14.俳優ひとつとってもいろいろな人がいるわけで、スターもいれば脇役もいる。この映画をチャンスとばかり利用する人もいれば、復活の足がかりとする人もいる。そこにたくさんの裏方さんが加わりぐちゃぐちゃになりそうなのに、それぞれのプロ意識やひとつのものをいっしょに造ることで生まれる連帯感、いっしょに長くいることで生まれる信頼関係によってゴールに向かってどんどんまとまっていく過程を見事に描いています。映画を作るにあたってハプニングは付き物なんだろうけど、後日談として聞くよりもこうして疑似体験のように見せてくれると、その大変さがよくわかる。監督や製作者はホント、ヒヤヒヤもんでしょう。それでも終わった後は、やれやれという気持ちより達成感や充足感のほうが強い。映画を愛する人たちの愛しているからこその一体感がなんとも心地よい。『柔らかい肌』の猫のシーンもこんなに苦労して撮ったんだよ、というネタばらしまでしてくれる。映画にくわしくなくても、映画のスタッフとして仲間に入れてもらえたような感覚を味わえます。そう感じさせてくれるのって、やっぱり凄いです。この作品は。 それにしてもレオは相変わらずな役ですね。完全に彼のキャラになっちゃってます(笑)。あ、それから、バターはどう使うんでしょう? 【R&A】さん 7点(2004-04-20 12:23:33) |
13.映画を作る過程でのいろんな裏話がうかがえてとても興味深い。主な俳優が途中で仕事を放り出してしまうとか、死んでしまって話を書き換えざるを得なくなるとか、主演女優が精神的不安定からの復活直後だったり、妊娠していたなど盛りだくさんのトラブルはかなり極端ではあるが、でも本当にこれに近い話があってもおかしくはないと思われる。製作に携わる大勢の人たちを束ね、進行に気を配る監督は実に大変な仕事だと思った。トラブルにも冷静に対処して完成を目指す腕まくりのトリフォー監督が印象的。雪が泡とか昼を夜にとか仕掛けのあるろうそくなど様々な映像マジックも見られて面白い。 【キリコ】さん 7点(2004-04-19 17:36:19) |
12.《ネタバレ》 オープニングが圧巻。どこかの広場で何気なく人々が歩いているとそこで急遽「カット!」と言う声が入る、実はこれ自体が映画の撮影で広場の人々は全員が俳優とエキストラだったという設定。そこで監督のもとに皆が集まってきて指導を受けた後、また各自それぞれが最初の位置に戻ってきて再スタートする。普段映画を撮っている人にとっては何でもないごくごく日常の風景でしかないんだろうけど、そういう仕事に憧れる映画ファンなんかにとってはやっぱり胸がワクワク・ドキドキしてくる光景です。普通に観客が観ていれば120分程度で終わってしまう映像も、実際は長い月日と多くの人々の力によって作られている映画。長い期間中にはキャストやスタッフ同士での楽しいこともあれば、当然ながら予期せぬトラブルやアクシデントも起きる。そんな当たり前のことを再現してみただけなのに観ていて凄く面白い!下↓の方で、自分は本当に映画が好きなんだなあということが分かる、とおっしゃっている方がいらっしゃいますがまさしくその通りでしょう。僕はあまりにも見入ってしまって、この物語自体が映画であることさえも忘れてしまいそうでした。映画を愛する人々にとってはまさしく必見の一本です。 【かんたーた】さん 8点(2004-03-26 01:20:25) |
11.映画の撮影中、次から次へと発生するアクシデントに、監督はてんてこまいである。毎夜(?)悪夢にうなされる始末だ(中には、素敵なのもあったりして)。 恋の花はいたる所に咲き乱れ、結構ぐちゃぐちゃ、人生いろいろ、それでも映画は夜汽車のように進み続ける・・・。邦題は「監督はつらいよ」に変えたほうがいいかも。スクリプト・ガール役のナタリー・バイの魅力には参った。間違ってドアを開けた後の表情といったら! そこだけ後で巻き戻して観たことを白状します。 (劇中、間違ったドアを開けるアル中が登場しますが、その人とは違いますからねっ!) |
10.「プロジェクトX ~映画を製作した人達~」ですね。多少娯楽性を前面に出していると思われ、実際にはもっとドロドロしたものがあるんだろうなあとは思います。それを表に出したら映画にならないんでしょうけど。 |
9.映画の製作風景は、最近はDVDの特典で頻繁に見られるようになったけれど、ちょっと前はとても興味深い、隠された世界だった。日常からあまりにも離れた映画の世界。それを「わたしたちの仕事って凄いでしょう」ではなく、観客がスッと入っていけるような設定と身近にいそうな人物で面白く見せてくれる。ヌーヴェルヴァーグ苦手意識が、かなり払拭されました。また、この「パメラ・・」の様な内幕がまた「アメリカの夜」の撮影時の内幕にもあるんだろうなと想像すると、笑可しい。ジャクリーン・ビセットの、色素の薄い瞳が引き込まれそうに輝いていて、とても素敵でした。 【ともとも】さん 8点(2004-02-04 00:28:55) |
8.映画なんて監督以外みんな他人さ、見たいな印象。がんばれ監督。セクシー 【セクシー】さん 10点(2003-12-14 18:44:26) |
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7.この映画を観ると、モノ作りの楽しさとしんどさがひしひしと伝わってきます。特に映画というジャンルは時間や予算が限られているし、大勢の人が関わるから余計にそうなんでしょうね。「アメリカの夜」とは昼間に夜のシーンを撮影する手法だそうですが、まさに映画という「虚構の真実」を作り出す芸術を象徴するようなタイトルですね。ただ、僕が観客として未熟なためにそれぞれのキャラクターをきちんと掴めなかったのが残念(だから7点という点数は、どっちかっていうと作品に対してではなく、自分の鑑賞眼に対しての評価です)。そういうわけで、しばらくしたらまた観てみたいです。 【ぐるぐる】さん 7点(2003-08-26 16:28:36) |
6.ジャクリーン・ビセット、麗しい。いろんな人がいるのは映画界だけじゃないけど、ここは愛にあふれていてうらやましくなった。 【Bridget】さん 8点(2003-08-12 00:56:11) |
5.この映画を見て、自分は本当に映画が好きなんだなあと感じました。そう感じさせてくれる映画です。一見の価値があります。 【omut】さん 8点(2003-07-24 00:19:53) |
4. ヌーヴェル・ヴァーグに一応属しているが、フランソワ・トリュフォーだけは例外的に好きな監督である。何故か?作風が実に明快で且つ抜群に安定した力量の持ち主だから。ゴダールは意図的に晦渋な作風を打ち出そうとしている感じが強く、観客の作品鑑賞レベルを試しているみたいで個人的にどうにも好きになれない。その点で仏映画に於けるトリュフォーは自分にとって本当に貴重な存在だった。余談だが、スピルバーグの「未知との遭遇」に俳優として出演したのも、人生の深い洞察を云々とかじゃなくって単純に子供のような好奇心からだろう。或いはスピルバーグに自分と同じ”匂い”を感じ取ったのか…。兎に角、映画評論から出発したトリュフォーの経歴を踏まえて本作を観ると、彼の溢れんばかりの映画への愛情に思わずこちらも釣られて微笑んでしまう。自らの分身とも言えるジャン・ピエール・レオ(似てるよナァ…)を監督役にして狂言回しに使い、ビセットやバレンティナ・コルテーゼ、アレクサンドラ・スチュワルトらが入り乱れての群像劇にはR・アルトマンのようなシニカルな毒気は無く、巧妙であり且つ優しさに満ちており、個人的に好感度大。ジョルジュ・ドルリューの音楽がここでも実にイイ仕事っぷりでグー!!タイトル通り、映画好きな方には是非御覧頂きたい逸品である本作には…8点!チョット楽屋落ち的な作りが観るヒトを選びそうだから…ね。それにトリュフォーのベストとは思わないし。 【へちょちょ】さん 8点(2003-03-13 01:11:34) |
3.この映画のジャクリーン・ビセットはほんとにきれい!それだけでも満足だが、話がまた良い!トリュフォーの狙いは全然別にあるのかもしれないけど、ひとつのことにみんなが集まって一生懸命がんばって、そして去ってゆく、そこにドラマがある。他の監督作品は?というのが多いがこれは良い。 【タコス2003】さん 9点(2003-01-18 01:48:50) |
2.映画を描く映画の名作。テーマ曲の"Grand Choral"は正に映画賛歌と呼ぶに相応しい名曲で、私自身を盛り上げるための賛歌として今も愛聴しています。20代の頃、この映画の雰囲気を呼吸したくて、思わずニースにひとり足を運んでしまいました。 【なるせたろう】さん 9点(2002-11-20 16:16:04) |
1.世界的に評価の高い作品なのだが、個人的には少し苦手。こういう内幕ものっていうのはどうしても美化されてるような気がしてならない。一方で本作ではそういった映画界の内幕を皮肉ってはいるのだが、少し身内ネタが過ぎるような感じがして今一つストーリーに入り込めなかった。それにF・トリュフォーの撮り方って、イマイチ好きになれないのです。理由は断定できないのですが。しかしJ・ビセットがキレイだったので良しとせねばなるまい。。。 【チャーリー】さん 7点(2002-08-07 00:24:08) |