7.勢いに乗っている監督ならではの、”熱気”を感じさせてくれます。何より主演女優それぞれに存分な芝居をさせ、それを1本の作品に束ねていくあたりの手腕こそ、平山監督の真骨頂。女たちによるハードボイルドとして、個人的には『愛を乞うひと』よりも好きだな。ただ、佐竹のキャラクターだけは、あまりに薄っぺらなのではないでしょうか。一種の”ターミネーター”に仕立てたかったにしても、もうちょっとこの悪党の背景を描き込んでほしかった。間寛平がガンバってたんで、余計に惜しいです。 【やましんの巻】さん 8点(2003-06-11 17:39:43) (良:1票) |
6.原作は読んでいないがテレビドラマで見たものと少し比較してしまった。いい女優さん勢ぞろいに助けられている映画のような気もする。佐竹の不気味さがもう少し欲しかった。家庭崩壊・老人介護・DV・ローン地獄・個々のキャラクターの苦しみや虚しさももう少し描いてほしかった気もする。 【クラリス】さん 5点(2003-06-11 10:10:38) |
5.ごく普通の日々の暮らしに希望もない主婦達が、ちょっとしたことから望みもしない非日常的な世界へと足を踏み入れていく。本来であれば誰もが避けるような出来事の中で彼女達の中の狂気が覚醒していく。みな日常の中で鬱々とした日々を暮らしていたが、現実離れした狂気の中で女として人間としての生きがいを感じていく。後戻りの出来ない逃避行でありながら明確な目標をもち、生きる喜びを感じている彼女達。生きがいとは何なんでしょう。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2003-05-27 01:28:45) |
4.主婦感覚の行動や道具で死体損壊・遺棄という犯罪に手を染めていく。深刻にならない主婦の図々しさを会話にユーモアを交えてこう生かすか。前半はTVと同じくらい引き込まれました。しかし後半は行き当たりバッタリの展開で、サスペンスからいつのまにか短絡的行動を追う安いストーリーになってました。佐竹に追われる緊迫感をないがしろにしたのは実に残念。4人の個性はよく出ていて、女優も良い演技をしていたので惜しかった。もっと面白くなる題材。 【チューン】さん 6点(2003-05-26 14:35:35) |
3.原作とは別物と考えた方がいい。あの世界が好きな人には主人公がかなりフツーに見える。おそらくは人間観察の専門家たる監督はそんな事百も承知で変更しているのでしょう。狙いは多分、そこ。この「OUT軽快版」とウマが合うかどうか。しかしなぁ・・・いくらワザと変えてるにしても臓器や肉片やらでグチャグチャになっちゃう「死体の解体」を罪悪感ゼロとまではいかないけれど、罪の意識20%25ぐらいの女性たちに仕立て上げてはあまりにアッケラカンとし過ぎの感が。人間ってホントにあんなふうでいられる?原田美枝子と賠償美津子の芝居勝負としては面白いけれど、室井滋は実力のキャパ半分くらいでおとなしめだし、何より原作での「雅子VS佐竹」の分かり合ってるOUT者同士の対決が見られなかったのは残念。もしかしたら「OUT」という題名の解釈は原作からもOUTしてるって意味か?(笑)佐竹は寛平ちゃんより香川照之(この人、すげぇウマイよね!)がやってもよかったハズ。 |
2.淡々とした怖さは原作と同じくらい表現されていたと思います。原作読んでから観ちゃったので、個人的にリアリィティを感じたちょっとしたエピソードが抜けていて、それが残念だったかな?映画だから仕方ないですが^^;観ている間に、殺人を犯すことよりもそれがばれてしまうことの方が恐ろしい…という気持ちにさせられるあたり、やはりうまいなあw 【へっぽこ】さん 8点(2003-05-12 17:26:54) |
1.俳優の演技力が作品の出来を左右するものだと、つくづく痛感させられる。「OUT」とはまさにそんな作品だ。その見事なまでのキャラクターの創造性と四者四様のキャスティングの妙。そして監督の要求に的確に応える女優陣たちの凄いこと。映画は殺人を犯してしまった、コトの重大ささや悲壮感などよりも、むしろ一線を超えた事が決して特別なことではなく、極めて日常的な事として描かれていく点が面白い。彼女らが、まるで弁当を作る手際のよさで、流れ作業的に死体の処理をしてしまうシーンが、何ともユーモラスに描かれていく。金に細かく、個々に悩みを抱えて、今、まさに生きている女たちが、ひとたび連帯感(実に奇妙な)を持つと、かくも強くなれるのかという感覚を巧みに演出した平山秀幸監督の手腕は、さすがにソツが無い。とりわけ、密談の際の無菌室の使い方や、ドアスコープから見える室井滋の様々な表情などは原作では語りきれない、まさに映画ならではのもの。 【ドラえもん】さん 8点(2002-12-25 16:33:03) (良:1票) |