61.デ・シーカによるイタリア映画を代表する名作中の名作。ネオ・レアリズモという言葉が表すように戦後のイタリアが経験した貧困・荒廃を凄まじいまでのリアリティの高さでもって表現して見せた。自転車を盗まれた時の父親のヘコみ具合・失望感たるや尋常ではない。悲痛の叫びが聞こえてきそうなほどの写実性を帯びている。衝撃的なラストはリアリズム貫徹の賜物。 【CPA】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-11-06 07:50:19) |
60.《ネタバレ》 戦後の高失業率の中で作られた映画ですが、これは息を呑みました。自転車を探すのを諦め、子供にピザを食べさせる件、一度は諦めがついたかに見せといて、アントニオに悪戯に希望を持たせておいてバッドエンディング(おいおい、そりゃないよ!)。たかが自転車なんですけど、一家の主たるアントニオの焦燥が息子ブルーノへの八つ当たりや教会での追いかけっこでヒシヒシと伝わってきます。今の時代から見れば、取るに足らない、大した仕事ではないんだけど、アントニオにとっては、一家を支える、やっと手にした大切な大切な仕事。家族を養う責任を負った人間が観れば、胸につまされる、哀しい映画であることは言うに及びません。現代だったら、「あっ、携帯電話なくしちゃった!どうしよう…」って騒ぐところですね。違った見方をすれば、”文明の利器に振り回されること”がこの映画で訴えたかったテーマなのかもしれません。 |
59.父と子を描いた映画は数あれど、これほどまでに切ない気持ちにさせられた映画はなかった。とにかく暗い。ひたすら暗いんです。しかし、そんな暗い中に見え隠れする親子の絆、痛い程、胸に染みる。イタリア映画てなんでこんなにも切ない映画を撮るんだろう?そこにあるのはイタリアという国を表しているからだろう!イタリアの美しい町並み、人間的な心、これが本当のイタリアリアリズムなんだろう!本当にどうしようもない程、やるせない気持ちになる映画ではあるけど、いつまでも心に残るそんな映画です。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2005-09-13 22:16:02) (良:1票) |
58.正直言わせてもらえますなら、私は父親のアントニオよりか、息子の必死さに心を痛めてしまいます。しかし悲しい。この親子たちの不幸さに比べりゃさ、自分の悩みや苦労なんて なんてちっぽけなもんなんだ ってつくづく思わされてしまいます。こんなに切羽詰った家族が現実にはいて欲しくはないけども、 【3737】さん 9点(2005-03-09 01:33:06) |
57.《ネタバレ》 う~ん、どうなんだろ? 評論家や歴史家にとってはネオ・レアリスモの傑作中の傑作なんでしょうし、クリアな映像で切り取られた当時のイタリア社会は見応えがありますけど、「面白いか?」と問われれば、私の口からはとても面白いとは言えません。もう、見るに堪えない位に悲惨。生活の糧である自転車の盗難、絶望的な自転車探し、出来心からの自転車泥棒、そして息子の前で取り押さえられる父。肩を落とした親子の後姿で終わる救いの無いラスト・シーンに、この先この一家にはどんな不幸が待っているのだろうと、暗~い気持ちになったもんです、5点献上。 【sayzin】さん 5点(2005-01-11 01:08:56) |
56.貧しさは卑しさしか生まないって孔子も言ってたっけ。どうしようもなくてやった盗みも、スリルを求めてやった万引きも、社会が見ればひとくくりで「犯罪」。一生足を引っ張られる。 |
55.これじゃ、あまりにも悲しすぎやしないか・・・。泣くというより唖然とした。 【夏目】さん 5点(2004-11-23 18:15:53) |
54.自転車がなくては仕事ができない、警察も頼りにできない、そんな状況はあまり身近に感じられないこともあって、切羽詰った感は僕にはあまりよくわからなかった。いい映画だと思う人が多いというのはわかる気がするけれど、合う人とそうでもない人がいるのだろう。 【HK】さん 7点(2004-11-15 00:42:53) |
53.題名そのままの作品。結局、誰かが我慢せねば解決出来ませんな。また、この展開で1時間半は長いよ・・・ 【ボバン】さん 4点(2004-11-05 23:49:44) |
52.《ネタバレ》 親父っ逃げろーっ、振り切れーっ・・・あああ(滝涙)。でも、あそこで終わってるからこそ・・・いいほうにも悪いほうにも転がるかもしれない、そう思わせてくれました。いいラストです。 【ジマイマ】さん 7点(2004-10-19 15:00:12) |
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51.流石に生活苦で泥棒という時代ではないが、「生きてりゃなんとかなるさ」と強がってみても、自分の給料や稼ぎの勘定をしてしまい、明日以降の生活について考えてしまう庶民感覚は不変ですね。 |
50.観始めた時から悲しい気分になった。観終った後はかなり落ち込んだ。 【ゆきむら】さん 7点(2004-10-15 06:43:02) |
49.あたしゃ、いわゆる「にわか」映画ファンなので、ネオ・レアリスモとかそーゆーのは分からん。分からんが、自転車を盗まれた者の気持ちは痛いくらい、それこそ「リアル」に、分かりすぎるくらい分かるぞ!自転車があればスイスイと走れた筈の道のりをトボトボと帰る惨めさ、自転車に乗る人々や街並を眺めながら「ああ、俺の自転車が盗まれた所で、世の中には何にも関係がないんだ・・・」と孤独感に苛まれ、怒りと絶望に包まれる感覚・・・大体、この作品のような、誰もが皆貧しく、生きていくのが精一杯という時代ならともかく、現代の日本において「ちょっと歩くのが面倒だから」とかいう理由で人の自転車を盗むなんてむしろ言語道断!窃盗罪なんて生ぬるい、いっそのこと死け・・・・・・え?論点が、ズレてる?・・・・・・スミマセン。 で、話を戻すと、子供の居ない僕にもこのお父さんの悲しさ、そして息子の健気さがヒシヒシと伝わってきて、とってもやるせない気持ちになりました。途中ブチ切れたお父さんが息子を邪険に扱って、でもすぐ後に後悔して探し回る所とか、皆さんが指摘されているラストで息子が父親にすがるシーンとか、いいやねえ。 【ぐるぐる】さん 9点(2004-08-26 19:48:21) (笑:1票) |
48.痛い。とても痛い。映像の古さは全く気になりませんでした。ただ映画でこれを見せる必要があるのかどうかは実は疑問、リアルすぎて。いっそノンフィクションの方が気楽に観れるかもしれない種類の話。といってもラストの切なさは作り物だから見ていられたのかもしれない。 【PLANET】さん 7点(2004-06-14 11:31:28) |
47.当時の時代背景を知らなくとも、その過酷さがビシッ!ビシッ!と伝わってくる作品。 自転車一台が死活問題に左右する時代だったのだ。 悲しい話です。名作に乾杯! 【あむ】さん 9点(2004-06-13 22:04:21) |
46.この作品から感じるものはいくつもあった。占いをくだらないと 言ったアントニオも最後は神頼みをして、天にも祈る思いというか、 窮地に追い込まれたときの人の心境の変化というのが濃く描かれていた 。そして、憎んでいたはずの自転車泥棒にまで手を出してしまう、 悲しさや虚しさも伝わってきた。作品自体の完成度の高さに驚きです。 ですが全てを通してのストーリーがあまりに暗くて、観賞後の後味 が正直あまり良くなかったのが残念。。。 【ボビー】さん 7点(2004-05-08 23:20:06) |
45.だからなにを言いたいんでしょうか、この映画は? 私は文学など解さない粗忽者なので…この点数しか差し上げられません。 【K】さん 0点(2004-04-24 14:50:20) |
44.実際に見るまで、あらすじだけを聞きかじっていた僕は「たかだか自転車を盗まれた事だけで、どうやって1本の映画に出来るんだろう」とたかをくくっていました。ゴメンナサイ。実にいい映画でした。つい数十年前まではイタリアも日本も、その他の多くの国も、こんな社会だったんですよね。あと子供が十字を切るシーンはなんとも微笑ましいです。 【flyhigh】さん 9点(2004-04-17 21:56:22) |
43.《ネタバレ》 見た後落ち込む、という予備知識を持って見ましたが、それほどではなかった。むしろ理不尽な社会に対する怒りや絶望をこんな昔から分かってくれてた人がいたんだ、と癒された。盗もうかやめようかを葛藤する終盤の演技が秀逸。 【ラーション】さん 8点(2004-02-27 21:48:17) |
42.こういう気分は誰しも味わったことがあるんじゃないかな。どうにかしたくてもどうにもならないこと。そういうことって結構ありますよね。夢を捨てたり、試験に落ちたり、とか。そういう人間の苦い感情をありのまま映像化したことがすごい。大抵の主人公がハンサムなやつ、正義の味方、天才君などだが、これは落ち込んだ人間に焦点を当てた素晴らしい映画。でもまあ、「雨のち晴れ」を信じましょう。 |