38.《ネタバレ》 SFながらも現代の若者を描写した名作だと思う。無気力で生命力が感じられない。
惰性感。
ところが、それでも生きていかなければならないという。
なにかがおかしい、どうにかしなくてはならない。人によっては「ソレ」
に気付くものもいる。いるがどうしようもできない。待ってるのはまた同じ日常の
繰り返し。表面はのんびりしてるが彼らは相当ストレスを受けもがき苦しんでる。
それすら気付かない、いや、気付いても気付かないふりをしてるのだ。
意識してしまえば、おかしくなってしまうから。
通り魔事件やらなにやら、あの種の犯人たちは気付いてしまった人たちなのかもしれない。
しかし、気付かなくても、気付かないふりをしても、
その反動は必ずひとそれぞれなにか形を持ってあらわれる。
この作品、日本禁煙学会から抗議されてるようだが(笑)
なぜあんなに煙草を吸うのか。輪廻転生の伏線だけではない。
それがわからない人はこの作品のせつなさなんか理解できないかもしれない。
自分はもう若者とはいえないが、彼らの思いが痛いほどわかる。ものすごくせつない映画だ。
「キルドレには戦死によってしか死ぬことができない。」それはある意味残酷なウソだった。
戦死でも「自分という存在は」転生していく。
最後主人公はなにかを買えようと、いわば特攻していくが・・・
帰らぬ主人公にちょっとはみんな悲しむが・・・・
やはりなにも変わらない。世の中も。そして「自分も」なにもかも!
これは地獄のようなもんです。
ところが。押井監督の手法は・・・肝心の若者には伝わらないんじゃないだろうかと危惧しています。ストレートな手法じゃないゆえに。
むしろ中年以降の人がみるとぐっとくるかもしれないです。