30.時代性で言うならまず原作者のレマルクこそが賞賛されるべきだろう。この映画は原作どおりに反戦を謳ったにすぎない。しかし反戦を謳いながらもかっこよい戦闘やスリルある作戦を見せている多くの戦争映画とは違い、素直に原作のメッセージに沿うことにに徹した演出は評価に値する。戦意抑揚を少年たちに植えつける教師の異様な顔のアップで「国家のために戦うことを美徳とする」ことをあからさまに批判し、実際に戦場にいるものの素直な不満と素直な疑問をはっきりと露呈させる。爆撃のシーンだって1930年公開作品だからといってあなどるなかれ。戦争を現実の問題として語るためのリアル感はじゅうぶんに達成されている。 しかし70年以上も前の作品に思うのは、いくらこのような反戦映画が作られようとも今尚戦争に駆られる人間の愚かさである。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-20 15:47:29) (良:1票) |
29.多分今まで見た映画の中で一番古い映画ですが、やっぱ古すぎる映画は苦手です。テンポは悪いし、映像はグラグラで頭が痛くなる。そして同じような眠くなるシーンが多すぎて疲れます。別にストーリーをバカでもわかるように親切に作れと言うわけじゃないけど、私の映画の見方には合わないです。 【february8】さん [DVD(字幕)] 2点(2006-01-09 21:40:55) |
28.クドクドと反戦のセリフを連ねてゆくだけの映画で面白みが全くない。この古さでは戦闘などに見せ場がないことは仕方ないのだがストーリーで魅せることは出来なかったのだろうか。ただの反戦プロパガンダだからと言ってしまえばそれまでだが「我等の生涯の最良の年」のように実際は反戦を前面に押し出さなくてもストーリーで魅せさえすれば、よほど反戦映画の傑作として機能することも多々あるので何とかしようと思えば何とかなったはずだ。 【Arufu】さん [インターネット(字幕)] 2点(2006-01-01 03:31:46) |
27.戦闘シーンがリアルな迫力があった。戦争映画の「戦争」に対するメッセージは、今も75年前も変わっていない。「戦争の悲惨」をこの作品がもっとも骨組みで、基本的な部分を描いているように思う。 【Syuhei】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-12-15 15:57:20) |
26.75年前の作品なのに、すごい迫力だ。これがあるなら別に『プライベート・ライアン』作んなくてもよかったんじゃないかというくらいリアルで、スケールが大きい。最近PTSD(心的外傷後ストレス障害)についての本を読んだばかりだったのだが、この作品なら兵士の神経がどのように削り取られ、精神が破壊されているのかを等身大の視点で理解できる。食料もなくひたすら塹壕にこもるという極限状況。虱を潰し、ねずみと戦い、砲弾の音で眠ることも出来ない苦しさ。突然叫びだして外に飛び出しては撃たれる兵士の姿が痛ましくてならない。兵士たちを英雄に仕立て上げる銃後と、汚らしい場所で惨めに死んでいく現実の兵士たちのギャップは激しい。戦場の汚さをこれでもかと見せつけられる。とくに戦場でガトリングガンの目線でなぎ倒されていく敵兵たちの様子をスクロールする場面は圧巻で、あらゆる戦争映画の中でも最も恐ろしいシーンの一つだ。 『火垂るの墓』などは嫌いだけど、これはなぜか素直に鑑賞することが出来た。映画の最初に宣言されている通り、この映画は思想を前面に押し出すよりもまず、兵士たちの姿を克明に描くのを目標としている。だから反戦というテーマを上手く消化できなかった作品、左翼の論文のようなごつごつした手触りの駄作にはなっていない。自らの思想を表現するための道具として戦死者を利用しているのではなく、何よりも先に犠牲者たちへの敬意と誠実さがあるのだ。 いかにもベタな悲劇のシーンですら、泣いてしまった。最後の十分間の切なさはとくに忘れがたく、いつまでも記憶に残ることだろう。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-01 17:22:42) |
25.戦闘シーンのすさまじさを見せつける映画が多い中、この映画の、最前線での兵士たちの恐れは直球的で、賛辞に値する。この映画を観て、戦争を美化している映画(キムタクの『君を忘れない』とか)に嫌気を感じてしまいました。戦争の怖さ、空しさを知っているからこそ、郷里での恩師の扇動教育に激しい怒りを感じる主人公に、同感してしまいます。戦争って、首脳も悪いですが、疑問を持たずに助長する人間も同罪ですね。殺し合いよりも、食料の奪い合いのシーンが印象的でした。さすが、戦争を知ってる現役世代の人たちが撮った作品ではある。 |
24.戦争映画の傑作。戦間期に製作されたレマルク原作のこの映画には反戦のメッセージが強くこめられている。戦争という国家と国家の威信をかけた対立の前では一人の人間の命などは些細なものであり、それはもはや「異状なし」と表現されるのである。 【CPA】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-28 05:23:00) |
23.やっぱ戦争はイカンってことをしみじみ感じさせる作品です。主人公が手をかけた敵の兵士が微笑んだ表情で死んでいく場面は痛かったなぁ…(涙) 【イサオマン】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-09-19 21:31:19) |
【ゆきむら】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-05-01 15:12:37) |
21.この映画には、今のハリウッドが作る戦争映画に、よく出てくる英雄なんか一人も出てきません。それでも痛いほど戦争の虚しさが伝わってきます。やたら戦意を煽る教師に純粋過ぎるためにその思いに応えてしまう生徒こうゆう図式は、ほんとに怖いです。 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-03-30 02:01:23) |
|
20.世界映画史に記録されるべく戦争映画の古典にして傑作。戦争ものとしては分かりやすい展開と演出なので、マイルストン監督の痛烈な反戦メッセージがストレートに伝わってくる。しかも、悪名高いドイツ軍という設定も当時としては良く考えたもので、老練な教師が少年達を戦場に駆り立てる様は大変リアルである。愛国心高揚に踊らされた少年兵達が、予想だにしない最前線に送られた後では時既に遅く、バタバタと戦死するのを待つだけ。有名な、平和の象徴である蝶を手に取ろうとするラストは言うまでもなく、記憶に残る鮮烈なシーンも数多い。とくに、ポール(リュー・エアーズ)がナイフで刺した敵兵と一晩を明かせざるを得ず「もし銃と軍服さえなければ君と友人になれたのに」とつぶやき、苦悩するシーンは生涯忘れられそうにない。文句なしの10点満点。 【光りやまねこ】さん 10点(2005-01-25 11:45:05) (良:1票) |
19.戦いの最前線に出ない老教師が少年達を戦場へ駆り立てるべく志願を鼓舞する。戦場を知りもしない老人達が机上で勇ましい空論を交わしている馬鹿らしさ。将来の夢や未来もある若者が無意味に殺したり殺されたりするのが戦争。「なぜ戦わなくちゃならないのだろう?なぜ戦争が起こるのだろう?」と戦場の兵士達は考える。自分のいる壕に入ってきた時から敵になった、と瀕死にさせた敵の兵士に泣きながら詫び介抱する優しい少年が言う。「銃と軍服さえなければ友達になれたのに」。 リアルな戦場場面や兵士の姿、後方の描き方など今見てもなお古さを感じさせず至る所で反戦メッセージを発している。やはり傑作だと思うので満点に。 【キリコ】さん 10点(2004-08-30 21:16:38) (良:1票) |
【コジコジ3】さん 7点(2004-06-24 07:58:02) |
17.当時の人はどんな気持ちでこれを観たんだろう。1930年といえばその後にファシズムや軍国主義が蔓延してこういう作品は否定されたに違いない。その後の大戦で死に行く間際にこの作品のことが頭によぎった人がいたとすれば皮肉だ。 【膝小僧】さん 8点(2004-04-21 00:07:20) |
16.70年のほうを見ようと思ったらついこっちを借りてしまいましたが、なかなか出来が良かった。ラストの物悲しさもいい。 【亜空間】さん 7点(2004-03-08 11:14:15) |
15.古い映画を評価するのは本当に難しいです。初見時でもすでに昔の映画でした。むしろ今見た方がコンピューターのおかげで映像が新しいのかもしれないです。ラストシーンが印象的です。 【omut】さん 6点(2003-08-04 05:45:45) |
14.エセ戦争映画が多きなかで、本作と「ビッグパレード」の2本は、出色の作品でしょう。1930年といえば、もうヒトラーのSSは組織化されていました。WWⅠを描いたとはいえ、よくこんな時代にこんな作品が、と思える出来です。みんなネイティブな英語を喋るドイツ人てのもヘンな感じでしたが、考えれば「ラストエンペラー」もそうだったし、小さなことです。「何百万人の人の死はムダだ」というセリフに対し、17年後にチャップリンが殺人狂時代で「100万人殺せば英雄だ」という逆説的な肯定(皮肉)をしているのも、この作品を見ていたからかもしれません。あまりに有名なリュー・エアーズと蝶のラストシーンも魂を揺さぶられる名シーンでしたね。 【FOX】さん 8点(2003-06-23 23:31:49) |
13.蝶に手を伸ばした主人公の、憔悴した笑顔が頭から離れない。 【aksweet】さん 10点(2003-06-12 11:41:17) |
12.さすがは名作だと思う。とにかく作られた時代が時代なのでその点が本当に驚きに思います。ただ、純粋に作品としての私の正直な感想は、最後まで見るのに少々時間的にきつかった。 【はむじん】さん 6点(2003-06-05 05:07:46) |
11.トーキー初期にしてこの大作。今の時代では作れない史上最高の反戦映画。塹壕のグリフィスの演技に圧倒された。リュ・エアーズもこの映画では素晴らしかった。・・・でも正直に言って、本作は10点あげてしまう映画だけど、原作の方が良かった。原作は10点以上。 【けい】さん 10点(2003-05-22 11:18:05) |