156.《ネタバレ》 フィンチャーだけあって、やっぱり随所に見せるセンスはモノ凄いと感じた。
冒頭でヒックスやニュートは死んでしまっているが、あのような悪夢のような体験を再び経験しなくて良いと考えれば、ニュートにとっては良かったと感じることもできなくはない。
実の娘を一度死なせているだけに、ニュートの死をかなり哀しむ様子を長めに描いている点も印象的だ。
この映画の欠点は分かりにくい点だ。
まずリプリーが寄生されている画面もよく分からなさすぎる。
体調が徐々に悪化している様子は分かるが、もっと効果的な使い方はなかっただろうか。
体内に埋め込まれた時限爆弾的な使い方にして、あとどの位で産まれるかを明かにした方が効果的だったと思う。
そして問題は鉛をぶっかける作戦がよく分からないため観客は置いてけぼりを食らうのではないだろうか。
もっと作戦や地図をシンプル化した方が良い。そうしないと後ろからエイリアンが突如現われても何が起きたのかさっぱり分からない。
またシリーズの中でも特に「戦わずに死ぬのなら、戦って死ぬ」ということが強く描かれていると感じられる。
医者や所長等主要キャラを中盤であっさり殺すのは、エイリアンシリーズの特徴。
犬型一匹に対し26人中1名生還。武器がないからしょうがない結果か。
それにしてもリプリーはいつ寄生されたのだろうか。
宇宙船に乗っていたヤツならフェイスハガーとして寄生して役目を終えたらすぐに死ぬはずだし。
前作でクイーンに寄生されたような話もなかったしよく分からなかった。
腹から出てきたエイリアンを我が子のように抱きながら落ちていくシーンはこれまた良かった。
エイリアンシリーズはこのシーンでラストにするのが良かったような気がした。
シリーズ異色の作品だが、好き嫌い分かれると思うが言われるほど酷い出来ではない。