32.《ネタバレ》 観る前からそんな予感がしていたのだけど、戦闘シーンはかなり短くて、
大部分はドラマシーンだった。
正直この映画の哲学的な部分に期待して観に行ったわけではなかったので、
ドラマシーンはいくぶん冗長に感じた。
戦闘シーンは、かっこよかった。戦闘機や爆撃機はかっこいいし、
脱出したパイロットが弾に当たって粉微塵になったり、
爆撃機の爆発で巻き添え食らった間抜けな機があったりと、
戦場の有無を言わさぬ非情さが表現されている気がした。
しかし時間が短かすぎで、ほとんどドラマのオマケのよう。
戦車とか歩兵とか、陸戦の描写はまったくなかったな。
電波女・水素が言っていた、生きている実感が何とかというのは、
自分より不幸な人間がいることを知らないと、自分が幸福であることを実感できないと
いうことだろうか。人の幸不幸は周囲の者と比べた相対的なものだと。
あるいは健康のありがたみは不健康になった者にしかわからない、みたいなものか。
子供のまま大人にならない、という言葉に対しては、観た者それぞれが
自身の未熟な部分を投影するのではないかと思います。
結局ティーチャーに立ち向かった優一は、
ティーチャーの反則のごとき強さに触れ、儚くも散ります。でEND。
続編出るのかな、この中途半端なラストは。
まぁアンハッピーエンドもいんですけども、その後、
エンドロールの後に重要なエピソードを入れるというのは、
洒落にしても度を越しているのではないか。
あと喫煙シーンが多く、喫煙に対して否定的な表現がなかったことも、
かなり反社会的で見過ごせない。子供も観るかもしれないのに、これはだめだろ。
国産映画なのになぜか英語で会話してるシーンがあったけど、
その意図するところはよくわからなかった。