39.戦争の叙述は、叙述主体がどちらがわにたつかによってまったく違ったものになってくる。また、戦後の日本教育が推進してきたように、戦闘ではなく、いわゆる銃後の生活に焦点をあてる方法もあるだろう。但し、後者の弊害は被害者意識だけうえつけて、戦争そのもの歴史的な意味合いから眼をそらし、歴史認識をあやふやにしてしまうという欠陥をもっている。 この映画は最近流行の戦争全体ではなく個別の戦闘に焦点をあてただけでなく、銃後の生活にもふれ、二重の意味で戦争のもつ悲惨さをとりあげてくれた。充分な訓練をつませず、戦闘の指揮官が戦死者が多数でることを予期しながらも、出撃を命ずる上官の姿。戦死公報を速達郵便ですまし、充分なバックアップをしなかった政府の姿が今日の日本の状況とだぶって見えてしまう。 但しこの作品でも、ベトナム人はあいかわらず誇張された滑稽さをただよわせている理解不能なエイリアンとして描かれている。いつか、ベトナム人側に視点をかえた作品がアメリカ側からも製作されるようになって、はじめて真の意味での反戦映画だといえるだろう。エラノゲイの復元展示でさえ、被爆被害者の写真展示に反対がわきおこる現状では不可能だろうけど。 【TSUTTY】さん 6点(2003-12-21 11:11:18) |
38.メロドラマになってしまっているのがちょっと残念な気がしました。戦場の緊迫感は中々のものでした。 【じふぶき】さん 7点(2003-12-03 10:53:31) |
37.『兵士が最後に言い残す一番多い言葉を知ってる?妻に伝えてくれ「愛してる」と。』っていう予告編。予告編だけで感動してしまう。でも、実際このセリフは本編に含まれてなかった気がする。そこが残念。でも家族愛と共に反戦を訴える映画ではあると思う。『ベトナム戦争についてもう一度考え直せって!』っていうメッセージは多少伝わってくる。またこの映画はアメリカの戦争映画には珍しく、相手の北ベトナム軍の視点からも描いている。彼らにも家族がいて、この戦争でどれほど血を流し、どれほど涙を流したかってことを描いている点は良かったと思う。ただ、他の戦争映画に比べればっていう前置きは付く。絶対的に言えばまだまだ描き足りなかったってのも事実。また、戦地におけるマスメディアの存在についても終盤で描かれていて良かった。【プライベート・ライアン】なんかに比べれば映像は劣る。でもメッセージはこっちの方が伝わってきた。個人的には評価したい。 【ブン】さん 7点(2003-11-12 06:53:44) |
36.戦争映画なので残虐描写あって当たり前。戦争に行くのだから家族との愛や苦悩を表現するのも当然。「プライベートライアン」や「パールハーバー」よりは、よっぽどアメリカ万歳を避けた近年のアメリカ戦争映画にしては、かなり好意的に解釈できる「敵」のかかれ方。私は最近のアメリカ戦争映画は酷評が多かったのですが、本作品は非常に良かったと率直に感じました。映画をどの様に感じるかは人それぞれ。なのですが、他の方も既に指摘されましたが、荒らしまがいの書き込みを見ると本当に残念でなりません。 【はむじん】さん 8点(2003-10-30 19:12:35) |
35.皆さん、「アメリカ正義」だとかなんとかいって文句つけてますけど、それの何が悪いんでしょうか?アメリカの映画なんだし、それ以外に何が作れるんですか?作品自体は感動できるものだと思います。部下の前では、動揺せず向かっていくメル・ギブソンのヒーローの姿はすばらしかったです。 【アリアス】さん 9点(2003-10-13 12:16:44) |
34.「とりあえず、こんな戦争映画撮ってみました。」みたいな感じで、あまり心に感じるものがない。 【くるみぱぱ】さん 3点(2003-09-30 05:26:38) |
33.必要以上に、語られる愛情物語に、正直うんざりしました。ベトナム兵を同時に描きつつも、終始、アメリカ側重視の視点で、嫌な気分にされ、幾度となく使われる「スロー映像」は、くど過ぎて、緊迫感を無くしています。メッセージを、詰め込み過ぎたため、折角の題材が左右にふらついる感じがしました・・・。 【sirou92】さん 1点(2003-08-26 18:17:41) |
32.メルギブソン好きなので、かなり期待してしまったため、少なからず裏切られた気分。そこまでつまらなくはないが、最近の優れた戦争映画と比べると、どうしてもお粗末な感じ。見所はメルギブの「ブロークンアロー!」 |
31.この映画は、出征前の部分や銃後の妻達の不安を描いたところが、60年代という時代背景を考慮したのか、映像も内容も意識的にか少し古めかしさを強調していたように見える。しかし大半を占めるベトナムの戦場シーンは今風のリアリスティックな描写になっている点、その間に若干のギャップが生じたようだ。出征前の部分はもう少し刈り込んで2時間10分くらいにまとめたほうが座りがよかったのではないかな?北ベトナム側の描写も残念ながら付け足しの感は否定できない。ただし戦闘シーンは迫力満点で、米軍の苦しい戦いがうまくとらえられていたように思う。空爆シーンなどまことに凄まじい。また終わりの方ではメルギブのマッチスモ全開といった趣があり、エンターティメント作品として大いに満足でした。そう、戦争映画は高い意味でのエンターティメントなのだと思う。反戦メッセージが見つからなければダメ、では心が狭すぎるし、なんの為に映画をみているんだということになってしまわないか?ところでこの作品を批判するのはもちろん自由だが、一言たりとも根拠を示さず、一方的な罵詈雑言を書き連ねている人が2,3いるのは情けない。それでは所謂荒らしと同じで、とてもこのサイトの趣旨に沿っているとは思えない。意識の改善を望む。 |
30.「反戦映画」ってのが売りだったように記憶しているが,結局は「アメリカ万歳」って映画だった。ただ,始めからただの戦争映画だと思って見ていれば結構面白かった。 【北狐】さん 8点(2003-07-18 14:41:43) |
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29.みなさん結構辛口ですね。個人的にはこういう戦争、というより、戦場映画はどれだけその場の臨場感があって、緊張と絶望を感じられるかが肝だと思うのですが、その点で合格だと思います。ただメルギブのヒーロー臭さが鼻につくのは確か。後、全体の戦況がどうなっているのかが上手くつかめなかったので、どちらの軍が何をどう判断してどのように行動したのか分かりやすかったらもっと良かったかも。 【megaZO】さん 9点(2003-07-04 01:56:29) |
28.おもしろいとは思うが見てると疲れた。 あとこの映画にもむかつく批判の仕方をしてるやつがいるが、見ていてむなくそ悪いからやめろ 【天下無双の豪傑】さん 7点(2003-07-01 21:00:21) |
27.壮絶な戦闘中であっても、ジミーのように努めて明るくふるまって恐怖に耐えた兵士がいたと信じたい。ごまかしかもしれないが、北ヴェトナム側の描写もあり、最近のアメリカ万歳映画とは僅かばかり違う印象をうけた。 【やな太郎】さん 7点(2003-06-24 23:25:32) |
26.あんなにアメリカ軍が苦戦した戦争だとは知りませんでした。戦争映画ってあんまり好きではないんですけど、こちらはおもしろかったです。。。 【mako】さん 7点(2003-06-21 12:22:19) |
25.ええっと、最低限の常識を保って「ベトナム戦争」を捉え直そうという誠実さは買うものの…戦闘シーンのイマドキな残虐クソリアリズムはともかく、全体的に古臭いアナクロ感が拭えないなあ。特に、この手の映画に必ず出てくる、絶対に何事にも動じない古参の軍曹(昔ならジョージ・ケネディあたりが得意としていたような)とか、メル・ギブソン扮する頼れる主人公像とか。んー、所詮はジョン・ウェインの『グリーン・ベレー』と何も変わらない、「アメリカ賛歌」じゃなく「軍人賛歌」映画だな。国家を批判することであの戦争そのものを肯定できるという単細胞ぶりが、ついていけませんでした。 【やましんの巻】さん 4点(2003-06-19 12:50:47) |
24.やっぱ、「家族」の描写が中途半端ですよね。〔オオカミ〕さんと同じで、4時間5時間かけてでもちゃんと細かい描写があればいい映画になると思いました。ま、そんな長い映画観たくないですけど…。全身大火傷してヘリで運ばれた兵士がスゲー痛々しかった。 【きりまんじゃろ】さん 5点(2003-06-18 09:34:48) |
23.メルの男気映画は大好きなのですが、それをベトナム戦争でやってしまうとちょっと微妙になりますね。どうしても描き方がアメリカ寄りになってしまうのは仕方のないことですが、やはり難しい問題ですからね。時代背景が違っていればもうちょっと考えずに見れたかも。しかしライフルをカメラに持ち替えたバリー・ペッパーは相変わらず格好いいですね。 【K・Y】さん 6点(2003-06-15 04:00:23) |
22.残って家を守ってる女達のほうが良かった。他の戦争映画とちょっと重なるとこありますよね。 【こゆ】さん 5点(2003-05-12 01:30:50) |
21.ハイッ、糞映画です。レンタル代無駄にしました。こんなショボイ映画久しぶりに見ました。しかもこの監督、オリバーストーン監督の「プラトーン」を小ばかにしてるんだよね。絶対に許せない!!!こんな映画に千円以上もかけて映画館で見た人はご愁傷様。 【gilbert】さん 0点(2003-04-26 12:05:13) |
20.実戦指揮官の手記を元にした作品って多いですね。その手のもののなりがちな落とし穴というのは、自分たちのやっていることを正当化しようとするあまり反感を買ったりするものが多いのですが、この作品の場合はさほど感じないですみました。ただ、反戦映画としての趣旨はわかるのですが、北ベトナム軍を対等な敵として描こうとしたり、アメリカでの家族の様子を描こうとしたり、戦場で起きたできごとをできるだけ客観的に描こうとするあまり、何もかもが希薄で中途半端に終わってしまった気がします。最近の作品でのメル・ギブソンは、いつの時代の作品でも家族のために戦う父親を演じている気がしますが、「パトリオット」や「ブレイブハート」の場合は、自らの独立を勝ち取るために侵略者である敵と戦うという必然性もありましたが、ベトナム戦争の場合そういう理由も明白ではなく、「共産主義の脅威」という抽象的命題のために戦うということで、その辺のとまどいが演技にも出ていたように感じます。だからこそ小さな娘の問いかけにも歯切れが悪い回答しかできないし、出撃前の演説にしても戦う目的はさらりと流すしかなかったわけですね。UPIの記者として従軍するバリー・ペッパーが「この戦争は何かが違う」と言って、「だから銃でなくカメラを持ったんだ」という台詞には共感するものがありました。それでもベトナム兵が押し寄せてくると、結局銃を持って「プライベート・ライアン」でのジャクソン二等兵のように戦ってしまうのが虚しいですね。でもその後すぐに銃を捨てカメラを手にするあたり、初志を感じてグッと来るものがありました。ただ最初に書いた、中途半端に感じられた原因はベトナム側の扱いですね。映画の冒頭でアメリカとベトナムを対等に扱うような献辞が出ていたにもかかわらず、ベトナム兵の背景にある家族が、黒髪の美人一人だけというのはバランスを欠いているなと思ったし、映画のエンディングで出てくる犠牲者の名前もアメリカ軍に限られていて、ベトナム側の戦死者の名前がまるで出て来なかったのは大きく幻滅しました。どうせ出すんだったら、延々と10分以上かけてでも両軍の戦死者を出すべきだったでしょう。また、ベトナム側の民間人での犠牲者がほとんど描かれていなかったのは、意図的に描かれなかったのではないかというものを感じました。この映画全体を通して、このような「本来あったはずのものが素通りされている」という感覚が、この映画の焦点を希薄にさせ、中途半端に終わっているという印象を与えるものだと思います。戦闘シーンをリアルに描くのは最近の戦争映画の流行ですが、最初から最後まで違和感があったのは、あの戦場になった場所というのが、どう見ても亜熱帯のジャングルではなくて、もっと乾燥した地域の自然に見えてしまったことですか。実際の「死の谷」を見たわけではないので詳しいことはわからないけれど、もっと湿潤気候であることを観客に伝えるような描写をした方が"ベトナム戦争"ものとしてはよかったような気がします。たとえば「地獄の黙示録」がフィリピンでロケをしたように。思うにこの映画は、4時間でも5時間でも時間をかけて、もっと細部を描いた方が成功したのではないかと思います。とにかく中途半端になってしまったのが惜しい! 【オオカミ】さん 7点(2003-04-15 12:38:22) |