51.動く絵画。登場人物の演技よりも、景色が綺麗で目を奪われる。3時間は長いが、印象的なシーンが多く、何かがあとに残る。無常感。 【Vanilla】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-27 18:22:35) |
50.《ネタバレ》 長い。そしてしつこい。そして当然ながら説明はいっさいない。見るのに体力が必要。これはつまり、肉食民族向け。自然光で撮られた映像が、アホらしいほど美しい。ヘンかもしれないけど思わず笑ってしまうほど美しい。やっぱりキューブリックは変人だなあ、と思った。あのー、もしかすると、彼は「美しい中世の映像」さえ撮れれば、話はテキトーでもなんでもよかったんじゃないかなあ。疲れるのでこれは二度と見ることはできぬ。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-11-20 18:23:05) |
49.美しい映像に美しい音楽、そして下手な演技。最高だ、キューブリック最高だ!男版「風と共に去りぬ」って感じですね。風と共に去りぬでは、主人公の傲慢な感じに共感できずビビアンリーの熱演にもかかわらず不満を抱いてしまった僕が、主人公に観客を共感をさせないように演じさせたバリーリンドンでは見事にやられてしまいました。小説の映画化は、小説で描ききれた主人公の心理描写が省かれてしまうので、納得できないことが多々あります。その例が風と共に去りぬであり、最初から主人公に共感を抱かせないようにして映画の弱点を見事に克服して見せたのがバリーリンドンだと思います。このあたり、キューブリックの手腕はさすがです。映画を知り尽くした巨匠だからこそできる映画史に残る試みですね。なのに他のキューブリックの異色作(これらは言うまでもなく名作)の影に隠れている感じがとても残念です。 【ジャザガダ~ン】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-15 00:23:53) |
48.確かに映像はものすごく美しいんだけど、「博士の異常な愛情」「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」のSF三部作と比べるとどうしてもストーリーに物足りなさが残る。バリーにあまり魅力を感じないせいかもしれない。あと、この映画を観ていると『2001年~』のナレーションを直前でカットしたキューブリックの判断はやはり正しかったと思わざるを得ない。観る側の解釈の自由もへったくれもないもん。 【とかげ12号】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-10-26 23:33:26) |
47.キューブリックの中じゃあんまり好きじゃないな。 |
46.中世物は苦手なのですが、さすがキューブリックでした。美しい。衣装やセットが美しい 作品はたくさんあるけれど、光の使い方と構図によってそれが最大限にいかされていました。本当にキューブリックはセンスが完璧ですよね。私が生まれるよりも前に撮られたとは思えない。ストーリーも比較的わかりやすく、素直に物語を追って見ても、わかんない、とかつまんない、とか思わずに済む作品だと思います。もちろんその裏にあるものを想像するのも楽しい。主人公がいい人とも悪い人ともとれず、ただ一生懸命生きているのに応援する気もわかない。たまに哀れに思うだけ。奥さんにいたっては哀れに思うことさえない(苦悩が描かれていないから)。こういう人がいてこういう一生を送りました、というのを上手くまとめているだけなのに、これだけひきつけられるのって本当にすごい。見せ方が上手い。構成が上手い。ちょこちょこといろんな出来事が起こってそれがまた上手いので興味をそそられる。ほかの人が撮っていたら駄作になっていた可能性の高いストーリーだと思う。 【るいるい】さん 9点(2004-12-23 21:32:50) |
45.とても哀しい映画である。物語と観る者の距離があまりにも遠いがために哀しい。 【はざま職人】さん 9点(2004-11-11 23:51:41) |
44.この上なく美しい映画です。芸術性を追求し続けた70年代前半までとは違い、1975年公開のこの映画では主役に当時「ある愛の詩」で人気者となっていたライアンオニールを起用。興行的成功も求めました(結果的には失敗に終わったが)。しかし芸術面でも、19世紀をこれだけ再現しようと努めたキューブリックのこだわりは半端ではない事が分かります。プロダクションデザイナーはさぞかし大変だったでしょうね(苦笑) 草原のシーンも、まるで絵画を切り取ったとかのような美しさですが、室内のシーンを何百本という蝋燭の灯りだけで撮ったシーンは秀逸で、ポワ~ンとした雰囲気が当時の貴族社会の食事シーンや賭博のシーンに垣間見られ、すごいなぁと思わせるのです。 遺作の「アイズワイドシャット」までずっとこだわったキューブリックの光へのこだわり。ちょっとフィルム粒子がザラザラ感じても、それでも自然光にこだわり続けた彼の意志の強さは、さすが元ルックのカメラマンだっただけの事はあるのです。 狂気好きのキューブリック映画において、狂気をあまり感じないこの映画。それは痛烈すぎる映画の美が、平民の若者レドモンドバリーが貴族に成り上がろうとする気持よりも勝ったからかもしれませんね!? |
43.一人の不埒な人間が徐々に上り詰めるストーリーだが、他のキューブリックの作品同様にどこか癖があり、決して気持ちよく伝えようとはしない。全体通して素直に大団円にならない微妙な空気を漂わせるつつ、主人公が歩んだ波乱な人生を3時間に及ぶ素晴らしい映像美で淡々と見せる。そして最後の最後で、今まで見せてきた浮き沈みの人生を否定(ゼロに)する形で、短い文章で思いっきりぶちまける。終わりまで『ありがちなストーリーだなぁ…』と思ってましたが、最後のメッセージでキューブリックの作品だ!と実感出来ました。 【oO KIM Oo】さん [映画館(字幕)] 7点(2004-08-03 02:48:25) |
42.長かったけどとても良かったです。綺麗・・。すべてが美しかった。最後の皮肉の言葉にゾクゾクしました。流石です。 【ネフェルタリ】さん 8点(2004-07-31 23:38:24) |
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41.キューブリック映画の特徴である皮肉や批判が全くと言っていいほどないように思える。テーマは人生は何が起こるか、どう転ぶかわからないといったところだろう。しかし最もキューブリックが表現したかったのはストーリなどではなくて、視覚面だとおもう。この映画のために開発されたカメラでの撮影。人間の表情がやんわりと、とてもきれいに見える。他にも風景やもや~っとした、はかなさのようなものを感じ取ることができた。ストーリーよりも映像に夢中になってしまう珍しい作品。 【マクドウェル】さん 9点(2004-06-12 15:16:29) |
【しまうまん】さん 9点(2004-06-12 12:18:50) |
39.キューブリックという人は美的センス?芸術センスかな?が世界中の監督の中で(故人も含めて)最高なんじゃないでしょうか。最後以外パーフェクト! 【モチキチ】さん 8点(2004-05-19 06:12:38) |
38.大作で、長いのですが、ドラマチックな人生なので、最後まで面白く楽しめました。バリーは光源氏に微妙に似てるのかなとか思いました。キューブリック作品にしてはわかりやすい映画でよかったです。ただ、キューブリックはやっぱりどっかひねくれてた作品しか作りたくないんでしょうね。 【りょう】さん 8点(2004-05-16 07:00:43) |
37.《ネタバレ》 「映画は総合芸術である」という言葉は、この作品のためにあると言っても過言ではない。壮観な風景を鮮やかな色彩で絵画の如く捉えたそのカメラ、18世紀のヨーロッパ風俗をリアルに再現したその美術、衣装、穏やかなナレーションと共に淡々と進行する物語を流麗に演出する厳粛なその音楽、どれもこれも皆一級の芸術品である。中でも、本作品の為に開発されたという高性能レンズにより、自然光のみで映し出された映像は言葉では表現できない程美しい。しかし、この“完璧な美”の中で描かれる主人公の生き方に共感できる者は少ないだろう。七年戦争という騒乱の時代を背景に、己の欲望に流されながら“運”を掴もうとして落ちていく男の哀れな様は決して同情できるものではないからだ。だが、故郷を捨てた男レドモンド・バリーが本当に追い求めていたものは、地位でも、名誉でも、まして金でも無く、ただの“安住の地”だったのではないだろうか。いや、そうであって欲しい。そうでなければあまりにも哀しすぎる。「美しき者も醜き者も今は同じ全てあの世」それでも、この世にいる限り、心は美しくありたい。 【nizam】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2004-04-23 12:29:24) |
36.音楽、映像、内容、演技等完璧で、おもしろかったです。 |
35.いつも完璧な作品を作っているキューブリックだが、人の一生までやっていたとは恐れ入った。他の作品も確かに完璧ではあるが、それはその人の一生のうちの一部分をピックアップして、そこの部分で完璧に仕上げているのだがこれは明らかにバリーの一生を描ききっている。画や音楽は言うまでも無いが、本作品は人間の一生なんざいくら思い通りになってもこんなもんさと言っているかの様に思わずにはいられなかった。 【taron】さん 8点(2004-04-10 18:50:07) |
34.とにかく美しい・・・。キューブリックの作品を全て鑑賞したわけではないがキューブリックの完璧主義を改めて感じた作品でした。長編にもかかわらず映像や音楽に浸っている間に3時間という時間はあっという間に過ぎていきました。必死に上流階級の仲間入りを果たそうとするバリー、最期にはああいった結末。最初の純粋だった頃のバリーの心はいつ失われてしまったのでしょうか・・・。 |
33.全編から「モンティ・パイソン」の匂いがプンプンする。話はそれなりに悲劇で、それを強調するレディ・リンドンの美しさには、他の作品にみられるおふざけ感は感じられないのだが、「・・・すべてあの世」のクレジットも含めて、やはりキューブリックはこのエピソード自体を笑い飛ばしているように見える。オープニングのナレーションは「フライング・サーカス」の常套手段だし、親子の強盗はセリフも「デニス・ムーア」にそっくり!景色も似ている場面がたくさん出てくる。黒澤監督がこの映画を絶賛したそうだが、はたしてモンティ・パイソンを知っていたのか・・・。 【神谷玄次郎】さん 9点(2004-03-21 03:13:17) |
32.《ネタバレ》 観終ってから気付いたのですが、これってヴォルテールの「キャンディード」が下敷きになっているのじゃないかと思いました。(バーンスタインのオペラはまた違った筋書きのようです)「人間万事塞翁が馬」じゃないけれど、最初の旅立ちでの親子強盗との遭遇で全ての筋書きが狂ってしまって、それでもまあ、成るように成っていくところが面白いです。日本とは馬とか道路とか事情の違いがあったとしても、西欧の若者ってあの時代にもそんなに積極的に行動していたのでしょうか? 【たいほう】さん 8点(2004-01-29 08:15:45) |