54.《ネタバレ》 この監督の画は美しいのですが、華美では決してなく、むしろ色彩は限られていて無機質にも感じます。空気が半分抜けちゃった巨大なラグビーボールが無愛想に宙に浮いている画は かの”2001年宇宙の旅”の石版を思い起こさせ、おおあの睡魔がまた襲ってきたらどうしようかと身構えました。 が、しかし物語の終盤、怒涛の勢いで「時」のネタばらしがされ、それまで挿入されてきた画や言葉の意味がクリアになったとき、電撃をくらったような衝撃を覚えて痺れてしまいました。「時は流れるものではないとしたら」たしかに冒頭からそのナレーションはありましたが、ここに広げて見せられた時空の概念は私の思念の及ぶところではなく、ただただ斬新な驚きでありました。そもそも”娘を失った言語学者が仕事に打ち込んでいる”と思って観始めたときから、映画の仕掛けに嵌っていたのです。見事です。 惑星の公転と自転によってしか時を計れない地球人に別次元から「生きる意味」を考えさせたヘプタポッド。ちょっと迷惑かもだけど、ルイーズにとってのその後の人生の一瞬一瞬は“喪失を知っている”分、輝きを大きく放ったものになったのかもしれないな。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2018-11-25 17:55:25) |
53.《ネタバレ》 宇宙人ものとしては珍しく穏やかな作品。ちょいちょい挟んでくる映像が過去の回顧かと思っていたら未来のビジョンだとわかったときは驚いた。ただそうなると冒頭のルイーズの悲壮感が何だったのかが気になる。 【ぷるとっぷ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-11-11 17:04:02) |
52.《ネタバレ》 全てが謎に包まれた映画なんです。 世界中が宇宙人について騒いでいる中、エイミーアダムスだけは何も知らないところから始まるんです。 それで、何故か言語学について成果を上げたという理由でエイミーアダムスが宇宙人との交信役に抜擢されるんです。 それで、何故かエイミーアダムスは宇宙人とのコンタクトに成功するんです。 そうやって物語の展開の全てが「何故か…」で進行していくんです。 だから全く理解できないまま中国と交渉が成功し世界中が平和になるんです。 ものすごくスケールの小さい世界だなと思いました。 フォレスト・ウィテカーなんてホントどうでもいい役だし。 この人、スターウォーズでも、どうでもいい役やってましたよね。 ホント、この人、ツーストライクですよ。全く。 あと1回でアウトです。 それに加えて謎なのが、こんなクソつまんない映画がアカデミー賞8つもノミネートされているんです。 この映画見て、例えば子供に理解できるのでしょうか。 映画って、最低中学生くらいでも理解できるものを作ってもらいたいものです。 訳わかんない映画作って「どうだ。俺の作った作品は凄いだろう」なんて豪語しているクリエイターがいたとしたら殺してやりたい気分ですよ。全く! 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 2点(2018-08-25 11:55:55) |
51.《ネタバレ》 造形的なSFってもう出尽くしているのかも、だから何かとの組み合わせでしか我々は驚かない。今回「彼らにとって時間は流れるものではない」の一言が心に残りました。次元と同じで、体験していないと説明されてもわからない仕組みってあるんでしょうね。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-26 11:12:56) |
50.《ネタバレ》 タコの宇宙人が出てきたときは唖然とした。あんなに一本の電話で都合よく中国の指導者を動かせるかなあ。で、それによって全世界が協調して問題がすぐに解決するかなあ。娘との思い出の映像が繰り返し出てくるのは伏線で、最後にネタばらしがあるんだけど、時系列的に矛盾していないか。 【エンボ】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2018-06-30 16:53:45) |
49.いわゆるハードSFになるのかな?こういうSF好きです。全体的な違和感が後半ですっきりさせられます。 【木村一号】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-03-25 10:24:07) |
48.《ネタバレ》 着眼点は面白く、前半は興味深くワクワクしながら観てましたが、展開が地味なため途中から退屈になってきます。最後まで平和的に解決しようとする点は好感が持てます。人類史上初の一大事に大統領とか各国のトップが出てこないのは少々疑問ですが。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-03-23 13:58:07) |
47.《ネタバレ》 巨大宇宙船、タコ型地球外生命体、そして“未来の記憶”。トラディショナルなTHE・SF映画の体裁です。ストーリーは“異星人との意思疎通”にほぼ終始するという極めて地味な展開ながらも、情感たっぷりのヒューマンドラマを孕み、見応は十分でした。最終的には親子愛という普遍的なテーマに落とし込むあたりも、王道中の王道のSF作品。個人的な好みで言えば『コンタクト』や『インターステラ―』と甲乙付けがたい傑作SFとの認識です。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2018-03-20 19:59:44) |
46.《ネタバレ》 ネタバレから入ります。「娘を失った過去を持つ言語学者」だと思っていたら「これから娘を産み、さらに失う運命を持つ言語学者」でした。このヘンテコリンな倒置が、そのまま異星人と地球人の根本的な相違点であり、ストーリーの起伏を作り、最後には決着の鍵になっていました。しっかりSFしていて私は楽しめました。 SFに分類される映画に登場するエイリアンの多くは脊椎を持ち四肢を持ち2つのレンズ眼の下に口があり地球人と大差無い思考形態を持っていたりする。そんなバカな、といつも思っております。肌色を変え極端に平和的だったり、あるいは攻撃的だったりすることで異星感を表現しようとするけど、実際には言葉にも出来ないような性質のはずなのです。その点で本作のエイリアンは鑑賞後にも多くの疑問が残る程に理解の外側にいました。この分かりにくさが私には高評価です。 我々の言葉では「未来が見える」だけど、彼らにはそれが当たり前で「なぜそんなことが分からないの?」くらいのノリなのでしょう。時間の流れに対する認識が全く異なります。う~ん、想像するのが難しい。我々に取って、それは将来をネタばらしされた生活で、ほとんどの人はそんな能力を否定すると思います。劇中でも主人公と結婚した物理学者は彼女の能力を知り、彼女の選択に怒って離れて行った。普通の反応だと思いますものね。その能力は何千年か後にエイリアンたちを救うことになるらしいけど、地球人にはそぐわない能力でしょう。進化の過程で獲得していないものは不要、ってことだと思いますけどね…。 早世する運命にある娘を何故産んだのか? 敢えて解釈するなら、娘の運命を知りつつも娘と過ごす時間の愛おしさも知っていたからなのでしょう。まぁ、何故産んだのか?ではなく、産むことは決定事項だった訳ですけど。 因みに、攻撃的な挙動が無い異星人に対して先制攻撃を仕掛けようとしていました。アホか、と思いましたね。星の海を越える技術力を持つ者に戦いを挑むのは自殺行為です。そんなことは基本中の基本だと思います。各国のコンタクトの先頭にいるのが軍人だからですが、その設定には無理がありました。ゴジラに対して、攻撃命令を下したのは文民でしたよ。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-03-17 00:37:01) |
45.《ネタバレ》 もとのタイトルのarrivalでよかったじゃん。ラスト見終わってのarrival含めての作品でしょ。英語わからなくてもGoogleで解読できるわ。 【osamurai】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-03-03 03:12:09) |
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44.《ネタバレ》 あまり風呂敷を広げすぎずに、宇宙人とのコミニュケーションに話を絞っているのが他の映画との違いが顕著で面白かったです。まだ見終わった所で話の内容を整理出来ていないのですが、亡くなった子供の話は元々映画本編の時間軸よりも未来の話でこれから救うって話なのかな?未来予知から未来を変えていく力を与えられたみたいですが、ありえない未来の出来事(中国の電話番号をゲットなど)から未来を変えていくというのはご都合主義的でやや腑に落ちない感じ。まあ他の漫画やアニメでも同じような展開は何度も見たことありますけど笑 【映画大好きっ子】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2018-02-21 11:31:22) |
43.最初に観た後では見逃していたり、よくわからなかった細かい点が、2度目で色々とつながって、より理解ができた。あんなに難解そうな言語を、あんなに短期間で解読できるのか?あと宇宙人の造形とかは気にならないけど、やはり主人公の見た目がもう少し前後で違いがあると、と思ったが、ラストの展開を考えるとあまり違ってもいけなかったんだろうな。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-02-19 09:57:26) |
42.《ネタバレ》 後になってみればちゃんと理由があってのことだけど“殻”出現前は省いて話を始めるテンポの良さに惹きつけられた。が、これ以降はエイリアンに英語を教え、相手が出す文字を解析。これを繰り返して意思疎通を図る…という地味なもの。緊張感はそれなりに保たれているが、人によっては眠くなるのも致し方ないなぁと思いながら観ていた。また、中国の肩を持つ訳ではないが、どんな反撃をしてくるか分からない相手に先制攻撃を仕掛けるような真似はさすがにしないだろう。こういう点もやはり違和感はある。とはいえ原作未読の自分は綺麗に騙されたので終盤に満足感はあった。そして未来を変えることもできるのに、そうしなかった彼女の決断。悲しい物語ではあるけど「生まれてこない方が良かったのか?」と問うならば、力強く「そうじゃない」と答えてくれる。これはもう「母」の映画。愛に溢れた母の。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-18 23:41:29) |
41.《ネタバレ》 ママと呼んでくる女の子の幻覚を見る女性言語学者と、墨で語るタコみたいな異星人との対話劇。異星人の綴るコトバは、いつも「マル描いてチョン」にしか見えないね。対話シーンは重厚で緊迫感があり、よく表現されていた。地道な対話の末に墨で綴られるコトバが解るようになり、さらに予知能力の特典までが付いてくる。その能力で堅物な中国軍の上将を説得して世界を救い、夫もゲット。暗い雰囲気だけど意外といいお話で良作。2017年の上位に進出するかも。 【獅子-平常心】さん [映画館(字幕)] 7点(2018-01-17 01:24:53) |
40.《ネタバレ》 まあ、各国が全て理性的な対応をしたら映画にならないのだろうが、どう考えても、動力も理解出来ないような巨大物体で来訪してる未知のモノに対して、圧倒的な科学力を有してると判断できないような政府は無いだろう。軍も軍なら民衆も簡単に暴徒化、好戦的過ぎ。これで宇宙人が技術提供してくれるって。 タコ星人が姿を現してテンション下がり、最後の種明かしで更に下がった。 ドンパチが少なくても、今のCG技術に頼ってるだけの駄作。その技術を女優のメイクにもっとかけて欲しかった。ところどころ幻覚っぽく出て来るのは、てっきり過去に娘を失ったのかと思ってた。大学の講義のシーンから40代半ばに見えてたから。 【♯34】さん [ブルーレイ(吹替)] 4点(2018-01-15 05:08:35) |
39.《ネタバレ》 骨太のSFドラマ。淡々としていましたが、なかなか見応えありました。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-01-09 19:51:45) |
38.《ネタバレ》 めちゃくちゃに綺麗な映像と、説明台詞のほとんどない静かな展開というドゥニ・ヴィルヌーヴ節全開の作品であり、もはや環境映像と化していることからやたらと眠気を誘われました。また、チマチマと作業をする数人の科学者と、宇宙人への即時攻撃を主張し始める軍部という構図はこの手の映画ではありがちなのですが、人類との間の科学力の差が圧倒的であり、どの程度の反撃を仕掛けてくるのかの予想も立てられない宇宙人相手に最初の一撃を繰り出すなんてことを主張する軍人がいるとは思えず、この辺りでもテンションが下がってしまいました。 ただし、ラストでネタばらしをされると、なんちゅー素晴らしい映画なんだろうかと評価が反転しました。未来と過去が同居し、因果関係が失われた人物の主観が見事に表現されているし、冒頭から挿入されてきた主人公のドラマの断片がここで見事に整合することの気持ち良さも相当なものでした。また、多くを語らないヴィルヌーヴの作風が本作には欠かせなかったこともネタばらしの後で判明し、映画を最後まで見ることって大事だなと思い知らされました。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2018-01-05 20:09:17) |
37.《ネタバレ》 リアリズムSFとしてとても楽しめました。 アーサークラークの「宇宙のランデブー」とか、カールセーガンの「コンタクト」に通じるような設定。 印象的なシーンは、最初に言語学者の主人公があの物体の中に乗り込むとこかな。 入り口のところで、重力に逆らい出す様子とか、中に入ると霧の中からボワーンと異星人が登場してくるところとか、 ミステリアスな雰囲気がとても出ていて良かったですね。 異星人たちも、よくあるグレイタイプみたいなのじゃなく、巨大なタコ足みたいな形相で しかも墨のようなものを出して意思表示するという。なんか新鮮でしたね。 世界平和を訴える内容になってると思いますけど、今までの宇宙人映画って 宇宙人と戦うことで人類が一致団結するみたいな、そういうスタイルで人類の調和を描くのがほとんどだと思うけど、 本作はそれとは逆の切り口で訴えてる。それもまた新鮮で良かったと思います。 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-12-25 23:06:30) |
36.もっともっと期待してしまった。 ちょっと分かりにくかった。 |
35.《ネタバレ》 面白く興味深く見れた。異星人との接触があったとしたら、まずぶち当たるのがコミュニケーションであるのは確実なので、そこにフォーカス。どんなオチに向かうのかドキドキしながら鑑賞。自分も言語の謎解きしてた。いろいろ疑問点や細部に粗いとこもあったけど、まず置いといて、素直に見てた。ルイーズの未来への切なさもあったし、良かったんでは。シャン上将との会話の場面の息をのむ感じはクライマックスに相応しい。内心音楽がいいなあと思っていたら、賞獲ってた!というよりこの作自体有名作品だったんですね。 【タッチッチ】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-11-29 11:03:16) |