114.黒澤氏亡き後、いまや日本が誇れる監督ってのはもう武しか残ってないように思える。沖縄の自然、生と死、日常と非日常、正常と狂気が見事なコントラストを織り成している。台詞が少なめながら、それ以上に演技が語っている。血生臭い表現がそれほどないにも拘らず、狂気が画面からひしひしと伝わってくる。それらが示しているテーマは「生」そして「死」。そして、我々は、村川という男の「人生」というソナチネ(小ソナタ)を聴くのである…。 【クリムゾン・キング】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2011-03-10 05:05:12) |
113.《ネタバレ》 この映画のヒリヒリとした空気感というか、殺伐とした感じが好きです。 『ヤクザ辞めたくなっちゃったな』なんてセリフが、イコール生きるのが面倒になったみたいに感じとれてしまって・・・(その後、現実にバイク事故起こしてしまった北野武氏ですが・・・) 北野武氏の死生観みたいのが垣間見える作品だと思います。 この映画での沖縄の海は綺麗なのに冷たく感じる・・・ その浜辺で自らのこめかみに銃を押し付けて、ニコって笑うシーンが印象深く残りラストにリンクします。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-01-26 02:56:20) |
112.この人の映画は雰囲気があるし、役者としても味がありますね。ヤクザものとかバイオレンスな感じはそれほど得意ではないけれど、沖縄ののどかさの中で響く銃声にゾクゾクしました。 【なこちん】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-12-20 14:05:24) |
111.たけしの映画は脚本は二の次だと思う。実際にある風景を切り取り、つなぎ合わせたはずなのにそこにはたけししかできない不思議なまったく別の風景が浮かび上がる。その時間に漂う雰囲気だけでも十二分に楽しめる作品。これだけ、映像でものを語れる監督はやはりいないと思った。 【峠のわが家】さん [映画館(邦画)] 10点(2010-12-18 00:06:03) (良:1票) |
110.不思議ですね。映像のつながりが急に断絶的になる部分が所々にありましたが、わざとなのでしょうか。無常観。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-07-26 23:23:16) |
109.期待してたのだが、いまいち。。のっぺんたらり~。みんなどこにハマったのだろうか。。 【朴モグタン】さん [DVD(邦画)] 4点(2010-07-14 11:21:22) |
108.《ネタバレ》 自身初のキタノ映画。 「やくざ、辞めたくなっちゃったよ」「死ぬのが怖いって言ってると、死にたくなっちゃうんだよ」など、何かを感じさせるセリフが多い。 エレベーターのシーン、ラストの銃撃戦などはさすが。ダイハード3、もろパクってる。 個人的には「車ふっ飛ばしちゃって、帰りどうすんだよ」ってのがなぜか残ってる。面白いわけでも、心に響くわけでもないのに。 【θ】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-07-10 14:08:06) |
107.《ネタバレ》 文句なしの傑作。暴力の世界に半ば絶望している主人公が、大自然そのものと云っていい沖縄の田舎で戯れる。生を実感しながらも、何処かゆっくりと死んでいく感覚もあるという心情を具体的な科白を言わさずに表現している事に驚嘆した。北野武らしい説明を排した演出ならではの画作りが見事だった。北野映画には頻出するテーマだが、暴力を描いている様で、実は反暴力を描いている点も素晴らしい。お世辞抜きで日本映画史に残る大傑作だと思う。現代のアメリカン・ニューシネマ(邦画だけれど)と思える映画を撮れる北野武監督は本当に貴重だ。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-06-27 01:11:04) |
106.確実に「死」へ向かってゆく命の切なさ、儚さ。 これが北野映画の醍醐味ではないでしょうか。 本作では充分にその感覚を味わえる。 微笑ましいシーンを見せておいて、それは唐突に、ビリビリに引き千切られる。 晴れた海の美しさが、より虚無感を際立たせている。 そしてその虚無感は、切なく、美しい。 ■ちょいネタバレ■ ラストの銃乱射シーンが何だか安っぽく感じてしまった。。 どうもあのシーンは不必要に思えてならない。 前3作品の良い部分がこの映画に集約されている。 【おーる】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-05-20 14:21:12) |
105.《ネタバレ》 はじめて用事で沖縄へ行くので、気分を高めようと久しぶりに観ました。 あまり深く考えず、触れるように観たところ以前とは全く違う感じで、普段の生活のいらいらや焦りなどが吹っ飛び、とても気分が落ち着きました。 【はんにまる】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-03-30 23:21:36) |
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104.《ネタバレ》 都会バイオレンス⇒沖縄バカンス⇒沖縄バイオレンス。この流れで印象的なのはたけしが演ずる村川の表情。ヤクザ稼業をやっているときは全くの無表情。人を殺すときも、仲間が殺されても、命を突然狙われてもまったく動じず、むしろ退屈そう。 しかし、沖縄に派遣され、やることがないからと、ゆきずりの女や子分とグダグダと遊んでると次第に本当に楽しそうな子供のような表情になる。だって沖縄だもん。沖縄の美しい景色と、ゆるやかな音楽と、寺島進いじりのコメディで一時は彼らがヤクザということも忘れてこちらも微笑んでしまう。 そして忘れたころに戻ってくる血の匂い。あっという間に元の表情に戻ってしまう。そして、全てが終わり、全てがなくなったときの放心とした空っぽの表情に浮かぶ切なさ。たぶん、観ている僕と村川の表情はシンクロしていたような気がする。 程度の差はあれ、弱っちいのに強がっている人や、希望のない毎日に退屈している人には、その心持ちが伝わるのではないでしょうか。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-04-30 11:53:23) (良:1票) |
103.この映画を見ていたら、ホントにヤクザなんて無駄な存在だなと思った。勢力争いとか、殺し合いとか・・・ヤクザって結局大人になりきれなかった人たちなんじゃないかなとか思いながら見ていた。沖縄での日常は、まるで学生の夏休み的なノリで、大人(しかもヤクザ)がこいつらいったい何やってんだと思ってしまった。淡々と人が死んでいくのには、虚しさを感じた。人が死んでも悲しんでいる描写が一切ないだけに、ヤクザが死ぬとこんなもんなのかとか思ったし、彼ら(ヤクザ)みたいな虚しい人生は送りたくないなとも思った。 【スワローマン】さん [DVD(邦画)] 4点(2009-03-20 16:17:26) |
102.自分の中では北野武監督の最高傑作。流れゆく時間の儚さを描ききった手腕はさすがです。 【njld】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-12-10 01:52:35) |
101.《ネタバレ》 映画全体の雰囲気からしてラストは想像できたのだが、あまり理解できなかった。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-09-19 23:37:23) |
100.《ネタバレ》 静と動、光と影が最も際立っているという意味では確かに本作はタケちゃんマンの最高傑作なのかもしれませんが、個人的な好きずきでは「キッズ・リターン」や「菊次郎の夏」の方がいいですね。ヤクザがやたらと工作好きだし、途中のおちゃらけシーンも無理に尺を伸ばそうとしているように思えてなりません。その昔、ヤニス・クセナキスという数学で音楽を作った現代音楽家がいましたけど、元々は数学者になるのが夢だったタケちゃんマンは映画作りでその夢を補っている、というか実現してる面があるんですね。彼は因数分解で映画を作る、それで無駄なシーンを一切省く。よく、映画は拾捨の美学だと言われますが、タケちゃんマンはそれを数学的に解釈する。だから彼独特の作風が出来上がる。それが一番うまく行えるのがドンパチシーンで、だからこそ必然的にヤクザ映画になる。 【あろえりーな】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-08-19 21:03:57) |
99.《ネタバレ》 個人的に武監督の最高傑作です。 まったりとしたヤクザの日常(?)からいきなり非日常な展開に持っていくのが上手い。 そして、綺麗なんだけど何処か暗さ・寂しさの漂う沖縄の風景。それにマッチする最上の音楽。 この空気感、嫌いじゃないです。それって少しヤバいのかもしれませんが。 【bolody】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-07-26 19:03:46) |
【Yoshi】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-03-16 02:26:50) |
97.虚無感・空虚感の表現は秀逸。 台詞が少なく、間の取り方が素晴らしいという意見が見られますが、たけしがコメディアンでもあることを考えると当たり前ですよね。笑いでの「間の取り方」って決定的な要素ですから。説明が多い芸も笑いが減りますし(モノマネの前に何をやるか言ってしまうのが一例)。 座頭市でのタップダンスの是非議論がありましたが、この作品にも体現紙相撲等があります。昔からやってたんですね。シリアスなテーマをずっと続けて観客を疲れさせるのは、コメディアンとして出来ないんでしょう。 【くろゆり】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-01-09 15:58:03) |
96.なにが面白いのかさっぱりわからなかった。 村川が何を思っていたのか、わからない。 【なますて】さん [DVD(邦画)] 4点(2007-12-27 13:20:10) |
95.これは口下手で不器用な人間の映画だと感じた。生きるための様々なテクニックを身につけ、良くも悪くも“洗練”されてしまった者には理解しがたい“下手さ”が全体を覆っている。映画技術的な“下手さ”も多分その雰囲気を助けているのかもしれないが、アマチュアっぽく見えてしまうのも事実。はっとさせられる場面や繊細な部分もあり嫌いじゃないが、でもどうやら自分にはたけしの映画は向いてないみたいだ。 【トマシーノ】さん [DVD(邦画)] 3点(2007-11-24 12:11:01) |