41.BSでたまに放送しているハリウッドスターのインタビュー番組で偶然にスコセッシが出演していて、「太陽は好きですか?」と聞かれて「大嫌いだ」と言い、「じゃあ南の島なんかも?」と続くと「気が狂ってしまうよ!」(ヤヤ誇張アリ)。これ聞いてスコセッシが好きになった。しかもこの時スコセッシはスゲーいい顔してた。非生産的な人間は手加減を知らない。ちょっとでも方向を間違ったらヤバイ。このエネルギーがスコセッシ映画では美学になる。抑えの利かない屈折したエネルギーが「タクシードライバー」のトラヴィスを創り出し、「一夜の王」ことパプキンを創り出した。どっちも根底には同じ人間性を抱えてるが、パプキンの狂気はより複雑に表現されている。それは笑いと狂気と恐怖が「一緒くた」にされている感じに近い。いや、この3つはある条件では同義ともいえる。戦争映画はこの条件に一番あてはまるだろう。例は挙げるまでもない。ホラーは笑いという意味ではちょっと薄いがあてはまるものはたくさんある。で、スコセッシはコメディの中にこの3つをあてはめた。結果的に芸能界というヤクザな世界とスコセッシの負の力は怖いぐらいに調和し、デニーロはやっぱり天才だった。それにしても、オスカーに焦がれたスコセッシが大作ばかり作るのも、この「キング・オブ・コメディ」の延長線上にある事なのかもしれない。 【Qfwfq】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-06-02 20:55:36) |
40.《ネタバレ》 面白い。面白い。面白い。個性豊かな映画でした。観る側に、妄想なのか現実のシーンなのか解答を与えられずに進むシーンがちりばめられていて、これがラストシーンの解釈を迷わせます。うーん。あのラストはやっぱり・・・後から後から考えさせられます。出演者の熱演(怪演?)に圧倒。9点 ! 【RTNEE USA】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-04-08 14:53:55) |
【ケンジ】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-06-12 20:47:50) |
【マイアミバイス】さん [地上波(字幕)] 6点(2005-04-30 00:37:17) |
37.《ネタバレ》 コメディアンを目指す、というより自分こそ新のコメディー王だと信じてやまない34歳の冴えない独身男パプキンが成功するまでを描いた映画。パプキンの目的は最初から首尾一貫していて、テレビに出て有名になること、憧れの彼女を手に入れること、ただそれだけ。迷惑行動や犯罪行為は、その手段がちょっとエスカーレートしただけ。パプキンは本当に純粋です。その彼が、社会の権力と戦っていく姿は、見ていて滑稽なんだけど、その一方で無垢な彼がなかなか成功できないことが心苦しくも思えました。そんな彼も犯罪行為を駆使して何とかテレビに出れた。その放送が評判になり、鮮烈なデビューを果たすことに。本まで出版し、映画化も(この映画がその映画とも解釈できるのが面白い)。ラストで出所したパプキンは舞台に立ち、観客の拍手を笑顔で受けているのですが、あんなに苦労したのに気にもせずに笑顔を振りまけるパプキンを尊敬するとともに、彼の凄さに感動し、涙が出そうにすらなりました。頑張り屋のパプキン、貴方は最高です! |
36.悲しいかな10点だけど人にはお薦めできない。 【ゆきむら】さん 10点(2005-03-03 06:02:52) |
35.《ネタバレ》 天才と狂気は紙一重という。彼には才能があるのか、ただのハッタリなのか、最後の方までわかないところが最大のサスペンス。世間が認めればすごい人だけど、日の目を見ずに狂人で終わってしまう人もごまんといるんだろうなあ。本当の才能とは、世間に自分をアピールする能力と、何があってもへこたれない、強い自信なのかも。デニーロも真っ青!にキレまくってるストーカー女役の人、サンドラ・バーンハードっていうんですね。他の映画でも気になっていたのでここで名前が解ってうれしいです。 【ETNA】さん 6点(2004-11-25 21:04:47) |
34.ファン心理の怖さとはこれ。そして才能のない人間が、自分には才能があると思い込んで、それが成功をつかむ怖さと皮肉がブラックな笑で描かれてる。愛想のいい笑顔の奥の、どこか狂ってる笑わない眼差しのような怖さを持った秀作。デニーロの、やりすぎ演技もこの作品では成功してると思う。 【ひろみつ】さん 9点(2004-08-19 22:32:14) |
33.《ネタバレ》 終始、口を開けたままニヤニヤしながら観た。デニーロ凄い。圧倒的な演技力です。自室での一人芝居と声だけのパプキンの母・・笑った。ラストは強引に終わらせた感じがするが、まあ良かった。 |
32.ここまで自分の夢に執着すれば立派です。しかも叶っちゃうし!ニタニタしたデ・ニーロの表情が脳裏に焼きついて離れそうにありません。ある日突然タモリの代わりに見たこともない新人が司会をしてたら…なんて想像しちゃいました。 【やすたろ】さん 6点(2004-07-05 01:25:26) |
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31.ロバート・デ・ニーロの演技力を疑う人がいるならば、ぜひ観ていただきたい作品!しかしルパート・パプキンというキャラクターもすごい。もうオッサンだけどあんな風貌だし、性格に問題ありそうだから当然結婚もできず、母親と二人暮し?空想が広がって妄想と大声で会話をし、世間からは名前すらまともによんでもらえない。誇張されたキャラだけど、なにかしら自分と重なる部分をみつけてしまってとてもハラハラしてしまった。でも暴走をはじめてからは微妙で、犯罪になることをしてまでも自分をアピールするあたり、強い意志と緻密な計算を感じてしまうのだが、これは本領発揮なのか狂気のなせるワザなのか。エンディングのパプキンの“微笑”は・・・。 は、そうか。なるほどたしかにラストもパプキンの妄想という考え方もアリか。でも心情としては、道を踏み外しているけど成功してもらいたいな。一発大逆転て感じで。 |
30.ジェリー・ルイスも出ているし題名からてっきり大爆笑の映画だと思って楽しみにしていたのにかなり違っていてぜんぜん笑わせてくれませんでした。ラストの成功はパプキンの妄想の続きであって欲しいと思います。こういうのはアメリカンドリームとは言えず誘拐と番組の乗っ取りでスターになれるのははっきり間違っています。往年の底抜けシリーズでいつも笑わせてくれたジェリー・ルイスの事を知らない人たちにはこの配役の妙を楽しめないのではと心配します。 【WEB職人】さん 5点(2004-05-17 20:37:38) |
29.デ・ニーロってやっぱり凄いんだ。あれで最後にスターになってしまうのは、やはり世の中話題性って事なのかな。 【腸炎】さん 8点(2004-05-09 14:01:39) |
28.これは怖い。特に前半が怖い。デ・ニーロが快活に笑えば笑うほど、怖い。民主主義幻想と歪んだアメリカンドリームで肥大するエゴ。「ありたい自分」と「今ある自分」のギャップを、自分に対する嘘・妄想で埋める、主人公。・・・っと、あまり怖すぎて、いつもと文体が変わってしまった。んと、誘拐するまでの前半は、そんな訳でホラー顔負けの緊張感なのだけど、後半ちょっとだれたような気がするなあ。っていうか、オチはきっとTVのステージにあがったものの、主人公は緊張のあまり何も出来ませんでしたってな感じなんだろうなーと勝手に予想していたので、少し拍子抜け。んでもあれはあれで、すごーく皮肉の効いたオチなのかも。蛇足ですが、デ・ニーロが公衆電話を独り占めしてるときに絡んでくるチンピラって、ジョー・ストラマー? 【ぐるぐる】さん 8点(2004-05-06 18:02:36) |
【zero828】さん 8点(2004-02-25 22:13:45) |
26.《ネタバレ》 ジェリーの事務所の受付嬢に、再三名前を間違えて呼ばれた主人公。結局、彼は社会に存在を認知してもらえなかった人間なのだ。微かに残る社会性を捨てるためにトラヴィスは頭をモヒカンしたが、彼には最初からその必要はなかった。絶対の孤独。社会との繋がりがないから、他人と自分を比較することもできない。自分がイカれてることすら気づかない。まさしく無自覚な狂気。その意味ではタクシー・ドライバーよりも怖い。誘拐時、慌てて銃を落とすシーンに笑った。あれはアドリブだったのかな? 【kozi】さん 8点(2004-02-18 13:40:15) |
25.題名とは裏腹に内容はまさに「狂気」。デニーロはほんま演技うまいですねー。ラストの独演ショーは微笑ましかったです。 【ヒューマンガス】さん 7点(2004-01-23 18:28:58) |
24.「つまんねーよ!」と、あきあきしてデ・ニーロの妄想スタンダップコメディを聴いてたけど、テレビに出た時のネタは結構面白く、ウケていたので安心した。何だか成功を見守る母親のような気持ちになってしまったよ。それにしても、初出演であの物怖じのなさはさすがだぜ、パプキン!本も売れたし、ただの狂人で終わらないところが良かったな(ただ、ネタは『パンチライン』のトム・ハンクスやサリー・フィールドの方が格上。負けるな、パプキン!)。 【桃子】さん 6点(2004-01-23 16:01:52) |
23.《ネタバレ》 世の中には能力・才能がありながらチャンスをつかめずに埋没していく人々が大勢居るだろう。これは手段を選ばず、チャンスをつかんだサクセスストーリーで、一応ハッピーエンド。主人公のガッツには脱帽だが、どうも見ていてつまらない。タダのストーカー話で内容的に前半が退屈なため、その退屈さ後半まで持続してしまう。ただし、デニーロの演技は流石。 。 |
22.主人公が表層の笑いを追及すればするほど、彼の深層における絶対的な孤独が浮かび上がる。彼の(僕らの)深層に笑いはない。ここで彼によって追求される「笑い」とは表層における連帯意識そのものなのだ。彼のような社会から疎外された人間がそのような笑いに拘れば、無自覚に覆い隠された深層の孤独は、容易に狂気という形で表出することになるだろう。「タクシードライバー」で描いた現代的な狂気の姿をさらに無自覚的なレベルにまでおし進めたのが本作ということになるか。それはある意味で80年代的だといえなくもない。 |