36.《ネタバレ》 約8ヶ月ぶりに観賞。社会ドラマとスポコンの見事な融合。弱小チームだったラグビー南アフリカ代表チームが地元開催のW杯でよもやの快進撃、彼らを応援することで国がひとつになっていく。決勝では熱気が最高潮。延長戦に及ぶ激戦を制して優勝。イーストウッド監督作品の淡々としたイメージを覆すいつになくアグレッシブで爽快な結末でした。この最高のラストへ持っていくプロセスとなる物語の盛り上げ方が素晴らしかったです。演技派モーガン・フリーマン、マンデラ大統領にピッタリハマっていたと思います。今年有数の傑作。 【獅子-平常心】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-03-31 19:27:37) |
35.《ネタバレ》 最後の試合のシーンは圧巻だった。また、全編から伝わってくるマンデラの崇高な精神に感動した。マンデラのラグビーを通して南アフリカを立て直していくという方策に、マンデラに感化されたラグビーチームのリーダーMatt Damonが全力を投入する。その強い意思がチームメイトにも次第に伝播し、最終的に勝利へ導びかれるという話。それはバラバラだった南アフリカの国民たちがこれを契機に大きく寄り添うことができたということも示唆している。マンデラは家族との間には軋轢があったようだが、彼を取り巻くすべての人が彼のその気高い精神に圧倒されていた。この映画でもっとも心に突き刺さったのは「I am the master of my fate. I am the captain of my soul.」というマンデラの言葉。途中の監獄のシーンに出てきたが、最後にも再び登場した。これが彼の強く揺るぎのない生き方を支えている信念なのだ。打ちのめされた。ちなみに、「マンデラの名もなき看守」をつい先日に観ていたので理解に役立った。こちらも観ておくとより堪能できるのでお薦め。 【にゅ~】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-03-31 08:27:33) |
34.派手な演出はないのにこみ上げる熱い思いと涙、さすがクリント・イーストウッドです。主演2人の落ち着いた演技は映画のテーマにぴったり。実話であるかどうか、南アフリカという人種差別の国が舞台であるかどうかは関係なく、人と人とのつながりや、信念とは何たるかを自分自身で考えさせてくれる良作です。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-03-29 22:04:43) |
33.同じ監督であっても作品によって人物描写の濃淡がここまで違いますか、とガッカリ。役者もまた同様。かつて「ドライビングミスディジー」ではただフリーマンがほほ笑むだけでジーンと涙線がゆるんだものだが・・。 【おばちゃん】さん [映画館(字幕)] 5点(2010-03-26 14:30:45) |
《改行表示》32.《ネタバレ》 私は映画作りに関する専門家では無いので、一本の映画がどの様な製作過程を経て世に出るのか詳しくは知らないのだが、本作を観ながら「これは映画作りの教則本・教材の様な作品なのでは?」という事を強く感じた。 とにかく、全てのシーン・構図・カット割り・場面と場面の繋ぎ方 等々に於いて『淀み』が無い。 上手く例えられずもどかしいのだが、撮影に入る前の段階から監督の頭の中には全シーンが完璧に組み立てられており、且つ それをどうすれば思い通りの映像に出来るか具体的な方法まで把握仕切っているかの様な印象を強く受けた。 物語自体はスポーツを題材とした作品にしては淡々と進みすぎる感は有るが、実際に数十年間も人種差別の標的となり収監されていた人の人生がバックボーンとなっているので大変重みが有る。 数十年も監獄の中で理性を失わず高い意識を持ち、最終的には自分をその様な状態に陥れた人々をも赦す度量の有る人物が発する「私は私の人生の支配者」という言葉は胸に迫る。 アカデミー賞に相応しいか否かは議論出来る立場に無いが、見て損はしない良作と言えよう。 【たくわん】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-03-23 17:27:13) (良:1票) |
31.事実は小説より奇なり。何の苦労も盛り上がりもなくそのまま優勝。アパルトヘイトも実感わかず。 【Q兵衛】さん [映画館(字幕)] 5点(2010-03-23 08:04:35) |
30.《ネタバレ》 前半ラグビーチームに対する踏み込んだ説明がほとんど無いため、南アフリカとマンデラ大統領中心の話なのかと思いきや、後半はラグビー一色。特に決勝戦の長いこと長いこと。このあたりはどっちつかずでバランスが悪い。また、南アフリカチームが前半はかなり弱小に描かれているが、後半で大きな理由も無いままいきなり優勝してしまうのもどんなもんかと(実際は元々そんなに弱いチームではなかったようですね)。普通に面白い作品ではあるが、イーストウッドならではの強烈なインパクトは無くもの足りなさを感じたため、点数は抑え目になってしまいました。 【ふじも】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-03-18 12:26:34) (良:1票) |
《改行表示》29.信頼のイーストウッド印はまだまだ健在!ベタでベタでどうしようもないくらいにベタなんだけど根底にある漠然とした「優しさ」のためか、伝えたいことがしっかりしているせいか、揺らぎのない、どっしりとした感動作に仕上がっております。 あと、マッド・デイモンはいい役者ですね。 【bolody】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-03-13 20:09:17) (良:1票) |
28.《ネタバレ》 確かに30年も牢獄に居て政治的バランス感覚を保てたマンデラ氏の精神力って超人的にすごいと思う。でも結局それだけの映画かな。実際あの時の試合はリアルタイムで見ましたけど、ロムー不発だし微妙に退屈な試合だった印象で。あと、あんときの南アフリカって普通にワラビーズの次くらいの優勝候補だった気が。少なくともオールブラックスよりは前評判高かった気がしますね。ま、そのオールブラックスに桜のジャージが145点取られた試合も生で見たんですけどね。 【ジェフゆないてっど】さん [映画館(字幕)] 5点(2010-03-09 20:40:10) |
《改行表示》27.フランソワ(マット・デイモン)との初対面の場面で、マンデラ(モーガン・フリーマン)が「逆光は苦手だ」と白い窓外を背にするが、作品自体もバックライトは控えめで、全般的に柔らかい順光主体の照明設計が窺える。スプリングボクス否定派が占めるスポーツ評議会の会場玄関に大統領が登場するショットも、一瞬『ダーティ・ハリー4』でのシルエットのような外連味を期待してしまうのだが、そこでもマンデラには順光を当てる配慮が為され、その姿に暗い陰影が落とされることはない。従来の、特徴的な光と闇のきついコントラストはスタジアム会場通路や夜明け前の散歩場面で印象的に用いられる以外、できる限り抑制されている風に見えるのは、モデルへの賞賛と作品がもつ「融和」というポジティブな主題から来るものと理解した。陽性のカメラは、チームが黒人地区で子供たちにPR活動を行う場面では彼らと共に楽しげに動き回りもする。その連帯感に満ちた軽快なカメラワークも素敵だ。視覚効果の技術・用法も相変わらず素晴らしい。エンドロールに載る多数のCGスタッフが最も注力しただろうクライマックスのスタジアムの大群衆などは実景そのもので、まるで違和感がない。適材適所の効果的なCGあってこそ伸びやかなカメラワークが活き、極上のスペクタクルになっている。 【ユーカラ】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-03-07 17:34:13) |
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26.スポ根は大好きなので、試合のシーンなどは目が釘付けでした。ですが、映画としては薄味のような気がします。国を一つにまとめよう、国民を団結させよう、という熱い想いは伝わりますが、個々の登場人物の絆が深められたようには思えないのです。「偉大なマンデラ」ありきで、マンデラに感銘を受けたラグビー選手がいる。そんな風にしか思えませんでした。それならば、M・デイモンを主役にした物語の方が、よほど面白くなりそうな気がします。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-03-05 23:01:28) |
《改行表示》25.《ネタバレ》 良い映画である、それについては否定しにくい。しかし、好みの問題もあるが、ややあっさりとしすぎているという印象も拭えないところはある。自分がラグビー、南アフリカ、マンデラにほとんど関心がないという理由もあるだろうが、心に熱いものをそれほど感じなかったということも言えなくはない。ただ、実話モノでもあり、あまり感情を込めて描くとやや支障や批判を受ける可能性もあるので、ある程度は客観的な視点に立たざるを得なかったのかという気もする。また、あまり押し付けがましいものはイーストウッドが好まないのだろう。鑑賞する者に様々な判断を委ねているのはイーストウッドならではの余裕か。 一本の道を境にしてラグビーをプレイする“白人”とサッカーをプレイする“黒人”を二つに分けて、その間をマンデラの車が走り抜けるという冒頭のシーンが非常に印象的だ。このシーンだけでほとんどのことを語り尽くしている。イーストウッドはさらに分かりやすくするために、SPに関しても白人チームと黒人チームを分けていき、対抗軸を構築している。徐々に白人と黒人が混ざり合っていく仮定を“マンデラ”を象徴的に描きながら、最後には共に“勝利”という気持ちを共有し、一つの国家としてまとまるほどに盛り上げていっている。熟練された演出は磐石と言わざるを得ない計算されたものとなっている。 また、“赦す”というキーワードは現在にも通じることだ。昨今のアメリカを巡る紛争や解決の見通しの立たない民族対立などのワールドワイドのことから、我々が属する小さなサークル・社会にまで当てはまる。人間の集まりである以上、“対立”が生じることは防ぎようがないが、“憎しみ”からは新たな“対立”しか産まない。“赦す”というシンプルだが、難しいことを一つの解決策として提示している。何十年も牢獄に入れられたマンデラが出来たことなのだから、我々にも出来るはずだというメッセージだろうか。マンデラ同様にイーストウッド自身も“過去”ではなくて“未来”を見続けているような気がしてならない。 さらに冬季オリンピック及びサッカーワールドカップイヤーという時期にふさわしい映画となっている。本作やオリンピックを見ていると、やはりスポーツは多くの人をまとめるチカラを持っているものだと改めて感じさせる。 ややドライな感情をもつ日本人にとっては、こういった感情こそ必要なのかもしれない。 【六本木ソルジャー】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-03-01 21:49:52) (良:1票) |
24.《ネタバレ》 ★たとえ政治利用の打算は当然あったとしても、あれだけ国民の心を動かし、しかも日本の○○劇場のようにインパクトだけの言葉、自己満であとは屍ばかり残された改革じゃなく、ちゃんと信念と深い人間愛のある言葉を用い、実のある変革をやってのけたマンデラ、おそるべしである。 ★映画はいつものイーストウッド節で、しかしあまり暗いものではなく安心して見ていられた。モーガン・フリーマンとマット・デイモンの二人が直接やりとりするシーンの細やかな心情がいい。 ★ただ、映画のせいではないんだけど、クライマックスとエンディングに流れるあの曲、どうしても平原綾香のあれにかぶっちゃって「軽う~・・・」と思ってしまって・・・ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。映画のせいじゃないんですよ。 ★あと日本、弱・・・(哀) 【wagasi】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-03-01 00:25:51) |
23.実話を無難に上手にまとめており、見応えもあって素直に感動しました。スポーツっていいもんですね! 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-02-26 20:03:18) |
《改行表示》22.《ネタバレ》 久しぶりに死の影をほとんど感じさせないクリント・イーストウッドの映画であったわけだが、彼の映画における「幽霊」という存在はこの映画でも健在であった。マット・デイモン演じるフランソワが皆を引き連れてロベン島に行くが、そのときに独居房や採掘上に現れるモーガン・フリーマン演じるマンデラは、生きる魂、正に生霊的である。そう、肉体を魅せるのではなく、魂を描くことこそがイーストウッドの映画なのだ。 冒頭、黒と白という二項対立構図を一本の道を挟んだだけの俯瞰ショットで描き、その黒と白は徐々に混ざり合っていくのだが、それが決して図式的に陥らず(肉体ではなく魂を描くからこそ図式的に成らない)、さも現実的であるかのように描き切ること、それもまたやはりイーストウッドである。しかし実際、全く現実的とは思えない。例えば、過労で倒れるマンデラや負傷してしまったチェスターが、何のきっかけもなく突如として全快してしまうという全く真実味を感じさせない流れ。しかしその流れに何も違和感を感じさせない力があるのは一体何なのだろうか。それは本作がとにかく簡潔であるからだ。無駄なものなどすべて根こそぎ削り取られ、そこには出来事のみが集約されている。彼がカメラを向けた瞬間にそれはさも現実的であるかのように立ち上がり、出来事が起こり、フィルムに定着し、映画と成り、そしてそれは「あったこと」となってしまう。それは力強く、そして熱く、凛として感涙的な事実と成ってスクリーンに投影されるのだ。 それにしても最後の試合のシーンは凄い。選手たちの動きのみならず、審判が時計を確認して笛を吹き鳴らす瞬間までハイスピードで撮影している。更には選手たちがぶつかり合う音までもが間延びしているのだから凄い。ここまで間延びさせると逆に躍動感を失いそうなものだが、平然とそれを乗り越えて、心震え上がるようなシーンに仕上げてしまう手腕にはやはりただ驚愕するばかりだった。 【すぺるま】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-02-22 23:53:57) (良:3票) |
21.どんでん返しはなくハラハラした展開が無いが、そこは実話なので致し方ないか。イーストウッド監督の作品特有の気品がある映像は良かった。 【kaaaz】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-02-20 23:45:55) |
【アスモデウス】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-02-20 22:11:40) |
《改行表示》19.《ネタバレ》 マンデラさんの偉大さは十分に伝わってくる。 しかし、ラグビーチームの面々の描かれ方が薄く、クライマックスにテンションが上がらなかった。 深刻な人種差別問題を提示することではなく、更にその先に眼がいっていて、人種差別の非道さを批判するだけでは何も解決しないという極めて寛大で前向きで実践的で、正当なメッセージである。 マンデラさんもさることながら、マット・デイモン演ずる主将も人格者すぎて、親近感が持てる部分がなかったことや、これといった困難や悲劇が描かれていないことが、僕個人の感動につながらなかったのかもしれない。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-02-19 10:16:07) |
18.《ネタバレ》 これを観るまで、ネルソン・マンデラについて知っていたのはノーベル平和賞を受賞したってことくらいで、具体的に彼がどういう人で何をした人なのか、ほとんど知りませんでした(ネルソンと聞いたらまずイギリスの提督が思い浮かぶので最初はトラファルガー海戦か何かの映画だと勘違いしてた有様……;)。本作でのネルソン・マンデラという人の、「敵を赦す」広すぎる心と、「白人と黒人がひとつになって」という信念のもとに南アを建て直そうとするまっすぐな姿勢には、心を打たれるを通り越して圧倒されました。刑務所でキャプテンがマンデラの幻影を見るという演出も彼の器のデカさを物語っている気がしました。逮捕されて収監されていた身だったのにもかかわらず、「赦す」とはっきり言えるマンデラは凄すぎます。そして、国中から叩かれていた弱小ラグビーチームが少しずつ強くなっていくのを通して黒人と白人の距離が縮まり、ついには彼らが一緒になってワールドカップ優勝を喜び合う、そのことがどれだけ価値のある素晴らしいことなのか、身をもって知りました。映画で泣いたのは久しぶりだ……。イーストウッド恐るべし。「みんながひとつになれたら」という思いは国でもスポーツでもきっと同じなんだとマンデラはわかっていたのかもしれません。これを書いている現在は冬季五輪の真っ最中ですが、本作でのワールドカップのように、世界中の人々が国や人種の壁を越えて、五輪の期間中だけでも、スポーツを通してひとつになれたらいいなあと思います。 【深々】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-02-18 17:48:38) |
17.スポーツものは動感を感動へ繋ぎやすい題材。わだかまりがある関係を繋ぐものは共通の目的。そんなモチーフを国家規模で見せてくれます。ベタな手法だけど、上手くまとめている。反目していた者たちが喜びを分かち合うシーンには胸が熱くなる。モーガン・フリーマンって、何気にネルソン・マンデラ氏に似ている。それはけっこう大事なことだったと思う。マット・デイモンは最近の他の映画で太ったなぁと思っていたんだが、この映画のためだったのかな。その体格的存在感も含めて好演でした。マンデラ氏の赦しの精神は、マット・デイモンがひとりで肉付けしたようなものでした。マンデラ大統領の時代に比べて、今の南アフリカはかなり荒んでいるようです。殺人事件と強姦の発生率が世界最悪で、国民の4人に1人がHIV感染者って異常です。今作のラグビーワールドカップが和解への契機になったように、今年のFIFAワールドカップが治安好転への契機になることを願います。監督の想いは、この国に再び世界の目が向くことにもあったように思います。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-02-18 01:32:26) (良:1票) |