1.《ネタバレ》 「ラストは仰天のどんでん返し!」で、主演がアシュレイ・ジャド、サミュエル・L・ジャクソン、アンディ・ガルシアだったら誰が犯人なのかくらい観る前から誰にでもわかるだろう。だからこそ興味の大半はそこに至るまでの経緯に必然的に絞られて来るのだが、アシュレイ・ジャドが眠る→携帯のベルで起こされるというひたすら単調な繰り返しには相当な忍耐を強いられた上、意外でありさえすればリアリティなんか知ったこっちゃないと思いっきり開き直ったラストのいんちきぶりには怒りを通り越して感動すら覚えてしまった。寝て起きては呼び出されるアシュレイ・ジャドがいったいいつお風呂に入っているのか、その心配だけで最後まで観てしまったようなもの。この手のネタ物ってはっきり言ってもう出尽くしていると思うのだが、何年かに1回「おっひょー」とぶったまげさせてくれるお宝も混じっていたりするのでどうしても心のどこかで期待を捨て切れない浅はかな自分がいる。だからと言って面子だけで容易にネタが割れたり、主要キャストとはまったく無関係な犯人をラストで突然登場させたりといった工夫のカケラもない"サスペンス"が99%なわけで、ある程度の知性とネタ物への期待感をお持ちの賢明な方には逆立ちしてもお勧めできない凡作としかだけ言っておく。アシュレイ・ジャドは出ずっぱりだがはっきり言って老け込み方に物悲しいものがある。二重アゴになっちゃっても思いっきりセクシーなアンディ・ガルシアにこの4点を捧げたい。しかしこれ、本当にわざわざ輸入してまで公開するほどの映画だったんだろうか。