289.人間の可能性というのは上下左右どこにでも 無限大なのだと改めて痛感させられる 実験内容でした。まさに、 惨たらしい実験をまじまじと見せつけられ、 うずうずする思いを ひたすら鑑賞中抱かされました。 プラスでポジティブシンキングな 可能性、変化、成長というのは、 王道パターンであり、 むしろそれこそ映画の流れではありますが、 やはり本当の人間の姿を描くとなると マイナスなネガティブな印象を受ける 可能性、豹変、狂気と化していく様の方が、 人間を観た気にとってもなるもんです。 実験を実験として、その中しか見せないところもまた、 その臨場感、現実味を強く抱かされた要因の一つに あったように思います。 とにかく、グッと引き込まれるその引力は、 豹変の見事さ、残酷さ、えげつなさが、 あまりにも自然体で説得力に溢れ、 新鮮で納得せずにいられなかったからだと思いました。 人間とは、美しい生き物だ!なんて綺麗事を 軽はずみに言えなくなり、価値観さえも 変えてしまう驚異的な傑作だと思います。 【ボビー】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-06-03 23:59:30) |
288.《ネタバレ》 この監督さんはやっぱりうまい、物凄く面白かったです。抑圧シーンのイヤ~な空気や、逆襲に転じる場面のカタルシスなど観客の心を揺さぶることにはことごとく成功していて、かなり見応えのある作品でした。ワキガをバカにされたことから地味で陰気な男ベルスの心にスイッチが入り、最初は穏やかだった他の看守役達もそれにつられて暴力的になっていくという過程には妙に説得力があって、人間心理の一端をうまく映像化できていると思いました。本作の前半部分はスタンフォード監獄実験において観察された結果をうまく拾ってきているようで、囚人役に消火剤を浴びせたり、素手でトイレ掃除をさせるといった行為は現実に発生したようです。さらには、辞退を申し出た被験者の離脱を許可しなかったり、禁止事項であるはずの暴力行為が発生するに至っても被験者の安全より研究対象への関心を優先して実験を中止しなかったなど、教授側のマッドな行為も事実に基づくようです。看守役の被験者もさることながら、実験場という閉鎖空間において神の如き権力を持つ教授もまた、その疑似的な権力によって公正な判断力を失ってしまったようです。後半に入ると映画独自の展開を辿りはじめるのですが、ここから本作の評価は難しくなります。状況がより逼迫することで映画としては俄然面白さを増すのですが、これが実際の実験によるものではなくフィクションの物語であることから、「人間はここまで怖くなるんですよ」という恐怖感に歯止めをかける結果となっています。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2011-05-17 21:24:00) |
287.《ネタバレ》 観終わってからの後味の悪さは『ミスト』に匹敵しました、いやー久々に地雷を踏んじゃった。アメリカのけっこう有名な実話をもとにしているそうですが、ドイツ人の監督がドイツに舞台を変えて映像化していることに意義があると思います。なんせドイツ人は合法的な選挙でナチスを政権につけ国民投票でヒトラーが独裁者になることを認めたイタイ歴史を持っているので、この実験はドイツ人の国民性に対する痛烈な批判にもなっているわけです(もちろん、実験の結果自体は誰にも起こり得る普遍性を持っていますが)。強制収容所の看守でまだ生き残っている人やその子や孫がいるドイツで良く上映出来たものだと感心しますよ。 脚本上の粗が目立つのも事実ですが、あえて実験の失敗をエスカレートさせて死者まで出てしまう結末に持ってゆくラストの展開には息を飲まされました。私には海辺で静かに過ごすふたりを映したラストシーンは、ささくれ立った鑑賞者の神経をケアするのに必要だったと思います。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-11 22:09:05) |
286.《ネタバレ》 普通に面白いとは思うのですが、伏線を拾いきれてないのや、解かれない疑問が多く生じるために、納得いかない感が強く残ります。眼鏡で撮影したのはなんだったのかとか、記事を書く約束はどうなったのかとか、閉じ込められた箱の中にドライバーがなぜ入っていたのかとか、箱がなんであんなすぐ壊れるのかとか、看守は家に帰れて囚人だけ閉じ込められるのはあまりにも不公平ではないかとか、なんでドラが面会日が分かったのかとか、とか、とか。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-01-06 14:59:41) |
285.衝撃作品。大げさに描かれているかと思いますが、看守が囚人を見下す態度なんかは実社会でも多々ありそうだなぁと。実際ありそうと思えるほどはまり込んで見入った映画。 【たこちゅう】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-18 23:50:21) |
284.《ネタバレ》 初めは遊び半分だったが徐々にエスカレートしていく看守たちの取り締まり。映画の演出で多少は誇張した内容になっているでしょうが観る者を思わず釘付けにする異色の刑務所バイオレンス・サスペンス。人が精神的極限状況に置かれたときの心理的深層、抑えられない衝動がリアルに描かれていました。まるで自衛隊の集団営内生活を見ているようでした。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-11-14 22:08:17) |
283.《ネタバレ》 屋内版「蝿の王」って感じ。何の為の実験で、どういうデータを集めたいかの説明がないので解りにくい。2週間経てば解放されるのにこの展開は無いでしょう。終了後に仕返しされるのは嫌だから看守もそうそう酷い事出来ないと思いますが。実際にあったという実験を拡大解釈しすぎに思う。(実際には死者どころか怪我人も出てないそうな。)ブレアウィッチ的な『実際にあった話』を売りにしたホラ・ホラーとして見ればそこそこ楽しめる。 しかし、これなら連合赤軍やオウムのサティアンのドキュメンタリーでも見た方が遥かに凄いような。こっちは本当に「実際にあった事」だし。 【番茶】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-10-31 23:45:57) |
282.究極のサイコ・スリラーの一つ。一番怖いのはモンスターでも怪人でもなく、人間なのだということをまざまざと思い知らされる。異常人格者を登場させずに、一般人が“規則”に縛られ、集団に“同調”することで狂ってゆく過程が克明に描写される。まさに鬼気迫る終盤が素晴らしい。エンタメとしての衝撃的な展開とリアリティとがしっかりと共存している傑作。 【j-hitch】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-09-21 20:52:46) |
281.《ネタバレ》 人間の狂気が見えますね~。終始どうなっていくんだという変化が面白かったです。おふざけが好きそうな人選がよくなかったんじゃないかな。日本人でやったら問題なくやれそうだ。 【とむ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-04 14:56:00) |
280.衝撃はあるんだけど、とにかく後味が悪い。普通の人間に潜む闇を描いているから。あまりに後味悪いんで、鑑賞後に、実際の「スタンフォード大の監獄実験」をいろいろと検索してしまったほど。でも、物語の途中までは実際とさほど変わらないとわかり、益々気分悪くなった。 ところで、最初に「暴力はないから大丈夫」と説明し、実験開始直前に「基本的人権は保障されないけどいい?」っていうのはズルくてうまいなあ、と思った。さらっと流してるけど、「本物の刑務所じゃこんなことねーよ」と反論できなくしてる。 それから、恋人とのエピソードはまったくムダなんだけど、あれがなかったら見てるの辛すぎるし、しょうがないのかも。 この映画、もう一度見たいとは思わないだろうし、あまり人に薦めたくないから7点にしとくけど、9点級の迫力はある。 【まかだ】さん [DVD(吹替)] 7点(2010-05-04 18:07:57) |
|
279.もはやホラーよりも恐怖。どえらい問題提起がある。出来は相当良いが心情的に良い点を与えることには非常に抵抗感がある。見た後食欲なくなったし気分悪くなったんで。人には好んで勧められんし。だからマイナス2点で7点。R指定は当然と言えるな。自分も囚人側に立って心ダウンしてしまうし、逆に自分の中にある看守側のダークサイドも完全に否定できないこともある。ドイツが制作ということはやっぱり意識した。しかし、看守側の悪役側はいかにもの顔相だったんでそこまでしなくてもとは思った。 【タッチッチ】さん [DVD(吹替)] 7点(2010-04-18 13:10:50) |
278.衝撃的であり怖い作品ですね。忘れられない映画です。 【のははすひ】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-03-28 13:06:16) |
277.印象的な場面が多く面白かった。特に暗室(箱?)のシーンの閉塞感が恐ろしい。あの中に閉じ込められたら3日と正気でいられないだろう。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-02-20 17:23:43) |
276.《ネタバレ》 囚人達が大人しくしてても看守が凶暴になってきて、そっから色々起こる、 みたいな話かと思ってたら、主人公が無理に反抗して自爆しているようにしか見えん。 設定はすごく面白いのに。 【虎王】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-02-18 03:38:58) |
275.《ネタバレ》 妻投稿■ドイツ連邦共和国では「民主主義を否定する民主主義は認めない」政策のもとで、ヒトラーとかホロコーストとかそういうものを描くことが禁止されているけど(ヒトラーが役者で演じられた「ヒトラー最期の12日間」も公開できるか否か非常に議論された)、基本的には自由の国なので「間接表現」という形でホロコーストの狂気を描く秀逸な作品が表わされたりするが、この映画もその一つではないかと思う。旧戦勝国のアメリカのスタンフォード監獄実験をモチーフにしている(と、当局に思わせている)というもが凄く皮肉が利いている。現実の実験では人が死んでいないのにこっちは殺され放題なのも、実は抽象的にナチの浸透や暴力を描いているのだから関係ない。■現実のスタンフォード実験はあくまで「心理実験」だったようだけど、この作品はどう考えても「暴力の構造的構築実験」のように見える。つまり「異常な心理状態で人間がどのような行動に出るか」というものではなく、「暴力や尊厳のはく奪は人間にどのような変化を与え、どのように利用しえるようになるか」という確信犯的な実験みたいに見えるのだ。これはまさに暴力を構造的かつ能率的かつ効果的に使ったヒトラーとナチスの話だ。 【はち-ご=】さん [DVD(吹替)] 8点(2010-01-04 23:36:39) |
274.人間の怖さを見ることができる映画です。幽霊より心霊より、人間が一番怖い。 【lalala】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-29 12:43:51) |
【よしふみ】さん [DVD(吹替)] 3点(2009-10-12 21:59:28) |
272.抑圧された人間の心理状態の描写が非常にうまかったです。 【アフロ】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-02 01:23:40) |
271.《ネタバレ》 いやはや。途中までは凄いデス。『凄ぇ凄ぇ!あの看守凶暴だ~!』と悦んで観ていたのですが、後半は若干グダグダ感が否めません。取り敢えず『一度は観ておく映画』って程度ですかね。見終わった後の爽快感は殆ど無いので、気分転換にはオススメ出来ません。 【キノコ頭】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-03-09 19:17:56) |
270.《ネタバレ》 『SAW ソウ』や『CUBE』等で流行中のソリッド・シチュエーション・スリラー系かと思いきや、実は普通のサスペンス映画だったりして。 序盤から中盤にかけては、殺伐とした雰囲気が面白そうな予感を醸し出していたんですが、ヒロインが頻繁に映るようになってきてからは興醒めの連続。 絶対、このヒロイン要らないでしょう。 彼が実験に参加した理由に関係しているなら別ですが、大して関係ないようですし。 「映画だからヒロインを入れよう」みたいに考えて投入したのならば、製作側のミスですね。 映画としてのクオリティは高いけど、観客が期待する部分(展開)には行き届いていないように感じました。 過度な期待をせず、暇つぶしに観ようというのであれば、オススメできるかな。 【Tiger】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-03-09 14:41:24) |