3.《ネタバレ》 穏やかで美しいカメラ割に、暖かいバンドサウンドの音楽がひたすら心地よい。
この点だけでも、観る価値あり。これが映画の画であり、音である。
と、言いたくなるほど。
物語を豊かにしていたのはイチイチ面白すぎる会話。こんなに楽しく、笑える映画だとは思っていなかった。脚本があるにしてもないにしても、どうやったらこんなにも自然で
こんなにも面白い子供の会話が撮れるんだ? 奇跡なの? 天才なの?
子供たちの想いは一つではなく、みんなそれぞれ思い思いに自分の希望があって、考え方もバラバラ。兄弟だって、当然違う。でも、それで良い。それが良いのだ。
「一つになろう日本!」とか言ってる場合ではない。
本当にささやかで小さな物語だが、ほんの少しだけ成長する子供の姿に大きく心を打たれてしまった。泣かせの演出なんてこれっぽっちもないのにね。
まえだまえだをはじめとする子役たち全員ブラボー。
その他のキャストもみんな映画の中にしっかりと生きていた。
くるりの曲もがっちりハマっていて素晴らしかった。
是枝さんは、本当に信頼できる監督だ。