166.《ネタバレ》 アンジェリーナ・ジョリーの演技力と作品の完成度には圧巻です。また実話ということで深みを感じました。2時間以上の映画は苦手なのですが、飽きずに見れました。少ししつこく繰り返される音楽には飽きていましたが・・・。当時、ここまで警察が腐っていたのかと思うと苛立ちを感じます。なんといっても入ったら二度と出ることが出来ない精神病院の実態が表現されており、恐怖を覚えました。入れ替わった子供がイマイチよく分からないですが、子供らしさも終盤には少し出ていて良かった。アンジェリーナ・ジョリーの痩せ具合と綺麗な当時の町並みが印象に残っています。映画としては非常に評価できますが、何度も観たいと感じないので7点。 【マーク・ハント】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-04-01 22:18:37) (良:1票) |
165.《ネタバレ》 前半は、厳しい視点の中にも地に足の着いた安定感のある描写が良い。特に、母親がスーパーウーマンでも何でもなく、ただ泣くだけ、立ちつくすだけ、または弱々しく抗議するだけというのが、逆にその中にある我が子への信念と愛情を、リアリティをもって裏打ちしている。●後半は、公聴会やら死刑執行やらと幅が拡がりすぎなんじゃないかなあ・・・と前は思っていたのですが、再見して気にならなくなりました。おそらくイーストウッドは、そこにあったもの、コリンズ夫人が体験したものはきちんと盛り込もうとしたんだろうけど、彼の場合、「これも入れようかな」とふと思っただけで、あっという間にまとめて入れ込んでしまえるんですよね。●それと、ぞくっとしたのは、偽ウォルターと実母の対面シーン、実母は物腰丁寧だし、再会を喜んでもいるんだけど、偽ウォルターが何か重大なことを言おうとすると、それに耳を貸さずに、ささっと汽車に押し込んでしまうのです。この一瞬が表す描写の重さ、奥の深さ!●カメラワーク、照明、音楽は相変わらず文句なし。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-03-23 04:25:36) (良:1票) |
164.見てる最中、警察やら医者やら犯人の哀れな泣き言やらに本当に何回も何回も何回も腹が立ちました。観賞後の後味もお世辞にも良いとは言えず悲しく切ない。「勧善懲悪」などとはおおよそ対極に位置するどんよりとした暗い映画。さらにそれに輪をかけるように冷酷かつ淡々とした描写が142分続きます。 しかしながら142分の内の1カットたりとも無駄だと感じた描写はありませんでした。 画の一つ一つ、端々から「力」が伝わってくる恐ろしく完成度の高い傑作です。 【bolody】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-03-20 00:30:45) (良:1票) |
163.《ネタバレ》 始めは泣いてばかりいた、そして公権力である警察に「息子さんですよ」と言われて否定できずに写真に写ってしまったシングルマザーが、真実が明らかになるにつれ、戦う相手が明らかになるに従って、芯の強い女性へと成長して行く。その困難さに時に息が詰まりそうになるが、最後の彼女の笑顔には本当に勇気づけられる。良い映画であった。 【豆治】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-03-11 01:31:44) (良:1票) |
162.《ネタバレ》 「悲しい」だけでは済まされない事実。ただ、息子に会いたいという一貫した純粋な気持ちが、様々な方向へ作用し世の中の不条理を浄化していく様は心打たれました。様々な問題が詰め込まれていましたが、世の中はそれだけ複雑だという事ですね。少しでも多くの人が観て、何かを感じて頂きたい一本ですね。はい。 【honeydew】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-03-02 21:58:37) (良:1票) |
161.《ネタバレ》 大変よく出来た映画なんですけれど、構図、カット割り、カメラの移動方法、音楽の使い方、ライティング、全てがキッチリとしていて映画の教科書のようで、『名作の作り方』みたいな、映画学校用の教材みたいな映画で、その分、個人的にはちょっとつまんないなぁ、と。イーストウッドの映画はいっつも真面目に撮られていて、私にとっては大きくハズす事がない代わりに「アンタの映画、好っきやわぁ!」ってときめかせてくれるクセやアクも感じないんですよね。キチッとテーマにもキャラクターにも距離を保ってたりするものですから、心地良く最後まで運んでくれるものの、終わってみると心をギュッと掴まれたモノって案外なくない?って思ってしまったりして。白骨死体ばかりしかなかったの?発見までの期間が短い場合もあったハズなんじゃ?なんて疑問も、この監督のセオリーから言えばそれで正解なのでしょう。腐乱死体を映したり、それを感じさせたりすらNGで。アンジーの演技も「批判は許さないわよ!」ってバリバリの名演技オーラを発してるみたい。ハリウッドの優等生監督がカッチリ作った優秀な映画、でも、映画としての可愛げには欠けちゃうと天邪鬼な私は思うのでした。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-03-01 18:13:24) (良:1票) |
160.《ネタバレ》 あの時代だと男尊女卑もあり、なおかつシングルマザーでは社会的に立場も弱かったでしょうね(仕事は出来るようでしたが)。腐敗しきった権力を持つ組織の対応は酷いモンですが、今の時代も体質的には変わってないな。 映画を観てから実際の事件の内容を調べたりしましたが、案の定、陰惨で凄惨な事件でしたね。ウォルターの殺害に関しても供述を二転三転させ真相は闇の中のようですが、あの状況ではねぇ…。母親は生涯息子を探していたそうですが、それを「希望」と取るか「逃避」と取るか。 抑えた表現ながらすっかり演出の魔術師的なキレを見せるイーストウッド、地味ながらも実力のある俳優たち、優れた美術やカメラワークにより、すっかり見入ってしまいました。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-02-27 01:13:04) (良:1票) |
159.《ネタバレ》 この映画を万人にお勧めするか?って聞かれたら、正直に言って相手を選びます。 私はこの映画を楽しみました、いや楽しんだと言うより、他人の人生を2時間の間共有できたと言うべきかとも思います。つまり主人公が悲しむ時に私の心も悲しみ、また主人公の怒り、恐れの全ての感情が映画を見ている私の心の中で渦巻きました。この意味で、この映画はイーストウッドらしい冷徹なほどに徹頭徹尾第三者目線で描きつつも、彼なりの深い愛情を持って描いた秀逸な映画と私は評価します。(以下ネタバレあります) イーストウッドの最近の作品は運命に翻弄され続けながらも懸命に自分を見失わないように生きた人物を描く傾向が強くなってきている、と感じるがこの映画も同様に思う。多くの観客はそれが史実でなくても母と子の劇的な再会を望んでいると分かりながらもそうは作らない。たとえ興行的にはそちらが正義であってもだ。しかし、史実では犯人がウォルターの殺害を裁判で認めているにも関わらず映画では曖昧に描く事で、生涯ウォルターの生存を信じて探し続けたコリンズ婦人に対するイーストウッドの深い愛情を私は感じるのである。そして最近のイーストウッドの映画に共通して(矛盾するかもしれないが、)人生に対する「深い愛情あるニヒリズム」が清々と流れいてると感じずにはいられない。 【クルイベル】さん [映画館(字幕)] 9点(2009-02-25 12:45:45) (良:1票) |
158.《ネタバレ》 所々に小さな希望を散りばめる演出が上手いなぁ・・・ 最後の最後まで、クリスティンと同じ気持ちで見てしまいました。 これでめでたしめでたしって事になれば、万人が楽しめる痛快な娯楽作品となっていたんでしょうけど、そうはならないところに、現実の残酷さを痛感させられてしまいました。 一つだけ救いなのは、クリスティンが映画を見ていた事。ほんの少しだけでも自分の為に時間を使い、人生の楽しみを見出せていたら良いな。 【目黒のさんま】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-02-24 17:17:42) (良:1票) |
【TERU】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2023-10-11 20:20:33) |
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156.《ネタバレ》 感動しました。 142分がとても短く感じました。 何より「ハラハラ」場面と「ワクワク」場面のバランスが絶妙でした。 評価が高い「シーシャンクの空に」も感動しましたが終始「ハラハラ」場面の連続、「ワクワク」はラスト10分くらいなのでちょっと疲れます。やはり「ハラハラ」はほどほどが精神衛生上良いです。 登場人物も善悪がハッキリしています。 警部は5,60年前に大ヒットしたアメリカドラマ「逃亡者」で無実の罪に問われた主人公を執拗に追い続けるジェラード警部を彷彿させる冷酷非情なキャラが似合います。 ウォルターに成りすました子役もずる賢さを良く演じていました。 そしてハッピーエンドに近い結末もひと安心です。 猟奇殺人犯は逮捕、ロス市長・市警本部長・警部らは糾弾、精神病院は解放されました。 ウォルターは発見できませんでしたが生存に一縷の望みをかけ探し続けるコリンズ・・・でのラストは良かったです。 このところ「ハズレ」を数本観続けていたので相対的にも10点献上です。 【yoroshiku】さん [DVD(字幕)] 10点(2023-09-23 17:05:05) |
155.《ネタバレ》 1920年代に実際に起こった男児誘拐殺人事件に基づいた作品。一人息子をさらわれる母親役をアンジェリーナ・ジョリーが演じています。男児誘拐殺人事件は「ゴードン・ノースコット事件」と呼ばれ、驚くべき悲惨な事件なのですが、それ以上に驚くべきは警察の対応で、ほとんどホラーです。こんな嘘のような背筋の寒くなる本当の話を、掘り起こして題材にした時点で、成功です。ジョリーの演技は悪くないですが、ジョリーでなければという感じでもなかったですかね。さわやかイケメンなのにめっちゃむかつく警部とか、犯人とか、牧師とか、精神科医とか、弁護士とか、むしろ脇役が素晴らしい作品だと思いました。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-03-11 13:26:47) |
154.《ネタバレ》 アンジーのローラースケートがチャーミング【8点】 実話(ゴードン・ノースコット事件)をベースにしているだけに実に生々しく異常な世界の描写に 成功している。 クリスティン(アンジー)の子どもウォルターが行方不明になってから精神科に収容~解放される まで実にもどかしく理不尽な扱いの数々が映画の半分以上を占めている。 1863年「奴隷解放宣言」1865年「南北戦争」終結を経て60年以上が経過し、自由と正義を重んじ ていたはずのアメリカの1920-30年代がこんな世界だったなんてあまり知られてないのかもしれない。 実に酷い世界だ。行方不明の子どもに警察がなりすましを指南。母親が間違いを指摘すると精神病院送 りなる。病院では警察が正しい事を認める書類にサインしなければ病院から出してもらえない。医師に 逆らうと電気ショックを受ける。警察本部長も事の真相をもみ消そうとするという悪辣な話。 しかし物語中盤以降は、牧師等が支援団体となり有能な弁護士により警察の不当な行為が断罪されてゆく。 また連続誘拐殺人の犯人も捕まり絞首刑の場面まで映像化されている。実際はどうなのかしりませんが かなりショッキングなシーンです。2時間以上の尺がありながら長いとは感じ無かった。 とにかくクリスティンを信じて欲しい、病院から出して欲しい、ウォルターが見つかって欲しいと願いながら 見ている自分がいました。 最終的にはたぶんウォルターは殺害されていたのかもしれませんが、事実は判明しませんでした。でも証拠が 無い以上母親は生存を終生信じる続けたそうです。なんとも辛い事件です。 |
153.ホラーよりも怖かった。 さすがクリント・イーストウッド。どっぷりと映画に引き込まれました。 我が身に置き換えて考えると、怖くて怖くてたまらなかった。 お母さん、よく頑張った、、、拍手。 【めたもん】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-10-16 19:17:53) |
152.《ネタバレ》 良くも悪くも安定のクリントイーストウッド作品でした。 尺が長く、見事に観ているこちら側まで陰鬱とした状況に持っていってくれます。 かといって、無駄なシーンが多いわけではなく(胸糞シーンが多少多いようには感じるが)、結果的におもしろい作品と思えます。 警察関係者(医師や精神病棟の人たち)の異常さの表現の仕方がすごすぎます。 実際彼らは彼らで命令されていることで「正しい」ことをしていると思って業務にあたっているのでしょう 現実として、大半の人が異常な行動も「命令されて」「仕事だから」と考えることをやめ 実行してしまうことが実験結果で判明しています。 (詳しくはミルグラムの実験 で検索) 超脱線しましたが、大きな盛り上がりもないこの陰鬱とした作品で2時間20分もの尺の映画を観て結局素晴らしい作品だと思える クリントイーストウッドの手腕には脱帽です。 【メメント66】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-06-25 01:59:29) |
151.「飼っていた犬を動物病院に預けたら全く別の犬が帰ってきた」という事件は何年かに一回あります。 その都度愛犬家の間では「ありえねーだろ」と話題になるんですが、驚くべきことに何年かに1回そういう事件が起きています。 医者は「病気と手術で少し雰囲気変わってますが間違いなくあなたの犬ですよ」と主張するわけですが、飼い主にそんな誤魔化しが通用するわけがありません。 いやその主張は無理ゲーすぎるでしょ… で、犬ですら無理ゲーなのに、なんと人間でも実際にそういう事が起きたんですよ、とまぁそういう映画です。 無理ゲーにもほどがあるだろ…と思うんですが、無理を通せば道理が引っ込むという格言通りの力技での無茶苦茶な展開には「人間がんばればなんとかなるのかもしれないな」と変な感慨すら覚えてしまいます。 そんな内容の力の入った実話ベースの本映画、後半のカタルシスとかいろいろ言いたい事はありますが、ここで私が言いたい事をとりあえず一つに絞れば「言われなければ彼女だとわからないだろう主演のアンジェリーナジョリー」 あんなキャラの濃い女優が、化粧や雰囲気のせいでパっと見では彼女だとは全くわかりません。 さすが女優…そして化粧やファッションで女性は全く別人になれるんだ、と言う事をあらためて教えてくれる映画です。 まぁ本映画のテーマはそこじゃないとは思いますが… 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-06-11 23:49:15) |
150.《ネタバレ》 イーストウッド監督らしく重厚な作りだった。養鶏場の事件は知ってたけど、コリンズさんの話と繋がってるのは知らんかったな。日本だと法執行機関は"ある程度"信用しても良いけど、外国の警察はその地方のイチ勢力でしかないから全く信用ならんよね。麻薬組織、マフィア、軍、警察が争ってて市民の安全より自分たちの安全が優先だから、この映画の警部や本部長みたいのがウヨウヨしてるよね。 【センブリーヌ】さん [インターネット(吹替)] 6点(2021-05-10 00:12:59) |
149.《ネタバレ》 イーストウッドらしく重厚で充実した内容でした。 序盤の権力に阿る連中には腸が煮えくり返りそうになり、最後の見つかった子どもの両親に会いたかったという言葉には目が潤まずにはいられない。 その他、偽物ウォルターの不気味さや精神病院、死刑の場面など記憶に残る強烈なシーンが多かった。 これが事実に基づいているなんて酷いなあと思うけど、でも最初の1時間くらいは我慢しなきゃいけない映画ってどうなんだろうとも思ってしまう。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-23 15:40:16) |
148.《ネタバレ》 これが昔の話で片付けられなくて、未だに日本でも決め付け捜査・取調べって行われてるんだよなあ。程度の差こそあれ。 自身に不屈の精神があって 頼れる味方がいる人は助かるかも知れないが、過半数は泣き寝入り・冤罪になってしまうんだろうし。 警察って本当に怖いよ。被害者の味方なんて思ってたら、足元すくわれる。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-03-06 22:50:34) |
147.《ネタバレ》 フィクションなら「そんなアホな」という話ですが、これが実話というから驚きです。理不尽にもほどがあるという感じ。 主人公は誘拐犯のみならず、警察やメディアとも戦わなければならなくなったわけで、いわば「三面楚歌」の状態。そこから形勢を逆転していくタフネスぶりには、畏敬の念を抱くばかりです。 ただし主人公には、牧師とその一派という強力な支援者の「一面」が現れました。もし日本で同じような状況に置かれたとき、こういう「一面」は現れるでしょうか。警察もさすがにここまで理不尽なことはしないでしょうが、冤罪とか誤認逮捕とか、あるいは初動の遅れなどはよく聞く話です。政権批判は喧しいメディアも警察発表には従順なようだし、教会をはじめ宗教団体も一部を除いて社会的な影響力はありません。だとすれば、日本のほうがもっと絶望的な状況に陥りやすいのかもしれません。などと考え出すと暗澹たる気分になるので考えないことにします。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2019-05-11 05:52:32) |