16.この映画の「爪」の垢を飲んだ方がいい監督が沢山いますね。えっ、映画に爪なんかないって?だったら、せめて本作が収録されているビデオテープの「ツメ」でも大事とっておきなさい。ねっ、井筒監督。 【STYX21】さん 7点(2004-09-04 03:14:47) |
15.《ネタバレ》 元が優れた作品だから、普通に再現するだけで質の高いものになるのですが、後半に重点を置きすぎて、途中からはその辺の刑事ものになってしまったのが残念です。まず、函館で、下北で、そして東京で、弓坂刑事がいかに執念の捜査をしていたのかをきちんと描写しないと、後半の展開に実感が出てきませんし、樽見の「どこまでも追われる立場」にもつながっていきません。また、八重の東京生活は10年くらいになっているはずなのですが、その時の経過も今ひとつ表されていません。そもそも八重自体、妙に芝居に力が入りすぎていて、役に本来必要な可憐さとか純粋さが表現できておらず、むしろ、八重という人物は精神的に不安定だったのかとすら思わせるような役作りになってしまっていました。●ところで最後、得意気に爪とか古新聞を突きつけてますけど、あれ実は、何の証拠にもなってないんですが・・・(樽見との関連性は何も立証されていないから)。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2004-08-19 01:52:09) |
14.重厚なパワーのある映画。しかし、少し長すぎたか。 【アルテマ温泉】さん 7点(2004-08-11 23:40:56) |
13.《ネタバレ》 三時間の長さを全く感じなく、片時も目が離せませんでした。十年ぶりに再会したシーンに考えさせられます。願いを叶える事を心の支えに生きている時の幸せは成就した時に終わりとなる。ままある事なのでしょう。犬養の涙は八重を思ってのものではなく自身を思ってのものでしょう。犬養の自ら幕をひいた行為に、人の一生は大小の差はあれ飢餓の中で過ごすものであり、如何なる時においても貪り尽くす行為は身の破滅を招く事を知らしめられます。日本映画ここにありの作品です。 |
12.《ネタバレ》 戦中戦後の苦い空気を吸ってきた役者達の放つ演技は圧巻。 本物だ。 三国の空腹の演技一つとっても「目の前にあるものを喰わなくては死ぬ。」という状況を知らぬものには出来ない演技だと思った。 左幸子もあの時代、女一人何かにすがらずには生きてゆけない人間の弱さ、切なさを愛しい人の爪を握り締めて見事に表現していた。 伴淳の親子の絆をさりげなく表すシーンも静かに胸に沁みた。 その他の脇役も隅々まで見事だった。 奇妙な人間関係の織り成すドラマを、深い人物描写と安定感のある語り口で観るものを引き込む説得力は強烈だ。 真実はその時代の象徴である「飢餓海峡」の荒波に、全て呑み込まれてしまうというラストも印象的だった。 重厚な演出と映像で、生き残るために必死な「時代」の人間のとある生き様をまざまざと焼き付けて見せた、まぎれもない傑作だと思う。 【Beretta】さん 9点(2004-03-11 01:35:54) |
11.映画としての基本がある。 フィルム処理もそう。(ビデオ) 【zero828】さん 9点(2004-02-25 20:51:43) |
10.《ネタバレ》 映画の完成度としては時代背景も含めて秀逸。本筋とは関係ないのだが戦後の引き揚げ時期(S21年頃)の函館や陸奥の描写がおっとりしている物として描かれているのが新鮮と言うか聊かの驚きだった。確かに東京やその他の軍需地域に比べれば戦中戦後を通して戦地は遠いものだったのでしょう・・・。また、復興後の東京の景色も、存外に穏やかな人々の暮し向きに見える。 しかし、それが故に『飢餓海峡』の飢餓たる所がどうしても今ひとつ伝わってこなかった。劇中に有る「あんな貧乏村に生まれたら絶望感に・・・云々」と言うのも昭和の初期から中期において人格形成を経た人たちにのみ伝わるメッセージなのだろうか?? 後先だが左幸子はエロティックだった・・・。高校生の頃に古文の教師が言っていた「エロティシズムとは、風で舞った着物の裾から見える脹脛の白さだ」という名言を思い出した。 |
9.巷の評価が非常に高いので期待してみましたが、期待が大きすぎたかなと思います。警察の犯人の断定ぶりがあまりにも強引。迷宮入りしかけた事件があれだけの推測で一挙に解決してしまっていいものかと思いました。樽見京一郎が懺悔の念で私財を寄付する、というのも薄っぺらい。また、左幸子が樽見京一郎に迫る場面はかなりエキセントリックな感じがしました。爪を肌身離さず持っているくらい恩義を感じているのはわかりますが、あれでは相手のこともかまわず、ただ自分の望みさえかなえられれば相手の生活はどうなってもよいとばかりに見えました。それも貧困のせいにしてしまうのは、少しばかり論理の飛躍というものでしょう。それにしても、伴淳三郎、三国連太郎、左幸子の演技は際立っていましたね。事件の解決にむけての努力、飢えと貧困からくる犯罪と良心の呵責、この映画で訴えようとしているそういうものの多くがシナリオからではなく、上記主役陣の演技に助けられて表現されているような気がしました。最後の遠ざかる海のシーンは印象的でした。 【神谷玄次郎】さん 7点(2004-01-07 17:46:59) |
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8.見終わった後に余韻に浸ることが出来る秀作。みんなが様々な環境の中で、一生懸命生きていた時代というものを感じさせられる。 【アトミック】さん 8点(2004-01-05 15:58:11) |
7.とてもテンポの良い作品。邦画でこんなに夢中になって見たのは久しぶりです。 長さもきにならず、特に伴淳の演技がいい! 三國連太郎も根っからの悪人ではないなんとも言えない物悲しさを感じました。 でもたった一度だけ肌を合わせただけの男を一途に思っていられるものだろうか? 左幸子の演技も絶妙。特に爪でもだえてる姿はたまりませんでした。 【あずき】さん 8点(2004-01-03 16:02:13) |
6.2002年に26才で、名画座で見ました。全体の流れは重々しくも飽きさせずよかったですが、最後が少しあっけなく感じました。もっと主人公の内面を描いて、最後に向けて盛り上げて欲しかったと思います。 【MASH】さん 7点(2004-01-03 08:30:46) |
5.物凄い緊張感。海外に堂々と出せる映画かなと思います。 【たーしゃ】さん 10点(2003-12-14 15:07:43) |
4.映画が、ある時代と、そこに生きる人々を描き創りあげたものとして最高の到達点のひとつ。 【るーす】さん 9点(2003-06-03 13:32:14) |
3.なんといっても左幸子。雇ってもらった女郎屋で大泣きするシーンにはこっちまで鼻の奥がツーンとなってくる。今のテレビ女優にはあんな芝居できないだろうなぁ・・・。左幸子が引っ込んだ後半部分、ちょっとダレてくるのでマイナス一点。それにあの刑事役は健さんじゃなくてもいいしね。伴淳は素晴らしい。 【じゅんのすけ】さん 9点(2003-06-01 18:54:12) |
2.《ネタバレ》 実際に起こった青函連絡船「洞爺丸」転覆事故をモチーフにして描かれた水上勉の原作を戦前からの巨匠・内田吐夢が映画化した問題作。犯人・犬飼多吉役の三國連太郎も、弓坂刑事役の伴淳三郎も、娼婦役の左幸子も各々絶品の演技。特にわざわざ御礼を言いに行って殺される羽目になる、左幸子扮する杉戸八重の哀れさには胸が詰まる。最後に連絡船から津軽海峡へ身を投げる樽見こと犬飼とバックに流れる(冨田勲作曲の)荘厳な地蔵和讃が、戦後の重く哀しい現実を慰撫するかの如く響いて深く心に残る。高倉健も出てるが殆ど意味ナシ。 【へちょちょ】さん 9点(2003-01-29 06:11:58) |
1.青函連絡船での事故と放火殺人を結びつけた点は、すごく面白い。3時間は長いけれど、それだけの価値アリです。アラカンの渋さと、高倉健がカッコいい。三國連太郎の成功感がいまひとつ判りにくかったけど、最後の「アッ」というシーンまで目の離せない作品です。 【FOX】さん 7点(2003-01-19 16:35:37) |