕立て屋の死にかたがあんまし好きじゃないんで8点かな。 【ピルグリム】さん 8点(2003-07-19 18:57:46) |
22.ロマンチストな世間に順応出来ない男が、妄想から現実の女性を愛する事で、真実の愛へと向かうのだが、儚くも現実は冷たい。でもその中での甘美さ儚さを最上のものと、とらえるんだけど、見ている私には、その美学はとても悲しいです。人間の生まれもっている善悪を皮肉をもって表現していると感じました。個人的にはルコンド作品は「髪結いの亭主」の方が好きですが、この作品もとても良い作品でした。 【風太郎】さん 8点(2003-06-25 02:17:30) |
21.冒頭、若い女性の死体のシーンからしてミステリアスな雰囲気を漂わし、カメラと音楽の使い方も抜群に上手く物語りの展開も申し分ない。つまり監督ルコントの、センスの良さと演出の妙をつくづく感じさせてくれる作品だった。 物語りは、サスペンスを絡めつつも“ゾッ”とするような男と女の一途な恋を描いており、最後にどんなドンデン返しが用意されているのか目が離せない雰囲気を持っている。そんな中、主人公イール氏の人物描写がいやらしい程上手く、見ての通り几帳面だがちょっぴり変態さん。その一方で、滑稽なまでの純愛の持ち主は孤独と哀愁をもしっかり漂わせていた。ルコント監督の代表作にして、切ないラブ・サスペンスの傑作です。 【光りやまねこ】さん 9点(2003-06-22 20:11:50) (良:1票) |
20.おっさんと若い女の未来のない恋です。悲しい。 【ナオミ】さん 7点(2003-06-07 15:24:43) |
19.私は、この映画を見てルコントの2通りの表現方法に気づきました。色と境界線を用いた方法。赤と青、窓ガラスについてなんだけど、他に気づいた方います?映画を見るとき(だいたいのハリウッドもの以外)は、結構こうゆうのに意味を持たせて内容を知るのに重要だったりする。 【Good】さん 9点(2003-04-07 03:13:19) |
18.あの手紙といいなんといい切なかったなぁ。印象に残るのはやっぱあの手紙です 【アンリ】さん 7点(2003-03-22 15:48:19) |
17.単なるサスペンスの域を越えて、世間から孤絶した男の過剰で病的なロマンティシズム(まるでドストエフスキーの登場人物です)を深く染み込ませるあたり、ルコントの懐の深さを感じます。寒々しい青の色調が効いてます!禿が悲しい 【ヒロポン】さん 7点(2003-02-24 10:17:38) |
16.切ないです。とっても切ないです。仕立て屋も彼女も切ないです。これは極端な話ですが、本当に人を好きになると、こうなってしまうケースも多いんでしょうね~。 【クロマス】さん 7点(2003-02-05 18:31:09) |