21.《ネタバレ》 悪名高いメキシコの麻薬カルテルの抗争。ネット上でも思わず目をそらせるようなものもある。その世界が現実感を持って迫ってくる。 そんな修羅の世界ではケイトのような正論は通用しない。あくまで正論を通そうとするケイトにイライラし、手段を選ばず復讐相手の妻子まで皆殺しにするアレハンドロに感情移入してしまう。良い悪いは別にして、修羅の中で生き抜く凄味に圧倒される。 ラストでアレハンドロに銃口を向けながら結局引き金を引けなかったケイトが印象的。 最近観た映画の中では一番面白かった。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 9点(2017-08-30 00:20:45) |
20.《ネタバレ》 映像は重厚且つスタイリッシュ極まりなく描かれているが、そのシーンの一つ一つは平和ボケした日本人の我々には絶対に太刀打ちする事など出来ない厳しい現実を描いている。鑑賞のきっかけはエミリー・ブラント目当て。その点では満足だが本作の主役は絶対に彼女では無い。主役は言うまでもなくベニチオ・デル・トロ。終盤の容赦ない展開(ボスの家族瞬殺等)は観ていて辛い。ここまで骨太な犯罪物に出会ったのは久しぶりな気がする。 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-08-21 16:23:27) |
19.《ネタバレ》 メキシコ国境地帯で凶悪な麻薬組織と日夜命がけの攻防を続けているFBIやCIAの姿を描いた社会派アクション。監督は重厚でリアルなサスペンス描写に定評のあるドゥニ・ヴィルヌーヴ、男勝りの主人公を演じたのはエミリー・ブラント、そして一癖も二癖もありそうなベテラン捜査員を演じたのはベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンという二大個性派俳優。とにかく全編に漲るこのただ事じゃない緊張感には素直に圧倒されました。冒頭の敵のアジト襲撃シーンに始まり、アメリカ・メキシコ国境で突発的に起きるリアルな暴力描写、捕まえた組織の人間を容赦なく拷問にかけるような先輩捜査官に必死に抵抗する主人公の葛藤、どれも満足のいく見事な出来栄えだったと思います。特に野獣のような狂気性を内に秘めたベニチオ・デル・トロの他を圧倒する存在感は凄かったです。ただちょっと残念だったのは、クライマックス。このデル・トロ演じる〝暗殺者〟が組織のボスを殺すためにアジトに忍び込むのですが、その過程がけっこう簡単に行きすぎるのがいまいちリアルさに欠けるかなと。ボスのアジトなんだから、さすがにもっと厳重な警備がされていると思うのですが。とはいえ、なかなか見応えのある作品でございました。7点! 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-07-05 21:52:53) |
18.《ネタバレ》 監督も撮影も『プリズナーズ』と同じである喜び。静かで重厚な映像を存分に楽しめる。 ストーリーはやや難しく鑑賞後の余韻も残りにくい。 しかし、社会問題化している極悪メキシコ麻薬組織を追う展開はスリルを味わえ、国境付近での緊張や警官の汚職を描いていて印象に残る。 【カジノ愛】さん [インターネット(字幕)] 6点(2017-06-25 21:34:07) |
17.《ネタバレ》 なんだ新作のメッセージよりもヨハンソンの音楽(効果音?)が、ピッタリじゃないですか。 メキシコのスラムでの不気味な雰囲気を120%バックアップ。 映像もキレイな景色なのにどこか不安な感じが面白い。メキシコの方には失礼かも知れないけど コロンビアに次いでヤバイ国だと思ってしまう。こんなとこで警察官・捜査官やるなんて無理。 エミリーブラントの主演映画なのに、ヒロインの影が薄いのは、この物語なら納得かも。 裏の名前を持つ男アレハンドロが完全に食ってます。物凄い存在感。将来はマーロンブランドかも。 現実はこうじゃないと思いたいけど、アメリカのニュースでもたまに見るし、ヤバイよねえ。 組織撲滅に正攻法じゃラチがあかないとはいえ、内部抗争に干渉しまくり、射殺が基本の任務。 正義なのか只の殺し合いなのか、正義が判らなくなって行くヒロインを描いたようですが、 何故彼女が選ばれたのか判ってしまうと、違和感が消えて同情に変ります。厳しい現実。 しかし、なぜ原題の「暗殺者」から邦題「ボーダーライン」になったのか、そりゃ国境だし 正義と悪の境界の話だし、間違ってないけど、なんかカッコ良くないし軽いなあ。 タイトル吟味して、アクション映画風のトレイラーにして、プロモーション頑張れば もっと売れたんじゃないかなあ。 もったいない。 久々に硬派な映画でした。 【グルコサミンS】さん [DVD(字幕)] 9点(2017-06-16 09:46:06) |
16.ケイト(エミリー・ブラント)は、アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)に喰われているね。まぁ、狂言回しの役割だから仕方ないとも言えるけど。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-06-10 19:49:24) |
15.《ネタバレ》 主人公が綺麗すぎて現実味にかけますが息の詰まる展開は素晴らしいリアリティでした 【osamurai】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-05-19 05:00:00) |
14.《ネタバレ》 狂言回しポジションのヒロインの言動がいちいち甘ちゃん過ぎてイラッとしたのですが、最後まで見るとその感覚こそ恐ろしい事なんだと悟るという。 映画の進行上、ヒロインはクライマックス前にお役御免となって画面から姿を消し、以後デルトロの独擅場となります。その彼の取った行動、その深い深い闇こそが麻薬社会の現実で、そんな現実に立ち向かえるのは決して正常な健全な精神ではないというもう1つの現実。狂気に対抗し得るのは狂気でしかなく、狂気に頼らざるを得ない正義はもはや正義として成り立たない、そこにあるのは闇と闇の戦いでしかないという絶望感。 『コール・オブ・デューティー モダン・ウォーフェア』シリーズを思わせる画面は現在の兵器のテクノロジーを示し、直接死体を映す映像とは別に今の時代のリアルな恐ろしさを寒々しく表現しています。 効果音がそのまま重苦しい映画のBGMになっていて、一方でBGMも終始不安感を煽り、なので一部で効果音をBGMがジャマしてるように感じる箇所があって、BGMをもう少し抑えて欲しかった感もありました。 綺麗事を決して許さない、出口の見えない果てしない闇の重さを心の底に残す映画でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2016-11-02 22:51:39) |
13.しっかりと見ごたえのある映画。 ゼロダークサーティのような緊迫感。 |
12.《ネタバレ》 地名、その国の情勢など全く知らない状態で観たのが良くなかったらしい。 人物の名前もややこしく覚えられない。説明もほとんどなくて 今、何がどうなってそうしてるのかが良くわからない。 なんとなくこういう状況でたぶんこうなんだろうな、 というのが最後までずっと続いてそのまま終わってしまった。 一回観ただけで話についていくのは私には無理でした。 そして同じ映画はよっぽどのことがないと普通、二回は観ない。 ちゃんと理解できる人には面白い映画なんでしょうね。 【虎王】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-10-23 23:56:13) |
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11.《ネタバレ》 麻薬モノと戦争モノが合わさったような映画、いや現実か・・。麻薬に限らず、紛争などのあらゆる問題が男のやり方では解決できないのは、もう確か。で、この映画の興味あるとこは、そんな最前線に女性が入っていくとこだ。しかし結局、男のやり方を女性がしたのでは、何も解決にならない。そんな感じで映画は終わる。映画としての目新しさは特にないが、リアルに事務的な部分も描いたとこが新鮮だった。CIAだけでは現場に行けないからFBIの人間も連れてくるとことか、この任務は法に違反してないなどの書類を書くとこなど、普通のアクション映画では見られない場面が興味深かった。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-10-21 19:31:21) |
10.予告編を観て、単なるドンパチ、アクション映画だと思い込み、敬遠してたら..「プリズナーズ」の ドゥニ・ヴィルヌーヴ 監督作品だと知り、即行で鑑賞.. いや~ シビれるほど シリアスで、リアル..そして、大人の脚本.. ヴィルヌーヴ監督、Good job! です.. FBI捜査官の ケイト が選抜された理由..ベニチオ・デル・トロ 扮する アレハンドロ の正体..そして、予想外のストーリー展開 & 結末..まったく読めませんでした..玄人好みの演出、物語..秀作です!..シリアスなアクションドラマが好きな方、オススメ!.. 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-10-06 22:48:39) |
9.この監督特有の作風(重すぎる)ですが、今作はそれが非常に良かったと思います。ネタバレ無しで書くのはなかなか難しいですが、冒頭30分は凄まじいまでの恐怖と臨場感です。しかしこの監督の悪い癖(見せすぎる傾向)で、メキシコ難民のバスの一件などは中だるみしてしまっています。(個人的には難民から抜け穴の話を聞くシーケンスは一切要らない) あと、メキシコ系の名前のせいか、イマイチ相関関係などピンとこない箇所もチラホラ。説明不足の割に無駄なシーンが多く意味が分からなくなるのは、ある意味この監督の作風と思って諦めるしかないでしょうかね。 随所に大自然のゆったりした景色が差し込まれていて、テンポの緩急のつけ方は上手いです。雄大な自然=手に負えない力、得体の知れない力、などの比喩にもなっているように感じられて素晴らしいです。それから皆さんおっしゃっているように音楽が素晴らしい。この音楽のおかげでより一層の恐怖感が襲ってきます。 ラスト、なぜ泣いたのか?なぜ去れと言ったのか?各自の行動と結末を思うと非常に深いラストだったと思います。もう一度見たほうがイイような気がしますが、ちょっと重い&暗いのでもう当分は見たくないかな。。 という感じの微妙な映画でした。 【アラジン2014】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-10-05 15:16:15) |
8.とにかくベニチオ・デル・トロの演技が見ものでした。すごい渋いですねぇ。そしてエミリーブラントもきれいですねぇ。終始、眉間にしわを寄せていますがそんな表情もとても魅力的です。個人的に彼女が満面の笑みを浮かべるところも見てみたいです。って、映画のレビューになっていないですが、物語も終始緊張感があってよいです。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-10-01 11:09:57) |
7.《ネタバレ》 ベニチオ・デル・トロの圧倒的存在感。彼独特のキャラクターはこういう映画にとても良く合う。見事でしたデルトロ流石でしたデルトロ。 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-09-16 10:11:34) |
6.《ネタバレ》 余計なドンパチを排した上での緊張感ある映像が良かった。女主人公がそれほど活躍できないところもリアリティあり。最後デルトロが親分(?)家族を。。。賛否両論あると思うが、怒りの連鎖とはこういうことだということを描きたかったのでしょうかね。 【kaaaz】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-09-02 23:09:37) |
5.《ネタバレ》 ○女性主人公がここまでボコボコにされる映画もそう見たことがない。○細かな説明を極力省いているのも良い。○国境越えシーンの緊張感に対し、ジョシュ・ブローリンの手慣れた感じも良い。○徐々にベニチオ・デル・トロの画面占有率が高くなるが、徐々にかっこよくも見えてくる。また稀有な俳優でもある。○またここまで邦題のハマった作品もそうない。 【TOSHI】さん [映画館(字幕)] 9点(2016-05-11 21:00:33) |
4.《ネタバレ》 ■本来、こういった麻薬問題を扱うと 話がどんどん大きくなっていって、茫漠としてしまうものだけど 一つの復讐譚に収斂させた脚本がまず良かった。 ■しかし、この脚本には致命的な欠点があって、 よく言うと寓話的、悪く言うとマンガ的(こんなんありえるかいってゆう世界)。 ベニチオデルトロが超人化してしまっており、もはやゴルゴ13である。 ところどころ台詞もクサイ。 ■ところが、この脚本に、この監督がうってつけなのである。 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、これまでの作品でも いわゆる寓話的な物語を現実世界にフィットさせて撮ってきた。 脚本が監督好み、得意に合っていたと思う。 遠景から近寄ってからの、カットバック多用において、 映像の捉え方、切り抜き方が良い!絵画的な切抜き方?(一枚で見ても映える) リアリティーとファンタジーの絶妙なミックスは、この監督の特徴だと思う。 ■唯一の不満を挙げると、最後のベニチオデルトロと女主人公の邂逅シーンが不要だと思う。 続編へのブリッジなのかな? 【わんたん】さん [映画館(字幕)] 9点(2016-05-07 09:34:53) |
3.《ネタバレ》 どこで生まれ育つかによって人生は決まるんだなと、そういうことを考えてしまった。ラストのサッカー少年の眼差しを見て、彼もまた、父親の仇を討つためにデル・トロの首を狙うのかと思い、悲しくなった。彼が警察官になるのか、それともカルテルのもとで働くのか、あるいはそのどちらにも属さずに生きるのか。いかなる立場になったとしても、彼が復讐のために何でもするような人間になることに変わりはないという予感がした。その少年の父親はあるカルテルから買収されていたし、デル・トロも元検察官だったので、麻薬がどうこうじゃなくて、ただ生き残るために、もしくは復讐のために、一人一人がもはや機能していない法や秩序を破っているように見えた。 度々映し出されるフアレスの住宅街や砂漠のショットの広大なスケールから、麻薬戦争の底の知れない規模の大きさを感じた。 【Y-300】さん [映画館(字幕)] 8点(2016-05-02 09:35:43) |
2.《ネタバレ》 高空から撮られた地表や街並みのショットが、ただそれだけで静かな不穏と緊迫を醸し出す。 スコープサイズの画面に美しく広がる地平線と独特の雲とトワイライトは、血生臭いドラマと対照を為す形で印象深い情景を見せつけてくる。 銀行の監視カメラ映像、暗視スコープ映像など、様々な媒体の挿入も効果的に決まっている上に、環境音に似せたBGMも画面から浮く事がない。 中盤のバーでのジョン・バーンサルや、ベッド脇に置かれた札束バンド、そしてラストのベランダで銃を持つエミリー・ブラントなど、フォーカスを巧妙に外すことで逆にそのぼやけた対象を強く意識させ観客に注視を促すという、サスペンスと情感の演出にもついつい乗せられてしまう。 べニチオ・デル・トロ自身の佇まいもさながら、特に後半の彼が凄みを増していくのは、暗闇と影を相乗的に活かした撮影にも拠るところも大だろう。 レースカーテンの揺れる奥に佇むデル・トロ。彼の表情に落ちる陰影の黒味は彼の内面を見事に具象化している。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2016-04-25 23:25:50) |