28.《ネタバレ》 改めてロバート・ゼメキスの映画作りの上手さを思い知らされる。 ゼメキスの素晴らしいところは、すべてきっちりと画で説明するところで、 役者もそういう芝居をしなければならないし、 そういうものが撮らえられている映画は、やはり問答無用で面白いのだ。 冒頭からの墜落シーンのカット割や編集が卓越され過ぎていて、もう参った。 そして墜落の瞬間を客観で見せる上手さ。 墜落している瞬間の同時進行の中では決して見せない。 テレビの中、結婚式だかをやっていた誰かが偶然撮影した映像、 そして何よりもあのタイミングだということだ。 墜落の瞬間を、その飛行機を操縦していたパイロットが見るのと、 時を同じくして観客も初めて見る、そこに大きな意味がある。 冒頭も女のケツをやたらと舐め回すようなショットを撮り続けているわけだが、 それだって最後の最後でのデンゼル・ワシントンの決断への伏線であり、 冒頭の女の印象を強く残すことでの、あの決断なわけである。 ああ、そしてホテルでの酒の小瓶を手にする瞬間のハイスピード撮影の上手さよ。 置く、小瓶、そして手が入る、取ってフレームアウト、このワンカットのサスペンス。 なんて素晴らしいのだろうか。 飛行機の墜落と人生の墜落、勿論あの薬物中毒の女のことも含まれているわけだ。 一機の旅客機を不時着させた男は、二度と飛ぶことは許されないわけだが、 人生における新たなフライトが始まるストップモーション。 今は亡きトニー・スコットとの作品といい、デンゼル・ワシントンには、 ストップモーションでの終幕が本当に良く似合う。 【すぺるま】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-04-29 00:56:35) (良:1票) |
27.《ネタバレ》 英雄か犯罪者かと言われれば彼の場合は「両方」としか言いようがないです。96人を救った英雄である事は確か。(ただし体調万全なら全員救えたかもと言うのはあるけど)。アル中で頭をスッキリさせるためにドラッグまでやって操縦桿を握る行為は犯罪者以外の何者でもないです。それがどっちつかずのあいまいな決着になったのは残念。アメリカってここまでアルコールに甘い国なんですか?アルコールチェックもせずにパイロットが飛行機に乗っていると言う事実に驚愕です。機内販売のウォッカにまで手をつけるようなら遅かれ早かれ大事故を起こしていたでしょう。彼の元恋人がアル中だったと言うのが事実だったかどうかはさておき、子供の命を救った「真の英雄」に罪を着せなかった事だけが唯一評価できる事です。ただそれだけの事で子供とも信頼回復できるなら彼にとっては願ってもない事ではと思えるラストでしたね。個人的には甘さの残るラストに納得がいかなかったです。 それともう一点だけ、せっかくホテルに閉じ込めておきながら冷蔵庫にアルコールを入れとくってどう言う事?これは彼の幻覚かと思ったら本当だったみたいだし、これが一番アンビリーバブルな出来事でしたね。これはいくらなんでもあり得ないでしょ? 【ぴのづか】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-31 16:42:54) (良:1票) |
26.デンゼル・ワシントンがいい。ストーリーは前半おもしろいが、後半はどっちつかずな方向に収束していって物足りない気がします。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-28 21:58:44) |
25.《ネタバレ》 英雄か犯罪者か?これは難しい!!弁護士が言った着陸のシミュレーション結果「パイロット10人中成功者ゼロ」。これが事実であれば、横にいた副操縦士はもちろんのこと、平均的な技術を持つパイロットであれば乗客の全滅は免れなかった。デンゼル・ワシントンは酔っ払い、そしてラリっていたことは確かだが、優れた技術を持つ彼だからこそ96人救えたこともまた事実である。6人を失った、これはフィジカル的に万全であれば救えたかもしれない。その結果が少なくとも5~6年以上の収監となった。法律含め、道徳、倫理、そして結果。難しいですね。 【あるまーぬ】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-03-26 02:15:20) |
24.デンゼル・ワシントンの葛藤を描く脚本は見事だった。(もちろん演技も) しかしラストはどうかな~。ラストがあれだから、アレッ?何言いたかったの?となってしまったんじゃないかなぁ。何でもかんでも結局家族が第一、となってしまうのがハリウッド映画の弱さですね。 【とと】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-24 15:36:27) |
23.映画のタイトルから想像できるストーリーではなく、依存症のお話でした。飛行機がらみの華やかな話を期待していると、地味なストーリーにがっかりするかも。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-03-23 00:05:23) |
22.《ネタバレ》 一言で表現すると「微妙な映画」。 この映画に何を求めるか?で傑作にも駄作にも成り得る作品。 自堕落で救い様の無い人物の更正譚と取るか、アル中患者数が半端無いアメリカ社会の暗部を少々変わった切り口で捕らえた作品と取るか。 私はシンプルに「アカデミー主演男優賞にノミネートされた演技とはどの様なものか?」観たさで観賞したが、この点では大満足だった。 大多数のアメリカ映画に倣い、本作でも宗教がストーリーに少なからず影響を与えている。 飛行機が不時着するのは礼拝場を兼ねた教会の庭で有り、印象的な演技を見せる末期癌患者はその演技のみならず、まるで神様が人間に姿を変えたかの様な絶妙な台詞を残し消えて行き、大怪我をした副操縦士は妻と相当熱心に宗教を追い求めている様だ。 だが、これらの描写が果たして終盤の公聴会に於ける主人公の取った言動・刑務所で他の受刑者に語りかけている内容に繋がって行くかと言うとそうでもなく、中途半端な印象しか受けない。 前述の通り、デンゼル・ワシントンのアル中演技は見事だが、この様なアメリカ国内の航空会社から総スカンを喰らいそうな題材の作品に良く出演したな・・・と言うのが正直な感想。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-03-19 16:44:30) |
21.《ネタバレ》 フライトという言葉の中にライlie「嘘」が入っているなぁ、偶然かな?とか思ってしまいました。そんな嘘と良心がテーマの映画でした。宗教的モチーフ(飛行機での最初の主人公とCAの会話、羽根がぶつかる教会、副操縦士の信仰)をこっそりと配していてあって、でも、主人公は信仰面の描写はほとんどゼロ、だけど、最後は語る、ってどうも中途半端な攻め方でした。わたし的には、嘘をついたままで終わるエンドの方が良かったのではないかな、と要らんことも考えました。ゴッドファーザーPart2 風な栄誉と荒んだ心、みたいなの。ゼメキス監督の良心に合わないのでしょうね。それと、あんなに冷蔵庫にミニチュアボトルあるのか?と、これもまた要らんことですが。 【K-Young】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-17 16:44:54) |
20.《ネタバレ》 この映画を観て得たものは、人間は目が覚める瞬間が来たとき、それに気づきさえしたら、人生をやり直すことが出来るということ。ウィトカーは最初、アルコール依存者の会に参加したとき、せっかくその瞬間がきたのにむしろ逃げた。元恋人に自分の罪をなすりつけるタイミングで、やっと目が覚める。人間はいつどのようにして、神の啓示を受けるかわからない。電気に打たれたように今まで見えていた世界が突然180度違って見えるようになる、などという体験はそうできるものではないけれど、憧れてしまう。実は、自分を変えるネタは見えないだけで、そこらへんに散らばっているのだろう。それを謙虚におしいただいて現状を打破する力に変えていく・・・・・・細かい点でたくさん突っ込みたいところはあるけれど、深い人間賛歌に満ちた作品ではないかと思った。 ところで、「うまくつぶした、あとは君次第だ」と繰り返していたチャーリーとラング弁護士。機長の血中アルコール値をどうやってつぶせたのか、具体的な種明かしはなかったけれど、公聴会のエレンの反応を見て、チャーリーたちが機長の数値を死んだカテリーナのものと交換して報告したとしか思えなくなった。そのとたん、この2人のイメージが最悪に。そうだった、こいつらパイロット組合の連中だった! (まさしく180度の逆さ視点に!) 考えてみたら、この作品中人命をもっとも軽んじていたのは彼らではないのか。「有罪になったら終身刑だ」というのも、彼に飲酒の自白をさせないためのブラフだったのではないかと思う。現にラストで機長本人が刑期は数年間と言っているし。(そこは一応「英雄」なのだから温情措置になったのかも) とにかくすべてのやり方が汚すぎる。公聴会前に酔っ払ったウィトカーに絶句した彼らを見たときはつい同情したが、全くバカバカしい! 【tony】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-03-14 00:24:50) |
19.《ネタバレ》 英雄か、犯罪者か。どちらでもあり、どちらでもない。ただ言えるのは、弱い人間であるということ。現代人には様々な依存症があり、自分がそれであると認める事が治療への第一歩であるという事が言いたいにしても、それを飛行機墜落事故で表現するのは遠回りだったのでは。テーマをストレートに表現しても面白くないからひねったんだろうけど、前半と後半が全く別物のよう。作品全体のテーマがはっきりしない、あるいは誤解を招く結果になってしまうのは致し方ない。デンゼルワシントンの演技は相変わらず素晴らしいのだが。 【ちゃか】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-13 15:30:54) |
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18.《ネタバレ》 非常にキリスト教的価値観に基づいて作られている映画だったと思います。近年でも現代劇でこれだけ劇中に"God"という言葉が頻出する作品って少ないんじゃないでしょうか。この作品の根幹を為すテーマは「贖罪」だと思います。但し、主人公は熱心な(熱心過ぎてちょっと怖い)キリスト教徒の副操縦士を見舞った際に露骨にイヤーな顔をしていたり、ところどころで「神なんかいない」という旨の発言を繰り返したり明らかに無神論者です。少なくとも熱心なキリスト教徒ではない。そんな彼が最後の最後に罪の意識を告白して、罪を精算し、富も失い、人間的にも立派な男になりましたってオチをつけるんですから、物凄く乱暴な物語と言えると思います。非常に感動的ではありましたが。その辺りは別に私は特にキリスト教を信仰していないので非常に乗りづらかったです。 あと視覚的にもストーリー的にもキリスト教の話と意識させるように作られています。飛行機の墜落時にペンテコステ派の教会を破壊し、主人公は事故を経て一度は禁酒を決心する所などは特に分かり易い。共に暮らすウィップとニコールは楽園を追い出され罪を背負うこととなったアダムとイヴの明らかなメタファーでしょう。 まあそんなことは置いといても、クライマックスの泥酔状態となったウィップを素面に戻すトリックには劇場内は爆笑でしたし、序盤の飛行が墜落するか否かのド迫力のアクションはポール・グリーングラスの『ユナイテッド93』に匹敵するスリルでしたし、大変面白かった映画であることは確かと思います。なんかホント全てが丁寧ですよね、巨匠の仕事って感じ。この期にロバート・ゼメキスには是非とも実写の世界に戻ってきて欲しいと思います。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-03-13 06:52:46) (良:1票) |
17.《ネタバレ》 事前情報はトレーラーのみ、法廷ものミステリーかなと思っていましたら違いまして、アルコール依存症の人の話で、たまたまパイロットで困難な状況を切り抜けただけなんですね。。。と簡単に言っていいかどうかわかりません。大舞台で告白して何となくハッピーエンド風味ではあるけど依存症と事故との関連性や判定がイマイチはっきりしないのですっきりしませんね、本作は実話と思っていたので調べてみたら違うみたいです、機種が下がるトラブルを元ネタとして使っただけで、実際には墜落して乗務員、乗客全員が犠牲になったとのことです。 印象に残っているのは癌患者と3人の会話シーンで、全てを物語っている気がしました。 【ないとれいん】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-12 10:45:35) |
16.《ネタバレ》 ゼメキスの作品は好きなものが多く、期待しすぎていたのか、わりとガッカリでした。「あなたの意見は?」と求められて「ん~、わかんない!」と答えるのは誉められないお国だからなのか、「I don't know」と答える選択肢が頭の中に微塵もないかのようなクライマックスの狼狽ぶりに、僕の頭の中は「?」で一杯になりました。酒飲みまくって充分眠らず目覚ましにドラッグという主人公が悔い改め、そういう態度で人命預かる仕事に臨んだことについて罰せられてもいいですが、事故の責任の所在は別なんじゃないかという思いで、観た感想は釈然としません。「それはそれ、これはこれ」って考えはないのですかね? 尾翼の交換を怠った問題は触れられたけれど、「誰のせいで事故が起きた?」という点において明確なオチに至らず、主人公が責任のなすり合い合戦の犠牲になったようにしか感じられませんでした。ラストも、息子の態度の変わり様のわけが分からず、とって付けたハッピーエンドにしか見えなくて、ちょっとシラけてしまいました。結局、お酒とかドラッグに対する依存の話しで、軸がブレまくり。脚本に説得力がないと思います。ジョン・グッドマンが良かったです。 【だみお】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-03-08 19:54:44) (良:1票) |
15.《ネタバレ》 飛行機のトラブルから墜落までの展開は、観てるこっちもキンタマがヒュンッ!となります。凄い臨場感。 しかし、事件後にヒロインと共同生活を始めるあたりで、調査状況の進行が止まってしまい、そこは退屈。女優さんがキレイだからなんとか観ていられました。 後半からは、無駄にスリリングなアル中描写。そして二日酔いをごまかすために薬をキメるという衝撃の展開。なぜかこの辺だけコメディになるのは笑えました。 「英雄か?犯罪者か?」というキャッチコピーだったけれど、映画自体は、そういう二元論で答えが出るもではありませんでした。「英雄と呼ばれてる人だって、こういう面はあるよ」というところを色んな切り口で描いていると思います。現実に存在する歴史上の英雄や偉人だって、360度清廉潔白、なんてことはあり得ないわけですから。彼は英雄だ!と思っていたのに、別の面を見て裏切られた!と手のひらを返すのはおかしい。 主人公ばかりが注目された事件ですが、公聴会の最後に「乗客を救ったもう一人の英雄」を思い出すことができて、本当に良かったです。 【ゆうろう】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-03-07 23:45:39) |
14.《ネタバレ》 副操縦士の病室でのシーンから怪しさがだんだん出てきて、どういうオチにするのかと思ってたら「いい人」になっちゃうんだもん。「神の御心」振りかざされても困る。私、キリスト教は受け入れられないので… 背面飛行をやった理由が曖昧すぎて腑に落ちませんでした。さてさて、流れるオヤジなロック、ソウル、ブルースが力一杯ベタなのには笑ったなぁ。ストーンズ、トラフィック、マーヴィン・ゲイ、ジョン・リー・フッカーなどの超代表曲使ったのはゼメキスの趣味かな。AE86の勇姿見れたのもよかったね(トヨタの言う「リフトバック」なハッチバックが開閉するところも映ってたし)。そうそう、冒頭のシーンで「トリーナ」って呼んだからって、その後の字幕をすべてトリーナにするのは変じゃない? 台詞はちゃんとカトリーナって言ってんだから。 【shintax】さん [映画館(字幕)] 6点(2013-03-07 21:12:16) |
13.《ネタバレ》 最後の公聴会の場面、亡くなった機長の恋人の笑顔の写真が大きなスクリーンに映し出された瞬間、これは罠なのでは?と感じました。彼女もアルコール依存だったという情報は委員会の報告だから事実でしょう。機長にとっては酒を飲んだという事実を彼女のせいに出来る、またとない筋書きを描けるチャンスでした。でも彼はそうしなかった。「酒を飲んだのは自分だ。」と…。安全委員会のスゴ腕の調査員が、機長のアルコール依存(元妻や父を嫌っている息子に尋ねればすぐに分かる)やカテリーナとの関係など、少なからず突き止められないはずがない。調査員エレン・ブロックは機長の良心に揺さぶりをかけたのだと思います。それは彼女の表情から感じ取れる。この事故が機体の故障である事は明らか。誰も成し得ない操縦技術で、乗客のほとんどを救った判断と功績。その事実を踏まえた上で誰かが酒を飲んでいた事実を突き止めなければならない、調査員としての仕事。その葛藤がメリッサ・レオ扮するエレンの表情から滲み出ていました。彼女の演技こそ助演に相応しいと感じました。機長の人柄はOPからご丁寧に分かり易く伝えられています。そして公聴会当日に晒した醜態。彼はとても弱い人間です。「おれは酒を選んだ。」と自分でも認めている。でも、人として『大事』でありながら『基本』でもある「何か」、人を想う気持ちは失ってはいなかった。いや、「あった」と言う方が適切です。それは愛した女性だからだ、とは決して言えないと思う。彼女のした事、乗客を救う事を怠らなかった勇気と行動を知っていたら、そうは言えないはずです。病気やガンを神の行い、運命だと受け入れる事は開き直りか、その方が楽だからだとは思います。でもそれは「逃げ」でしかない。神にすがる人間も弱い。機長は逃げなかった。現実を受け入れた。刑務所で面会に訪れた息子と笑顔で抱き合う彼の姿を見て思いました。人は弱い生き物です。だからある人には普通に生きる事の難しさを、またある人には普通に生きる事の素晴らしさを教えてくれる映画であると。 【miki】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-03-07 16:47:48) (良:2票) |
12.《ネタバレ》 とんでもない技術の持ち主で、人々の命を救ったことが明白なのに、とんでもないクズ野郎でたくさんの法規違反を犯していた男。さて、この人どうしたものか?という映画だと思っていた。 途中までは。 確か予告編では「英雄か犯罪者か?」的なこと言ってたし、ポスターにもそんな事が書かれていたはず。だけど、物語の主眼がだんだんと彼のアル中の話に移っていて、「罪には問われるけれど、正直に生きることに決めました!息子もそんな自分を認め始めてくれていますっ!」で終わられても、こっちはスッキリしない。 飲んでいたことを認めても、部品故障は明白な事実だし、他の誰でさえこの事故で機を着陸できた人は居ないのだから。 この大きなジレンマに対して、飲んでいたらダメ!って画一的な決めつけで終わっちゃうのが、残念だ。 結局自分は、こういう事が起こり、こういう人が現れた時の、周りの人たちのドラマを期待していたのだ。 ある意味、執拗に機長のアル中事情を描写する映画の視点が、彼がアルコールを呑んだのかどうか、しか問題にしていない調査委員会の対応と共に、その答えなのかもしてないが、そういう事じゃないんだよなあ。 【Tolbie】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-03-05 22:30:07) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 英雄か犯罪者か…って思いっきり犯罪者でしょ。主人公がクズ過ぎて同情の余地が一切ありませんでした。みなさんレビューされていますが、テッドと言い本作と言い、アメリカでは飲酒運転も薬も本当にこんなにもフリーなんでしょうか?服薬常用者が増えそうで不安になります。 【Kの紅茶】さん [映画館(字幕)] 5点(2013-03-05 21:04:27) (良:1票) |
10.《ネタバレ》 『清廉潔白有能機長が誰かの不祥事のせいで容疑者に仕立て上げられ、皆で無実を勝ち取るドラマ』と思っていた私の予想は開始5分で見事に裏切られ、序盤からショッキング。これは『ゼメキスやワシントン』と言う集客要素を信じ、そういう風に見せる予告でミスリードするよう仕掛けた広報の度胸をまず評価。 内容は『アル中主人公が災難に会いながら立ち直る』と言った偉くこじんまりとしたものだが、タイトルになっている飛行機事故が映画と言う短い尺で主人公が更正するための切っ掛けや出会いをもたらしつつ、話がきっちり映画的に盛り上がるよう『登場人物と視聴者』どちらにも対応したカンフル剤としてしっかり機能していた。 主人公の設定も『英雄だが駄目人間』と言う何とも歯がゆい性格で、彼は悪くはないのだが、散々見せられる横柄な態度に『痛い目に会っちまえ』と思わせてきます。しかし、そんなダメ人間であると同時に百人近い命を救った英雄でもある。 終始淡々と話は進みながらも、同僚の死に涙したり酒を断とうと努力したりと、客が主人公に対し一線以上の不快感を与えないような演出のため、『黒なのか白なのか』だけではなく『黒になっちまえ、でもそれじゃ可哀そうだしかと言って白でもすっきりしない、どっちに転ぶのかな?』と、結末に対する視聴者の希望と期待をムズムズ刺激してきます。 そして終盤『よっしゃやっぱそう簡単に人は変われないな(笑)。あれ?え?そんな手アリ!?なんだよこのオチは?え?え?まだ続くの?ええっ!!』と二転三転し、『黒か白か』どちらかしかないと思っていたオチも、黒でも白でもグレーでもなく『黒だが白』と絶妙な着地を見せてくれました。 デンゼルワシントンの演技も、一般平均以下の英語力しかない私にも分かるようなたどたどしい喋り方で『横暴ヘタレな優秀パイロット』をキッチリ魅せてくれるあたり流石だった。 2時間近くあんだけ大嫌いだった主人公が最後の最後に見せた英断で一気に大好きになりました。体は自由だが心が窮屈そうに見えた彼が、体が窮屈になった代わりに心が自由になったシーンが実に印象的だった。 【ムラン】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-03-04 16:55:22) (良:3票) |
9.《ネタバレ》 冒頭のスペクタクルシーンにまず目を奪われる。これは、エンターテインメント映画を数多く撮ってきたゼメキス監督ならではのバランス感覚の良さで、クライマックスへ到る伏線としても重要なポイント。予告編を観た限りでは、デンゼル機長の「黒か白か?」を巡るサスペンスドラマをイメージしてしまうが、ファーストシーンから酒を呑んでコカインでキメてるんだから、そりゃもう100%「黒」で間違いない。事故後も品行方正とは言えない言動の数々で、どうしようもないクズ野郎であるのは明白だが、その一方で、100名もの人命を救った英雄であるのもまた事実。果たしてその結末は、いかにも映画的なフィクション(作り物)なのだが、薬物中毒の女性や癌患者との対話から浮かび上がるデンゼル機長の「心の闇」、拡大解釈すれば「アメリカの闇」は、作り物では終わらない説得力がある。 【フライボーイ】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-03-03 19:56:38) |