10.ひとりは気楽だ。しかし私の場合決して孤独が好きなワケではないので、そんな生活を続けているとあらゆる思考は堂々巡りとなり、全てのものが自分を素通りして行くような気がして、自分の輪郭がぼやけてくる。うつろな日々だ。主人公のフィリップもそんな状態だったのかもしれない。突然強引に他者に自分のペースを乱されることになった彼は、最初不機嫌だったが一度失ったアリスがもどって来てからは彼女との旅を楽しみ、終始寂しげだった表情は生き々としてくる。人は他人と関わることによって様々なことを「実感」できるのかもしれない。この映画はヴェンダースがチャック・ベリーの「メンフィス」にインスパイアされて作ったとか。警察に行った帰りに行ったライブでチャック・ベリーが唄っていたあの歌だ。「交換手さん、メンフィスに繋いでくれよ。9歳のあの子はさよならと手を振って行ってしまった。彼女との楽しい日々が忘れられないんだ」。 フィリップ役のリュディガー・フォグラーは個人的に大好きで、彼が出演する「さすらい」や「リスボン物語」もとてもいい。それにしてもヴェンダース、またドイツ語で映画を撮ってくれないものか・・。 【黒猫クロマティ】さん 9点(2003-11-25 14:20:42) |
9.ぶっちゃけた話、今ひとつピンとこなかった部分もあったんですよね。理屈では分からないでもないけど、直接胸に響かないというか・・・。んでも部分部分でいいなーと思えるシーンもありました。他の方が仰っている証明写真のシーンも好きですが(そういえば「バッファロー’66」でも似たようなシーンがあったけど、あれはこの作品を踏まえているのだろうか?)、個人的には二人が看板(?)の前で体操をするシーンが一番好きです(6点)。<2005.2.23追記>おうっ←約一年半前には、こんな事書いてたのねん。多分この頃は「分かり易い盛り上がりと起承転結、どばーんと来る感動」を映画に対して求めてたんだろーなー、と今は思います(つまり淡々とした作品が苦手だったのです)。んでも久々に見直したら、どばーんとは感動しなかったけど、じわじわーっと感動しました。何かアホな物言いだけど、こーゆー映画は四の五の言わず、黙ーって画面の前で感動すれば良いんじゃないかなーと思う。んで、やっぱり体操のシーンは良かった。 【ぐるぐる】さん 9点(2003-10-30 17:11:48) |
8.あまりに淡々として眠くなるタイプの作品ですけど(笑)その淡々としたロードムービーってのが本作の味であるわけで、忙しい世の中でたまにこういう作品を観ると、なんだかこの空気感に浸れますねぇ |
7.下の人の意見で”アリスとフィリップが無人写真機で写真撮る場面は生涯ベスト10入る名シーン”とありましたが正しく同感です。ボクはヴィム・ヴェンダースの映画はこれとミリオンダラー・ホテルとベルリン天使の歌しか観たことないのですがこの感動を失いたくないのでもう他のヴィム・ヴェンダースの映画は観ません。でも、オススメがあったら観たいなー。なんて・・・ 【ビエリ】さん 8点(2003-05-20 01:56:23) |
6.ついつい応援したくなる映画です。普通「子供の涙」をクローズアップする作品が多いけど、今作のアリスは泣かない。母親がいなくなり、辛いのにフィリップには自分の弱さをひた隠す。そんなアリスがフィリップの運転する車の助手席から移り変わる町並みを見ている表情に寂しさを漂わせます、そう、視聴者にだけ本当の表情を見せてくれています。私にとっては愛すべき作品となりました。 【旅立ちの日】さん 10点(2003-05-19 08:53:33) (良:1票) |
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5.こういうのをイイ映画って言うんだな。淡々としたロードムービーだから絶対一人で見た方が良し。パリ・テキサスのモノクロ版って感じ? 【キャリオカ】さん 7点(2003-05-13 11:30:37) |
4.こんな大変な旅は請け負いたくありません。ですが、問題は解決したようでよかったです。やっぱり子供にとって親はとても大きな存在ですから親にはしっかりしてもらいたい、と思わされる映画。この淡々とした雰囲気はいいと思います。 |
3.フテブテシく我侭なアリス、イェラ・ロットレンダーが何とも魅力的。パリテキのハンター少年くらい素晴らしい。ヴェンダースは金髪の子供に相当なこだわりがあるのでしょうね。空撮のラストの余韻に酔いました。〝天使の視点〟とはよく言ったものです 【ヒロポン】さん 9点(2003-02-25 13:00:46) |
2.ゆたKINGさんの意見↓に賛成します。あと、私が好きなシーンは、主人公とアリスが海水浴をしているところ。二人の楽しそうな表情が実の親子のようで、観ていて思わず顔がほころびます。 【なるせたろう】さん 10点(2002-12-24 20:32:29) |
1.ヴィム・ヴェンダースが70年代に発表したロード・ムービー三部作の中で一番の出来。ペーパー・ムーンと話がかなり似てるが(モノクロ、大人と少女など)それが理由で未見なら、もったいないほどの傑作。アリス役のリューディガー・フォーグラー のませた感じ、それでいて愛くるしいところはテイタム・オニールに匹敵するほどの名子役ぶりを発揮している。特にアリスとフィリップが無人写真機で写真撮る場面は生涯ベスト10入る名シーン。 【ゆたKING】さん 10点(2002-12-11 17:56:30) |