112.《ネタバレ》 当時、作品賞が『アバター』でなかったことに「何で戦争賛美の映画が」「退屈でつまらない」みたいな評価が少なくなかった。 確かに映画は娯楽だし、"反戦"は大衆にとって聞こえの良い言葉なんだから、どれだけ平和ボケだったのか。 泥沼の極限状態にうんざりしながらも、こういう緊張状態でしか今の自分を保てない、居場所がない兵士たちの葛藤は、 集団的自衛権や安全保障で揉めている日本でも他人事ではないだろう。 少年を巡るエピソードは余計に感じて多少ダレるが、 アメリカに帰還した主人公が息子に「大人になるとやることが狭まれて一つか二つしかなくなる」と語りかけるシーンは何だか分かる気がする。 安全地帯で年下の上司にとやかくいびられるより、戦場という非現実でヒーローになった方が生きている実感があるからか。 これから混沌としていく世界情勢において、日本は目を背ける状況ではないし、答えは見つからないだろうな。 |
111.《ネタバレ》 完成前のドキュメンタリーを見てるみたいた。ハラハラ映像を次々とみせられる。映像や細かいシチュエーションはいいんだけど、監督の意思がくみ取れなくて、どう感じればいいのかもやもやしっぱなしだった。 良かった演出 ・軍服のままシャワーを浴びると足元が赤く染まる ・人間爆弾をベッカムと思って暴走するとこ ・そのあとのベッカムとの距離感 ・砂漠のスナイパー戦のゆるやかな終結 残念なとこ ・ベッカムと仲良くなったのが伏線臭きつ~ ・軍医の地元民との演出で、展開がみえみえ ・しつこいくらいカウントダウンしてるから、最後に盛り上がるのかなと思わせておいてのスーパーマーケット。夢落ちかと思って集中できなかった 【まぁまぁ】さん [地上波(吹替)] 7点(2015-02-02 16:13:41) |
110.戦争は麻薬である、という冒頭の引用そのものの映画。経験した者にしか分からないが本作の舞台は現代であり、現実味を帯びていて臨場感があった。今年は終戦から70年。かつて戦争が当然にあった時代を生きた人々の苦労は計り知れないと思うと共に、平和呆けし過ぎた日本人はこれからどこへ向かうのかな、とぼんやり考えさせられる映画でした。 【SAEKO】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-31 21:16:44) |
109.《ネタバレ》 これでいいの?と思ったクチです。大義なき戦争のあと、誰のためなのか分からない彼の国の状況がリアルに伝わって来たのでなおさら。大きなインチキのツケを払わされてる切実な人たち。明らかにワタシの考え過ぎだと思いますが、この人たちをクローズアップすることで、何かが目くらましされている気がします。世の中のマッチポンプを描くのに、これで本当にいいの? 【なたね】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2014-12-27 19:58:24) |
108.《ネタバレ》 ブレブレのカメラのせいで臨場感はありましたが、ストーリーは平板な感じ。いくつかのエピソードが無機的に並んでいる印象です。“敵”の様子がほとんど描かれないのはまだいいとしても、主人公の心の内や素性も描かれていません。なぜ、あれほど超人的なクソ度胸を身につけているのか。それが使命感なのか病気なのか趣味なのか。一方でふつうに家庭を持ち、ふつうに人としての喜怒哀楽も持っているようなので、余計に不思議に見えます。というわけで、何かオチがあるようでない、かといって 「to be continue」と言われてもあまり見る気がしない、徒労感の残る作品です。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 5点(2014-11-27 04:25:38) |
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106.《ネタバレ》 やっぱ爆弾処理の話は鉄板ネタですね。緊張感が面白かったです。 爆弾処理だけでは無く、砂漠の銃撃戦も入れてくるのが良いし、ジュースの くだり、ベッカムとのくだりで主人公の人物像がよく描かれていたと思います。 爆弾処理ロボってけっこうショボイのね。 |
105.主役級の大物役者が割りとすぐに消えてしまうところがまたさらなる緊張感を生むし、少年ベッカムの件もいたたまれない一つのエピソードになっている。それに引き換えこの監督はすばらしいと思った。音響もさすがでしたね、息遣いとか、あのスーツが「棺おけ」なのかも。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-04-30 11:18:12) |
104.2014.03/15 鑑賞。ハート・ロッカーとはアメリカ軍のスラングで「苦痛の極限地帯」、「棺桶」を意味するとのこと。まあ題名通り爆弾処理班の大変な仕事!!緊張が走る。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-04-07 22:50:07) |
103.《ネタバレ》 希望もしないのに戦場に駆り出される男たち、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされ必死に戦う男たちの姿は軽視出来ない、己たちがいくら戦争をしない国に住んで居ようと知っておくべき事態がぎっしり詰まった内容と観てる者を飽きさせない上手い作りであったと思います。 ただし実情、殺し合う人間、建物の崩壊、資源の無駄遣い、せっかく積み上げてきた人間同士の友好関係と文明の破壊と後退、虚しくなる一方の愚かな地球人の哀れな姿を見せつけられるこの現状、娯楽でないところに評価など不要ですよね、そんなところに点数なんて難しいんですが、無難に中間点の5点を投じておきたいと思います。ただし、アカデミー賞の受賞、信じられないですね やはり一癖二癖もあるおかしな祭典 大国の主として世界平和を願ってゆくならば、明らさまな戦争題材の映画はハナから受賞候補には挙げない等という基準を作り、賞は娯楽作品だけで争うようにやってもらいたいものです。でもそんなことは単に平和ボケした日本人の戯言と思われてしまうのでしょうかなあ いいや、そんなことないでしょ、日本だってもはや平和ではないんですから ごちゃごちゃ言ってもよいであろう権利は少なからずはある筈だ。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-03-23 18:45:11) |
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【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-03-18 21:42:07) |
101.《ネタバレ》 観よう観ようと思っていたが、ドキュメンタリータッチのものをちょっと敬遠していた。 予想通りにかなりリアルな場面の連続。状況描写なのに引き込まれることが多い。 最後の場面においては、戦争の意味が主人公と観客で違っている。それがこの映画の主張だろうか。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-03-16 21:15:37) |
100.《ネタバレ》 この映画を何度見ても、なぜ主人公は戦争依存症になったのか、なぜ再び戦場に戻っていくのか分かる人は少ないのではと思います。おそらく監督はそれを狙っていて、観客に「なぜか?」を考えさせることが「ハート・ロッカー」の存在意義なのでしょう。私は映画そのものはあまり楽しめませんでしたが、そのことについて深く考えさせられてしまいました。キャサリン・ビグローの映画はこういう作りのものが多いですね。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-10-08 00:19:22) |
99.僕がこの映画を観て感じたこと、娯楽的には思えなかった。爆弾処理のドキドキ感や戦場の昂揚感をあおるような場面は確かにあった。でも、なぜか全体的に娯楽感を感じなかった。主人公の異常さと共感度。主人公は確かに普通の感覚ではなかった。だが、それを明らかに浮き彫りには感じなかった。どこか見覚えのある、いや感じ覚えのある感覚。なんもかんもどーでもよく、本能ですら単なる暇つぶしで、目の前にある仕事を淡々とこなす。でも時には、正義感に突き動かされたりして、でもそれもうすっぺらに思える。異常だが、所々でなんか突き放して観ることができない。あからさまな反戦映画と思えない。過酷さは描かれているが、完璧に戦争がエグいとは感じなかった。かといって、米軍っていいねとも思えない。ただ、観終わればうんざりとした感覚だけが残る。そして、このどこもかしこもしっくりこない違和感だらけの映画を最後まで退屈せずに見れてしまった。主人公が自分の子供に語りかけるシーン、そこが妙に心に残った。 【なにわ君】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-09-15 14:35:34) |
98.《ネタバレ》 911以降、アメリカ国内では愛国者法ができて「テロ対策」と言えば国民の人権も制限の対象になる、テロの容疑者とされれば拷問もOKという何でもありの状態。一方で10年に及ぶ国力を疲弊させる実りのないイラク・アフガンにおける戦争をハリウッドがどう映画化し、どのような描き方ならば高評価がなされるのかは興味深い所でした。COIN(Counterinsurgency)と呼ばれる米軍のイラク・アフガンにおける活動は軍隊本来の活動とはほど遠く、戦争映画として描くとなると、軍が本来的に持っている機能の何かを主役に描かねばならず、結果として「爆弾処理班」の活躍を描く事になったのでしょう(途中戦争映画的な狙撃戦も織り込まれてますけど)。設定としては戦争好き(戦場でしかうまく自己実現できない)な主人公が周囲を巻き込んでぐいぐいとストーリー展開が行われる中で、義務感から戦争に参加している普通の軍人達の苦悩が描かれて、全体としてアメリカが戦う意義が表徴されるというオーソドックスな設定(第二次大戦ものや朝鮮戦争ものなどで多い)がなされているのですが、その意義の描き出しが難しいのがこの戦争。「テロとの戦い」という戦争の大義が描けたかというと、それがイラク国民のためにもアメリカ国民のためにも大義として「成立していない」ということを、多分大義として「意図的に描き出していない」所がこの映画が評価されたところかなと思いました。 【rakitarou】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2013-07-22 19:48:01) |
97.イラク戦争に従事する米軍の爆弾処理班の姿を描いた映画。『ディア・ハンター』のイラク戦争版といった趣の作品。この映画に関する議論はほぼ出尽くしていると思うので私ごときが言える事は少ないが、個人的にはヒステリックに反戦だとか責務だとかいう以前に、「こんな目に遭っても結局アメリカってまた戦争しに行っちゃうんだよね」的な諦観を強く感じた。そこには戦争を忌諱しつつも軍産複合体によって経済を維持している国家に生きる者としての葛藤も少なからず反映されている様に思える。表向き反戦映画を作っている様なエンターテイメント業界のカネだって裏では軍需産業に流れている可能性もある訳で、そういった意味ではこのどっちつかずなスタンスというのはアメリカ国民のリアルな感情を真摯に代弁していると言えるのかもしれない。中盤のスナイプ合戦はなかなか見応えがありました。 【オルタナ野郎】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-01 18:56:58) |
96.《ネタバレ》 今作は、冒頭に掲げた言葉、 「戦争は麻薬である」 を セミマクロな “ヴィジュアル・インパクト” や おぞましい “ストーリー・インパクト” を駆使して 多重的に訴えてきました。 そして、苛立ちを覚えた 「 “無駄な時間” を 時間を掛けて描く 」 ことや ヌルイ と感じてしまった展開 こそが 【 ( 「戦争は麻薬である」 ことを訴求する ) 今作自体が、 観る者のモラルを壊していく 劇薬 】 であったことを、 深く、 にぶく、 訴えてきたのです。 このように、戦争の異常さを 「体感的」 に鑑賞者の精神に植込むという側面においては、 比類のない映像作品だった。 と、評価を致します。 制限文字数では語り切れず。完成版はこちら http://ouiaojg8.blog56.fc2.com/blog-entry-104.html 【マーク・レスター】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-04-03 21:46:42) |
95.観なければと思いつつ、なかなか手が出なかった本作をやっと視聴。想像していた通りの展開。ちょっと疲れた。映画としてはもう少しストーリーに緩急があっても良かったと思う。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-03-09 22:45:24) |
94.《ネタバレ》 「こんなところ大嫌いだ」とブラボー中尉が言う。まったくだ。地獄だ。不条理だ。もはや現代の戦争は愛国心の発露の場ではなく(過去にもそんなのあったのかどうかは疑わしいけど)“生活の糧”を得るための仕事になっている・・らしい。愕然とするけれどその“大嫌い”な場所に戻らないと自分を取り戻せない症例がある・・んだそうだ。麻薬のような中毒作用で。これは現在進行形の話だしあんまりな現状に立ちすくむばかりではいかんとは思うのだけど・・、感想がうまく抱けず点々の多い文になってしまった。ああ、何よりも印象に残ったのはスーパーマーケットにて夥しいシリアルの前で立ちすくむ主人公の姿。平板で素っ気の無い平和に順応できていない彼が痛々しかった。 【tottoko】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-01-13 00:27:36) |
93.《ネタバレ》 ひと癖もふた癖もある映画だ。突き放して、結論を観客に想像させるタイプの映画で、好みが分かれそう。その手法は、さほど成功しているとは思えない。理由はいろいろあるが、主人公の感情が読めないことが大きいと思う。冒頭場面、3人の爆弾処理兵があまりにビビっているので笑ってしまった。爆弾処理兵たるもの常に冷静であるべきで、実際にそうだと思う。周囲に民間人がうじゃうじゃいるのに、警告もせず、避難・警戒線も張らず、X線透視カメラも無し。予想通り爆破したが、あんなに遠くで爆発したのにまさかの死亡はあ然。肉屋の携帯との関わりは不明のまま。次に芋蔓式の爆弾がでてきたけど、何のためのものなのか?米軍車が偶然にあの上を通るのを願うのか?万事この調子。どれも説明不足な上に、各挿話の結論が放りっぱなしだ。転機となったベッカム少年の挿話を例にとっても、何故少年をそんなに気にするのか。ベッカムそっくりさんの正体は?ベッカムのいた露天商の主に何故通訳をつけて質問しないの?人間爆弾のことを上に報告して、チームで調査すればいいのに、何故単独でベッカム家に乗り込んでいくの?何故おばさんにやられっぱなしだったの?ベッカムに再会出来て何故あんなによそよそしいの?など、すっきりしないこと甚だしい。「任務あけまであと何日」としつこく字幕を出しながら、その日を描かない。わざと難解にしているようにも思えるくらい。だから、いつまで経っても映画の方向性が見えてこない。戦争の狂気を描きたいのか、悲惨さを描きたいのか、主人公の英雄ぶりを描きたいのか、成長を描きたいのか、戦場での兵士心理を描きたいのか、友情を描きたいのか、イラクでの現状を知ってもらいたいのか。緊張感だけは伝わってくるが、手ブレカメラの多用は目に余る。主題が「戦争は麻薬だ」ということは序文にある通り。となれば、最後の場面の説明としては、「帰国して日常生活に戻ったものの、妻との会話は通じず、かえって孤独は増し、無力感に苛まれていったが、やがて召集通知が届き、主人公な嬉々として戦場に戻っていった」ということになる。この人、特に成長してないと思う。戦場でしか生きられなくなった自分を再確認したということ。それを戦争の悲劇の一面として描いた作品。戦争は兵士の精神を蝕む。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-12-20 05:52:48) |