34.「人生」なんてものは、まさに“転々”としていくもので、悲しい事も、嬉しい事も、順繰りにめぐるものだと思う。 ただ、幸せは、はっきりと目に見えるものではないし、これがそうだと実感できるものではないから、見逃してしまいがちで、辛い事ばかりに目がいってしまうのだと思う。 そういう人生の中での、ささやかな幸せを、淡々と、とぼとぼと、踏みしめるように映し出した映画だった。 三木聡監督らしいゆる~い可笑しさと、ふいに垣間見せる温かさの中で、オダギリジョーと三浦友和がさらにゆる~く息づく。 冒頭では、ただの借金を抱えた大学生とそれを追う取立屋だった二人の関係が、東京の可笑しさに溢れた“散歩”を通じて、次第に“疑似親子”のそれになっていく様に、人と人が触れ合うことによってはじめて生じる滑稽さと、その素晴らしさを感じる。 むさくるしい風貌の男二人の掛け合いがメインの映画なので、上野樹里と蒼井優が出演した「亀は意外と速く泳ぐ」ほどの華やかさはなく全体的に地味な感じはあるが、その分、じんわりと暖かみが染み渡る作品だったと思う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-06-18 15:41:45) (良:1票) |
33.《ネタバレ》 主役二人をはじめドラ息子の石原良純さんまでキャスティングが良いですし、思わず吹いてしまう台詞が随所に散りばめられているのも面白いですし、カレーと雑に束ねられた一万円も別れの伏線として効いていますが…散歩の映画であるのに移動があまり感じられないのは問題だとおもいます(スーパーの三人組の方がよっぽど移動している)。その原因はおそらく時間の流れと擬似家族描写にあって、スタートした初日は日が暮れていったし常に歩いていたのに途中からすぐに夜になってしまいますし、ロード・ムービーではなくホームドラマに切り替わってしまうのです。そうすると奇妙な可笑しさは失せてしまい、例えばジェットコースターで昔に遡った映像を挿むところなど、やり過ぎていて面白くないなぁと思ってしまいます。 ただ、あまり本編とは関係ありませんが、岸部一徳さんの弁当シーンや、麻生久美子さんとハイテンションな吉高由里子さんが振り向く瞬間はとても魅力的だと思います。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-04-27 18:14:20) (良:1票) |
32.オダギリのいつもの作品のごとく「つまらない」です。ラストも・・・・。あっさりしすぎですね。小泉今日子老けたなぁ。。。吉高馬鹿丸出し。三浦友和上手い!あと20分くらい短ければ結構おもしろい作品だったと思います。 【たかちゃん】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-04-24 16:13:32) |
31.《ネタバレ》 東京人にはロケ地のそれぞれに自分なりの思い出もあったりするので、このゆるいストーリー展開の合間にふと遠い目になったりして、一粒で2度おいしい映画(笑)。お堀端を歩くと目と鼻の先に警視庁があることを知っている者にとっては、そこを歩く二人の姿に「あ~あ、ついにここまで来ちゃったのか」という別れの予感を切なく感じとれるわけだが、知らない人には最後の別れがやたら唐突に思えたのではないかと思う。イケメン役をさせると妙にダサいのに、こういう役をすると俄然良い味出してくるオダギリジョーの不思議。 【lady wolf】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-03-13 13:05:01) (良:1票) |
【はるこり】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-03-02 21:28:44) |
29.全ての場面が、セリフが、スーッと自分の中に入ってきた。気がついたらオダギリと一緒に泣いている自分がいて驚かされた。 【j-hitch】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-26 01:16:18) |
28.ひとつひとつの小ネタはほんとに笑えるが、フィルム全体を通して醸し出されるのは何とも言えない哀しさ。これがとてもよい。エンディングの呆気なさが残念だったがまあこんなもんだろうか。 【とと】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-01-24 08:54:27) |
27.いわゆる小ネタの集まりの様な作品。でも何か仄々とします。少し違うかもしれませんが日本版アメリといえるかもしれません。 【ミッド】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-01-20 23:54:19) |
26.《ネタバレ》 前半は延々三浦友和とオダギリジョーがだべりながらの散歩でちょっと退屈だった。けどその伏線がきいてか小泉今日子がでてくる後半からは俄然おもしろかった。二人の関係の微妙な変わり様がよかった。家族っていいよね。久々に心温まる映画に出会えてよかったです。 【しっぽり】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-01-19 17:37:15) |
25.小ネタがいちいち面白い。 本筋も意外といい話で、癒されるような切ないような不思議な気分にさせられた。 もう少しこの世界の人たちの生活を見ていたかったような気がする。 因みに街の小さな時計屋さんは宝くじに当たった人がやってるとうちのじいちゃんが言ってました。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-01-10 20:04:45) |
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24.前作の『図鑑に載ってない虫』は期待してた程ではなかったですが、これは良かったです!東京の風景とか何気ない小ネタとか。見ていて心地よかった。ちなみに大学の図書館で暇つぶしに見たんですが、その後すぐ学食にカレーを食べに行きました♪吉高由里子はこの先どう成長するか楽しみです。 【ポドルスキ】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-12-12 05:19:58) |
23.《ネタバレ》 三木監督の笑いは、少々自分には過度だったりします。結構グロかったり、頻度が過多だったり。物語のテイストはユルくても意外と疲れます。でも本作は違った。相変わらずユルいのだけれど、ちょっと質が異なるような。序盤は戸惑いがちだった今までの作品と比べて、冒頭からとても心地良く観られました。作品全体が本当の散歩のような空気感。リラックスしているので小ネタがバンバンはまるのです。クスッ・ニヤッ・爆笑の連続でした。三木作品の中で一番笑いました。肝心の物語はどうか。最初から明確に提示されていたとはいえ、あまりにもあっけない結末。エンドロールを眺めながら、物足りなさを感じました。起承転結の結が抜けている。句読点の句点が打たれていないような。エンドロール後、ワンカットでもオダギリの表情が写されていたら納得したと思います。彼がまた歩き出してくれたら、スッキリ出来た気がする。でも最後に映されたのはお馬鹿トリオのどうでもいいお話。ゴム臭いのは最初から分かってますって。ここに来てこのスカシ。でもこれこそが三木聡イズム。本作はいわばファンタジーです。主人公が過ごしたこの数日間は夢と何ら変わらない。こんなに都合の良いことは現実にはありません。福原が去って目覚まし時計が鳴りました。さてどうしますか?これから彼は“今”を生きるのか。それとも小泉の元で夢の続きを見るのか。主人公がどんな道を進むのかヒントさえ出ないまま終わる。なんて不親切なんでしょう。でも人生はそんなもの。夢を見るのは自由だけど、時間は無限ではありませんよ。何処へ向かうかは自分で決めてね。誰にも当てはまる痛烈な真実を突きつけてきます。本作のテイストには相応しくない“福原は人殺し”という設定もそのために在ると思えば納得です。彼に、私たち観客に、「逃げる」選択肢を与えないため。転々とお散歩。楽しいね。でもいつか終わる時がくる。だからなるべく笑って歩きたい。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-11-14 19:23:06) (良:4票) |
22.《ネタバレ》 一人で見ているときに声出して笑うって滅多にないんだけど、岩松了のツムジが臭いってあたりのやりとりで笑ってしまった。松重豊のリアクションがいいし。でも笑った後で、声出すほどのことでもなかったなあ、うまくやられてしまったなあ、という後悔がちょっとつく。岸部一徳のあたりとか、そういう微後悔つきの笑いがいっぱいあった。こういう脱力系の笑いって体質に合ってるんだけど、でも小手先で引っ繰り返されたような、悔しい気持ちもある。もうちょっとドッシリした笑いで笑わせてくれ、と思っても、まあ笑わされたのは事実だから、敗北を素直に認めよう。花やしきのジェットコースターで「亡き王女のためのパヴァーヌ」が高鳴るところはグッときたが、これもうまくノセられてしまったという後悔がつく。ちょっと私、ひねくれすぎてるのかな。素直なところもあるんですよ。見終わって真っ先にしたのは、針金ハンガーを探してきて… 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-11-11 12:11:42) |
21.小ネタが随所にちりばめられている。ストーリーと並行してそのお宝探しを満喫していく。三木作品は馴染めぬ人がいてもあまりにも当然すぎて論点が存在しないのかもしれない。たとえば辛口否定の人がいて、それが異なる意見であっても度量の大きさ?とも違い、反撃する力が入らぬ一種の懐の深さがあるのである。それがまさしく脱力系なる所以か。傑作「亀速」と同じく、あくまで裏面であるバカバカしさの表には良質な哀愁が存在しており、マニアにはたまらぬ仕上がりである。それにしても老けてからの三浦友和の素晴らしさはどうしたことか。 【monteprince】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-10-09 23:32:21) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 一言で言ってしまえば「脱力系ロードムービー」なのだけれど、劇中小道具として出てくる「クリーニング店の針金ハンガー」のように、一本中身に芯が通っているのでダレル事なく一気にラストまで鑑賞出来ました。私はこの監督の作品初見なんですが、演出の呼吸というかセンスはかなり秀でていると思います。後半から出て来る小泉今日子の「(カレーの煮込み)ごく、弱火でも?(ダメ?)」という一言台詞に大爆笑。特に可笑しい台詞でもないのになんでだろ?私の笑いのツボに思いっきりはまってしまいました。こういう擬似家族があってもいいよねって思わせてくれる温かく得難い雰囲気が、世知辛いこの世の中、孤独に生きている人間にとってはたまらないと思います。もちろんオダギリの気持ちの変化も細かく丁寧に描かれていました。しかし何故に「ごく、弱火でも?」と岸部一徳氏の再登場シーンで私は爆笑してしまったのか・・・?謎だ。ふふみ役の吉高由里子嬢は只者ではないと見た。こりゃ「亀は~」も早いトコ観ないと。ちなみに東京散歩には携帯版地図片手に『東京の階段』(日本文芸社)っていう本がおすすめっす! 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-09-27 16:01:54) (良:2票) |
19.《ネタバレ》 脚本、演技、演出ともに安定した力量を感じる。前半はそれほどでもないが、小泉今日子が加わってから俄然面白くなる。ひとりぼっちの男二人が擬似家族を築いていく様は、微笑ましくも切ない。一方、なかなか本筋に絡んでこない岩松、ふせ、松重トリオ。しまいには岸部一徳の映画に出演することに…(笑)寄り道だらけの人生だけど、それもいいか。ちょっぴり前向きになれるロードムービーの佳作。 【フライボーイ】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-09-11 07:14:58) |
18.《ネタバレ》 最高です。ドラマ「時効警察」が好きな人は絶対に観た方がいいです。三浦友和が良すぎます!!石原良純が出てきた時は笑えましたw 【映画】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-08-17 10:48:02) |
17.軽いノリがとても見やすいです。軽いながらも、オダギリと三浦の心の動きがしっかりと描写されていていい感じです。 【MS】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-08-02 00:36:17) |
16.《ネタバレ》 三浦友和に関しては、無理してるっていうか、わざとらしいっていうか、どんな役も同じっていうか、どうも合わない。他の人だったら9点か10点だったのにな。 【SAS30】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-07-29 10:46:43) |
15.《ネタバレ》 亀は・・・に次ぐ傑作だと思う。いつものメンバー勢揃いの上に、三浦友和がよかった。それと、ふふみ役の吉高由里子。前から気になっていたが、やはり素晴らしい。逸材だ。全体的に笑いどころ満載で岸部一徳役の岸部一徳が好きだ。三日月しずかの顔出しや、広田玲央名の絵も素晴らしい。オダギリジョーはいつも通りだが、ラスト近くカレーの夕食時「日曜日の夕食も終わり、サザエさんの終わりの歌も終わり、月曜までの最悪な時間・・・」のくだりは、何故か少しジンと来た。奥さんほんと死んでるの・・・と思わせ、答えは描かずに終わるのが良い。それにしても街の小さな時計屋さんはどうやって生活してるの? 【ブタノケ2】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-07-06 23:53:59) |